カスタム・アフターパーツ | 2021.09.10
進化を遂げるヘッドライトの今と昔は何が違うのか徹底比較!人気車外メーカーはどこ?
Posted by KAKO MIRAI
車が誕生して間もない頃から、装備されていたヘッドライトは、今なお危険を防ぐ重要パーツとして装着されています。近年ではさまざまな革新技術が採用され、トレンドが目まぐるしく変化しているといってもよいでしょう。そんなヘッドライトがどのように進化してきたのか、詳しくご紹介していきましょう。
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ヘッドライトとは
ヘッドライトは、前照灯やヘッドライトとも呼ばれています。運転手はもちろんのこと、歩行者や対向車など外部からの視認性を高めるために設置されたものです。通常の走行はロービームで、やや下向きを照らしており約40m先までの視認性が確保されています。
またハイビームは夜間の対向車や前方に車がいなない場合などに使用するもので、正面を照らすもので、最低でも約100m先までの視認性が必要です。
ヘッドライトの歴史と種類
アセチレンランプ
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歴史をたどると、1908年に発売されたフォードTにはヘッドライトが装着されていました。それ以前は灯油を使用していましたが、石油やアセチレンガスを燃料とした「アセチレンランプ」が登場。炭酸カルシウムと水を反応させて発生するアセチレンを燃焼させるという簡単な構造のものでした。
そのため鉱山用のヘルメットに装着されることも多く、また手提げ式として活躍。しかしむき出しの火が露出した状態で使用されるため、危険が伴い次第に使用することが少なくなっていったのです。
白熱球ライト
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車に発電機が搭載されるようになるとアセチレンライトに変わって登場したのは白熱球です。家庭で使用されている白熱球と同じ構造で、光を反射板で前方に飛ばしていました。この白熱球は長い間、ヘッドライトとして使用されることになります。
その後、さまざまな電気式のヘッドライトが開発されるものの、寿命が短いものや外から操作をしなければならないものなど、なかなか普及には時間を要したようです。1927年にはキャデラックから足で操作を行うものが登場し、標準となっていきました。
シールドビーム式
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丸いヘッドランプを代表するシールドビーム式は白熱電球が大きくなった形状です。光源を効率よく反射することができるため、主流となっていきます。バルブとレンズが一体型となった電球は、フィラメントのみを交換することができず丸ごと交換する必要がありました。
1984年の北米では、シールドビーム式のヘッドライトで統一規格されており、どこに行ってもすぐに交換できるように義務付けられていたようです。しかし丸い形のみのデザインは、どの車も同じ顔に見えてしまうという制約を受けることにつながっていました。
シールドビーム式の同じ顔に見えるデザインを打破したのがリトラクタブル式ヘッドライト、通称リトラです。現在でも多くのファンを持つリトラは、スポーツカーに採用されることが多いものでした。
ヘッドライトをボディに格納し点灯時に出現する構造に魅了されたものです。燃費向上のため空気抵抗となる形状や、事故の際に突起物となる危険性があることから、姿を消すことになってしまいました。
ハロゲンランプ
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レース車両やラリーカーにしか採用されていなかったハロゲンランプが1980年代に入ると、一般車に広く普及していきます。白熱電球と同様の造りとなっており、糸状の金属で作られたフィラメントに電気を流し、発生する熱で光を放出しています。
大きな違いとしてはフィラメントを取り巻く内部には不活性ガスとハロゲンガスが含まれていて、電球に通電すると黄色がかった暖かな光が特徴です。光量としても十分な明るさがあり、また低コストで製造することが可能なため、現在でも純正ヘッドライトとして使用されています。
照射のメカニズムとしては、電球で作られた光を後ろに設置したリフレクターに当てて前方に光を飛ばすというものです。フィラメントの切り替えによって、1つのバルブでロービームとハイビームの切り替えを行っています。
もう一つの大きな特徴には、ハロゲンランプは暖房器具にも使用されるほどの高熱を発生させることが挙げられるでしょう。この性質は、雪道などでヘッドライトに付着して凍り付く雪を溶かすメリットとして重宝されるものでもあります。
標準採用ヘッドライト(1時間当たりの消費電力)
ロービーム…55W
ハイビーム…60W
耐久性…約1,000時間
HID
2000年に入るとHIDが登場してきました。HIDは「ディスチャージャーランプ(High Intensity Discharge)」やキセノンランプとも呼ばれるもの。フィラメントを熱源としたものではなく、「アーク放電」によって光源を得る仕組みです。
