引用:Tokumeigakarinoaoshima

旧車・絶版車購入ガイド | 2020.05.18

唯一無二の軽オープンFRスポーツ スズキ「カプチーノ」の実力は!?

Posted by 菅野 直人

FRオープンスポーツといえば「これぞスポーツカー!」ですが、中でも日本最小の量産FRオープンスポーツとして有名なのが1991年から1998年まで販売されていたスズキ「カプチーノ」です。当時の軽スポーツABCトリオの“AB”がMRを採用する中、“C”はFRでした。660cc旧規格の最後まで生産されていただけあり、中古車市場でもタマ数は豊富です

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以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

スズキ「カプチーノ」とは

1980年代に入って本格的に小型乗用車へ参入、軽自動車メーカーのイメージから脱却を図り始めていたスズキでは、東京モーターショーへいくつかの魅力的な小型スポーツカーを出展してきました。

最終発展形はやはり軽規格のスポーツカーへと落ち着き、1989年に行われた「第28回 東京モーターショー」で「カプチーノ」として発表され、その時点では市販予定まではなかったものの、当時の鈴木修社長が「発売します」と断言して開発陣は仰天、急遽市販仕様を整え、1990年1月に軽自動車の排気量が660ccへ上がって以降の1991年10月に発売された、というエピソードが残っています。

ロングノーズ・ショートデッキの古典的FR(フロントエンジンリアドライブ)スポーツカースタイルでリアハッチなどなく独立トランクを持ち、3ピース構成のルーフはクローズド状態のほかにパーツを外してトランクへ収納することで、Tバールーフ、タルガトップ、フルオープンと4つの形態を実現可能なオープン2シータースポーツカーとなりました。

サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン独立懸架でブレーキも4輪ディスクかつフロントはベンチレーテッドディスク、もちろんオプションでトルセンLSDなども装備可能とFRスポーツの常道どころか、かなり贅沢な作りでしたが、それを軽自動車規格内で実現していたところが最大の特徴です。

パワーユニットは660㏄直列3気筒ガソリンターボエンジン「F6A」でもちろん自主規制値いっぱいの64馬力。700kgの車重に対してスペック面では十分とまで言い難かったものの、ターボチャージャーの恩恵による大トルクで走行性能は十分でしたし、F6Aはスズキスポーツのキットを組みこむことで90馬力を超え、フルチューンすると180馬力も狙える程のポテンシャルがありました。

バブル時代に開発された他の軽スポーツABCトリオ(オートザム「AZ-1」、ホンダ「ビート」、カプチーノ)のうちAZ-1とビートがFF(フロントエンジンフロントドライブ)車用のパワーユニットを乗員後方に搭載したMR(ミッドシップエンジンリアドライブ)だったため、車体の挙動がシビアで乗り手を選んだのに対し、本格FRだったカプチーノは多くのドライバーを受け入れる懐の深さもあったと言われます。

1995年5月のマイナーチェンジ(EA21R型)でエンジンは新型のオールアルミエンジン「K6A」に更新され、3速ATも設定されたものの、評価が高いのはそれ以前のF6A搭載型(EA11R型)で、チューニングパーツも豊富です。

早期に販売終了したライバル車と異なり、1998年10月に軽自動車規格が現在まで続く新規格へ更新されるまで販売は続けられており、中古車市場でも比較的タマ数は豊富となっています。

スズキ「カプチーノ」の中古車相場

大手中古車検索サイトによると2020年4月現在、カプチーノの中古車相場は以下の通りです。

【EA11R(1991.10-1995.5)】

5速MT修復歴なし:27万円~220万円・76台・ASK:2台
5速MT修復歴あり:29.8万円~140万円・59台・ASK:1台

【EA21R(1995.5-1998.10)】

5速MT修復歴なし:59.8万円~157.3万円・22台
5速MT修復歴あり:38万円~105万円・14台
3速AT修復歴なし:35万円~139.8万円・16台
3速AT修復歴あり:39万円~79万円・6台

タマ数そのものは193台と古い趣味車の割にかなり多いのですが、うち4割以上の80台が修復歴あり(モノコックの修理を要する損傷歴あり)となると、安易に手を出すのは考え物です。

ただ、人気のEA11Rで修復歴なし・走行距離5万km以内・車両本体価格100万円以内とふるいにかけても54台ほど残りましたし、そう苦労して探し回らなくとも、大事に使われていたりオールペンされていたりと、目当ての程度のよい車は案外すぐ見つかるかもしれません。

スズキ「カプチーノ」のような車は「何をしたいか」で決めよう!

