買取相場 | 2019.11.11
積載性が高く使い勝手が良いプリウスα、ワゴンタイプとしては残価率は大健闘?
Posted by 菅野 直人
トヨタを代表するハイブリットカー、プリウスの2列シートステーションワゴン/3列シートミニバン仕様がプリウスα(アルファ)。3代目30系プリウスをベースとして2011年5月に発売、4代目50系プリウス登場後はモデル廃止が噂されつつ、2019年10月現在も継続販売されています。そんなプリウスαは買取市場でどのような評価を受けているのでしょうか?
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
プリウスαの中古市場での人気について
2011年5月に発売されたプリウスαは、3代目まで5人乗りセダン(2代目以降は4ドアハッチバックセダン)だったプリウスに、多人数乗車や積載性の強化といった使い勝手の良さを与えつつ、プリウスの一族であることがひと目でわかるデザインが採用されているのが最大の特長です。
30系プリウスをベースにホイールベースや前後輪トレッドを拡大して、ラゲッジ容量と3列目シートスペースを確保するとともに、プリウス以上の車重や積載重量、乗員の体重に耐えるように設計がリファインされ、そのうえで2列シートステーションワゴン仕様と3列シートミニバン仕様が設定されました。
2列シート仕様はバッテリーに30系プリウス同様のニッケル水素を使用しましたが、3列シート使用は3列目スペース確保のためバッテリースペースを荷室前方下部からセンターコンソール下部へ移動するとともに、トヨタの量販車で初めてリチウムイオン電池を採用。
中古車市場では43.9万円~335.5万円、G’sやGRスポーツといった純正コンプリートカーやカスタムカーを除けば、高くとも284万円で販売されている点にもバリューを感じるところ。ステーションワゴンや天井が低いロールーフミニバンといった、今では売れ筋から外れているスタイルではありますが、プリウス系のハイブリッドカーという信頼性からか、中古車価格もそこそこ値崩れせずに保っているといえるでしょう。
買取査定額が期待できるプリウスαのグレード
プリウスαのグレード構成は基本的に標準版の「S」と装備充実版の「G」、さらにそれぞれに上級オプションパッケージを装着した「ツーリングセレクション」が設定され、「S」にはほかに装備を簡略化した「Lセレクション」と、スポーティなGazooレーシング仕様コンプリートカー「GRスポーツ」も用意されています。初期だと7人乗りは「G」系のみでしたが、後に「S」系にも設定。
高価買取傾向があるのは装備充実版のG系、およびコスパ高いSでも黒基調の内装色をほどこした特別仕様車「S チューンブラック」系。さらに低年式でも値落ちしにくいのは「Gツーリングセレクション」、および樹脂パノラマルーフを持つ初期の7人乗り仕様「Gツーリングセレクション・スカイライトパッケージ」です。
買取査定額が期待できるプリウスαのカラー
積載性(5人乗り)またはいざという時の乗車性能(7人乗り)に優れたファミリーカー、あるいは事業用車両として使われることが多いだけあり、高価買取上位のボディカラーはほとんどが白系(パールなど)や黒系です。
赤やグレー、青なども時折みられますが、もともと白黒カラーが主流のトラッドなモデルでもあり、多数派ではありません。
1年落ちプリウスαの目安査定額
1年落ち2018年式プリウスαは、2017年12月の改良で先進の安全運転支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車標準装備するとともに、従来の「G’s」に相当するGazooレーシングプロデュースのスポーティコンプリートモデル「Sツーリングセレクション・GRスポーツ」が設定されたモデル。
オプション込みでおおよその新車価格と2019年10月現在での平均買取相場は以下となります。
●S Lセレクション(5人乗り):新車283万円/買取実績なし
●S(5人乗り/7人乗り):新車310万円/買取価格138万円程度
●S チューンブラックII(5人乗り/7人乗り):新車317万円/買取価格179万円程度
●Sツーリングセレクション(5人乗り/7人乗り):新車371万円/買取価格168万円程度
