買取相場 | 2023.07.25
電源としても使えるプリウスPHV、売却時の残価率はどれくらい?
Posted by 菅野 直人
初代プリウスで量販自動車の電動化という扉を開いたトヨタが、独壇場とするハイブリッドカーの新たなステップとして2012年1月に発売したPHV(プラグインハイブリッド)、「プリウスPHV」。 2019年10月現在では2代目が販売されていますが、買取市場における推移はいかなるものでしょうか。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
- プリウスPHVの中古市場での人気について
- 買取査定額が期待できるプリウスPHVのグレード
- 買取査定額が期待できるプリウスPHVのカラー
- 1年落ちプリウスPHV(2022年式)の目安査定額
- 2年落ちプリウスPHV(2021年式)の目安査定額
- 3年落ちプリウスPHV(2020年式)の目安査定額
- 4年落ちプリウスPHV(2019年式)の目安査定額
- 6年落ちプリウスPHV(2017年式)の目安査定額
- 9年落ちプリウスPHV(2014年式)の目安査定額
- 11年落ちプリウスPHV(2012年式)の目安査定額
- プリウスPHVを高く売るためのポイント
- プリウスPHVの走行距離による値動きの変化
- 事故車・修復歴ありのプリウスPHVの場合は?
- プリウスPHVの残価率・リセールバリューは?
- プリウスPHVを売るのにベストなタイミングは?
プリウスPHVの中古市場での人気について
発進時や低速時にモーターのみで走行し、それ以上の速度域では、必要に応じてモーターアシストを受けながらエンジンで走るスプリット式ハイブリッド車、その量販モデルとして世界で初めて成功した「トヨタ・プリウス」ですが、そのバッテリーを強力な大容量リチウムイオン電池として、エンジンや回生ブレーキのみならず、外部からの充電も可能にしたのがプリウスPHVです。
3代目プリウスをベースに2012年1月に発売、基本的にはガソリンの給油が不可欠でモーター単独でのEV走行距離が短いプリウスとは異なり、充電さえすれば給油せずともある程度の距離をプリウスのEVモードより高速で走行可能。しかも初代のEV走行は最高速100km/hだったのに対し、発電用モーターも走行に使える「ツインモーターモード」を持つ2代目は最高速135km/hで走行可能な実力をもちます。
EV同様に外部への給電も可能な大容量大型モバイルバッテリー的な使い方も可能で、家庭用電源として接続するV2Hシステムの一部にもなれるほか、EVとは異なりエンジンをかけて自力発電も可能という柔軟性を持つのが特長です。
ただし、大容量バッテリーを搭載し充電も大容量給電も可能にするため、通常のハイブリッドカーより重く複雑なメカニズムを搭載しており高価なことからユーザー層はかぎられることでしょう。またほかのリチウムイオン電池搭載EVと同様に早期のバッテリー経年劣化という問題を抱えているためか、新車販売価格がプリウス(2022年4月現在の車両本体価格・約257万円~約354万円)よりプリウスPHVの方が高価(同・約324万円~約435万円)であるにも関わらず、中古車価格はさほど違いません。
結局のところ、その能力をフルに発揮するにはEV同様に充電スタンドが不可欠。そのインフラ整備が普及に追いついていないという現状や、大容量リチウムイオンバッテリー搭載のため2019年5月以前の現行モデル(2代目)は乗車定員が5名ではなく4名だったことが、中古車市場でプリウスPHVの人気が中古車市場での反応が今ひとつの原因のようです。
買取査定額が期待できるプリウスPHVのグレード
プリウスPHVのグレード構成は、2022年4月現在の現行型だと標準版「S」系、豪華版「A」系、スポーティ版「S GRスポーツ」系の3つに大別され、2017年2月以前の初代モデルでは廉価版「L」、標準版「S」、豪華版「G」系が存在しました。このうち比較的高値で買い取られているのは現行型に2017年9月に追加されたS GRスポーツで、ついで本革シート表皮など豪華内装をもつ「Aレザーパッケージ」も高値傾向です。
買取査定額が期待できるプリウスPHVのカラー
プリウスPHVの高額買取上位を見ると、ボディカラーはほぼパールなど白系か、黒系で、一部ワインレッドや現行モデルのイメージカラーであるライトブルーなどが見られる程度です。冠婚葬祭などを含むフォーマルな場へ乗りつける車として、落ち着いたボディカラーが好まれていることになります。
1年落ちプリウスPHV(2022年式)の目安査定額
1年落ち2022年式プリウスPHVは、トヨタが3代目プリウス派生車として2009年に追加、2012年1月からは一般への市販も始めたPHEV(プラグインハイブリッドカー)で、2022年式は2017年2月にモデルチェンジされた2世代目のモデルです。
