買取相場 | 2023.03.29
豊富なバリエーション、鮮やかなカラーリングが特徴のダイハツ・キャスト。査定相場は?
Posted by 宮川 丈
キャストは、軽トールワゴン市場をメインターゲットとしてダイハツが開発、2015年に発売されました。 毎日の生活をドラマに例え、そのドラマのキャストになって欲しいという願いを込めてキャストという車名になったようです。 最近流行している軽トールワゴンの比較も含め、キャストについて詳しく調べてみました。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
キャストの中古市場の人気について
基本的に発表から現在までマイナーチェンジやフルモデルチェンジを行っていない車両の買取相場は、高めに推移します。キャストもその一台で、まだ発売から4年しか経っていない現行モデルのみのため、中古市場では比較的高値を推移しています。
また、キャストは。そのデザインの独自性やカラーリングの豊富さから、ルックス重視の軽自動車ユーザーから支持されているようです。
買取査定額が期待できるキャストの人気グレード
キャストのグレードは大まかに、スタイル、スポーツ、アクティバの3つがあり、さらにX、Gなど10グレード以上の豊富なラインナップが用意されています。軽自動車は買い物などの街乗りメインでの需要が高く、キャストもそういった需要が高い車種と言えます。
スタイル、アクティバで共にG “SAⅢ”の人気が高いですが、買取査定額が期待できるグレードはスポーツ “SA Ⅲ”や4WD搭載車です。
買取査定額が期待できるキャストの人気カラー
スタイルとスポーツではパールホワイトⅢ、ブラックマイカメタリックとよくある白黒の人気が高く、アクティバはファイアクォーツレッドメタリック、スプラッシュブルーメタリックと、アウトドアモデルらしい鮮やかなカラーが人気のようです。
色による買取価格差は大きくはないですが、ツートンカラーの査定額が比較的期待できます。
1年落ちキャスト(2022年式)の目安査定額
1年落ち2022年式キャストは、個性的な軽乗用車を求めるユーザー層へ提供するため、「生活を彩る自分仕様の軽自動車」をコンセプトに開発、2015年9月から販売されているレトロ調軽トールワゴンです。
当初は、スポーツ仕様の「キャストスポーツ」、軽SUV仕様の「キャストアクティバ」も販売されていましたが、前者は需要がなく、後者も専用デザイン・設計の後継車「タフト」(2代目)が登場したため2020年3月に揃って廃止、2022年式で販売継続していたのはベーシックモデルの「キャストスタイル」のみでした。
2021年5月には、全グレードへオートライトを標準装備、運転中は常時作動する仕様へと改良されており、トヨタへも「ピクシスジョイ」としてOEM供給を継続中。
同じくOEM供給していたピクシスメガ(ダイハツ ウェイク)の生産終了で他にトヨタ向けのハイト系軽乗用車がなくなっているため、今後も小改良を受けつつ、キャストスタイル/トヨタ ピクシスジョイの生産・販売はしばらく続くと思われます。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年3月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
X SAIII:新車152万円/買取価格80万円程度
XリミテッドSAIII:新車152万円/買取実績なし
G VS SAIII:新車161万円/買取価格91万円程度
G SAIII:新車166万円/買取実績なし
G プライムコレクションSAIII:新車173万円/買取価格101万円程度
GターボVS SAIII:新車174万円/買取実績なし
Gターボ SAIII:新車177万円/買取実績なし
Gターボ プライムコレクションSAIII:新車184万円/買取実績なし
平均買取価格:約91万円
平均残価率:約56%
2年落ちキャスト(2021年式)の目安査定額
2年落ちの2021年式キャストは、2020年3月で走り重視の「スポーツ」、SUV仕様の「アクティバ」の生産を終え、ベーシックな軽トールワゴン「キャスト スタイル」のみに集約されたモデルで、2021年5月には法規改正に対応した改良で、オートライトを運転中常時動作させるようになりました。
3年前当時の1年落ち車(2019年式)と比較した場合、売れ筋を外れた古い軽トールワゴンとはいえ、平均買取価格(約17万円増)、平均残価率(約14%増)とも相場が上昇しており、決して人気モデルと言えない車でも、新車の納期遅延が激しい現況なら高価買取を狙えます。
「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年3月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
スタイルX SAIII | 新車152万円/買取実績なし |
スタイルXリミテッド SAIII | 新車152万円/買取価格95万円程度 |
スタイルG VS SAIII | 新車161万円/買取価格94万円程度 |
スタイルG SAIII | 新車166万円/買取実績なし |
スタイルG プライムコレクション SAIII | 新車173万円/買取実績なし |
スタイルGターボ VS SAIII | 新車173万円/買取実績なし |
スタイルGターボ SAIII | 新車177万円/買取実績なし |
スタイルGターボ プライムコレクション SAIII | 新車184万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 約94万円 |
