引用:Vadim Rodnev / Shutterstock.com

コラム | 2021.05.11

280馬力規制とは?当時の規制下に発売された人気モデル9選

Posted by 菅野 直人

今でも軽自動車など64馬力規制が続いていますが、かつては登録車でも日本自動車工業会に所属する主要自動車メーカーの国産車には、1989年から「280馬力自主規制」がありました。輸入車や改造車扱いであれば自由な骨抜き規制で、2004年6月に撤廃されるまでは、むしろ「目指せ280馬力!」とばかりにスポーツモデルにとって一つの指標であった時代でした。

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元祖280馬力カー、日産Z32フェアレディZ

Vadim Rodnev / Shutterstock.com

280馬力自主規制は、1989年に日産が3リッターV6ツインターボのZ32フェアレディZターボ車、4.5リッターV8自然吸気のVH45DEを搭載したインフィニティQ45、そして2.6リッター直6ツインターボのRB26DETTを搭載したBNR32スカイラインの一挙3台を「国産初の300馬力マシン」として認可を申請したことに始まります。

しかし当時の運輸省は「増加する交通事故に歯止めをかけるため」という理由で認可に難色を示し、日産はやむなく国内仕様を280馬力に抑えて発売を決定、これが事実上の業界標準となり、280馬力自主規制が始まりました。

その第1弾として1989年7月に発売されたのが、4代目Z32型フェアレディZで、3リッターV6ツインターボのVQ30DETTを押し込んだ低いボンネットに、当初案でミッドシップも考慮されたと言われるボリューム感あるボディ、豪華内外装は3代目Z31までのスマートで安価なスポーツカー路線から大転換した、ラグジュアリー性の高いクーペでした。

2シーターと2by2(4人乗り)で全長やホイールベースは異なり、ショートホイールベースの前者は、電子制御4WSのスーパーHICASと相まって高い運動性能を持っていましたが、すぐに登場したBNR32スカイラインGT-Rの陰に隠れた存在となって、販売は低迷。主力の北米でも円高ドル安の進行により「本来のZカー」としての魅力を失ってしまう、不遇の車でした。

結局、日産自身の経営危機もあって、11年もの間モデルチェンジを許されずに生産され続けました。しかし、改良やマイナーチェンジのたびに「Zはまだ死んでいない」と紹介され続けたZ32は、販売面では失敗したものの、当時の日産と280馬力自主規制を象徴する車として歴史に残っています。

カタログ上は280馬力だが、それどころではなかった日産R32~34スカイラインGT-R

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Z32フェアレディZの衝撃をかき消すかのごとく、1989年8月に登場したBNR32スカイラインGT-Rは、単に「無敵の強さを誇った初代スカイラインGT-Rの再来」や、「280馬力カー第2弾」というだけでなく、911や924ターボといったポルシェに対抗するGTスポーツであり、グループAレースでも必勝を命ぜられた、日産の最終兵器とも言える存在でした。

R32スカイラインGTの2ドアクーペ版をベースに、排気量ごとに規定されたタイヤサイズの限界や、そしてパワー面のバランスから最適化された2.6リッター直6ツインターボのRB26DETTを搭載し、電子制御トルクスプリット4WDシステム「アテーサE-TS」でそのパワーを無駄なく路面に伝えることで、抜群の走行性能を発揮しました。

カタログ上は280馬力とはいえ、そもそも300馬力級としてつくられたため、マフラー交換とブーストアップ程度のライトチューンだけで軽く300馬力を超える実力にユーザーは熱狂し、続くBCNR33、BNR34と3代に渡る「RB26DETT搭載型スカイラインGT-R」は歴史的名車となりました。

なお、代を重ねるごとに増大するトルク、後に改良でカタログ上は同じ280馬力に到達した2.5リッターターボのRB25DETが、「マイルドでとても同じ280馬力とは思えない」ことから、スカイラインGT-Rを改めてシャシダイにかけ馬力計測すると、ノーマルで280馬力を優に超えていたことが明らかになっています。

結局のところ、280馬力規制とは「認可時にカタログ値を下回らず、かつカタログ上では自主規制値超えを明らかにしなければ、実際は何でもアリだった」というのが実態であり(これは軽自動車の64馬力規制も同じ)、RB26DETTを搭載したスカイラインGT-Rは、そのお手本のような存在でした。