通常のハイブリッドカーである「プリウス」より大容量の高性能バッテリーと外部からの充電機構を備えており、充電した電力でJC08モードで68.2km、最新のWLTCモードでも60kmのEV走行(モーターのみでの走行)を可能としており、ちょっとした買い物程度ならガソリンを使わず、EV(電気自動車)として使用可能な電動車としての性能と、充電せずにガソリンを給油する通常のハイブリッドカーとしても使える柔軟性を特徴としています。
既に2023年3月には3世代目の「プリウスPHEV」(最上級のZグレードのみ)が登場しているため旧型になっていますが、2022年式はその末期モデルで、2021年6月に純正ナビを8インチディスプレイオーディオへ全車更新するなど、装備面での改良が行われています。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年7月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
S:新車372万円/買取価格210万円程度
Sセーフティパッケージ:新車381万円/買取価格202万円程度
A:新車414万円/買取価格201万円程度
S GR SPORT:新車422万円/買取実績なし
Aプレミアム:新車441万円/買取価格234万円程度
平均買取価格:約212万円
平均残価率:約53%
2年落ちプリウスPHV(2021年式)の目安査定額
2年落ちの2021年式プリウスPHVは、2020年7月の改良でインテリジェントクリアランスソナー「パーキングサポートブレーキ(静止物)」や外部給電機能を全車へ標準装備、ブレーキと間違えてアクセルを強く踏んでしまう踏み間違い事故へ対応した、プラスサポート(急アクセル時加速抑制)をトヨタ車で初採用するなど、安全装備や給電機能を強化。
2021年6月には、8インチディスプレイオーディオを全車標準装備するなど、さらに改良を受けており、新型コロナウイルス禍の長期化による中古車需要の増加、新車生産の停滞を受けて、中古車買取市場での相場は上昇中です。
さらに自動車の電動化が進む中、家庭や公共の充電スポットである程度の距離や速度域までモーターのみで走れ、外部への給電も可能なEVに近い特性を持ち、充電環境がない場合は通常のハイブリッド車同様にエンジンも併用できるPHEV人気もあって、1年落ち車の平均残価率が50%を上回るようになりました。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年7月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
S | 新車368万円に対して買取実績なし |
S セーフティパッケージ | 新車377万円に対して買取価格216万円程度 |
S GRスポーツ | 新車419万円に対して買取実績なし |
Sナビパッケージ | 新車419万円に対して買取実績なし |
Sナビパッケージ・GRスポーツ | 新車469万円に対して買取実績なし |
A | 新車406万円に対して買取価格230万円程度 |
Aプレミアム | 新車437万円に対して買取実績なし |
Aナビパッケージ | 新車446万円に対して買取実績なし |
Aプレミアムナビパッケージ | 新車483万円に対して買取実績なし |
平均買取価格 | 約223万円 |
平均残価率 | 約57% |
3年落ちプリウスPHV(2020年式)の目安査定額
3年落ち2020年式プリウスPHVは、トヨタが2012年から一般販売しているプリウスのプラグインハイブリッド版で、当初は3代目プリウスがベースでしたが、2017年2月に4代目プリウスベースとなった2世代目のモデルです。
第1世代のプリウスPHVと比べ、外部から充電した電力のみで走るEVモードの航続距離を倍加させたほか、普段は回生ブレーキや走行中も充電に使う発電用モーターも、いざとなれば走行用モーターとして使うツインモーターで動力性能も増したのが特徴。
4代目プリウスがベースとはいえ、デザインは大幅に異なっており、ベース車の前期型デザインが不評だったためもあってか、プリウスPHVの方が洗練されたデザインに見えるなど、プリウスより先進的でスタイリッシュに見られる事もありました。
2020年式は、2019年5月の改良で乗車定員を5名に増やし(従来は4名)、装備充実グレードの「Sセーフティパッケージ」、「Aナビパッケージ」、「Aプレミアムナビパッケージ」をカタログモデルとして追加、住宅への電力供給を可能にするV2Hや、専用通信機DCMによるコネクテッドカー機能を強化したモデルです。
さらに2020年7月の改良では、安全運転支援パッケージ「Toyota Safety Sense」の機能強化や、パニックに陥ってブレーキと踏み間違え、急アクセルで加速し続けてしまうのを抑制する「プラスサポート」を初採用しています。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年7月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
