コラム | 2021.05.11

NSXはなぜ海外で人気なのか?新旧NSXの海外での評価について

Posted by 菅野 直人

現在(2020年6月)でも販売されている国産車メーカーのスーパーカーといえば、スーパーカーかどうかについて賛否両論あるものの日産・GT-Rと、それに間違いなくスーパーカーという意味ではホンダ・NSXの2台です。中でもNSXは海外のホンダファンからとても人気と言われますが…新旧どちらのNSXかによって異なる意見もあり、海外での評価を参考に考えてみました。

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日常的な使い勝手で他のスーパーカーに遥かに勝る、現行アキュラNSX

2020年6月現在も販売されているホンダのハイブリッドスーパーカー、アキュラ・NSXの海外におけるレビューを要約すると、「乗降性に優れ、2人の乗員がノビノビできる快適なキャビンと、スーツケースが1つは確実に入るエンジン後方のトランクスペース、燃費がよくモーターで走行していれば周囲への騒音を気にしなくともよいハイブリッドシステム、他のどのメーカーより優れたパワーユニットへの補償。そして初代NSXより速い。」といった賛辞が贈られています。加えて、アメリカ人であれば、オハイオ州のPMC(パフォーマンス・マニュファクチャリング・センター)で生産されていることに誇りすら感じているようです。

その一方で、同価格帯のスーパーカーに比べると動力性能が特に優れているとは言えず、「最新のスーパーカーでありながら、タッチパネルなどインフォメーションシステムが少々古い、サーキットを走るならブレーキはカーボンセラミック製へ強化した方がいいだろう、レースで他のスーパーカーと並んで活躍するなどストーリー性も薄いといった面で物足りなさを感じる」という意見もありますが、デザイン面で酷評されることだけはあまりありません。

基本的に、現行NSXは主要市場の北米で「アキュラNSX」として販売されるためにホンダUSAでつくられ、生産自体もアメリカで行われている車であるため、デザインや使い勝手の面で海外ユーザー(特に北米ユーザー)の好みが重視されています。

また、2020年の新型コロナウイルスショックで少々状況が変わったとはいえ、それまでのアメリカはトランプ政権下で繁栄を謳歌していたのに対し、バブル崩壊とリーマンショックのダブルパンチ以降は貧富の差が極端に開き中流家庭が消滅、国民の所得も自家用車の所有率も低下している日本とは異なり、現行NSX程度の価格であれば、高価すぎることはない、という点も好意的に見られる大きな要因なようです。

確かに走りはスーパーカーよりエキサイティングではなく、大衆向けスポーツカーより載せられる荷物は少なくなるものの、並のスポーツカーよりは素晴らしい走りと、並のスーパーカーより快適な空間、そして優れたオーディオシステムや、訴訟社会のアメリカではとても大事な保証システムにより、現行NSXはおおむね高評価を受けているといってよいでしょう。

オークションの落札価格で大きく評価が分かれた新旧NSX

しかし、2016年から販売されている現行の2代目NSX(NC1型)と、1990年から2005年まで販売されていた旧型の初代NSX(NA1 / NA2型)では、オークションでの落札価格で大きく評価が分かれるとも言われています。

ある海外のオークションでは、走行距離50km未満で、ほぼ新車同然の現行NSXが日本円にして約1,905万円という安価で落札で落札されてしまったことや、別の場所で行われた海外オークションでは、1年落ちで走行距離が約4,500km程度の現行NSXが、やはり日本円で約1,266万円で落札されてしまったことも物議を醸しました。

参考までに、日本の大手自動車買取専門店では2~3年落ちで走行距離1万km以内の現行NSXは、1,122万~1465.9万円で買い取られており、大手中古車情報サイトにおける中古車相場は1,768万~2,580万円。ワンオーナーの極上車であれば、「ASK(価格応談)」のプレミア価格がつきます(新車の車両本体価格は2,370万~2,420万円)。

もちろん、たまたま現行NSXがどうしても欲しい!という人が海外オークションの会場に入れば値段が跳ね上がる場合もありますし、日本では輸入割当台数が少ない半ば限定車扱いという事情もあるのは、考慮せねばなりません。

一方、旧型NSXはどうかといえば、海外オークションで前述の1年落ち現行NSXと同時出品された1991年型NSXの走行9,600kmワンオーナー車で、855万円という例があり、そこまで好条件でなくともオークションにおける相場はおおむね530万~650万円程度と言われています。

