カスタム・アフターパーツ | 2021.05.11

ホイールスペーサーとは?どのような役割がある?

Posted by 菅野 直人

買ってきたホイールのインセットが微妙に合わず、ツライチにもならない、という時に使うイメージのある「ホイールスペーサー」。他にもワイドトレッド化やPCD変更などにも使われますが、具体的な役割や注意点について、ご説明しましょう。

以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

一番単純な「ホイールスペーサー」は5mm厚までが基準

タイヤホイールを取り付けるハブと、ホイールの間に取り付ける「ホイールスペーサー」。

単に挟み込むだけのタイプの場合、1mmから8mmまで何種類かありますが、あまり厚みがあると純正ハブボルトの長さが不足してしまい、ホイールナットを噛み込ませる余地がなくなってしまい、無理やり締めてもナットが外れやすかったり、スペーサーが潰れて割れてしまい、タイヤが脱落する恐れがあるなどの問題があり、純正ハブボルトでの使用は5mm厚までと言われます。

それもショップの考え方によっては、「5mm厚でも不安なのでロングハブボルトへ打ち替えましょう」と提案されることもあり、もちろん8mm厚では打ち替え必至です。

主な用途としては、ホイールを組んでみたものの、インセットが微妙に合わず、タイヤやホイールが気持ち内側に引っ込んでいるのを外に出し、フェンダーとツライチにするのが第一のため、そもそも5mmも8mmも外に出すのであれば、ホイールそのものを別なものにした方が良いという考え方もあります。

ただ、予算が潤沢でない場合や、気に入ったホイールなのにインセットの選択肢が少ない場合などに、やむをえず使うパーツと考えても良いでしょう。

モータースポーツでは禁止されていることも多く、強度には不安なものもあり 

ドレスアップ目的で使う分には、あまり問題になりませんが、スポーツ走行でハブボルトへの負担が大きくなる場合、スペーサーを使用するとボルトへの負担も通常より外側へ発生し、テコの原理で大きな力がかかるようになるため、あまり継続的な使用には向きません。

ジムカーナやダートトライアル、ラリー競技などでは規則で明確に禁止されているクラスも多く、特にナンバーつき車両で行うようなモータースポーツでは、スポーツ走行中のハブボルト破断はもちろん、競技会への会場に自走で行き来することも少なくないためのリスク回避もあってか、まず使えないと思った方が良いです。

ドリフト競技やレースでは許されていることも多いのですが、やはり走行中のボルト破断とタイヤ脱落事故は少なくないため、使用するとしてもハブボルトは消耗品扱いで、早期に打ち替える必要が出てきます。

また、安価な製品も出回ってはいますが、あまり安いと品質面で不安があったり、ハブリングのない製品ではセンターが出ずにズレが生じ、ホイールバランスが出ていないような状態でタイヤが回転した際に不気味な振動が出たり、それが原因でハブボルト破断やスペーサー破損、タイヤ脱落の原因になる場合もあります。

また、3mmのスペーサーでまだ微妙に足りないため、1mmのスペーサーを追加、など重ねて使ってもズレやすくなるほか、ドラムブレーキなどで接触面が平らでないハブの場合も、スペーサーの装着に向きません。

ワイドトレッドスペーサーは、車検適合品であれば公道でも使用もOKなものの…

通常のスペーサーとは別に、さらに分厚い「ワイドトレッドスペーサー」という製品もあります。

この場合は、ロングハブボルトを使わず、純正ハブボルトでスペーサーを固定し、スペーサーから出ているハブボルトにタイヤを固定しますが、大抵は純正ハブボルトが長すぎて、そのままではスペーサーから飛び出してしまって、ホイールとスペーサーを面で接触できず、ホイールのガタやホイールナットの緩みによるタイヤ脱落などの原因になります。

そのため純正ハブボルトを切断して短くする必要がありますが(元に戻す時は新しくハブボルトを打ち替える)、それでもスペーサーをナットで固定する際、通常のホイールナットより小径のボルトで締め込むため、その際の締め込みトルクが甘くて脱落したり、ハブリングのないスペーサーを使った場合のトラブルは、通常のスペーサーと同じです。

それどころか、ハブ位置はそのままにタイヤホイールをより外に出すため、テコの原理で純正ハブボルトにかかる力が大きくなり、激しい走行や重量級の車や重いホイールを使った際には、純正ハブボルトの破断リスクがより高まるため、車検適合品以外は車検でNGになる可能性が高いほど、しっかりした品質管理が求められます。

マイナーPCD車には便利なPCD変換スペーサー

「PCDチェンジャー」と言われることもありますが、ワイドトレッドスペーサーの一種でPCDを変換できるスペーサーもあります。

PCDには100、114.3、110など何種類かあり、さらにそれが4穴、5穴、6穴とあるため、場合によってはマイナーPCDでは、ホイールの選択肢があまりありません。

そのため、ワイドトレッドスペーサーのスペーサー側につくハブボルトが純正と異なるPCDになっており、履けるホイールの選択肢が増えます。

マイナーPCD車には救いの神とも言えるパーツですが、注意点はワイドトレッドスペーサーと変わりません。

装着はあくまで保安基準の範囲内で、使わずに済むのであれば、その方が無難

ホイールスペーサーはあくまでドレスアップ時の微調整用、あるいはホイールの選択肢が限られている場合など、応急措置的なものなので、ここまで説明してきたデメリットやリスクを考えれば、使わずに済むのであれば、それに越したことはありません。

理想的なのは、スペーサーを使わず適切なインセットのホイールを準備することですが、場合によっては、そうもいかない場合もあるでしょうから、どうしても使う場合は、最低限の使用で、できればドレスアップ目的のみにとどめ、ワイドトレッド化による走りの変化を楽しむ、といった用途には使わないのが無難です。

そのような場合でも、結果としてハミタイ(フェンダーからタイヤやホイールがハミ出す状態)は避け、可能な限りハブリングつきの製品を選んで装着しましょう。

 

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