旧車・絶版車購入ガイド | 2021.05.11
現代に蘇った40ランクル?ポップな見た目に反して本物の走破性をもつ「FJクルーザー」
Posted by 菅野 直人
1990年代後半から「現代の車をベースにして、過去の名車のモチーフを可能な限り再現したリメイク」というのが流行りました。 海外ではVW「ビートル」を手始めにさまざまな車種がリメイクされましたが、トヨタも2006年に「FJ40系ランドクルーザー」を当時の「ランクドルーザープラド」をベースにリメイクし「FJクルーザー」として販売しました。2020年現在は中古車市場でどのような評価でしょうか?
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
トヨタ「FJクルーザー」とは
1998年、フォルクスワーゲンが「ゴルフ」をベースに往年の名車「タイプ1(ビートル)」のデザインモチーフを最大限取り入れた「ニュービートル」を発売するやヒット作となり、その後BMW「ミニ」や、フォード「マスタング」など、往年の名車リメイクが流行しました。
このような“レトロモダン”や“リビングレジェンド”といった動きは世界的に広がり、「さすが欧米は自動車の歴史が長くてうらやましい…」と日本車メーカーは指をくわえてみていたわけではなく、やはり1960年代から1970年代にかけて世界中で大活躍したトヨタ「FJ40系ランドクルーザー」(FJ40)のリメイクを、当時の「ランドクルーザープラド」をベースに手がけました。
こうして2006年に北米で発売された「FJクルーザー」は、丸目2灯ヘッドライトを囲むような楕円形フロントグリルやゴツい前後バンパー、白く塗られたルーフなどFJ40の特徴をよく再現しつつ、2ドアショートボディと見せかけて両側後席ドアはビルトインBピラー式の観音開きドアとなっており、単体での開閉はできないものの、前席ドアと前後両方開ければ広大な開口部で良好な乗降性を誇るなど、21世紀の車らしい新技術も採用されています。
FJ40が人気だったのは日本でも同様だったため(オフロードファンのみならず、1970年代末期からの初期RVブームでも流行ったため)、発売当初から日本市場への導入も望まれていましたが4年遅れて2010年12月にようやく発売されました。
FJクルーザーは単なるリメイクとしてだけでなく、車としての完成度も高くラダーフレーム式の堅牢なボディと電子制御を組み合わせた信頼性と悪路走破性の高い走行システムにヘビーなオフロードファンも納得するほどでした。ベースのランドクルーザープラドより高価だったものの幅広い層からの人気を獲得し、2018年1月まで販売されていました。
トヨタ「FJクルーザー」の中古車相場
大手中古車検索サイトによると2020年3月現在、FJクルーザーの中古車相場は以下の通りです。
※日本仕様は全て4.0リッターV6自然吸気ガソリンエンジンの4WD・5AT車
※価格は全て税別
【ベースグレード(2010年12月~2018年1月)】
153.8万円~418万円:155台・ASK(価格応談):1台
(新車価格:299万477円~300万円)
【カラーパッケージ(2010年12月~2018年1月)】
133.3万円~368万円:143台
(新車価格:308万5,715円~309万5,238円)
【オフロードパッケージ(2010年12月~2018年1月)】
158万円~359.8万円:36台
(新車価格:316万1,905円~320万9,525円)
【レッドカラーパッケージ(2011年12月~2012年7月)】
269.8万円~329.8万円:4台
(新車価格:309万5,239円)
【ブラックカラーパッケージ(2011年12月~2018年1月)】
219.8万円~378万円:61台
(新車価格:319万477円~320万円)
【ファイナルエディション(2017年10月~2018年1月)】
359.9万円~429万円:12台
(新車価格:323.4万円)
タマ数豊富なのは「ベースグレード」と、カラードアトリムやクルーズコントロールなどが追加された程度の「カラーパッケージ」程度で、日本での発売当初から設定されていた「オフロードパッケージ」はビルシュタインダンパーやリヤデフロックなど悪路走破性の高さを意識した割には、さほど流通していません。
レッドカラーパッケージやファイナルエディションは販売期間の短さからタマ数は少ないものの、希少性の高さからかやや高めの中古車価格となっており、希少性と価格のバランスがいいのはブラックカラーパッケージという印象を受けます。
いずれにせよ、FJクルーザーにデザイン以上のオフロード性能を求めるユーザーがそれほどいなかったため、中古車市場でもオフロードパッケージはあまり出回っていないということでしょう。
トヨタ「FJクルーザー」のオススメは本気のオフロード走行を考慮しない限り、装備で厳選
オフロードパッケージの流通台数が少ないことからもわかるように、FJクルーザーを求めるユーザーはあくまでデザインや雰囲気が最優先でした。本格的なオフロード走行へ供するユーザーならばオフロードパッケージ一択ですが、そうでなければ「内外装のカスタマイズや装着オプション次第」となります。
北米で人気のTRDホイール装着車やリフトアップ車をはじめ、多彩なカスタマイズを受けている車もありますし、そうした雰囲気重視の車選びをするならばグレードで選ぶより、自分の好みに合うかどうかが一番です。
古くとも10年落ちでデザイン面での趣味性が高い車ですからさほど値落ちしていませんし、どのみち高価になるならば多少高い程度で妥協するより、とことん好みに徹するべきでしょう。
トヨタ「FJクルーザー」の中古車選びの注意点
メカニズム面では世界が認めたランドクルーザープラドそのもの、頑丈なラダーフレーム上に載っているボディが異なるだけですし、古くとも10年落ち程度ならランドクルーザー一族が耐久性に起因する致命的な故障を抱えているとは考えにくいため、車選びでは内外装の小傷や修復歴のある車では左右の前後ドアが正常に開閉できるかなどのチェック程度で良さそうです。
問題があるとすれば、車内へ不快に感じる臭いなどが染みついていないか、カスタマイズが好みであるかどうかくらいでしょう。
トヨタ「FJクルーザー」の中古車維持費目安
前項で書いたように見た目の傷や臭い以外では故障の心配など考えにくい車ですから、日常的な維持費で高価ななのはサイズが大きいタイヤくらいであろうと思われます。
それを踏まえた上で、初期の並行輸入車でもないかぎりまだ新規登録から10年以内ですから重加算税対象外で、自動車税が総排気量3.5リッター超4.0リッター以下で76,400円です。重量級大排気量車にしては実燃費はそう悪くなく7km/L程度で、2020年3月現在のレギュラーガソリンがリッター約136円程度、仮に月1,000km走るなら月19,500円程度のガソリン代がかかり、年間のガソリン代が約23.5万円に自動車税を合わせて約31万円程度がFJクルーザーにおける最低年間維持費の目安となりそうです。
人気車種でそれなりに盗難リスクもあることから保管場所のセキュリティや車両保険には相応の気を使いつつ、その他ユーザーの環境次第で変わってくる購入後の駐車場代やタイヤ代、車検代や整備代、任意保険代などは各自計算してみてください。