カスタム・アフターパーツ | 2021.05.11
アルミホイールメーカー・wedsとは?他のホイールと何が違うのか
Posted by 菅野 直人
日本には、大小合わせると多数の自動車用ホイールメーカーがあり、さらに複数のブランドを抱えている例も多く、どちらかというとメーカー名よりブランド名の方が知名度が高いパターンも多いかもしれません。そんな中でも、自らの車名を冠したスポーツアルミホイールブランドを持ち、そのブランドでSUPER GTのチームにもスポンサードしている「weds(ウェッズ」は、割と有名なメーカーかもしれません。
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国産カスタムホイール黎明期の一翼を担った「weds(ウェッズ)」
今や9つものアルミホイールブランドを持ち、その他にトラック用アルミ「TMF」などを販売する東京車輪、3ピース鍛造アルミを得意とするスーパースター、カー用品店や福祉施設、携帯電話販売など多様な事業を展開するバーデンと、いずれも個性的な企業を傘下に持つ「weds(ウェッズ)」。
一部で「日本初のアルミホイールメーカー」とされていることもありますが、実際は少々複雑で、「日本初のアルミ鍛造3ピースホイール」と自社HPでは紹介しています。
そもそもwedsの前身、日産ディーラーへ新車添付品を納入する企業として日宝株式会社が創立された1965年頃とは、乗用車が庶民のマイカーになるには少しお高い時代で、国産アルミホイールなどレーシングカー用でさえ存在せず、第1回日本グランプリ(1963年)に出場したメーカーワークスでさえ、純正鉄チンホイールをぶった切り、円筒を溶接してワイド化した、即席の加工ホイールであったという時代です。
この加工ホイールは、黎明期のレーシングカーやカスタムカー用のカスタムホイールとして、レース屋さんを中心に商品化され、さらに海外から招待されたレーシングチームの履いていたアルミホイールやマグネシウムホイールに刺激を受けたレース関係者を中心に、それらの国産モデルをつくろうという動きで始まりました。
さらに、アメリカでは既に深リムでワイドな市販車カスタム用アルミホイールが人気を博しており、製造すれば飛ぶように売れる状況から、1967年には日本でも輸出向けアルミホイールが登場、国内でも販売されるようになりました。
そうしたレース屋さんやアフターパーツメーカーの動きを純正ホイールメーカーが見逃すはずもなく、今でもレクサス用純正アルミホイールなどを製造する純正ホイールメーカー「中央精機株式会社」(※なぜかこれがwedsの前身と誤解される場合がありますが、れっきとした現存メーカーです)で、鉄チンにクロームメッキ加工を施した「エルスター」というカスタムホイールが開発されます。
この「エルスター」を1969年2月から西日本地区発売元として販売していたのが、まだwedsになる前の日宝株式会社です。
この時点では、まだ中央精機株式会社が製造するホイールの販売を手がけているにすぎず、ホイールメーカーというわけではありませんでしたが、1970年代から盛んになる公道向け国産カスタムホイール黎明期の一翼を担っていたのは間違いありませんでした。
weds、始動!モータースポーツへも参入
1973年11月、他社ホイール部門の譲渡を受け、本社を大阪から東京へ移転すると同時にWorld Elstar Distributor Systemの略である「weds」をブランド名とし、「株式会社ウェッズ」へと社名も変更します。
人気商品「エルスター」がその名の由来であり、原点ともなったwedsですが、1977年には日本初のアルミ鍛造3ピースホイール「レーシングフォージ」を発売し、国産ホイールに新たな歴史を刻みました。
同年には、GC(グラチャン)レースなどの前座として開催され、TSレースともどもメインレース以上の熱い戦いと人気を誇ったマイナーツーリングカーレースに関わり、1985年には、坂東商会(現在も有名なRACING PROJECT BANDOHの母体)へスポンサードして、コロナExivによりJTCC(全日本ツーリングカー選手権)へ参戦、同チームが舞台をJGTC/SUPER GTへと移しても関係は続き、現在に至ります。
その際の名称は、現在も続くスポーツアルミホイールやブレーキパッドなどスポーツ系パーツブランド「ウェッズスポーツ(Weds Sports)」で、スポーツカーに興味のある車好きにとっては、このブランドがもっとも馴染みがあり、wedsを代表するブランドと言えるかもしれません。
マーケットリサーチ能力と企画力によりトレンドを先取りし、今や9ブランド!
現在に至るwedsの特徴は、鋳造・鍛造のメリットを併せ持ち、強度を確保しながら軽量化を達成しつつ、デザインの自由度も高い「AMF製法(スピニング製法)」など高い技術力と、市場からの要望を素早く吸い上げ企画に活かすマーケットリサーチ能力により、9ブランドから多種多様なニーズに応えたホイールを販売していることです。
高級セダンからミニバン、軽スーパーハイトワゴンまで、芸術的な造形美で足元を引き締める、「Kranze(クレンツェ)」シリーズ。
パワフルでダイナミックな印象を与える「MAVERICK(マーベリック)」シリーズ。
アルミ削り出し鍛造製法で質実剛健を追求した「F zero(エフゼロ)」シリーズ。
豊富なカラーバリエーションで最先端のカスタマイズを提唱した「LEONIS(レオニス)」シリーズ。
軽快なスポーティ志向の「NOVARIS(ノバリス)」シリーズ。
耐久性や耐腐食性に優れたカスタムホイール「RIZLEY(ライツレー)」シリーズ。
本格オフローダーやSUV、リフトアップ車両によく似合う「WEDS ADVENTURE(ウェッズアドベンチャー)」シリーズ。
プレミアムカーをスポーティに仕立てる高級車向け「DELMORE(デルモア)」シリーズ。
多彩なサイズやデザインラインナップを誇り、適合車種も多い「STYLISH WHEEL(スタイリッシュホイール)」シリーズ。
そしてスポーティというよりスポーツ用途そのものの軽量高性能を極限まで突き詰めた「WedsSport(ウェッズスポーツ)」シリーズ。
いずれも個性派が揃っており、様々な方向性のドレスアップからチューニング、純粋なモータースポーツ用までユーザーのあらゆるニーズに応えるカスタムホイールの企画・開発を続け、常に新たな提案を披露するなど、時代をリードするホイールメーカー、それがweds(ウエッズ)です。