引用:Toyotacoronaexsaloon

旧車・絶版車購入ガイド | 2021.05.11

現在もクラストップのハイパフォーマンス!初代ホンダ「シビックタイプR」とは!

Posted by 菅野 直人

今や400万円以上の高額車になってしまいましたが、1997年8月に登場した初代「シビックタイプR」(EK9)は200万円以下と若者にも手が届く現実的な価格でありながら、1.6リッタークラス最強を誇るハイパフォーマンスマシンでした。“世界一より町内一”を目指したEK9シビックタイプR、中古車として購入する際のポイントはどんなところにあるのでしょう。

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以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

ホンダ「EK9シビックタイプR」とは

1972年の初代モデル発売以来、環境性能と走りを両立したコンパクトカーとして高評価を受け、四輪車販売事業からの撤退が検討されていた当時のホンダを救った名車「シビック」。代を重ねるごとに大型化していくものの、3代目“ワンダーシビック”ではDOHCエンジン「ZC」、4代目“グランドシビック”ではDOHC VTECエンジン「B16A」を得てレースでも活躍、歴代の上級グレードは国産最強ハッチバックとして君臨しました。

一方、ホンダが1995年に“身近なリアルスポーツ”として発売した初代「インテグラタイプR」(DC2/DB8)が、「F1も戦ったホンダがついに本気を出した!」と大人気になると、それに続く第3のタイプR(インテグラは2番手で、最初は1992年に発売したNSX)が望まれました。

国産最強ハッチバックのシビックへタイプRが設定されるのは必然で、1997年8月に「シビックタイプR」(EK9)が発売されました。従来のホットモデルだった「シビックSiR」(EK4)が搭載していた170馬力のDOHC VTEC「B16A」に対し、吸排気チューンや圧縮比アップ、フリクション低減などで185馬力を発揮するタイプR専用エンジン「B16B」を搭載し、サスペンションチューンや軽量化などで走行性能全般を底上げした“究極のシビック”が誕生したのです。

販売価格は199万8000円と、当時の物価を考えても性能に対して非常に格安だったことからヒット作となり、レースやジムカーナ、ダートトライアルなどで無敵の強さを誇ったのはもちろん、サーキットを走るわけでもない公道の走り好きやスポーツカー好きの若者にも人気が出ました。

EK9シビックタイプRは根本的には走行性能一点張りの車だったため、快適性や静粛性や耐久性の面では「シビックSiR」が上回り、経済性では若干安い自動車税と低燃費高出力を実現させた3ステージVTECエンジンを搭載した「シビックVTi」が一定の人気を誇りました。しかし、マイナーチェンジで装備充実版の「シビックタイプR・X」が追加されたことでチューニングテクニックが確立し、快適性も克服されていきました。

その結果、普段使いの乗用車としてバランスがとれていた最上級グレードのシビックSiRを凌駕してしまい、日産「スカイラインGT-R」などと同じく「タイプR以外のシビックは格落ち」という印象を与えたほか、スポーツ性を強調しすぎて実用車としては目立たなくなってしまい、大衆車的なイメージとしてのシビックの寿命を縮めたという側面もあります。

それでも、2000年代以降にEK9シビックタイプRのような車は排ガス規制やミニバンおよびSUVブームによるスポーツカー不況で次々に消えていったことや、後に続いた車がいずれも高性能ながら非常に高額、あるいは環境性能に寄りながら快適性も捨てられなかったこともあって、今でも走り好きにとって「直接の後継車がいまだに登場していない最強マシン」として、伝説的な車です。

ホンダ「EK9シビックタイプR」の中古車相場

大手中古車検索サイトによると2019年12月現在、EK9シビックタイプRの中古車相場は以下の通りです。

シビックタイプR 販売期間1997年9月~2000年9月)

77万円~399万円 45台
(新車価格:199万8000円※税別)
ASK(価格応談) 3台
(新車価格:199万8000円※税別)

シビックタイプR モータースポーツベース車 販売期間1997年9月~2000年9月)

155万円 1台
(新車価格:169万8000円※税別)

シビックタイプR・X 販売期間1999年12月~2000年9月)

120万円~278万円 16台
(新車価格:219万8000円※税別)