ちなみに日本で旧型NSXは253万~471万円で買い取られており、オークションでの落札価格や買取専門店での査定額を見る限り、日本と海外で新旧NSXの価値は逆転しているようです。

「スーパーカーの歴史を変えた車」という大きな功績がある旧型NSX

性能的には現行NSXが、旧型へ圧倒的に勝るのは、海外のメディアでもユーザー自身のレビューでも変わらず、むしろ旧型NSXは現在の視点で見れば、スーパーカーというよりカッコイイGTカー的な車であり、快適性は認めるものの、現実的な価格で購入できるAT車など4速ATで時代を感じさせ、動力性能など280馬力程度であるため、おとなしいものです。

チューニング次第で、動力性能やレスポンス、ステアリング特性は様変わりしますが、安価にNSXを購入したつもりが、いつの間にか大きな費用がかかるようになっていた、というのもよくある話で、ただ購入したというだけで喜べる車ではありません。

しかし、旧型NSXが登場した当時のスーパーカーというのは、「高価だが壊れるのは当たり前、快適性を犠牲にして、優れた性能を発揮するが好不調の波は大きく、その維持には苦労させられるばかりか、まともに走らせることができること自体が誇りになるほど、予算以外でも困難が多い。」という車でした。

そこへ1990年に登場した旧型NSXは、日本市場での規制(当時は280馬力自主規制時代)によりカタログスペック上の動力性能こそ並だったものの、快適で運転しやすく耐久性もあり、日常的なメンテナンス程度で、いつでも高性能を発揮できる車という意味で、世界のスーパーカーメーカーへ「ウチもこういう車づくりをしないと、いつかユーザーに見放される!」と、多大な危機感を与えた車でした。

しかも、発売当時は第2期ホンダF1全盛期であったため、故A・セナやG・ベルガーがマクラーレン・ホンダで大暴れしていた時期で、スポーツイメージにあふれてF1でも大活躍のホンダが発売したスーパーカーというのは大歓迎されました。また、その頃の古き良きホンダの思い出に華を咲かすことができるユーザーにとって、旧型NSXは、今も昔も憧れの存在らしく、それがオークションでの高評価につながっているかもしれません。

過去の遺産で人気を保つ新旧NSX、現行モデルの高評価持続にはタイプRが必要か?

旧型NSXが、2005年に販売終了した後も、ホンダは次期NSXを模索し続けていたものの、V10エンジンを搭載した次期型は2008年のリーマンショックによる全世界の不景気で葬り去られ、レーシングバージョンのみHSV-010GTとして日本のレースシーンで活躍するにとどまりました。

2016年に登場した現行NSXでは、メイン・エンジンこそミッドシップに搭載しているものの、前後3基のモーターを駆使したハイブリッドスポーツであり、フロント左右輪のモーターを独立制御してのコーナリング性能を売りとしていますが、二重のパワーユニットゆえに軽量化に限界のあるハイブリッドシステムや、エンジン自体も「TRACK」モード時のたくましいエキゾーストノートを除けば、マイルドという印象を受けています。

快適で運転しやすいという評価こそ同一ですが、新旧NSXの間にデビューした各国のスーパーカーやスポーツカーは、旧型NSXの教訓を得て大幅に進化したため、かつての「最高に乗りやすいスーパーカー」というアドバンテージは失われ、かろうじて燃費など環境性能でアピールできるくらいですが、それもEVスーパーカーさえ登場している現在、圧倒的な評価の元とはなりえません。

それゆえ、現行NSXの海外レビューは、ほとんどの場合において、実際に走り出すところから、降りてからの総合的な感想へと一足飛びになっている傾向があり、走りについて多くは語られないものです。

それでも現行NSXが海外で高評価を得て高い人気を誇る、少なくともそういう車であるという印象を大事にしようというメディアやユーザーの意図が垣間見える理由は、旧型NSXの自動車史における歴史的功績を高く評価したものであり、いわば過去の遺産が大きな影響を与えているがゆえ、と言えます。

もっとも、デビューから4年ほどを経て大幅なアップデートは未だ行われておらず、現行NSX自身の華麗なヒストリーもまだ途上となれば、今後も同様な評価を保とうと思うとタイプR的なモデル追加が望まれることでしょう。

日本のホンダ本社は、あまり熱心とは言い難いように見えますが、第4期に突入したホンダF1でシーズンを好成績で終えたタイミングなどで、現行NSXにも大幅なテコ入れが行われれば、現在の評価がさらに高まるものと思われます。

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