カスタム・アフターパーツ | 2020.10.31

格安タイヤってどうなの?検討すべきリスクとメリット

Posted by 菅野 直人

車を維持していく上で、あまり走行距離も伸びないのに、車検ごとに新車を買い替えるような人を除けば、避けて通れない消耗品がタイヤです。特にここ20年ほどでいわゆる「アジアンタイヤ」と総称される格安タイヤが広く出回り、普通に使っている人もいれば信頼の老舗ブランドへお任せという人もいますが、格安タイヤを検討するのであれば、注目したいメリットやリスクは、どのようなところにあるでしょうか?

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初期には「ロクなもんじゃない」と言われた格安タイヤ

日本市場でいわゆる「アジアンタイヤ」と呼ばれる格安タイヤが出回り始めたのは、1990年代も後半に入った頃からでしょうか。

それ以前から日本以外のアジア諸国、東南アジアなどで、自動車用タイヤはつくられていましたが、それを大々的に日本市場へ導入し、その安さでまず話題になったのは、某大手カー用品店であったように思います。

そのカー用品店のプライベートブランドで販売されたタイヤは、確かにそれまでの自動車用タイヤに比べて価格破壊を起こすほど格安で、サマータイヤのみならず、スタッドレスタイヤも準備されていましたが、最初はもの珍しさとバブル崩壊後の超絶不景気もあって、筆者の周りでもある程度、買う人はいました。

正直なところ、サマータイヤについては「決して高性能ではない、国産で一番安いタイヤ並」ということだけ頭に入れておけば、普通に使えたものの、スタッドレスについては、国産タイヤでさえも、まだ品質や性能が一定しない時代であったため、格安スタッドレスなどを買うと、ロクなことにならないという評価が大多数を占めていたものです。

ドリフトでまず受け入れられた格安タイヤ

しかし、特に高性能ではない、と言っても格安サマータイヤはスタッドレスよりマシなグリップ力であったため、むしろ適度に滑ってコントロール性のよいタイヤではないか?ということで、まずドリフト業界が積極的に受け入れていったように思います。

その走行特性上、非常に消耗が早いドリフト車のタイヤは安くないと続けるのが大変でしたし、さりとて冬に履くには消耗しすぎたスタッドレスタイヤ頼りでは、いくら滑りが良くてもコントロールに難があり、何よりトラクション性能が低すぎてスピードが乗らず、迫力あるドリフトへ結びつきません。

そこで、まずは韓国や台湾製タイヤが頭角を現し、いずれ中国製やインドネシア製など、2000年代以降に品質を上げてきたタイヤが続いていき、やがて韓国のハンコックなど、かつて我が国のブリヂストンなどがそうであったように、欧米の車種でも純正採用されるようになり、韓国車に抵抗のある国産車でも、ハンコックタイヤは使われるようになっていきました。

格安でも侮りがたい実力を持つアジアンタイヤはある

sippakorn / Shutterstock.com

やがて2000年代も後半に入ると、レースなどで同じく韓国のクムホタイヤが「安い割にグリップ力が優れ、特にレインタイヤとして有効」と名を上げ、ならば他のアジアンタイヤでもよい物はよいのだろう、と抵抗なく使われるようになっていきました。

自動車産業の育成に熱心であった韓国のハンコックやクモホ、それに次いでフェデレラルやナンカンを擁する台湾、そして同じナンカンでも中国製タイヤ、ATRなどインドネシア製タイヤも受け入れられていきますが、筆者がモータースポーツの現場で実際に見てきた限り、国産タイヤへ肉薄する水準に達していると言えるのは韓国製や台湾製です。

ただし、それら「高品質アジアンタイヤ」は実力が認められるとともに、お値段も実力なりとなって、特に偏見のないユーザーからすれば「ちょっと安い程度でよいタイヤ」という扱いになっており、もはやここでいう格安タイヤからはちょっと外れてきます。

次いで安くてよいタイヤと言えばインドネシア製の評判が近年良いようですが、あくまで1~2世代前の国産セカンドグレードタイヤの水準に達したかな、という程度で、今後に期待したいところです。

本当の格安タイヤはかなりリスキー

安い代わりに「本物とは限らない」、あるいは「本物と似たような形をしているけど、中身もそうとは限らない」というのがアジア/東南アジア製格安製品の哀しいところで、特に販売者そのものが海外の場合、さてそもそも誠実な商売をしているのか…と疑問に思わねばならないのは、今でも変わりません。

たとえば中国製でもナンカンなど著名なメーカー製品であれば、「国産より設計技術が劣っているのか、ちょっと重かったりバランスウェイト多めに必要だけど、ちゃんと走るよ」と言えますが、聞いたことのないメーカーで日本語で検索してもあまりよい評判がなかったり、信用できるかわからない海外の販売者から輸入するような場合は、いくら安くても考え物です。

販売するタイヤの保管状況や環境、品質管理という面で安心できないのと、最悪の場合はタイヤの形こそしているものの、まともな材料が使われておらず、さらに本来タイヤゴムの芯に入っているべきスチールベルトも入っておらず、カッターで切れてしまった!という事例すら見たことがあります。

これは本当に極端な例ではありますが、粗悪な業者が実在する以上、その国は自国のイメージを悪化させないためにも、そうした業者の廃絶にもっと努力すべきだと思いますが、それにはまだまだ時間がかかりそうです。

それゆえ、「格安だからアジアンタイヤは良くない!」ということは全くないのですが、何しろ命を預かる重要な部品であるため、あまりギリギリまで値段だけで考えて購入しない方がよいのは間違いありません。

意外?1シーズンに限れば南国育ちのスタッドレスもよく走る?

なお、格安タイヤには、雪が降らないはずの台湾などのスタッドレスタイヤもありますが、実際履いた人に言わせると、「これが意外とよく走る」そうです。

そんなもんかと気になって、タイヤショップに聞いてみたこともありますが、スタッドレスタイヤが冬用タイヤとして通用するには、「低温でも柔らかさが保たれているかが肝心で、タイヤ素材に含まれる油分がどのくらいで抜けてしまうかでスタッドレスタイヤの寿命は決まる」そうで、「アジアンタイヤも買って最初のシーズンくらいは油が抜けないから、そりゃ普通に走るよ、でなきゃ売り物にならないじゃない?」と言われました。

その話を聞いた時点(数年前)では「ブリヂストンは何年かもつけど、それ以外はどこでも同じだよ」という話で、現時点で国産含む他メーカーがどこまでそのレベルに並んだかまでは定かではありませんが、年間走行距離が冬も含めて長く、スタッドレスでも1シーズンで買い替えるというユーザーであれば、格安アジアンスタッドレスでも案外イケてしまうものなのかもしれません。

 

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