引用:TTTNIS

旧車・絶版車購入ガイド | 2021.05.11

生産期間45年!高級セダン市場でクラウンと覇権を争った日産「グロリア」とは!?

Posted by 菅野 直人

かつてトヨタ「クラウン」と大型高級セダンの覇権を争ったのが日産「セドリック」と「グロリア」です。グロリアはセドリックより歴史の古い車で初代モデルは当時のプリンス自動車から1959年に誕生しました。その後、代を重ねつつ2004年まで45年間も販売されました。2020年3月現在における中古車市場での状況を紹介します。

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以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

日産「グロリア」とは

1959年、後に日産自動車に吸収合併されるプリンス自動車において、1台の高級セダンがデビューします。1957年に先行登場していた「ALSI型スカイライン」へ1.9リッターエンジンを搭載した3ナンバーセダン(当時は1.5リッター以下が5ナンバー車)、それが「BLSIP型グロリア」です。

1966年、プリンスが日産に合併されて以降は日産「グロリア」となり、「230型グロリア」(1971年発売)以降は日産が従来から販売していた大型高級セダン「セドリック」の兄弟車となり、引き続き旧プリンス系のディーラーで販売されていきます。

プリンス時代から最大のライバルはトヨタ「クラウン」で、グロリアも5ナンバー規格フルサイズボディへ同規格上限の2.0リッター直列6気筒エンジンを搭載するのが標準で、4ドアセダンのほか4ドアハードトップ、2ドアハードトップ、ライトバンやステーションワゴンと多彩なボディや、3ナンバー登録となる大排気量グレードが存在していたのもクラウンやセドリックと同様でした。

1979年には日本初のターボエンジンを搭載しますが、この頃から「高級感のクラウン、走りのセドリック/グロリア」というイメージの差が少しずつ表面化していたように思えます。

大きな転機となったのは「Y30型グロリア」(1987年発売)へ設定された「グランツーリスモ」グレードで、ターボエンジンによる豪快な走りは当時人気だった日産の超高級スポーツサルーン「シーマ」譲りでした。

「Y32型グロリア」(1991年発売)以降はスポーティ仕様「グランツーリスモ」とラグジュアリー仕様「ブロアム」2系統に分かれ、丸目4灯式ヘッドライトでブロアムと明確なデザイン違いとなったグランツーリスモは、大型スポーツセダンとして大人気になりました。

それでも総合的な販売台数ではクラウン一族に敵わず、1999年に発売された「Y34型グロリア」が最後となりましたが、このY34型ではブロアムが「セドリック」のみ、グランツーリスモが「グロリア」のみと兄弟車でもそれぞれキャラクターが明確化され、グロリアはプリンス系らしいスポーツセダン路線でしたが2004年10月をもって販売終了を迎えました。

ライバルのクラウンより「チョイ悪」路線で人気があってVIPカーなどカスタムカーの安価なベース車としても人気がありましたが、販売終了から15年以上経った2020年3月現在ではさすがに中古車市場でも台数がかなり減っており、昭和時代の古いグロリアはもちろん、Y31型グロリアグランツーリスモなどもヒストリックカー的なプレミア価格がつき始めてきました。

日産「グロリア」の中古車相場

大手中古車検索サイトによると2020年3月現在、グロリアの中古車相場は以下の通りです(※4ドアセダン/ハードトップのみ)。

【初代LSI/S3型(1959-1962)】

流通なし

【2代目S40型(1962-1967)】

79万円~550万円:4台・ASK(価格応談):2台

【3代目A30型(1967-1971)】

127万円~198万円:7台

【4代目230型(1971-1975)】

218万円~340万円:2台・ASK:1台

【5代目330型(1975-1979)】

125万円~268万円:5台

【6代目430型(1979-1983)】

85万円~210万円:8台

【7代目Y30型(1983-1987)】※バン/ワゴンは1999年まで継続販売

48万円~235万円:15台・ASK:2台

【8代目Y31型(1987-1991)】※セダンは1999年まで販売継続

(グランツーリスモ)38万円~189万円:8台
(ブロアムその他)24万円~187万円:16台・ASK:2台

【9代目Y32型(1991-1995)】※この代より3ナンバーボディ4ドアハードトップのみ

(グランツーリスモ)34.9万円~68万円・9台
(ブロアム/クラシック)32万円~59.8万円・3台

【10代目Y33型(1995-1999)】

(グランツーリスモ)17.8万円~165万円:27台※うち1台オーテック仕様コンバーチブル
(ブロアム)10万円~86.9万円:8台

【11代目Y34型(1999-2004)】※この代はグランツーリスモのみ

13万円~130.9万円:56台・ASK:1台

ヒストリックカーの領域となる430型グロリア以前はともかく、現実的な選択肢となるY30型グロリア以降でタマ数も増えてきますが、それでも15年ほど前までは普通に量販されていた高級セダンとしてはかなり現存台数が少なく、Y30型グロリアから最後のY34型グロリアまで含めても150台に至りません。ほとんどはVIPカー需要でカスタムベースとなったか、セダンの販売が極端に不振となった1990年代半ば以降に廃車となるか海外へ放出されたものと思われます。