S:新車360万円/買取価格132万円程度
Sセーフティパッケージ:新車371万円/買取価格141万円程度
A:新車395万円/買取価格198万円程度
S GR SPORT:新車411万円/買取価格198万円程度
Sナビパッケージ:新車415万円/買取実績なし
Aプレミアム:新車430万円/買取実績なし
Aナビパッケージ:新車443万円/買取価格178万円程度
Sナビパッケージ・GR SPORT:新車464万円/買取価格256万円程度
Aプレミアムナビパッケージ:新車481万円/買取価格203万円程度
平均買取価格:約186万円
平均残価率:約44%
4年落ちプリウスPHV(2019年式)の目安査定額
4年落ち2019年式プリウスPHVは、2017年2月から販売されているプラグインハイブリッド車の現行モデルです(3代目プリウスベースで、PHVとしては2代目)。
2019年5月のグレード再編により、内装に本革や合皮を多用した「Aレザーパッケージ」が廃止された代わりに、アクセル踏み間違い防止装置などを実装した特別仕様車「セーフティプラス」がカタロググレード「セーフティパッケージ」へ昇格し、上級グレード「A」および「Aプレミアム」にも「ナビパッケージ」が追加されています。オプション込みでのおおよその新車価格と、2023年7月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
S | 新車355万円/買取実績なし |
S セーフティプラス/S セーフティパッケージ | 新車366万円/買取価格161万円程度 |
S GRスポーツ | 新車405万円/買取価格227万円程度 |
Sナビパッケージ | 新車406万円/買取価格163万円程度 |
Sナビパッケージ・セーフティプラス | 新車410万円/買取実績なし |
Sナビパッケージ・GRスポーツ | 新車455万円/買取価格236万円程度 |
A | 新車399万円/買取価格168万円程度 |
Aユーティリティプラス | 新車421万円/買取実績なし |
Aレザーパッケージ | 新車448万円/買取実績なし |
Aプレミアム | 新車437万円/買取実績なし |
Aナビパッケージ | 新車436万円/買取価格192万円程度 |
Aプレミアムナビパッケージ | 新車474万円/買取価格206万円程度 |
平均買取価格 | 193万円程度 |
平均残価率 | 約46% |
6年落ちプリウスPHV(2017年式)の目安査定額
6年落ち2017年式プリウスPHVは2017年2月にモデルチェンジされた現行型の初期で、同年9月にS GRスポーツ、「Sナビパッケージ GRスポーツ」が追加されています。
なお、この時期の2代目プリウスPHVは、まだ乗車定員が4名(2019年5月以降は5名)であることに注意が必要です。 オプション込みでおおよその新車価格と2023年7月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
S | 新車359万円/買取価格162万円程度 |
Sナビパッケージ | 新車404万円/買取価格179万円程度 |
A | 新車419万円/買取価格174万円程度 |
Aレザーパッケージ | 新車448万円/買取価格200万円程度 |
Aプレミアム | 新車464万円/買取価格192万円程度 |
S GRスポーツ | 車408万円/買取価格238万円程度 |
Sナビパッケージ GRスポーツ | 新車453万円/買取実績なし |
9年落ちプリウスPHV(2014年式)の目安査定額
9年落ち2014年式プリウスPHVは、2012年1月から2016年5月まで販売されていた先代モデルで、プリウスとしては初の外部から充電が可能なPHEV(プラグインハイブリッド車)です。
2013年9月には、LEDイルミネーション付きリヤエンブレムなどで通常のプリウスから外観の差別化を進め、PHEV化で増加した車重に対応したボディ剛性強化や、振動・騒音を低減する改良が施されました。オプション込みでのおおよその新車価格と、2023年7月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
L | 新車318万円/買取実績なし |
S | 新車337万円/買取価格44万円程度 |
G | 新車359万円/買取価格53万円程度 |
Gレザーパッケージ | 新車448万円/買取価格49万円程度 |
平均買取価格 | 48万円程度 |
平均残価率 | 約13% |
11年落ちプリウスPHV(2012年式)の目安査定額