つまり家庭で使用されている蛍光灯と同じ原理を用いています。二つの電極に高電圧パルスを加えることで、内部に封入したキセノンガスを発光。そのためHIDは暖色ではなく、青白い光が特徴的です。
照射のメカニズムとしてはたくさんのリフレクターで光を反射させます。集めた光は凸レンズによって反射させるプロジェクターから照射するタイプのものと、凸レンズを使用せず、汎用品で代用したタイプのものがあるようです。
ハロゲンランプよりも明るく、耐久性もあります。また消費電力が少ないことが魅力となりました。また遠方まで照射することが可能になり、夜間時には運転がしやすくなるメリットもあります。
しかしデメリットとして挙げられているのは、点灯に時間がかかること。ハロゲンランプのようにすぐに点灯することができません。つまりハイビームへの切り替えができないことになります。
そのためにロービームはハロゲンを使用し、ハイビームはHIDを組み合わせて使用することが一般的です。そのほかにはバルブの後ろに設置されている反射板の角度を変化させてハイビームに使用するという方法もあります。
また青い光は雨や霧が発生した時には視界が悪くなることや、雪によるヘッドライトの凍結といったことも挙げられるでしょう。
標準採用ヘッドライト(1時間当たりの消費電力)
ロービーム…35W
耐久性…約2,500時間
LED
2007年にレクサス LS600hに世界初採用となったことを皮切りに、高級車に採用が実現していき、現在では軽自動車にまで広く採用されています。さまざまな製品に広く使用され始めていたLEDですが、光源量として遠くまで届けることが難しかったことから、自動車業界では採用が遅れていました。
それを解決したのは『小糸製作所』です。光源として5種類を設定し、遠距離、中距離、近距離、ワイド照射を実現しています。LEDの発行原理は今までの発光原理とは、全く異なるものでした。
LEDはLight Emitting Diodeのことで「光を発するダイオード」の意味があります。電流を流すと発光する半導体の「高輝度発光ダイオード」を光源とするものです。照射のメカニズムはとても複雑になっています。
1個だけでは光源とする光量はとても低く、複数の光源が必要です。プロジェクターを使用する構造はHIDと同様ですが、照射特性が違うプロジェクターを用いることで、光源量を増加することに成功しています。
良く知られているように、LEDは消費電力を抑えることが大きな特徴です。そのため、ハイブリッドをはじめEVなどの消費電力を抑えたい車にはとても効果が高いものとなっています。
HIDのように点灯するまでに時間を要することもありません。最新のLEDでは十分な明るさも保たれており、使用に不安を感じることはないでしょう。コンパクトなサイズで設置することができるため、スタイルを自由に設計することができるのは、幅が広がり嬉しいものです。
標準採用ヘッドライト(1時間当たりの消費電力)
ロービーム…25~30W
耐久性…約3,700時間
レーザーヘッドランプ
Gabriel Nica / Shutterstock.com
2015年にアウディとBMWで一部オプション設定としてレーザーライトが採用されました。通常の光というのは四方八方に広がる性質を持っていますが、レーザーは広がることなくまっすぐに遠くまで照射することが可能です。
例えばBMWでは、LEDのハイビームでは約300mの照射ができますが、レーザーではその倍の600m先まで照射を可能にしています。また通常の光はいくつかの色が混ざっていることに対してレーザーは単色性といわれる一色のみ。
レーザーは「究極の点光源」と呼ばれており、一部の高級車にしか採用されていないものですが、今後はさらに広がっていくものといえるでしょう。
社外メーカー
一部の車種ではセダンやスポーツカーを代表に人気の車種では車外製のヘッドライトも販売されています。
元々の車種ではLEDの設定が無い車種でもヘッドライトを社外製のものに交換する事によってラグジュアリーに変身させることが可能です。
ここではヘッドランプやテープランプなどを販売している専門店を紹介致します。
78WORKS(ナナハチワークス)
https://www.78-works.jp
78WORKSは国産のスポーツカーとセダンの2ジャンルを中心に展開しているランプパーツ専門店です。
流れるウインカーやファイバーLEDなどカプラーオンで純正交換できる為、気軽に愛車のイメージをチェンジできる個性的なデザインが特徴です。
VALENTI (ヴァレンティ)
https://valentijapan.com
日本を代表するラグジュアリー系のカスタムパーツを展開しているのがVALENTI (ヴァレンティ)です。
ヘッドランプの他、バルブやランプパーツ以外にもインテリアパーツなど車のドレスアップにぴったりなアクセサリーをラインナップしています。
まとめ
車が誕生して、間もない頃から搭載されていたパーツのひとつにヘッドライトがあります。車の進化と共に、ヘッドライトも同様に進化を遂げてきたことが良くわかっていただけたのではないでしょうか。
夜間の視認性を確保することは、危険を回避する手立てのひとつです。そして、今後もどんどん開発が進むことが期待されるパーツでもあります。社外メーカーもそれぞれに期待できる魅力的な商品を手掛けているようです。今後の開発に期待していきましょう。
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