平均残価率 | 約60% |
4年落ちキャスト(2019年式)の目安査定額
4年落ち2019年式キャストは、2020年3月に販売終了した「キャストアクティバ」「キャストスポーツ」がまだ販売されていた末期のモデルで、アクティバとスタイルのX SAIIIとG SAIIIをベースに、運転席/助手席ヒートシーターなどを装備した特別仕様車「X リミテッド SAIII」や「G リミテッド SAIII」が、2018年8月に発売されています。
さらに2019年7月には、アクティバとスタイルのG SAIIIとG ターボ SAIIIをベースに運転席/助手席ヒートシーターやパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパックを装備した特別仕様車「G VS SAIII」「Gターボ VS SAIII」が発売されました。オプション込みでのおおよその新車価格と、2023年3月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
スタイルX(FF/4WD) | 新車143万円/買取実績なし |
スタイルX SAIII(FF/4WD) | 新車150万円/買取価格65万円程度 |
スタイルX リミテッド SAIII(FF/4WD) | 新車151万円/買取価格72万円程度 |
スタイルG SAIII(FF/4WD) | 新車164万円/買取実績なし |
スタイルG リミテッド SAIII(FF/4WD) | 新車165万円/買取実績なし |
スタイルG VS SAIII(FF/4WD) | 新車160万円/買取実績なし |
スタイルG プライムコレクション SAIII(FF/4WD) | 新車171万円/買取価格79万円程度 |
スタイルG ターボ SAIII(FF/4WD) | 新車175万円/買取実績なし |
スタイルG ターボ VS SAIII(FF/4WD) | 新車172万円/買取実績なし |
スタイルG ターボ プライムコレクション SAIII(FF/4WD) | 新車183万円/買取価格70万円程度 |
アクティバX(FF/4WD) | 新車144万円/買取実績なし |
アクティバX SAIII(FF/4WD) | 新車151万円/買取価格65万円程度 |
アクティバX リミテッド SAIII(FF/4WD) | 新車151万円/買取価格69万円程度 |
アクティバG SAIII(FF/4WD) | 新車164万円/買取価格75万円程度 |
アクティバG VS SAIII(FF/4WD) | 新車161万円/買取価格87万円程度 |
アクティバG リミテッド SAIII(FF/4WD) | 新車166万円/買取価格79万円程度 |
アクティバG プライムコレクション SAIII(FF/4WD) | 新車172万円/買取価格79万円程度 |
アクティバG ターボ SAIII(FF/4WD) | 新車176万円/買取価格82万円程度 |
アクティバG ターボ VS SAIII(FF/4WD) | 新車173万円/買取実績なし |
アクティバG ターボ プライムコレクション SAIII(FF/4WD) | 新車183万円/買取価格91万円程度 |
スポーツ SAIII(FF/4WD) | 新車190万円/買取価格87万円程度 |
平均買取価格 | 77万円程度 |
平均残価率 | 約46% |
6年落ちキャスト(2017年式)の目安査定額
6年落ち2017年式キャストは、2016年6月の改良でカラーバリエーションが改訂されるとともに、3モデルとも最低地上高が高く変更されたモデルです(アクティバ:180mm、スタイルおよびスポーツ:150mm)。
2017年10月には、アクティバとスタイルのフロントグリルを変更して差別化を図ったほか、衝突被害軽減ブレーキなどの安全運転支援パッケージSAII(スマートアシストII)がSAIIIへと更新されたため、この年式ではSAII搭載車とSAIII搭載車が存在します。オプション込みでのおおよその新車価格と2023年3月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
スタイルX(FF/4WD) | 新車142万円/買取価格61万円程度 |
スタイルX SAII(FF/4WD) | 新車149万円/買取価格54万円程度 |
スタイルX SAIII(FF/4WD) | 新車149万円/買取実績なし |
スタイルG SAII(FF/4WD) | 新車163万円/買取価格59万円程度 |
スタイルG SAIII(FF/4WD) | 新車163万円/買取価格46万円程度 |
スタイルG プライムコレクション SAII(FF/4WD) | 新車169万円/買取価格59万円程度 |
スタイルG プライムコレクション SAIII(FF/4WD) | 新車169万円/買取価格63万円程度 |
スタイルG ターボ SAII(FF/4WD) | 新車174万円/買取価格65万円程度 |
スタイルG ターボ SAIII(FF/4WD) | 新車174万円/買取価格63万円程度 |
スタイルG ターボ プライムコレクション SAII(FF/4WD) | 新車181万円/買取実績なし |
スタイルG ターボ プライムコレクション SAIII(FF/4WD) | 新車181万円/買取実績なし |
アクティバX(FF/4WD) | 新車142万円/買取実績なし |
アクティバX SAII(FF/4WD) | 新車149万円/買取価格57万円程度 |
アクティバX SAIII(FF/4WD) | 新車149万円/買取価格46万円程度 |
