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カスタム・アフターパーツ | 2020.12.30

強化するにはどのようにする?「ボディ剛性」がなぜ重要か?

Posted by 菅野 直人

一時は何かがモデルチェンジするたびに、「従来比〇〇%アップ!」と売り文句の定番であった、車のボディ剛性。最近は、環境問題で燃費などに話題がシフトしたことや、SUVやミニバン、トールワゴン全盛期にあって、剛性より新素材で軽量化の方が目につくようになりましたが、それでもいまだにボディ剛性は重要です。剛性強化パーツの話題も含め、その重要性を紹介します。

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試乗会でボディ剛性の弱さにビックリ!後から強化パーツが多数販売された車の思い出

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あれは1990年代末のことでしたが、開発スクープ情報が乱れ飛び、ユーザーからの期待も一身に背負い、某社から鳴り物入りで発売された、とあるスポーツセダンの試乗会がありました。

通常の試乗であれば、ディーラーの店員が横に乗り、あまり無理はさせないものなのですが、何しろ期待の新型車、それもスポーツタイプですから、走り出すなり「いくらアクセル全開しても良いですよ」と店員が自信満々で煽ってきます。

ならばと6速MTをフルに使って加速してみると、エンジンの音や振動はお世辞にも上品でスムーズとは言わないものの、それなりによく回ってスピードも出たので、まあまあ速いかなくらいには思いましたが、その先でUターンした時に「グニャッ」。

当時、「ボディは力だ」というキャッチコピーで売り出していたライバルに対し、「ボディは力じゃない」という、今からすると妙なキャッチコピーで対抗した新型車でしたが、まさかUターンしただけでフロアがグニャグニャするのを体感できるとは思いませんでした。

頭の中で購入候補から外すとともに、「この車は後付けのボディ補強パーツが多数出るんだろうな」と予感していましたが、実際その通りだったのです。

どれだけ良いエンジンを積もうが、高級車ばりの足回りを使おうが、Uターン一発でボディ剛性にボロが出る車はとてもマトモなスポーツセダンとは言えず、2代目以降はむしろ高級スポーティセダンとしての道を歩んで現在に至っています。

パワーも路面からの入力も、しっかり受け止めるにはボディ剛性が大事

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その後、筆者はとあるメーカーのターボエンジン搭載スポーツコンパクトを購入しますが、それでジムカーナに出場した際、安価な車らしくプアな足回りはともかく、スラロームの切り返しでどうしても顕著なアンダーステアに悩まされます。

最初はアクセルワークやステアリングのタイミングでごまかしていましたが、タイムを詰めようと思えば気持ち良く踏んで行けるのに越したことはありません。

基本、切り返しの際の横Gでボディがグニャグニャ歪む感覚はあったため、当時ちょっと流行していた「サイドシルへの発泡ウレタン注入」を敢行したところ、それまで横Gに応じて左右のサイドシルがバラバラにねじれ、フロアも波打つようであったのが、「まるで強固な一枚板のようなフロア」に変貌し、サスペンションもしっかり動いてスラロームだろうがなんだろうが、スカスカと気持ち良くクリアできるようになったのです。

発泡ウレタンそのものはまだ可燃性の時代であり、後のことを考えると失敗だったとはいえ、ボディ剛性を強化することで操縦性が劇的に変化するという経験は、一度ハマるとヤミつきになります。

逆に言えば、コストとの兼ね合いでホドホドに抑えられている車のボディ剛性がノーマルでは、いくら良いタイヤやサスペンションを使ったところで、ボディの歪みで走行中のアライメントがメチャクチャになったり、本来サスペンションやタイヤで受け止めるはずのパワーや路面からの入力など、性能発揮がまるでできていません。

対象的であったのは、昔乗ったフォルクスワーゲンのゴルフIIで、ちょっと乗っただけでボディの重厚感や剛性を存分に感じさせ、エンジンやサスペンションに勝っているくらいの方が安心して振り回せると思ったものです。

ボディ強化はまずフロアから、そしてバランスも大事

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衝突安全性能を優先した結果として歪みの出やすかった時代を経て、最近では安全性と操縦性、快適性のバランスを取りつつ、剛性に関わらない部分は成形もしやすく軽い樹脂製パーツを多用し、それ以外の部分もハイテンと呼ばれる軽量高剛性鋼材を安く加工できる技術が確立され、軽くて丈夫な車が増えました。

何しろ、軽くて空力も良くないと燃費性能がガタ落ちになりますし、さりとて軽いだけではボディの振動や騒音がこもったりして乗り心地が悪く、運転していても気持ちの良いものではないため、ボディ剛性は高いのが大前提です。

とはいえ、あくまでそれは一般的な街乗り走行での話であり、激しいスポーツ走行となると力が集中しやすい「弱点」からクラック(亀裂)が入ったり歪んできたりするため、今でもボディ補強ができるのであれば、それに越したことはありません。

その場合、ラダーフレーム式であれば、フレーム補強をするのはもちろんですが、モノコックボディでもまずはフロアやサスペンション、スタビライザーなど取り付け部の強化を第一に考え、古い車ほどアンダーフロアバーやストラットタワーバーによる補強から行うようになります。

さらに、ハッチバック車など2BOX車や、4ドアセダンなど2BOX車でもトランクスルーで隔壁の剛性が十分でない場合は、「ハコとしての形を保つための補強材」が必要ですが、転倒時の安全性も含めてロールケージを入れ、さらに4ドア車、5ドア車などBピラーがある場合は、ロールバーとBピラーを接合することで、より強固になります。

その際、ロールバーの点数(ボディとの接合数)が多いほど強固にはなりますが、硬すぎるボディはサスペンションセッティングをよほどうまくしないと、かえって曲がりにくくなりますし、重量増加や車の使い勝手の悪さにもつながるため、用途に応じてフロアやサスペンション取り付け部以外は手をつけないなど、バランスを取るのも大事です。

また、テールゲートつきのクーペやハッチバック車など、ボディ開口部が大きい車は、開口部周りのスポット溶接点数を増やしたり、開口部の強化、ドアストライカーを強化品へ強化するなどでも劇的に剛性が向上します。

さらに、中古のスポーツカーの場合、既に事故や経年劣化でボディに歪みが生じていることも多く(特にオープンカー)、補強パーツを購入したものの、説明書通りに装着するのに苦労するケースもあるため、ベース車が古かったり、程度があまり良くない場合は、既存品のポン付けより、現車合わせでワンオフした方が早い場合もある、と付け加えてさせてください。

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