11年落ち2012年式プリウスPHVは、2012年1月に発売された初代初期のモデルで、一般販売前に自治体など向けにリースされていた仕様とは異なり、充電された電力を使い切らずともHV(ハイブリッド)走行が可能な切り替えボタンを追加。同年11月にはビジネスユース向けに装備を厳選した量販グレード「L」が追加されるとともに、100V・1500W外部給電用コンセントがオプション設定されました。
オプション込みでおおよその新車価格と2023年7月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
L | 新車336万円/買取価格38万円程度 |
S | 新車352万円/買取価格41万円程度 |
G | 新車374万円/買取価格49万円程度 |
Gレザーパッケージ | 新車462万円/買取価格53万円程度 |
プリウスPHVを高く売るためのポイント
プリウスPHVの買取実績を見ていて目立つのは、年式がまだ新しく、走行距離も少ないのに、ほとんど査定額がつかない車が多いことです。
考えられる原因としては、「事故車」あるいは「ハイブリッドシステムなどパワーユニットに致命的な問題が起きた状態」が考えられますが、特に後者の場合、ハイブリッドやクリーンディーゼルなど先進的なパワーユニットを搭載した車で生じやすい傾向があります。
これは、必ずしも車そのものの機械的な信頼性に限った話ではなく、ユーザーが何らかの異常を感じた時点でディーラーへ点検を依頼するなど、適切な処置を行っていれば防ぐことができた可能性も考えられるため、プリウスPHVのように先進のメカニズムを搭載した車では、点検整備をより入念に行うことも高価買取へつながるポイントです。
プリウスPHVの走行距離による値動きの変化
プリウスPHVの2023年7月現在における走行距離ごとの買取相場を、2012年1月~2016年5月に販売していた初代、2017年2月以降に販売されている2代目(現行モデル)、そして2代目のスポーツグレード、「GRスポーツ」に分けて紹介します。
【初代プリウスPHV(2012.1~2016.5】
15万km台 | 11.1~22.3万円 | 7万km台 | 33.4~48.1万円 |
14万km台 | 25.4万円程度 | 6万km台 | 37.2~62.6万円 |
13万km台 | 16.5~25.4万円 | 5万km台 | 54.7万円程度 |
12万km台 | – | 4万km台 | 34.3~60.6万円 |
11万km台 | 15.5~28.3万円 | 3万km台 | 47.9~71.4万円 |
10万km台 | 21.3~31.4万円 | 2万km台 | 37.4~44.2万円 |
9万km台 | 32.4~45.2万円 | 1万km台 | – |
8万km台 | 24.4~46.2万円 |
【2代目プリウスPHV(2017.2~】
12万km台 | 78.4万円程度 | 6万km台 | 111.2~135.2万円 |
11万km台 | – | 5万km台 | 118.3~192.4万円 |
10万km台 | – | 4万km台 | 126.3~198.9万円 |
9万km台 | – | 3万km台 | 114.5~219.3万円 |
8万km台 | 121.3~134.2万円 | 2万km台 | 107.7~198.0万円 |
7万km台 | 106.3~168.3万円 | 1万km台 | 119.3~255.9万円 |
【2代目プリウスPHV GRスポーツ(2017.9~)】
5万km台 | 211.6~216.4万円 |
4万km台 | – |
3万km台 | 209.8万円程度 |
2万km台 | 218.3~241.7万円 |
1万km台 | 207.9~235.9万円 |
まず初代ですが、4年前まで販売されていた平均新車価格が300~400万円台の車としては総じて買取価格が低く、一応は6万km台あたりを超えると買取価格が急に下がる傾向はあるものの、全体的に見ると緩やかに査定額が落ちていくようです。
これは、通常のプリウス(3代目30系)と比べて外観での差別化が進んでおらず、またPHEVとしても外部充電で走行できるEV走行距離が短かったこともあり、あまり特別扱いされず単に「型落ちの古い車」扱いになっているのかもしれません。
2代目の現行モデルについては、そうした教訓を入れて外観が通常のプリウス(4代目50系)とは大きく異なっており、似たような年式、走行距離でも初代の倍以上の査定額となっています。
走行距離に応じた査定額の変化としては5万km台を超えたところで急激に落ちており、初代にせよ2代目にせよ、プリウスPHVは「5万~6万km台を超えると急激に価値が下がる」と認識してもよいでしょう。
また、2代目のGRスポーツに関しては同じような走行距離でも総じて通常のプリウスPHVより高値で買い取られており、価値が下がりにくいグレードといえます。
事故車・修復歴ありのプリウスPHVの場合は?
