買取相場 | 2022.06.24
燃費の良さとリーズナブルさが売りのダイハツ・ミライース。査定市場での評価は?
Posted by 宮川 丈
ミライースは2009年に開催された東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「イース」をベースに2011年に発売されました。軽量化による燃費改善をめざし、10・15モード燃費で30km/Lの低燃費を実現しました。2017年にはフルモデルチェンジを行っており、トヨタの子会社らしいかっこいいデザインへと一新しました。軽量、低燃費、低価格が売りのミライースの中古市場について詳しく見ていきましょう。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
ミライースの中古市場の人気について
発売から8年が経っているミライースは中古市場に出回っている台数も増えてきています。台数の増加に伴って車体価格の幅も大きく開き上手くいけば条件に合った車体が予算内で手に入るような時期になってきています。その点もあり中古市場での人気も高まりつつある車種です。
買取査定額が期待できるミライースの人気グレード
ミライースのグレードは大まかにB L X Gの4つがありBとLにはうしろにSA Ⅲという名前がつくスマートアシストⅢが装備されたモデルがあります。XとGは無条件でスマートアシストⅢ(SA Ⅲ)が付いてきます。なかでも燃費の良い2WDモデルで価格帯や装備バランスの取れたX SA Ⅲグレードが人気です。
買取査定額が期待できるミライースの人気カラー
ミライースの人気カラーはスカイブルーメタリック・ホワイト・ブライトシルバーメタリックの3色です。白、銀とシンプルなカラーの人気が高い理由の一つとしてミライースは商用車としてビジネスシーンで多く活用されることが要因と言えます。他の鮮やかなボディカラーに関しても商用車っぽく見られたくないユーザーが多くその中でもスカイブルーメタリックが人気ということです。
1年落ちミライース(2021年式)の目安査定額
ミライースの1年落ち2021年式モデルは、2017年5月のフルモデルチェンジで現行(2代目)となってから大規模な変更は受けておらず、2021年10月に特別仕様車「L SAIII 10thアニバーサリーエディション」が追加されるなど、安価な軽ベーシックモデルとして地道に販売を続けています。
買取相場においても、SUVやトールワゴン、スーパーハイトワゴン、ミニバンといった定番人気車種ほど買取価格の高騰は見られないものの、2年前の1年落ち車(2019年式)に比べて微増した程度です。
ただし、今後は長引いた新型コロナウイルス禍と、ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2月)の影響を受けた不穏な世界情勢によりインフレが進行、部品生産ネットワークや流通網の混乱による生産遅延といったネガティブ要素が多く、ミライースのように価格も維持費も安いクルマに需要が出てくると、むしろ今後は相場が上がる可能性もあります。
「オプション込みでおおよその新車価格」と、2022年6月現在での平均買取相場は以下。
B | 新車102万円/買取実績なし |
B SAIII | 新車109万円/買取実績なし |
L | 新車106万円/買取価格47万円程度 |
L SAIII | 新車113万円/買取価格56万円程度 |
L SAIII 10thアニバーサリーエディション | 新車114万円/買取実績なし |
X SAIII | 新車128万円/買取価格54万円程度 |
X リミテッドSAIII | 新車130万円/買取価格62万円程度 |
G SAIII | 新車142万円/買取実績なし |
G リミテッドSAIII | 新車144万円/買取価格76万円程度 |
平均買取価格 | 約59万円 |
平均残価率 | 約47% |
3年落ちミライースの目安査定額
3年落ち2019年式ミライースは、2017年5月にモデルチェンジした現行モデル(2代目)で、2018年8月に純正ナビ装着用アップグレードアップを追加した特別仕様車「X リミテッドSAIII」と「G リミテッドSAIII」が発売されています。
また、2018年3月に車名の元となった軽コンパクトカー「ミラ」が販売終了したことにより、ダイハツ製FF&FFベース4WDの軽乗用車としてはもっとも安価なエントリーモデルとなりました。
オプション込みでのおおよその新車価格と、2022年6月現在での平均買取相場は以下の通りです。
B(FF/4WD) | 新車101万円/買取実績なし |
B SAIII(FF/4WD) | 新車108万円/買取実績なし |
L(FF/4WD) | 新車104万円/買取価格39万円程度 |
L SAIII(FF/4WD) | 新車112万円/買取価格51万円程度 |
