カスタム・アフターパーツ | 2020.08.08

サスペンション交換のメリットとデメリットについて。どんなリスクがある?

Posted by 菅野 直人

自動車のドレスアップやチューニングで、定番アイテムと言えるサスペンション交換。一時期、ローダウンがやたらと流行った時期もありましたが、最近はSUVが増えたことにより、リフトアップの需要も多数あり、各アフターパーツメーカーやショップが気合を入れた新製品を次々とリリースしていますが、サスペンション交換によるメリットやデメリット、そして重要なリスクには、どのようなものがあるでしょうか?

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そもそもサスペンション交換は必要か?

サスペンション交換で何が変わるかと言っても、車種やユーザーの要望、そして両者のマッチングによるため、一括りにはできませんが、大きく分ければ一つには、乗り心地など快適性、走行性能に不満を感じているユーザーが、それを改善すべく行う場合があります。そしてもう一つは、スタイルに不満があって改善したい、もっと個性的にしたいというユーザーが、それを実現するべく行う場合です。

性能改善については、「そんなに良くなるのであれば、メーカーが採用するでしょう?」という疑問もでてきますが、実際に自動車メーカーは、コストと性能のバランスをとったグレード展開をしており、廉価グレードと上級グレードでは、全く異なる性能のサスペンションを採用しているのはよくある話です。

特に安いグレードは、「燃費が良ければ」「多人数が問題なければ」というコンセプトを最低限満たすのみで、快適性や走行性能は値段なりというケースも少なくありません。そのため、後からサスペンション交換をするより、メーカーがしっかりと考え抜いてマッチングしたサスペンションを装着した上級グレードを、最初から買う方が理にかなっています。

しかし、現実には「買う時にそこまで考えてなかった」「乗ってみれば、なんかイメージと違った」「購入予算は少なかったけど、後から臨時収入があった」「そもそも中古で買ったので」など、いろいろな理由もあるため、仕方ありません。最近では少なくなりましたが、モータースポーツベース車のように、サスペンション交換が前提な場合もあります。

スタイル改善については、もう「メーカーのお仕着せ」たる、さまざまなカスタマイズ車でも満足できない、自分好みにできないといったユーザーの要望のため、サスペンション交換以外に叶える手段はないでしょう。

交換することで変わる見た目や性能、乗り心地がメリット

そこで、サスペンション交換のメリットですが、車種ごとのマッチングがとられた既製品、特に「その車種に限定して対応した製品」であれば、大抵は性能面でも見た目でも、それなりの満足を得ることができます。

一番お手軽なのは、ローダウン用のスプリングに交換するだけで車高を下げる方法ですが、この場合も、車種マッチングの取れているものであれば、極端に乗り心地が悪化することはありません。

車高調やエアサス、リフトアップキットを組み込む場合でも、予算が許す限り上等なものを組み込んでしまえば、まず日常使用での問題は出ません。また、後々になって「もっとこうしたい」という追加の希望は出てくると思いますが、まずは「変化した」こと自体に満足できるでしょう。

日常使用を超えた部分、たとえばサーキット走行と公道走行のバランスを取りたい、サーキット走行に徹したいという場合は、ドライビングスタイルによって「好み」に合わせる必要があります。また、ショックアブソーバーに備えられる減衰力や、車高調整機構だけで解決できない場合は、リセッティングを繰り返しますが、それができること自体、メリットともいえます。

低予算や流用はデメリットを生む原因

しかし、中にはマイナー車で車種マッチングの取れた製品が出ていない、あるいは「ネットで誰かがやっていたのを真似したくなった」という理由で、他車種のパーツを流用したサスペンション交換を試みる場合があります。

特に、最近の車は全く異なるコンセプト、ジャンルで車重などが全く異なっても、共通のプラットフォームを使ってサスペンション取付部などは共通形状、という車が増えているため、他車種からの流用は容易で、各製品の中でも「取付はできますよ」というだけの意味で、マッチング車種一覧へ掲載されているケースもあります。

これが、うまくはまって成功するケースも確かにありますが、基本的には「車重も前後重量配分も異なり、求められる走行性能や快適性も全く異なる車」のためにつくられたサスペンションを装着しても、かけた予算に見合うほどの改善効果が見られなかったり、場合によっては、乗り心地が悪くなったり、走行中の突き上げがひどかったりと、マイナス効果しか生まない可能性が大きいと言えます。

さらに、低予算で何とかしようと格安車高調を購入した場合、単に「形だけは何とかしたい」程度の要望であれば良いですが、安価で抜群の性能発揮まで求めるのは酷というもので、車高変更による見た目の変化などメリットを生むかわり、何らかのデメリットを受け入れる必要もあるでしょう。

それが顕著なのは、おそらくリフトアップで、リフトアップキットと大径タイヤまでは予算があるものの、それ以上の予算をかけることができず、たとえばブレーキ強化などを怠った場合、制動力不足で日常使用で危険を感じたり、最悪事故につながるケースもあります。

いずれにしても、予算をかけるのであれば、とことんこだわり、予算が乏しいのでれば、ベース車のグレードを下げるなどして、「あれもこれもと満足しようとした挙げ句、どれも満足いかなくなった」という事態だけは避けたいものです。

各種調整機構はエアサス以外さほど使わない?

ちなみに、車高調整や減衰力調整機構を持つサスペンションも数多く販売されており、中にはモーター駆動で車内からスイッチ一つで、自由自在という製品もあります。

エアサスの車高調整は、独特の作動音が魅力の一つであるため、そうした調整機構は積極的に使われると思いますが、それ以外の減衰力調整機構などは、一度決めてしまえば滅多なことで変える必要はありませんし、操作パネルやスイッチがカッコイイからつけてみたものの、最初にちょっと操作しただけで、気がつけば長い間触ってもいないという場合も多いはずです。

不必要な可動部をつくっても故障の原因となるだけのため、よほど凝り性のユーザーでもない限り、エアサス以外でやたらと調整機構をつけた製品はあまりオススメしません。

最新の車ならではのリスク

他に最新の車ならではのリスクとしては、「サスペンション交換で車高が変わったり、姿勢が前かがみになっても、自動ブレーキが作動するのか?」という問題があります。

自動ブレーキに使われている光学カメラ、ミリ波レーダー、レーザーレーダーなどは純正状態での車高や姿勢に合わせてセッティングされているため、それを変えてしまえば、正しい認識ができず、最初から作動しないものと決め込めば不作動でも良いのですが、誤作動により妙なところでブレーキがかかっても困ります。

結論から言うと、そうしたセンサー類は全てがそうかとまでは不明なものの、ある程度は自己学習するようになっており、交換後にある程度走れば、車高や姿勢に関わらず自動ブレーキが作動します。

何しろ純正サスペンションでも、乗車人数や積んだ荷物の重量とバランス、サスペンションの経年劣化で車高や姿勢などいくらでも変化しますし、ある程度は対応しなければ「新車でメーカーの想定する体重や荷物までしか作動しません」ということになるため、サスペンション交換程度であれば、作動すると考えてもよさそうです。

ただし、作動タイミングや停止するまでの距離(センサーで認識できる距離)には、確実に影響してきますし、自動車メーカーも「サスペンションを交換したおかげで事故を起こした」というクレームは受け付けないため、あくまで「自己責任」と考えましょう。

もちろん自動ブレーキに限らず、さらにはサスペンション交換だけにも限らず、純正部品以外への交換は、全て「自己責任」というリスクを負っていることは、忘れてはいけません。

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