アクティバG SAII(FF/4WD) | 新車163万円/買取価格63万円程度 |
アクティバG SAIII(FF/4WD) | 新車163万円/買取価格57万円程度 |
アクティバG プライムコレクション SAII(FF/4WD) | 新車170万円/買取価格54万円程度 |
アクティバG プライムコレクション SAIII(FF/4WD) | 新車170万円/買取価格61万円程度 |
アクティバG ターボ SAII(FF/4WD) | 新車174万円/買取価格69万円程度 |
アクティバG ターボ SAIII(FF/4WD) | 新車174万円/買取実績なし |
アクティバG ターボ プライムコレクション SAII(FF/4WD) | 新車181万円/買取価格65万円程度 |
アクティバG ターボ プライムコレクション SAIII(FF/4WD) | 新車181万円/買取価格67万円程度 |
スポーツ SAII(FF/4WD) | 新車185万円/買取価格80万円程度 |
スポーツ SAIII(FF/4WD) | 新車188万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 60万円程度 |
平均残価率 | 約36% |
7年落ちキャスト(2016年式)の目安査定額
7年落ち2016年式キャストは、2015年9月に発売されてすぐの初期型です(キャストスポーツのみ同年10月発売)。レトロ風トールワゴンの「キャストスタイル」を基本に、スポーツモデルの「キャストスポーツ」、クロスオーバーSUVモデルの「キャストアクティバ」と、1車種で3タイプをラインナップしていたのが特徴で、2016年8月にはトヨタへも「ピクシスジョイ」シリーズとしてOEM供給されました。オプション込みでのおおよその新車価格と2023年3月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
スタイルX(FF/4WD) | 新車141万円/買取価格54万円程度 |
スタイルX SAII(FF/4WD) | 新車149万円/買取価格50万円程度 |
スタイルG SAII(FF/4WD) | 新車163万円/買取価格59万円程度 |
スタイルG プライムコレクション SAII(FF/4WD) | 新車169万円/買取価格57万円程度 |
スタイルG ターボ SAII(FF/4WD) | 新車174万円/買取価格57万円程度 |
スタイルG ターボ プライムコレクション SAII(FF/4WD) | 新車181万円/買取実績なし |
アクティバX(FF/4WD) | 新車141万円/買取価格50万円程度 |
アクティバX SAII(FF/4WD) | 新車149万円/買取価格56万円程度 |
アクティバG SAII(FF/4WD) | 新車163万円/買取価格53万円程度 |
アクティバG プライムコレクション SAII(FF/4WD) | 新車170万円/買取価格54万円程度 |
アクティバG ターボ SAII(FF/4WD) | 新車174万円/買取価格52万円程度 |
アクティバG ターボ プライムコレクション SAII(FF/4WD) | 新車181万円/買取価格61万円程度 |
スポーツ SAII(FF/4WD) | 新車185万円/買取価格64万円程度 |
平均買取価格 | 56万円程度 |
平均残価率 | 約34% |
キャストを高く売るためのポイント
クロスオーバーのキャストアクティバや、スポーツモデルのキャストスポーツもラインナップしているとはいえ、基本的にはキャストスタイルを中心にミラジーノを思わせるレトロ調フロントマスクの軽トールワゴンという車なだけに、ターボ車を除けば短距離用の個人向けパーソナルカーとして使われている例が多いと思います。
そうした車では「自分だけの空間」として気楽でラフな扱いがされているケースが多く、車内へ適当に置いた小物などで車内が傷ついたり、車内での飲食で汚したり臭いがつきがちです。
高価買取を狙う場合、査定時にそうした「前オーナーの名残」を極力残さないよう、普段からきれいに使うのが大前提と思ってください。また、キャストアクティバについては、クロスオーバーモデルといっても少し最低地上高を上げ、ブレーキの電子制御で悪路や滑りやすい路面でスタックしにくくしている程度のため(これはライバル車も同じ)、本格的に悪路を走ろうとして、変に傷などをつけない心がけも肝心となります。
キャストの走行距離による値動きの変化
キャストの2023年3月現在における走行距離ごとの買取相場を紹介します。
14万km台 | 9.8万円程度 | 6万km台 | 32.9~52.5万円 |
12万km台 | 27.2万円程度 | 5万km台 | 35.9~75.1万円 |
10万km台 | 29.9~36.6万円 | 4万km台 | 42.4~84.6万円 |
9万km台 | 22.3~24.4万円 | 3万km台 | 38.5~94.2万円 |
8万km台 | 18.8~48.7万円 | 2万km台 | 42.4~90.2万円 |
7万km台 | 32.9~54.3万円 | 1万km台 | 45.9~94.2万円 |
短距離用途が多いと思いきや、発売からわずか5年足らずで10万km以上走っている車も意外とあり、そうしたケースでは8万km台を超えたあたりから査定額がガクンと落ちます。
5万km台を超えたところでも買取価格の下落が目立っており、年間走行距離が1万km、または2万kmを超えるかどうかが、査定では重要になる傾向にありますが、この種の車では特に珍しくはありません。
キャストを売るのにベストなタイミングは?
