カスタム・アフターパーツ | 2020.08.08

アルミホイールの鍛造と鋳造はどのように違う?それぞれの特徴とは

Posted by 菅野 直人

軽量でチューニング向き、あるいは多彩なデザインでドレスアップ向きのアルミホイールですが、前者は鍛造(たんぞう)、後者は鋳造(ちゅうぞう)でつくられていることが多く、そのスペック(重さ)や価格には大きな差があります。今回はその製造法の違いや、それぞれの特徴を説明しましょう。

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「加工」がメインの鍛造ホイール

素材であるアルミ合金を溶かして型へ入れ、冷やしながら大きな圧力を加えて大まかな形を整え、さらに切削加工で細かい形まで仕上げるのが鍛造(たんぞう)ホイールです。

この製造法では、形をつくる段階で圧力を加えるのがポイントで、その際にアルミ合金の結晶が整うほか、内部に気泡などが残ったり、素材が冷えていく段階で形状や厚みの違いにより部分的に大きな力がかかり、変形や剛性低下の元となるのを防ぐ効果があります。

つまり、同じサイズでも薄い肉厚で高い強度を出すことができるため、軽量なホイールをつくることが可能なことから、スポーツカーや競技車両など、乗り心地やデザインより瞬発力や旋回性など、性能重視でいきたいアルミホイール向きの製造法です。

素材を溶かして以降は、ひたすら加工、加工でつくることで、軽くて強度を増やすことができるだけでなく、凝った加工をすれば、複雑なデザインのホイールもつくることができるため、ドレスアップにも使えないことはありません。しかし、加工を増やせば増やすほど製造コストがかかるため、さほど軽量にこだわらないのであれば、高価な鍛造ホイールを使う必要はありません。

何としても走行性能にこだわりたいのであれば、高価でも鍛造ホイールを選ぶべきですが、粗悪な偽物が軽量鍛造ホイールと称して安く販売されているケースもあり、そのようなホイールで本当に軽量な場合は、単に材料を節約し、安く仕上げているだけのため、容易にスポークが折れたり、リムが曲がったりとロクなことがないため注意が必要です。

本物の鍛造ホイールは、仕上げ段階まで掘削加工で、裏面に型の跡などほとんど残らないため、あまり安い鍛造ホイールを見つけた場合、裏面を見てみるのも見分ける一つの手段だと覚えておいてください。

加工は最小限で低コスト大量生産向きの鋳造ホイール

素材を溶かして型に入れるところまでは鍛造と同じですが、そのまま圧力などをかけずに、型の段階で基本的な形をつくってしまうのが鋳造(ちゅうぞう)ホイールです。

形ができた後は、やはり切削加工などで細部をつくり込んでもよし、あまり細部の形にまでこだわらず、単純な形でよいのであれば、型に入れたアルミ合金が冷えて固まった段階で取り出して完成でもよしと、いずれにせよ加工の手間が少ない分だけ安く、そして圧力を加えないため型の寿命も長く、製造コストの安さから大量生産向きで、販売価格も安くなります。

ただし、基本的な形をつくる段階では「流し込んで冷やして固める」だけのため、金属の結晶を安定させたり、気泡をつくらないなど、強度を上げる処理がなく、歪みを生む応力発生を防ぐこともないため、同じ大きさと強度のホイールをつくる場合、鍛造より肉厚で重くなってしまい、かつ寸法や強度も安定しません。

それでも真っ当な市販品であれば、鉄ホイールと同等の重さで強度や精度も十分で、場合によっては鉄ホイールより安くつくることができるため、ドレスアップパーツとして安くてカッコイイアルミホイールを揃えたり、冬用タイヤにもアルミホイールを履きたい場合などには向いています。

鍛造と鋳造、ホイールを買うならどっち?

性能を追求するのであれば、似たような形状の場合、3/4程度の重量で済む鍛造ホイールが絶対的にオススメで、予算に余裕がある場合は、鍛造ホイールというだけでわかる人からは見る目が変わってくるため、特にスポーツカーであれば、ドレスアップにも向いていると言えなくもありません。

ただ、予算に余裕がないのに無理して少しでも安い鍛造ホイールを探した結果、偽物をつかまされる可能性も皆無ではありません。また、ドレスアップ狙いであれば、無理に鍛造にこだわらず、多彩な製品が販売されている鋳造ホイールから予算内で気に入ったホイールを買った方がよいでしょう。

鋳造のホイールは、シンプルな形状の鉄ホイールの方が場合によっては軽い、というのは車にちょっと詳しい人であれば誰でも知っていますし、「アルミだから軽いわけではなく、デザインが良いから選んだ」という点を強調しておけば、重さについても特に問題にはならないでしょう。

荒れた路面も多い公道での乗り心地に関しては、重いホイールの方が有利な点もあって、全ての性能で鍛造ホイールが上というわけでもないため、サーキット走行やモータースポーツ参戦でもしない限り、むしろ鋳造の方が選択肢も豊富でコストパフォーマンスに優れているといえます。

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