今からあえて日産「グロリア」を買うならグランツーリスモに限らずターボ車

グランツーリスモ系グレードのグロリアが狙いならもっとも直球的ですし、最終のY34型ではセドリックがブロアム、グロリアがグランツーリスモと明確に分けられたので、必然的にグランツーリスモを選ぶことになります。

中には人気の丸目4灯ヘッドライトがいいのだというY32/Y33ファンの方もいるでしょうし、元祖グランツーリスモのY31がいいというファンもいるかと思いますが、新車販売当時から人気だったがゆえに流通台数はあまりに少ないため、そうしたユーザー向けには「ブロアムのターボ車など、いかがでしょう?」と、あえてオススメさせていただきます。

初代シーマやY30型セドリック/グロリアなど「高級セダンなのにターボエンジンで豪快な加速」という日産の高級セダンに憧れた人は当時かなり多かったものですが、直球でグランツーリスモを探す選択肢だけではなく、ブロアムでも速いターボ車があったのが日産車だ!と自慢してみるのもアリではないでしょうか。

日産「グロリア」の中古車選びの注意点

VIPカーブームで多くのオーナーに改造を受けたグロリアではありますが、そうした車は中古車市場でも流通台数が少なく、フルエアロ、ローダウン程度なら内外装の見た目が良好であれば、ある程度は「売り物になる」と判断されて店頭にあると考えてもよいでしょう。

問題は程度良好であれ、1~2オーナー程度であれ根本的に古い車だということで、現在も改良を受けつつ搭載車が存在するVQ型エンジン、あるいは比較的新しいRB型エンジンを搭載したY33型グロリアやY34型グロリアならばともかく、それ以前のVG型エンジンやL型エンジンなどを搭載した車はエンジンやミッションに問題が生じた時、部品が見つかるかどうかわかりません。

そうした車でも平気で扱えるショップと付き合いがあるか、自身に十分な知識があり資金面でも問題のない方を除けばY32以前のグロリアは最初から選択肢に含めるべきではないと考えます。

その上でY33型グロリアかY34型グロリアの中から実際にその目で見て内外装の傷がない、もしくは少なくて装備も日常的な使用に支障がない範囲で動作する程度良好車を見つけて購入するのが、もっともリスクの少ない中古車選びです。

日産「グロリア」の中古車維持費目安

比較的新しいY33以降と仮定しての話ですが、それでも生産終了から15年以上が経過し、特にY33型グロリアは車齢20年超となりますから、どれほど頑丈で高品質になった1990年代半ば以降の国産車とはいえ、そろそろ各種センサー類やポンプ類の劣化などが目立ち始める年式です。

しかも中古車流通台数が少ないということは、リビルト品や中古部品が枯渇した時の最後の頼み、部品取り車すらも少ないことを意味しますから、予想外の故障が起きてしばらく乗れない場合もありえると考えて、ある程度の保守予算以外にセカンドカーなどつなぎの車の予算も考慮しておくべきと考えましょう。

それを踏まえた上で、まず全て新規登録から13年以上が経過しているため重加算税対象となる自動車税は、Y33まで存在した2.0リッター車なら総排気量1.5リッター超2.0リッター以下で45,400円になります。2.5リッター車なら総排気量2.0リッター超2.5リッター以下で51,700円、3.0リッター車なら総排気量2.5リッター超3.0リッター以下で66,700円となります。

実燃費はいわゆるエコカー普及前の車なので、排気量やターボチャージャーの有無、FR車か4WDにもよりますが、平均するとせいぜい7km/L程度のようで、2020年3月現在のハイオクガソリン平均価格が約154円程度、仮に月1,000km走るなら月22,000円程度のガソリン代がかかり、年間のガソリン代約26.5万円に自動車税を合わせると、約31~33万円程度がグロリアにおける最低年間維持費の目安です。

その他ユーザーの環境次第で変わってくる購入後の駐車場代やタイヤ代、車検代や整備代、任意保険代などは各自計算してみてください。

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