2020年3月をもってキャストアクティバとキャストスポーツは終売、前者は2020年6月に発売された、より本格的な軽クロスオーバーSUV、2代目「タフト」までのつなぎ的存在で、後者は特に後継車などはありません。
この2台については、もともと他メーカーで先行していた同種のライバル車へ対抗するため販売されていましたが、専用デザインで印象も強いタフトなどと異なり少々影が薄く、「この車ならでは」という一芸にも乏しいとあって、終売から日を追うごとに知名度が下がっていく運命です。
ただし、調査した2023年3月時点においては、4年落ち以内に限りキャストアクティバ、キャストスポーツともにキャストスタイルより平均残価率(オプション込み実売価格に占める買取価格の割合)は高めに推移しており(2年落ちの場合で40~50%)、5~6年落ちより古くなると逆に残価率が下がる傾向にあるため、この2モデルに関しては高価買取狙いであれば、なるべく新しいうちに早めの売却が最適でしょう。
キャストスタイルに関してはトヨタの軽ブランド「ピクシス」でピクシスジョイとしてOEM供給しており、それに代わるOEM向きの軽トールワゴンがダイハツからデビューしていない以上、まだしばらくは販売が続くと思われます(主力のムーヴは派生車種を除き、トヨタでOEMされたことがない)。
従って、キャストスタイルに限っては今のところ「型落ちや廃版で価値が大きく下がる」という心配はないため、普通に車検や買い替えのタイミングで売りに出すという考え方でよさそうです。
事故車・修復歴ありのキャストの場合は?
買い物などの普段使いが多い車種はそれに比例して事故率も高くなるのが実情です。一般的に、修復歴のある車両の査定額は、修復歴のない車両の査定額の65%~70%が目安になります。
例えば、2年目のキャストでみると車体の状態がよくても42万円~63万円前後の査定額で取引されることが多いです。
同じく4年目は、35万円~59万円前後ということになります。
キャストの残価率・リセールバリューは?
続いて、キャストの残価率についてみていきましょう。
キャストは、新車から1年目までに比較的大きい値下がり傾向にあります。
新車価格がおよそ150万円で、販売価格だけで比較してみても、2年落ちした場合の査定額が60万円~70万円程度減額しています。
実際はオプションで+αの乗り出し費用と考えると、キャストの残価率は50%を下回り、決してリセールバリューが良いとは言えません。
4年経過すると実際の残価率は40%前後になります。
やはり軽自動車では、ホンダNシリーズやワゴンRなどの人気が高い反面、他の競合車種の人気度が削られるようです。
キャストも、軽自動車市場において苦戦を強いられている一台で、前述のような査定額になってしまいます。
ただ、他の軽自動車に比べると乗り出しの価格を抑えられる為、そこに重点を置いているユーザーにとってはニーズの高い車種ではあります。
キャストを購入する際、少しでも高い残価率を狙いたいのであれば、スポーツグレードがおすすめと言えるでしょう。
ステアリングスイッチの操作で高回転域にシフトするDアシストや、高い品質のセーフティテクノロジーの”スマートアシストⅢ”など、ダイハツ独自の先進技術の多数が組み込まれたキャスト。まだまだ現行として活躍していますが、フルモデルチェンジや販売終了なども予想ができる時期になってきています。
もし次に購入するモデルが決まっているのであれば、高い査定額が期待できる今が売却検討に適した時期と言えそうです。