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カスタム・アフターパーツ | 2021.02.12

どのようにして車高が変わっている?エアサスに関しての基礎知識おさらい

Posted by 菅野 直人

純正から後付けの社外品まで、現在は多くの車種で取付可能になっている「エアサスペンション」ですが、車高や乗り心地を変えたり、走行性能にも影響を及ぼす重要な役割を果たしています。車高を変化させる方法など、基礎的な知識をご紹介しましょう。

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エアサスペンションの正体は、一般的なスプリングに代わる「空気ばね」

細かく分ければ、様々な方式が存在するエアサスペンションですが、基本的にその正体はエアバッグを使った「空気ばね」です。

一般的な自動車用の足回り(サスペンション)は、走行状況や乗車・積載状態に応じて伸縮するとともに、その伸縮具合も調整する減衰力を持たせた「ショックアブソーバー(以下、「ショック」)」と、ショックの伸び縮みに対して反発する力を加え、乗り心地や走行性能、そして車高にも影響する「スプリング」の2種類で構成されています。

スプリングで現在もっとも一般的なのは、乗用車向けの場合、ばね鋼を巻いた「コイルスプリング」、または重量物を積載する車に多い「リーフスプリング(板ばね)」で、他に棒状の「トーションバー(ねじり棒ばね)」、ゴムを使った「ラバーコーンサスペンション」などがあり、コイルスプリングの多くがショックへ巻かれるように装着されているのを除けば、多くはショックと別体式です。

エアサスペンションでは、このショックと一体式のコイルサスペンションの代わりにエアバッグを装着するか、ショックと別体式のコイルスプリングやリーフスプリングの代わりに、やはりエアバッグが装着されています。

中には、コイルスプリング式のサスペンションへ小さなエアバッグを追加し、最低地上高が低くて路面の段差を乗り越えるのに支障があるスポーツカーなどの車高を「段差を乗り越える時だけ少し上げる」という機能を持たせたものもありますが、あくまで補助的な車高調整装置であり、サスペンションとしての機能に積極的に関与しないため、「エアサスペンション」と言われることは、あまりありません。

車高調整は、エアバッグの空気圧で行う

エアサスペンションが、他の方式のサスペンションと決定的に異なるのは、「車高の調整」をショックのスプリングシート上下や本体の全長伸縮で行うのではなく、エアバッグの空気圧調整、すなわち空気ばねで行うことです。

トーションバー式やリーフスプリング式を含め、ばねの取り付け位置変更で調整することはあっても、ばねそのものに調整機構がある例は、あまりありません。

エアバッグに入れる空気の圧力を調整して車高を上げたり下げたり、または荷物や乗員の重さ、路面の段差によって車高を上下させることなく、一定に保つことが可能で、そのためにエアタンクと、空気圧調整バルブを持っています。

エアバッグはショック1本あたり1~2個ついているのが一般的で、タンクから空気を送って空気圧を上げれば、風船と同じく膨らんで車高を上げ、空気をタンクへ戻すなり外部へ放出して空気圧を下げれば、エアバッグがしぼんで車高は下がる、という仕組みです。

空気圧を上下させる仕組みが必要

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もちろん、空気は気温などの条件によっても圧力が上下しますし、完全に密閉された仕組みでもなければ、外部から取り入れた空気を圧縮してタンクへ詰め込むコンプレッサー、そして空気を逃すことなくエアバッグの空気圧を調整するバルブが必要となります。

このうち、どれに不具合があっても空気が抜けてエアバッグはしぼみ、最終的に走行不能になるほど車高が下がってしまったり、そうでなくとも車高の上下を繰り返せば、コンプレッサーを使っても空気の充填と圧縮が間に合わなくなり、車高をそれ以上上げることができない場合もあります。

そのため、一般的な使い方としては「決めた車高を保ち、他のばねを使った場合より良好な乗り心地を味わったり、車高を一定に保つのに徹し、どうしても超えることができない段差のために車高を上げる機能はとっておく」もので、普段から車高を頻繁に上下させされるのは、ドレスアップイベントなどで、そういう用途へ使うため、大量のボンベを積んだ車だけとなります。

また、空気には気化した水分も含まれるため、結露した水がエアバッグや配管にたまって、凍結やサビなどトラブルの原因になるほか、タンクこそ高圧タンクというほどではないため定期交換部品ではありませんが、バルブやホース、コンプレッサー、エアバッグとも寿命があるため、一般的なサスペンションと比べ頻繁なメンテナンスが求められるのはデメリットです。

それでも、最近はコンパクトで構造もシンプルな製品が増え、消耗品もアッセンブリー(まとめて)交換ではなく、必要な部分だけ交換できるようになっているため、昔のように「エアサスは乗り心地はよいけど、壊れたら修理代が高くなるため中古車は二束三文」という事態は減っています。

機械式と電子制御式があるが、いずれも後付製品はコントローラーが車検非対応

エアサスの車高は、基本的に純正品であれば、設定した車高へ電子制御で自動的に調整し、社外品の場合はコントローラーで電子制御、または調整用のスイッチで機械的に調整し、電子制御式の場合は車高を上げすぎてエアバッグがパンパンに固くなって乗り心地の悪化を防いだり、ユーザーが乗り心地や走行性能に応じて選ぶため、空気圧は自動調整されます。

機械式は単純に、ユーザーが決めただけ空気を出し入れするため、多少面倒ではありますが安くて融通が効くというメリットもありで、どちらを選ぶかは自由です。

ただし、いずれの方式でも「車内から車高を調整できる」というのは、車検証に記載された全高をユーザーが好き勝手に変えることが可能ということにもなるため、車内にコントローラーを置いたままであれば、厳密には車検を通せません。

車検ラインの検査官によっては、無視して車検を通す場合もありますが、絶対そうなるとも限らないため、車検ではコントローラーを外しておくのが無難です。

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