買取相場 | 2023.02.27
新世代コンパクトSUV!トヨタ C-HRは買取市場ではどんな値動きをする?
Posted by UruCar
1990年代半ばからヒットしたクロスオーバーSUVは数々のヒット作を生み出し、ミニバンと並ぶ主要ジャンルとなるまでに急成長しました。 トヨタもかねがねこのジャンルを注視していたようで、比較的手が届きやすいコンパクトカークラスに的を絞ったC-HRを、2016年末に新時代にマッチするダウンサイジングターボと得意とするハイブリッドを手土産に引っ提げてデビューさせました。今回はC-HRの買取相場に関してご紹介します。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
C-HRの中古市場での人気について
1980年代にはブリザード、2000年代からはキャミやラッシュといったダイハツからOEM供給を受けたコンパクトSUVを販売していたトヨタですが、これらはいずれもラダーフレーム式、あるいはビルトインラダーフレーム式シャシーに本格的な4WD機構を持つリアルオフローダーであり、万人受けするとはいいがたいのが実情でした。
その一方、1996年に発売したハリアーで、乗用車ベースのスポーティかつラグジュアリーなSUV”という、現在のトレンドを決定づける道筋こそつけたものの、初代RAV4(1994年発売)以降、小型SUVを販売することはありませんでした。
そんなトヨタが2016年12月に発売したC-HRは、まさに満を持して発売した小型SUVであり、発売前にあえてニュルブルクリンク24時間レースに出場させるほど、ロー&ワイドなクーペルックボディを持つ自慢のSUVだったのです。
大径タイヤと高い最低地上高を除き、5ドアクーペそのものといえるボディはそれこそデザイン最優先。追加された豊富なカラバリや豪華な内外装仕様、サードパーティ製を含む豊富なエアロパーツの相次ぐ発表などにより、市場では新時代の“スポーティカー”として圧倒的な支持を受けました。
買取査定額が期待できるC-HRのグレード
C-HRのグレードは、基本的に1.2リッターターボで4WDのS-TおよびG-T、1.8リッターハイブリッドでFFのSおよびGではじまり、2018年5月にS-TとG-Tにも安価なFFモデルが追加されました。
くわえて、2017年11月には灯火類をすべてLED化した特別仕様車 LEDエディションを設定。2018年5月にはLEDパッケージとしてS-TとSへカタログ設定するとともに、G-TとGは標準でオールLED化されています。
また、2018年12月には上級グレードであるG-TとGへ豪華内外装を施し、コンパクトクラスながらも高級SUVとして、より魅力ある特別仕様車モードネロ、モードブルーノを追加。
買取市場で査定額も残価率も高いのはハイブリッド上級グレードのGで、ついでガソリンターボ上級グレードのG-T、および両グレードのLED仕様となります。そのキャラクター性から、やはり上級モデルが歓迎される傾向にあるようです。
買取査定額が期待できるC-HRのカラー
C-HRの買取査定額上位をみると、ホワイトパールクリスタルシャインあるいはブラックマイカという定番カラーが圧倒的で、そこにメタルストリームメタリックがチラホラ混ざる印象です。
メーカーオプションのホワイト&ブラックマイカ、ブラック&ホワイトパールクリスタルシャインという2トーン仕様も人気があるようですが、斬新なデザインとは対象的に、車体色に関してはやはり定番が好まれる傾向が強いようです。
1年落ちC-HR(2022年式)の目安査定額
1年落ち2022年式C-HRは、2016年12月に発売され、モデルチェンジ間近と考えられるトヨタのクーペルックSUVの7年目モデル。
2021年6月に特別仕様車「モード ネロ セーフティプラス」が18インチアルミホイールやヘッドランプ、内装の加飾がブラック基調となった「II」へ、さらに2022年8月にはシートのベージュステッチ追加やボディカラー変更で「III」へとバージョンアップしています。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
(ガソリン車)
S-T:新車272万円/買取実績なし
S-T GR SPORT:新車316万円/買取価格198万円程度
G-T:新車305万円/買取価格219万円程度
G-T モード ネロ セーフティプラスII:新車310万円/買取価格182万円程度
G-T モード ネロ セーフティプラスIII:新車311万円/買取実績なし
平均買取価格:約200万円
平均残価率:約64%
(ハイブリッド車)
S:新車303万円/買取実績なし
S GR SPORT:新車347万円/買取価格223万円程度
G:新車336万円/買取価格221万円程度
G モード ネロ セーフティプラスII:新車336万円/買取実績なし
G モード ネロ セーフティプラスIII:新車337万円/買取実績なし