●G(5人乗り/7人乗り):新車347万円/買取価格180万円程度
●Gツーリングセレクション(5人乗り/7人乗り):新車370万円/買取価格175万円程度
●Sツーリングセレクション・GRスポーツ(5人乗り/7人乗り):新車380万円/買取実績なし
5年落ちプリウスαの目安査定額
5年落ち2014年式プリウスαは2013年8月の改良で特別仕様車を含む5人乗り全車へAC100V・1500W電源のアクセサリーコンセントをオプション設定、黒基調の内外装を施した特別仕様車「チューンブラック」がSおよびGに設定されたモデルです。2014年11月には消費税8%増税での価格上昇があり、同年11月には内外装変更や安全装備充実を図ったマイナーチェンジが行われました。
オプション込みでおおよその新車価格と2019年10月現在での平均買取相場は以下の通り。
●S Lセレクション(5人乗り):新車265万円/買取価格34万円程度
●S(5人乗り/7人乗り):新車293万円/買取価格83万円程度
●S チューンブラック(5人乗り/7人乗り):新車293万円/買取価格83万円程度
●Sツーリングセレクション(5人乗り/7人乗り):新車327万円/買取価格94万円程度
●G(5人乗り/7人乗り):新車329万円/買取価格102万円程度
●G チューンブラック(5人乗り/7人乗り):新車328万円/買取価格77万円程度
●Gツーリングセレクション(5人乗り/7人乗り):新車351万円/買取価格113万円程度
8年落ちプリウスαの目安査定額
8年落ち2011年式プリウスαは2011年5月に新型車として発売されて間もない時期。3列シート7人乗り仕様はまだ標準設定されておらず、GおよびGツーリングセレクション・スカイライトパッケージにしか設定がなかった時期です。
オプション込みでおおよその新車価格と2019年10月現在での平均買取相場は次の通り。
●S Lセレクション(5人乗り):新車259万円/買取価格40万円程度
●S(5人乗り):新車275万円/買取価格50万円程度
●Sツーリングセレクション(5人乗り):新車308万円/買取価格62万円程度
●G(5人乗り/7人乗り):新車319万円/買取価格48万円程度
●Gツーリングセレクション(5人乗り/7人乗り):新車330万円/買取価格57万円程度
●Gツーリングセレクション・スカイライトパッケージ(7人乗り):新車364万円/買取価格68万円程度
事故車・修復歴ありのプリウスαの場合は?
プリウスαの事故車買取価格は、程度や年式、走行距離にもよりますがおおむね8~26万円程度、平均すると14万円程度で買い取られており、通常の買取相場平均(全年式平均で102万円程度)の1~3割程度にとどまります。
プリウスαの残価率・リセールバリューは?
かつて人気を誇った2列シート5人乗りステーションワゴン、3列シート7人乗りロールーフミニバンというジャンルは2019年10月現在では需要が少なくなっていますが、その割にはプリウスαのリセールバリューはまずまずと言えるかもしれません。1年落ち2018年式で平均残価率44~56%(全グレード平均49%)、平均買取価格138~180万円(同、168万円)と、残価率50%前後を維持している点は大健闘。
5年落ち2014年式の時点でも平均残価率13~31%(全グレード平均26%)、平均買取価格34~113万円(同、83万円)と、最廉価グレードを除けば5年落ちとしては比較的高値推移と言ってよく、8年落ち2011年式は平均残価率15~20%(全グレード平均17%)、平均買取価格40~68万円(同、54万円)と、低年式初期モデルにも関わらず残価率はかなり維持されていると考えていいでしょう。
信頼性の高いプリウス・ブランドで使い勝手に優れたモデルとして高い評価を得ているだけあって、程度や走行距離によっては、初期型ユーザーでも100万円オーバーなど、思わぬ高価買取が提示されることもあり得ます。
もちろん、用途によっては走行距離が伸びて使用感ある状態ということになって30~50万程度の提示にとどまる場合もあるでしょうが、プリウス派生モデルでもなければもっと安価で買い取られると思えば、納得の数字と思われます。