X SAIII(FF/4WD) | 新車127万円/買取価格53万円程度 |
Xリミテッド SAIII(FF/4WD) | 新車129万円/買取価格56万円程度 |
G SAIII(FF/4WD) | 新車141万円/買取価格61万円程度 |
Gリミテッド SAIII(FF/4WD) | 新車143万円/買取価格64万円程度 |
平均買取価格 | 54万円程度 |
平均残価率 | 約43% |
7年落ちミライースの目安査定額
7年落ち2015年式ミライースは、2017年5月まで販売されていた先代モデル(初代)の後期型で、2014年7月の改良により型式こそ変わらないものの、エンジンや制御に大きく手が入り、効率アップでカタログスペックでの出力はややダウンしているものの、JC08モード燃費は33.4km/Lから35.2km/L(いずれもFF車)へと大きく向上しています。
オプション込みでのおおよその新車価格と2022年6月現在での平均買取相場は以下の通りです。
【FF車】
D | 新車85万円/買取価格9万円程度 |
L | 新車101万円/買取価格13万円程度 |
L SA | 新車107万円/買取価格18万円程度 |
LスマートセレクションSA | 新車108万円/買取価格13万円程度 |
X | 新車113万円/買取価格11万円程度 |
X SA | 新車119万円/買取価格16万円程度 |
X リミテッドSA | 新車113万円/買取価格19万円程度 |
XスマートセレクションSA | 新車120万円/買取価格26万円程度 |
X 35thアニバーサリーゴールドエディション SA | 新車114万円/買取実績なし |
G SA | 新車133万円/買取価格13万円程度 |
GスマートセレクションSA | 新車133万円/買取価格14万円程度 |
G 35thアニバーサリーゴールドエディション SA | 新車133万円/買取実績なし |
【4WD車】
L f | 新車112万円/買取価格28万円程度 |
L f SA | 新車118万円/買取実績なし |
L f スマートセレクションSA | 新車119万円/買取価格20万円程度 |
X f | 新車124万円/買取価格23万円程度 |
X f SA | 新車130万円/買取価格23万円程度 |
X f リミテッドSA | 新車129万円/買取実績なし |
X f スマートセレクションSA | 新車131万円/買取実績なし |
X f 35thアニバーサリーゴールドエディション SA | 新車130万円/買取実績なし |
G f SA | 新車145万円/買取価格14万円程度 |
G f スマートセレクションSA | 新車145万円/買取実績なし |
G f 35thアニバーサリーゴールドエディション SA | 新車149万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 17万円程度 |
平均残価率 | 約15% |
9年落ちミライースの目安査定額
9年落ち2013年式ミライースは、2011年9月から2017年5月まで販売されていた先代モデル(初代)で、2013年8月にエンジンや空力パーツ、駆動系、各部の制御に大幅な見直しが入って、JC08モード燃費が32.0km/Lから33.4km/L(いずれもFF車)へと向上しました。
センサーはレーザーレーダーのみの初歩的なシステムながら、衝突被害軽減ブレーキなど安全運転支援装備を組み込んだ「SA(スマートアシスト)」搭載グレードが追加されました。
オプション込みでのおおよその新車価格と2022年6月現在での平均買取相場は以下の通りです。
【FF車】
D | 新車85万円/買取価格10万円程度 |
L | 新車98万円/買取価格10万円程度 |
Lメモリアルエディション | 新車99万円/買取価格10万円程度 |
L SA | 新車103万円/買取価格12万円程度 |
X | 新車110万円/買取価格12万円程度 |
Xメモリアルエディション | 新車110万円/買取価格11万円程度 |
X SA | 新車116万円/買取価格13万円程度 |
G | 新車123万円/買取価格14万円程度 |
G SA | 新車130万円/買取価格14万円程度 |
【4WD車】
L f | 新車109万円/買取価格17万円程度 |
L fメモリアルエディション | 新車110万円/買取実績なし |
L f SA | 新車112万円/買取価格15万円程度 |
X f | 新車121万円/買取価格24万円程度 |
X fメモリアルエディション | 新車121万円/買取価格19万円程度 |
X f SA | 新車118万円/買取価格23万円程度 |
G f | 新車134万円/買取価格22万円程度 |
G f SA | 新車141万円/買取価格18万円程度 |
平均買取価格 | 15万円程度 |
平均残価率 | 約13% |
ミライースを高く売るためのポイント