平均買取価格:約222万円
平均残価率:約65%
2年落ちC-HR(2021年式)の目安査定額
2年落ち2021年式C-HRは、2016年12月に発売され、モデルチェンジ間近と考えられるトヨタのクーペルックSUVの6年目モデル。
2020年8月の「GR SPORT」追加や予防安全パッケージToyota Safety Senseの機能強化など以降、大きな改良はありませんが、2021年6月に特別仕様車「モード ネロ セーフティプラス」が18インチアルミホイールやヘッドランプ、内装の加飾がブラック基調となった「II」へとバージョンアップしています。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年2月現在での平均買取相場は以下の通りです。
(ガソリン車)
S-T:新車272万円/買取実績なし
S-T GR SPORT:新車316万円/買取実績なし
G-T:新車305万円/買取実績なし
G-T モード ネロ セーフティプラス:新車310万円/買取価格170万円程度
G-T モード ネロ セーフティプラスII:新車310万円/買取実績なし
平均買取価格:約170万円
平均残価率:約55%
(ハイブリッド車)
S:新車303万円/買取価格184万円程度
S GR SPORT:新車347万円/買取価格236万円程度
G:新車336万円/買取価格212万円程度
G モード ネロ セーフティプラス:新車336万円/買取価格203万円程度
G モード ネロ セーフティプラスII:新車336万円/買取価格213万円程度
平均買取価格:約210万円
平均残価率:約63%
4年落ちC-HR(2019年式)の目安査定額
4年落ち2019年式C-HRは、1.2リッターターボ車「S-T」および「G-T」のFF車へ、クラッチ操作を検出してエンジン出力を最適調整、クラッチのみでの発進操作をスムーズにするほか、変速時のエンジン回転数制御まで行う電子制御MTの6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)を2019年10月から選択可能としたモデルです。オプション込みでのおおよその新車価格と2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
●S-T(FF/4WD)※2019年10月6速MT・FF車追加:新車268万円/買取実績なし
●S-T LEDパッケージ(FF/4WD):新車269万円/買取価格151万円程度
●S-T GR SPORT(FF・6MT):新車300万円/買取実績なし
●G-T(FF/4WD)※2019年10月6速MT・FF車追加:新車299万円/買取価格171万円程度
●G-T モード ネロ(FF/4WD):新車303万円/買取価格166万円程度
●G-T モード ブルーノ(FF/4WD):新車303万円/買取実績なし
●S(FF):新車296万円/買取実績なし
●S LEDパッケージ(FF):新車294万円/買取価格167万円程度
●S GR SPORT(FF):新車341万円/買取実績なし
●G(FF):新車327万円/買取価格178万円程度
●G モード ネロ(FF):新車328万円/買取価格176万円程度
●G モード ブルーノ(FF):新車328万円/買取価格198万円程度
平均買取価格:172万円程度
平均残価率:約56%
5年落ちC-HR(2018年式)の目安査定額
5年落ち2018年式C-HRは、2018年5月から4WDのみだった1.2リッターターボ車へFF車を追加し、2017年11月から発売されていた特別仕様車「LEDエディション」の全光源LED化を「G-T」および「G」で標準装備としたほか、「S-T」および「S」では改めて「LEDパッケージ」として追加グレード化しています。
さらに2018年12月には、「G-T」および「G」をベースに豪華仕様の内装やバックカメラ、RCTA(リアトラフィックアラート)を装備した特別仕様車「モード ネロ」「モード ブルーノ」を発売しました。オプション込みでおおよその新車価格と2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
●S-T(FF/4WD)※2018年5月FF車追加:新車268万円/買取価格144万円程度
●S-T LEDエディション(4WD):新車279万円/買取価格135万円程度
●S-T LEDパッケージ(FF/4WD):新車269万円/買取価格151万円程度
●G-T(FF/4WD)※2018年5月FF車追加:新車300万円/買取価格166万円程度
●G-T LEDエディション(4WD):新車308万円/買取価格139万円程度
●G-T モード ネロ(FF/4WD):新車303万円/買取実績なし
●G-T モード ブルーノ(FF/4WD):新車303万円/買取実績なし