ファミリーカーやデートカーなら旧オーナーの個性を極力残さない、できれば新車のコンディションを保った車が求められるところですが、カプチーノのように実用性はそこそこで、ほぼ趣味に振ったような車はワンオーナーフルノーマル車であればよいというものでもありません。

既に廃盤となった社外品のチューニングパーツやエアロが組まれていれば、むしろ「当たり」の可能性もありますし、モータースポーツやサーキット走行会など積極的に走りを楽しむ用途であれば、ロールバーや追加メーター、車高調が最初から組まれている方が楽でしょう。

もちろんオープンカーとしてのカプチーノに惚れ込み、時にはフルオープンでゆっくり流したいならEA21Rに設定のあるAT車をオススメしますし、「今までどう使われてきたか」でオススメされるより、「これからどう使いたいか」を自分自身でしっかり考えた上で、求める車を選ぶのがよいと思います。

スズキ「カプチーノ」の中古車選びの注意点

20年以上前に作られたスポーツカーですから、エンジンやラジエーターなど各種補機類、サスペンション、ブッシュなどゴム部品、各種ベアリング類のヘタリは当たり前で、車両本体価格が安いから後で金がかかる、高いので大丈夫というものでもありません。

むしろそのあたりは次の車検まで何も問題が起きなければ御の字、実際は交換やオーバーホール前提と心得て、時間かお金をかけて良い状態にしていくのもこの種の車の楽しみと思わねば、付き合っていけるものではありません。

どうしても確認しておかねばならないのはモノコックで、これが軽度のサビ程度ならともかくアチコチが朽ちて消失、あるいは修理痕があるようだと、目に見えてどうかはともかく、普段から少々まっすぐ走らないケースも出てきます。

通勤や買い物等、街乗りで流す程度なら問題ありませんが、スポーツ走行でガンガン近い倒すならそうもいきませんので、極力モノコックの痛みが少ないものを選びましょう。

また、幌やワンピースタイプのハードトップ、あるいは分割式でも電動メタルトップの車などと違い、樹脂製の分割脱着式ハードトップ車ですから、分割部からの雨漏りはあって当たり前、駐車場はできれば屋内保管で、無理な場合はボディカバーなど対策を事前に考えておくのが肝要で、中古車選び以前に保管場所選びが必要な場合もあります。

スズキ「カプチーノ」の中古車維持費目安

スズキの縦置きエンジンFR軽自動車ということで、軽商用車の「キャリイ/エブリイ」や軽オフローダーの「ジムニー」とはエンジンやパワートレーンで親和性があり、ポン付けできるかどうかはともかく部品の流用がきく部分もあります。

何しろ似たような構成のケータハム「セブン160」という輸入軽スポーツカーが在庫限りとはいえ未だに購入できるくらいですから、それなりにカプチーノに詳しいお店やヨロズ屋的にあらゆる車をこなすお店とのツテがあれば、維持そのものは金額や手間の面でもそう困ることはなく、中古購入後のトラブルシュートで数十万円程度の予算を用意しておけば、まず大丈夫でしょう。

基本的な維持費は、全て新規登録から13年以上たっているため軽自動車税に重加算税がかかり1万2900円。実燃費はEA11RでもEA21Rでも平均して16km/L前後、使用するレギュラーガソリンの2020年4月21日現在の平均価格がリッター当たり約127円程度として、仮に月1,000km走るなら月8,000円程度のガソリン代がかかり、年間のガソリン代が約9.5万円に軽自動車税を合わせ、約11万円程度が最低年間維持費の目安となりそうです。

オープンスポーツという事も考え駐車場やセキュリティなど保管環境には相応の気を使いつつ、その他ユーザーの環境次第で変わってくる購入後の駐車場代やタイヤ代、車検代や整備代、任意保険代などは各自計算してみてください。

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