最強FRスポーツであった、トヨタJZA80スープラ

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カタログ上の性能や玄人好みのセッティングより、平均的なユーザーをいかに満足させ、誰でも運転できて、誰もがそれなりに満足する車をつくるかに傾倒し続けてきたトヨタは、80点主義などと言われてクルマ好きのユーザーほど批判的な傾向にありますが、裏を返せば「そんなトヨタだからこそ国内販売シェアNo.1になれた」ことは、誰もが認める事実です。

それゆえ馬力競争にはあまり縁がなく、たとえば2リッター直4ターボエンジンで280馬力自主規制に到達した車などつくったこともなく、1.6リッター自然吸気エンジンの最高出力競争にも加わりませんでした。

しかし大排気量ターボエンジンともなると、「280馬力出すな」と言う方がむしろ無理難題というもので、2.5リッター直6ターボの1JZ-GTEを積んだマークII3兄弟やクラウンと派生型、そして3リッター直6ターボの2JZ-GTE搭載車では、自主規制値280馬力に「抑えた」車を発売しています。

その代表格が4代目、2代目までセリカXXを名乗っていた、国内では実質2代目となるJZA80型スープラです。1993年5月に発売された国内仕様はもちろん280馬力(海外仕様は300馬力)でしたが、先行した280馬力カーのライバルがほとんど4WDであったのに対し、FRであったのが特徴です。

どのみちレースではライバルのスカイラインGT-RもNSXも後輪駆動の2WDで、トラクションコントロールや電子制御サスペンションなど電子制御デバイスを駆使すれば、必ずしも4WDである必要はなく、むしろ余計な駆動システムが不要な分だけ軽量でした。

FRの280馬力カーとして最強を誇ったスープラは、一方でトヨタらしく快適性や操縦性にも配慮され、「免許取り立てのドライバーでもハンドルを切ってアクセルを思い切り踏み込み、クラッチを繋げば容易にスピンターンできる」と言われたほどです。

ヤマハが開発した2JZ-GTEエンジンも潜在的ポテンシャルは非常に高く、RB26DETTともども2020年代に至るまで、ドラッグレースなど果てしないパワーを求めるチューニングエンジンのベースとして君臨しています。

重くてデカイだけじゃない!三菱Z15A/Z16A GTO

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1989年に登場して以来、国内レースを席捲したイメージのあるスカイラインGT-Rですが、現在のスーパー耐久レースの前身である「N1耐久レース」で、三菱GTOが唯一の対抗馬として激闘を繰り広げたのは、意外と知られていません。

市販車としては、ディアマンテをベースに280馬力の3リッターV6ツインターボ「6G72」を詰め込んでフルタイム4WD駆動、スーパーカーボディを被せただけの「デカイ、重い、走らない古いアメ車みたいな車」というイメージで語られることの多いGTOですが、軽量化してブレーキも強化したレース用マシンは、スカイラインGT-Rへ肉薄するポテンシャルがありました。

確かに車重はかなり重い部類(約1.7t)だったもののブレーキは強力で、かつ2,500回転から最大トルクを発揮する6G72ターボはその重たいボディを強引に加速させる能力があり、特に雪上路など、悪コンディションでの加速性能には定評がありました。

最高の直線番長セダンと恐れられた、JZS140/160アリスト 

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JAZ80スープラと同じ2JZ-GTEを搭載し、一足早く1991年10月に初代モデルがデビューしたトヨタの大型スポーツセダン「アリスト」は、スープラ譲りの動力性能だけでなく、初代では優雅な、そして2代目では迫力満点のデザインによって、パワフルなスポーツセダンファンを熱狂させました。

海外では初代・2代目のレクサスGSにあたる高級セダンであり、3代目以降では日本でもGSとして販売されたため、鳴りを潜めてしまったものの、2代目までの「トヨタ・アリスト」にはGSにない3リッターターボによる豪然たる加速で「最強の直線番長」的な魅力は、今や数少なくなってしまったスポーツセダンにはない男臭さを感じます。

ワルな雰囲気に280馬力を加えたY34セドリック/グロリア グランツーリスモ

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直線番長的な重量級スポーツセダンと言えば欠かせないのは、日産のセドリック/グロリア、それも「グランツーリスモ」ですが、3リッターV6ターボのVQ30DETが280馬力に達したのは、意外にも最後のセド/グロとなった1999年6月のY34でした。

その時のセド/グロは、日産の販売店再編の影響もあって、同じ車を別々の販売店で売る方式から「ラグジュアリーなブロアム系やクラシック系をセドリック」、「スポーティなグランツーリスモはグロリア」と明確にキャラ分けしていました。当然この場合はグロリアのグランツーリスモが本命であり、中古車市場でもタマ数が豊富で人気もあります。

