カスタム・アフターパーツ | 2021.05.11
ボンネットダンパーの後付け、交換はDIYでできる?
Posted by 菅野 直人
輸入車や、国産車でも海外仕様であれば採用されていることが多いボンネットダンパー。 普通の国産車では、一部高級車を除いてほとんどが「ボンネットを開ければ立ててガコンと引っ掛ける」ボンネットステーが採用されているため、そのようなパーツがあることさえ知らない人は多いかも知れません。 重いボンネットの開閉が楽になり、開けただけで落ちてこないボンネットダンパーは、DIYでも装着できるようですが、簡単かどうかは人によるかもしれません。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
重たいボンネットに悩まされる国産車ユーザーは多いはずなのに?
昔から、「国産車は、日本国内仕様に比べて海外仕様の方が贅沢なつくりをしており、国産車メーカー各社は国内ユーザーを軽んじているのでは?」という疑問はよく言われてきました。
情報化社会でユーザーの本物志向が高まったことや、輸出もしているような車種の場合、わざわざつくり分けるのもかえって手間ということもあり、近年その差はだいぶ埋まったようにも感じますが、それでも「国内仕様がゆえのコストダウン」は、まだまだなくなっていないようです。
その最たるものとして最近注目されているのが、ボンネットを開けた時に鉄の棒で支える「ボンネットステー」で、輸入車でそれなりに品質が高いと自負しているメーカーであれば、大抵の車種で油圧式の「ボンネットダンパー」を採用しています。
ところが、一部高級車を除けば国産車のほとんどが「鉄の棒でボンネットを支えてる」という状況は今も変わらず、「あれだけ国際基準に合わせるとか品質向上とか言いながら、油圧ダンパー2本をケチって鉄の棒で済ますとは何事だ!」という意見が増えてきました。
メーカー側としては「1円でも安く」と言いたいのはわかりますが、2000年代末以降のデフレ時代でさえ、値上がりを続けてきたのが自動車であるため、今さらそのようなところで国内向けコストダウンがバレ、ユーザーの心象を悪くしてよいはずもありません。
あるいは「日本国内のユーザーは、どうせ自分でボンネットを開けてエンジンを見たりせず、ウォッシャー液の補充さえディーラーやガソリンスタンドで済ませるだろう」と考えているかもしれず、それは確かに、真実に近いでしょう(世の中、車好きばかりではないため)。
しかし、DIY派にとっては我慢ならぬ現実で、DIYで簡単にボンネットダンパーが取り付けできるのであれば、やってしまおう!というユーザーも増えたようで、近年は社外品のボンネットダンパーと、その対応車種がだいぶ増えました。
軽自動車からハイエースやランドクルーザーまで多様な車種に適合しているため、可能であれば、自ら取り付けてみるのはいかがでしょう?
基本はリアハッチなどと同様、2本の油圧ダンパーと上下のステーを取り付けるだけ
ボンネットダンパーの構成部品は、そう多くはありません。
実物がどのようなものか確かめてみたいならば、ハッチバック車やステーションワゴン、1BOX車などのリアハッチを開ければ済む話で、大抵は左右1本ずつ、1本の油圧ダンパーで支えていると思います。
一旦開ければ、ダンパーの油圧が抜けていない限りは、開けた位置を保持し、風がよほど強い日でもなければ、ハッチの重みで落ちてくることもなく、開けるのも片手で楽々です。
この左右2本の油圧ダンパーと、上下でダンパーを固定する2本のステーがリアハッチにはついているのに、ボンネットにはそれがありません。
両手でエイヤっと開けては重いボンネットを片手で保持し、鉄の棒(ボンネットステー)はどこだったかな、ともう片方の手をバタつかせて、ようやくボンネットを固定するというのはバカバカしい話で、やはり「日本国内のユーザーは自分でボンネットを開けない」と思われているのでしょう。
そこまでしてコストダウンするのであれば、さぞかし高価なパーツなのかと思いきや、社外品の価格はせいぜい1台分で1万円~2万円、中国製の安いものであれば、もっと安上がりになるため、国産車の国内仕様車は1円単位のコストダウンで、ライバルと涙ぐましくしのぎを削っているようです。
取り付けは1人で作業する際、ボンネットのボルト脱着に注意!
部品点数が少ないため、取り付けもそう難解な作業ではありません。
基本的にはどの車種でも、ボンネットを固定しているボルト(大抵は左右各2本)のうち1本、あるいは2本とも外して、ボンネットダンパーの上部ステーと共締めにします。
共締めにするボルトが1本だけの製品では問題になりませんが、2本とも共締めにする場合は、「まず1本を外して、ボンネットダンパー上部ステーをゆるく共締め、その後でもう1本のボルトを外してステーの位置を合わせ、2本目のボルトを締めて外れる心配がなくなったら、本締めする」という段取りにしましょう。
そこでまかり間違って、左右どちらかでもボンネットの固定ボルトを全部抜いてしまうと、固定を失ってバランスを崩したボンネットが暴れ、最悪の場合フロントガラスまで傷つけるハメになりかねません。もう1人いれば支えてもらえるのですが、1人作業の場合はとにかく慎重にする必要があります。
下のボディ側へ、ボンネットダンパー下部ステーを取り付けるのは簡単で、説明書で指定された共締め用ボルトを抜き、ステーの位置を合わせて共締めすれば完了。
ただし、社外品(特に中国製や無名メーカー製)の中には、「実物を見ればだいたいわかるだろう(実際そうなのですが)」とばかりに説明書が不親切であったり、マイナーチェンジや一部改良が反映されていない場合もあるため、説明書を見て不安に思ったらプロに施工を頼むのもひとつの手です。DIY派だからといって無理することはありません。
上下ステーの取り付けが完了すれば、いよいよボンネットダンパーをステーに取り付けて完成ですが、製品によっては「取り付け前にダンパーを何度か伸縮させてください」と指定されているものもあります。
重いボンネットを支えるためガチガチに固く、手動ではちょっと動かないかもしれませんが、力に自慢があるのであれば、実際に伸縮させてみてもよいですし、どのみち重いボンネットで嫌でも動きますから、取り付け後に何度か開閉させて慣らしても、遅くはありません。
ステーにダンパーを差し込む時、若干力がいるかもしれませんが、時間をかけても頑張ればハマるようにできているため、これで取り付け完了です。
それまでボンネットを支えてくれていた「鉄の棒」、ボンネットステーをそっと外し、ボンネットダンパーが油圧で支え続けていれば大成功!そのままボンネットを手で締め、もう1度開けて簡単に手で開き、開けた位置で固定されるのを確認してください。
作業が終わってみれば、余計に「なんでこれだけで済むパーツを省略したのだろう?」と疑問が深まるかもしれませんが、快適さを増した愛車を見ればそのようなことはすぐに消し飛んでしまい、さらに惚れ直すこと間違いなしです!