プリウスPHVの事故車買取価格の相場は、おおむね26~125万円程度の範囲内で、損傷の程度により通常の相場の3~6割くらいとなります。後述するように残価率は低いものの、通常のプリウスと同程度の中古車価格は維持されているため、よほどひどい損傷でもなければ修理されて中古車市場へ復帰するケースが多そうです。
プリウスPHVの残価率・リセールバリューは?
ある意味プリウスの高性能版といえるプリウスPHVのリセールバリューですが、意外にも残価率が低く買取市場での評価は渋いものとなっています。そもそもプリウスそのものがあまりにありふれた車種になったせいか残価率が低い傾向にあるのですが、プリウスPHVはそれに輪をかけて低いのが現状です。
まず6年落ち2017年式が平均残価率41~58%(全グレード平均46%)、平均買取価格162~238万円(同、191万円)と、S GRスポーツ系を除けばかなり低めの相場となっており、好みが分かれる外観、4名乗車仕様といったネガティブな要素が原因かもしれません。
初代となる9年落ち2014年式は平均残価率13~20%(全グレード平均18%)、平均買取価格60~71万円(同、64万円)、11年落ち2012年式では平均残価率11~13%(全グレード平均12%)、平均買取価格38~53万円(同、45万円)と、ほぼ同時期のプリウス(約15~26%程度)に比べても残価率はかなり低くなってしまいます。
これらの時期のプリウスPHVは、初代が通常のプリウスと外観上の区別がつきにくく特別感に欠け、EV走行距離もカタログスペックで最大23.4kmと、近距離の買い物にも不十分なレベルなこと。2代目は外観こそ通常のプリウスと大幅に変えたものの、4名乗車で実用性が大幅に損なわれているというハンデも考えられそうです。
初代プリウスPHVのユーザーにとってはかなり残念な結果となりましたが、2019年5月に外観デザイン変更、5名乗車仕様への変更が行われているため、プリウスPHVの評価が上昇するとすれば、それ以降のモデルからになるかもしれません。
プリウスPHVを売るのにベストなタイミングは?
EVと同じように、充電スタンドなど、外部からの充電でもある程度の距離まではモーターのみでのEV走行が可能で、それでも電力が不足するようであれば、ハイブリッド車と同じようにエンジンとモーターを併用できるPHEV(プラグインハイブリッド)は、日本では、まだまだ特殊な車で車種も限られています。
エンジン/モーター併用走行とモーター単独走行を両立させるため、大容量バッテリーや外部からの充電システムを組み込んでおり、通常のプリウスより車両価格が高価で車重も1.5t超と重い(継続車検時の重量税が高い)という問題、あるいは充電スタンドが自宅や近所になければEV同様の運用はできないという問題もあり、まだあまり一般的に使える車とはいえません。
効果的に使えるユーザーは限られており、中古車としてもなかなか高価で販売しにくい車である限りは高価買取が難しかったのですが、2017年にデビューした2代目で通常のプリウスと大きくデザインを変えた結果、「プリウスの中でも先進的で特別な車」という認知度が高まり、最近になってようやく「売り時が来た」といえる車になりました。
とはいえ、ハイブリッド車やEVなど電動車全般にいえることですが、走行用バッテリーやシステムの耐久性や信頼性にまだ疑問符がつくのか、あるいは先進的な車でないと価値がつきにくいのか、年式や走行距離が進んだ時の価値が下落しやすい傾向にあります。
プリウスPHVでもその傾向は変わらず、価値が下落する前に売ると考えるのであれば、まずは3年目の初回車検で、次は2年おきの継続車検のたびに価値が落ちていくと考えて、そのタイミングで売却や乗り換えを検討するのがオススメです。