カスタム・アフターパーツ | 2021.05.11
ワンオフマフラーのすすめ。付けるときはどこに頼めば良い?
Posted by 菅野 直人
車のチューニングやドレスアップの定番と言えるマフラーですが、最近は規制が非常に厳しくなっています。昔のように「脱着式のインナーサイレンサーで、普段は何とかしておけばよい」というわけではなく、そもそも2010年4月以降に生産された車はインナーサイレンサーが禁止になっています。音量規制も新しい車ほど厳しくなっており、それでもワンオフマフラーを頼むのであれば、遵法精神のあるショップなどに依頼する必要があります。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
昔は良かった!ワンオフマフラー全盛期
自動車のアフターパーツ交換というのは、1995年に海外からの圧力で大幅に規制緩和され、それまでは少し車高を落とすことも禁止、ラリー車であっても、ロールバーやフォグランプの禁止が時間の問題、ましてやマフラー交換など、とんでもない!という状況からは、だいぶ自由になりました。
それまで「競技用部品」という但し書きつきで売られていた社外マフラーも、騒音が規制値内であれば、大手を振って交換できるようになりましたし、サーキット走行など公道以外での使用を前提に、公道で走る時は、ボルトなどで容易に脱着が可能なインナーサイレンサーをつけることにより、規制値内に収まるのであれば、極端な話どのような爆音マフラーでも良かったのです。
そのため、古くなって純正部品が出なくなったような車でもマフラー交換は容易になりましたし、大抵は鉄製であるため、サビてボロボロになったマフラーを交換するついでに、ちょっと良い音のするワンオフマフラーを頼むか!ちょっと高いけど!というニーズもたくさんありました。
それに合わせてショップの方でも、ベースにあるマフラーを元に、切った貼ったで素材は鉄でもステンレスでも、車種がなにであれ、ワンオフマフラーを作ってしまうところも多かったのですが、当然ながら無法状態で爆音を立てる車が増えていきました。
もちろん違法で取締対象ですが、警察もそれほどヒマではないため、一台一台捕まえて没収というわけにもいきません。ならば車検で、そのようなマフラーは通らないようにしたり、そもそも生産時の騒音規制からもっと厳しくすればよいのだ、ということになりました。
そのため、今はワンオフマフラーといっても、そう簡単に作って売れませんし、インナーサイレンサーもリベットや溶接などで完全固定する必要があり、脱着式は禁止、2010年(平成22年)4月以降に生産された車は、そもそもインナーサイレンサー自体が禁止になりました。
それでは、サーキットで勝てないではないか!と声を上げようにも、今はサーキット側で「規制値以上の爆音マフラーはお断り」というところも増えたため、観念するしかありません。もう安易に「ワンオフマフラーのすすめ」というような記事も書けなくなりました。
それでもワンオフマフラーが必要な理由
しかし、だからといってワンオフマフラーが完全にこの世から消え去るわけにはいきません。
古い車の中には、純正部品としてのマフラーが完全に廃版となって、注文しても「欠品です。再生産の予定もありません!」と冷たくあしらわれるだけという車もありますし、そういう時の頼みの綱として、「純正マフラーと同じものを作っています」というマフラーメーカーもあるのですが、そういうところでも作っていないマフラーは、どうにもなりません。
さらに、マフラー交換自体は違法ではないため、「騒音を立てたいわけではなく、性能や見た目のためにマフラーを変えたいだけ」という健全なユーザーも数多いですし、そういったユーザーは、既製品に満足できなければ、やはりワンオフマフラーを注文するしか方法がありません。
そのため、志の高いショップは「ウチではいわゆる爆音マフラーはつくりません!」と宣言した上で、ワンオフマフラー製作を続けているため、そういうショップを探し出して、作ってもらうのが一番となります。
最後の手段であるワンオフマフラーに及ぶからには、「社外マフラーの種類が多いような人気車種ではない」、場合によっては「明らかにマイナー車でショップ側も初めて見るような車」という可能性もあるため、どのような車でも対応可能なショップであれば何よりです。
ワンオフマフラー注文のすすめ
ここまで著しくワンオフマフラーに不利な環境となった世の中ですが、それでも注文するのであれば、まずは注文を受けてくれるショップが遵法精神を持っている、すなわち「ちゃんと法律を守る気があるかどうか」が大前提です。
サーキット走行専用車、かつ走るサーキットが音量無制限であればともかく、少しでも公道を走ったり、サーキット独自、あるいは国の定めた規制に則った車しか走らせないサーキットを走るのであれば、法律で定められた保安基準をクリアできるマフラーしか装着できないため、場合によっては、「ウチでは、純正よりよほど静かなマフラーでも、性能を落とさず作ることができる」と断言するくらいの自信が求められます。
それも近接排気騒音が1997年(平成9年)までに生産された車であれば103dBまで、それ以降であれば、エンジンレイアウトによって96~100dBまでと決められているなど保安基準を理解した上で、2018年11月30日以降の新たな規制値91~95dB(生産時の規制がこれを超えているものは、新車時の規制+5dBまで)も理解しているなど、きちんとしたショップに頼みましょう。
過去にも厳しい排気音規制はありましたが、現在でも車検適合のマフラーを作っている各マフラーメーカーやショップは、そうした規制を乗り越えてきた自信があるはずです。また、その自信がないまま安易に(形だけであれば)ワンオフマフラーを作ることができる、というショップには、かえって頼まないほうが無難です。
なお、注文の際には、「マフラーは消耗品のため、劣化による排気音量が増加する」ということを理解し、あまり規制ギリギリで作ったものは、長期間の使用に耐えないと頭に入れつつ、ショップ側とよく話し合って注文してください。
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