装備充実版のタイプR・Xの方が最低価格では高いものの、より本気度が高いということなのか、通常のタイプR、それも1998年9月以降の後期型で程度のよいものにはプレミア価格がついている状況です。

ホンダ「EK9シビックタイプR」のオススメは走行距離少なめのノーマル車

中古車市場を見る限り、一応は“通常のタイプR”の方に程度良好、プレミアつきの車が多いことにはなりますが、実際には走行距離や程度によって価格が決まっている傾向があり、通常のタイプRでもタイプR・Xでも同価格帯で大きな差はないと思ってよいでしょう。

そうなるとオススメしたいのはやはり走行距離が少なめ、年式を考えれば10万kmを超えていない無改造車です。走行距離が15万kmを超えたような車や、ハードな走行でボディの傷みが懸念される改造車は極力避けたいところです。

EK9シビックタイプRが現役の頃、ジムカーナ競技などでも無改造車のクラスでは特に圧倒的な強さを誇りましたのでむしろ無改造状態を味わい、その高いポテンシャルを評価してもらいたい車です。改造車やハイパフォーマンスFFが目的なら別にEK9シビックタイプRにこだわる必要はないですから、あえてEK9シビックタイプRを選ぶなら無改造車、あるいは無改造に限りなく近いものの、カーボンボンネットや社外アルミホイール等で自分好みの装備がついている程度の車を選んだ方がよいと思われます。

ホンダ「EK9シビックタイプR」の中古車選びの注意点

前項で中古車選びで改造車は避けるべしと書きましたが、当時のホンダ車はまだエンジンや足回りの性能に対してボディ各部の剛性が弱く、あえていえばボディでストレスを吸収しながら走るようなコンセプトで作られており、経年劣化や走行距離の多さに比例するボディへのストレスに対してあまり強くありません。

そのため、改造車でもリアハッチ周りやAピラーの付け根等の開口部周辺、フロントアッパーアーム付け根など足回り装着部とその周辺に補強がなされている車は“程度良好を保つための改造”と、プラスに考えられます。

逆にいえば“無改造状態でも十分に走るから”とボディ各部の補強をせずに走行会やジムカーナで使用した車は、開口部から車内への雨漏りの後や、モノコック各部のクラック(亀裂)、それに足回りのアライメントが正常に出ているかどうかを、目視でもチェックした方がよいでしょう。

また、B16Bエンジンは優れた高性能エンジンではありますが、耐久性の面で通常のB16Aエンジンより劣るという話もあります。ですから、走行距離が短めの車を買ったとしても、遅かれ早かれオーバーホールの時期がやってくると考えて、整備費用は多めにキープしておくのをオススメします。

最後に肝心な点ですが、AT車は存在しないのでAT限定免許の人がどうしてもタイプRを欲しいのなら、限定解除を先に済ませておくべきでしょう。

ホンダ「EK9シビックタイプR」の中古車の維持費目安

高性能エンジンを搭載したスポーツ走行向けの車とはいえ、ベースは実用車ですから故障など発生しない限り日常的な維持費が多額になる車ではありません。

自動車税については、全て新規登録から13年以上が経過し重加算税対象のため、総排気量1.5リッター超2.0リッター以下の区分で45,400円。実燃費は活発に走らせたり低速の通勤などがメインだと9km/L前後、軽く流したり高速巡航メインなら12km/L前後で、平均すると10.5km/L前後と考え、2019年12月現在のハイオクガソリン平均価格が約155円程度として、仮に月1,000km走るならば月15,000円程度のガソリン代がかかり、年間のガソリン代が約18万円に自動車税45,400円を合わせ、最低23万円程度が最低年間維持費の目安でしょう。

なお、街で見かけることも減ってきた往年の名車、それでいてまだ走行性能の実力は一級品で需要も多いことから、盗難が非常に多い車です。そのため維持費には安心できるセキュリティ性の高い駐車場や、後付けの盗難防止装置、車両保険など、万が一のことを考えた対策費用も含むべきでしょう。その他、ユーザーの環境次第で変わってくる購入後の駐車場代やタイヤ代、車検代や整備代、任意保険代などは各自計算してみてください。

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