スズキ・アルトとともに「足としてのゲタ車代表」ですから、現行モデルの最上級グレード「G SAIII」か売れ筋の「X SAIII」で1年落ち程度か走行距離5,000km未満、修復歴なしなど、好条件が揃ってこないとなかなか高く売れる車ではありません。
そのような好条件が揃った上で、内外装の傷がなく禁煙車、匂いがつくような使い方をせず洗車や清掃も隅々まで行って初めて、高価買取の可能性が出ると考えましょう。
ミライースの走行距離による値動きの変化
ミライース(初代&2代目)の2022年6月現在における走行距離ごとの買取相場を紹介します。
15万km台 | 5.0万円以下 |
14万km台 | 5.0万円以下 |
13万km台 | 5.0万円以下 |
12万km台 | 5.0万円以下 |
11万km台 | 5.9万円~5.9万円 |
10万km台 | 5.9万円~8.7万円 |
9万km台 | 5.9万円~9.6万円 |
8万km台 | 5.9万円~10.5万円 |
7万km台 | 5.9万円~21.6万円 |
6万km台 | 5.8万円~23.8万円 |
5万km台 | 5.7万円~31.2万円 |
4万km台 | 5.8万円~38.2万円 |
3万km台 | 6.3万円~54.7万円 |
2万km台 | 5.7万円~56.6万円 |
1万km台 | 6.8万円~64.5万円 |
「5.0万円以下」というのは「一応引き取ってはもらえるらしい(処分料は取られないらしい)」ということで、12万kmを超えた車も一応買取はしてもらえるようですが、値段がつけば御の字というレベルで、初代の初期型(11年落ち2011年式)ともなれば1万km台でもこのレベルの査定は珍しくありません。
2017年5月以降に販売されている現行の2代目でも20万円以上といくらか中古車買取価格らしくなってくるのは走行7万km台以下、つまり現行モデルでは年間走行距離2万5,000kmあたりがひとつの判断基準になりそうで、50万円を超えるとなると3万km台以下ですから、年間走行距離1万kmを超えれば新しくて程度がよくとも、高価買取は難しいと考えられます。
事故・修復歴のあるミライースの場合は?
セカンドカーや商用車で使われることが多い車両は、街乗りが多いことや普段乗りなれてないドライバーが運転する機会が比較的多いなど様々な要因から事故車が多いのも事実です。ミライースで修復歴を残してしますと修復歴が無い車に比べて大幅に査定額が落ちます。具体的には3年落ちの車両でもおよそ30万円〜37万円が目安になります。これが9年落ちになると査定額が付かない所謂ゼロ取りの車体も出てくることになります。
ミライースの残価率 リセールバリューは?
ミライースのリセールバリューは平均より少し下回る数値と言えます。3年落ちのミライースの残価率は50%前後で落ち着いています。新車購入時にオプションを付けていればその分残価率も下がっていきます。同じ計算で7年落ちを見てみると25%前後になります。9年落ちだと15%前後ということになります。ダイハツの一般保証が購入から3年または6万kmということを踏まえるとそれまでに手放すユーザーは少ないでしょう。ですがそれ以降の査定額が正直期待できない車種なので、やはり長く所有することをおすすめします。次のモデルが決まっているのであれば少しでも早い売却検討が吉です。
世界トップクラスの低燃費を誇っているダイハツ ミライース。ライバル車がスズキ アルトなのでアルトワークスの対抗馬としてMTの設定も噂されています。この先の軽自動車を盛り上げていく1台としてこの先の活躍が期待できます。エコに敏感になっている昨今、製造から考えればハイブリッド車よりエコなミライースという選択はベストだと思います。ただ、乗り換えなどで売却を検討するのであれば出来る限り早めの判断をおすすめします。
ミライースを売るのにベストなタイミングは?
基本的には「何でもいいから安くて燃費もよくて維持費もかからず、最大4人が適当に移動できる車が欲しい」という需要に応えた車なので、市場では消耗品に近い扱いで1年落ち車ですら平均残価率が約43%に過ぎません。
安全運転支援パッケージ「SAIII(スマートアシストIII)」未装着だと、500km走っていない未使用車に近い1年落ち中古車が車両本体価格60万円以下で買えるくらいで、装備充実グレードだとしても高額買取を考えるなら2年目の初回車検がひとつの目安でしょう。
型落ちの初代モデルともなれば、屋根付き車庫で保管していてあまり乗らずピカピカというよほどの好条件でもない限り「10万円でも提示されれば上等」と考えた方が良い車です。
さりとて乗らずに磨いてばかりで満足するような類の車ではありませんから、なるべく高く売り抜けようと考えるなら1年ほど乗ってパッと手放し、次の車へ気持ちを切り替えるのが一番で、そうもいかない場合は次の車を購入する資金が貯まるまで乗り続けるのが、もっとも経済的であり、この種の車が果たすべき役割にかなっています。