●S(FF):新車289万円/買取価格157万円程度
●S LEDエディション(FF):新車294万円/買取価格130万円程度
●S LEDパッケージ(FF):新車294万円/買取価格141万円程度
●G(FF):新車321万円/買取価格159万円程度
●G LEDエディション(FF):新車322万円/買取価格177万円程度
●G モード ネロ(FF):新車328万円/買取実績なし
●G モード ブルーノ(FF):新車328万円/買取実績なし
平均買取価格:150万円程度
平均残価率:約51%
C-HRを高く売るためのポイント
C-HRは、2016年12月に発売されてから3年3ヶ月ほどとまだ新しく、都会派クーペルックSUVということもあり、着座位置は高いとはいえ、悪路走破性をメインとした車ではないため、リフトアップなどオフローダー的なカスタマイズでもしていない限り、高価売却を狙うなら、まずは内外装にオフローダー的な、あるいはアウトドア的な傷やシミを作らないことがポイントです。
オフローダー的なカスタマイズは専門店では評価されますが、一般的な買取ですと新車同然のコンディションを内外装ともに保ち、査定前に徹底的な洗車と車内清掃、消臭を行っておくのがポイントとなります。
C-HRの走行距離による値動きの変化
C-HRの2023年2月現在における走行距離ごとの買取相場を紹介します。
10万km台:102.3万円~104.3万円
9万km台:115.0万円~121.0万円
8万km台:106.0万円~135.2万円
7万km台:93.0万円~153.7万円
6万km台:96.0万円~153.7万円
5万km台:108.0万円~153.7万円
4万km台:101.3万円~186.4万円
3万km台:113.6万円~194.4万円
2万km台:113.6万円~194.4万円
1万km台:106.6万円~217.1万円
まだ新しい車種ということもあり、走行距離が少ない車が多いのですが、傾向としては5万km台に達するまでが程度良好なら高価買取の可能性が高く、8万km台以上で過走行として査定価格が下がりがちになるようです。
C-HRを売るのにベストなタイミングは?
初回登録から3年が経過しそうであったり、最初の車検を迎えたか、あるいは間もなく迎えるというタイミングで査定額の下がる車が見られるため、現状では「初回車検までに間があるうちに売ってしまうか、そのまま乗り続けるか」が、ひとつのポイントとなります。
「S-T」や「S」を全光源LED化した特別仕様車「LEDエディション」や「LEDパッケージ」は、今でこそ標準のグレードと比べてさほど査定で差がついておらず、むしろ新車価格が高いことを考えれば残価率が低い傾向さえあるものの、今後年式が古くなるにしたがって、標準のグレードより査定でプラス要素になるかもしれません。
逆に、現在では高額査定の対象である「モード ネロ」、「モード ブルーノ」といった豪華内装の特別仕様車、あるいは同じくシート表皮へ本革を使った「G-T」、「G」グレードは、年式が古くなると本革の経年劣化によって価値が大きく下がる傾向にあるため、高価買取狙いであれば、これらのグレードは長く乗り続けるより早めの売却を検討した方が良さそうです。
同様にハイブリッド車も年式が古くなるほど通常のガソリン車より残価率の低下が激しいことから、買取市場での「人気の時期」はかなり短く、人気車種のC-HRでもガソリン車と差がないのは4年落ちまでであり、5年落ちの2018年式で既に数%も残価率に差が出ており、高価買取が見込めるのは程度がよくとも5~6年落ちまでと考えた方がいいかもしれません。
事故車・修復歴ありのC-HRの場合は?
C-HRは、人気車ということもあってエアバッグが開いた事故車でも修復すれば販売が見込めるため、2018年式1.2リッターガソリンターボ車の事故車買取価格が137万円程度と、通常の買取市場と比較しても85%程度で高額買取が見込めます。
もちろん修復困難なダメージを受ければ問題外ですが、事故にあってしまったとガッカリする前に、事故車買取に出すと、思わぬ査定結果が得られるかもしれません。
C-HRの残価率・リセールバリューは?
まだ発売されて3年とたっていない“最新型”といえるモデルだけに、C-HRの残価率は1年落ちの45~62%から、2年落ちでも50~59%と、走行距離や車検残による差しか出ていないようです。
ただし、他の新型車が登場したこともあって、人気は比較的落ち着いており、買取市場へ続々と流れ込んでくるC-HRに対して需要も控えめなためか、買取価格はS-T系で120~152万円、S系で148~165万円、G-T系で155~168万円、もっとも人気のG系でも188~199万円程度となります。
ただ、G系は買取実績の大半を占めるにも関わらず、全グレード中最高の残価率と買取価格を誇っており、リセールバリューの面から見てもC-HRの“買い!!”は、GおよびG系の上級グレードと断言できます。