特にグロリアは、左右ヘッドライト間いっぱいのダイナミックでスポーティなフロントグリルを採用しており、中世の騎士を思わせるフロントマスクなどのあるボディデザインから「最後のグランツ」にふさわしいと言えます。

最後のロータリーターボも280馬力へ強化!FD3S RX-7

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トヨタや日産、三菱以外で280馬力といえばマツダのロータリーターボも欠かせません。

3ローターの20Bターボを積んだユーノス・コスモこそ、280馬力規制でポテンシャルを十分発揮できない割に燃費は悪いまま(実用燃費1~2km/L)という車でしたが、13Bターボを積んだ3代目FD3S型RX-7は、1991年に発売するや、ピュアスポーツとしての魅力を存分に発揮します。

初期には255馬力止まりでしたが、1999年に登場した通称「5型」でついに280馬力に達し、2000年から2003年まで生産された「6型」によって、「最後にして最強のロータリーターボ」の名を不動のものにしました。

2020年代に入った現在でも、レースやジムカーナでは依然として無視できない実力を持ち、名だたる280馬力カーの中では軽量ハイパワーなピュアスポーツの代表格となっています。

ライバル同士で280馬力への道を競った三菱ランエボ&スバルインプレッサWRX

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あまりに似たような歴史を経たため、一項目にまとめてしまいますが、三菱のランサーエボリューションとスバルの初代インプレッサWRXという2台の4WDターボも、280馬力自主規制に向け突き抜けた2台でした。

いずれもギャランVR-4、レガシィRSから2リッター4気筒ターボ(前者は直4、後者は水平対向)を受け継いで小型セダンへ詰め込み、1992年にインプレッサWRXは240馬力で、ランサーエボリューションIは250馬力でスタートしました。

さらに、国内外のラリーやジムカーナ、ダートトライアルといったモータースポーツで互いに活躍し、ファンがそれぞれランエボ使い、インプ使いとして激しいつばぜり合いを繰り広げるうちに、両車とも改良でパワーアップを繰り返していき、1996年にランサーエボリューションIVとインプレッサWRX STIバージョンIIIにより、揃って280馬力へ到達しました。

その後はランエボが2008年にエボXのマイナーチェンジから300馬力へ、インプレッサは2代目末期の2006年11月、WRX STIスペックC タイプRA-Rで320馬力に到達し、自主規制時代以降も続いた280馬力への歯止めに終わりを告げています。

280馬力に泣いた代表?初の国産スーパーカー、ホンダNA1/2 NSX

日本自動車博物館

最後に、国産初の量産スーパーカーとして1990年に登場したNSXも、ターボを使わず自然吸気エンジンのままながら、280馬力の自主規制値へ到達した1台でした。

当初3リッターのC30A(NA1型)、後に3.2リッターのC32A(NA2型)のV型6気筒DOHC VTECエンジンを搭載したNSXは、同じ自然吸気エンジンでも4.5リッターV8の日産VH45DEや、4リッターV8のトヨタ1UZ-FEのように大排気量の余裕で抑えていた280馬力ではなく、中排気量のレジェンド用V6エンジンをブン回す高回転型エンジンです。

それゆえVTECがハイカム側へ切り替わった時のエキゾースト・ノートなど官能的な性能に優れ、オールアルミの軽量ボディとスーパーカーらしい徹底した低重心で素晴らしい運動性を発揮し、また国産車らしく快適性や操縦性にも配慮された素晴らしい車でした。

しかし、この初代NSXを見て考えを改めた海外のスーパーカーメーカーが、それぞれクオリティの高い対抗馬をぶつけてくると、国内の280馬力規制に対応するのであればともかく、それ以上のハイパワー競争に対応できる大排気量エンジン、あるいはターボエンジンをホンダは持ち合わせておらず、結果的に晩年は苦戦しつつも2005年まで販売され続けます。

運動性能や空力性能は、最後まで評価され続けたものの、基本的には国内外いずれも大衆車メーカーであるホンダは、大出力が可能なパワーユニットを手がけるのが遅れ、自らが切り開いたはずの高品質スーパーカー戦線から、2代目NSX(NC1型)登場まで離脱していくことになります。国内外で異なる性質のエンジンが求められる280馬力自主規制がなければ、あるいはもっと早くNSXをバージョンアップできていたかもしれません。

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