買取相場 | 2022.07.20
ホンダの意欲作、ジェイド。買取相場ではどう評価されている?
Posted by 宮川 丈
ステーションワゴンでもありミニバンでもあるジェイドは、ホンダの流れから読み解いてみるとオデッセイとストリームの中間のような存在となります。 CMにはフリオ・イグレシアスの楽曲が使われ、『都市型3列』のキャッチコピーのもと発売されました。 ホンダのラインナップにおいて独特なポジションに位置するジェイドですが、買取市場ではどのように評価されているのでしょうか?
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
ジェイドの中古市場での人気について
実はジェイドは日本よりも2年早く中国市場で販売がされているグローバルモデルなのはご存知でしょうか?
日本向け車両は国内生産がされていますが、デビューは中国が先なのです。
そのため、当然多少の輸出需要があります。しかしミニバンとステーションワゴンのいいとこどりをしすぎ、中途半端なコンセプトとなったジェイドは国内でデビュー当時からの販売台数は極めて不振であり、生産中止も検討されたほどでした。
中古市場でもやはり人気が高いとはいい難いモデルではありますが、一定の流通は起きています。
買取査定額が期待できるジェイドの人気グレード
ジェイドは現行後期型ではベースグレードのG、スポーティなRS、上級装備のX、さらにRSとXにはハイブリッドモデルを用意するラインナップですが、前期型ではハイブリッド・ハイブリッドXにガソリンモデルのRSのみでした。
この中で人気のあるグレードはスポーティモデルのRS。専用装備の内装、アルミホイール、剛性アップされたサスペンションに補強まで入ったモノコックなど、ホンダのこだわりが詰まっているのもこのRSです。買取査定額も、他グレードに比べて期待がもてるでしょう。
買取査定額が期待できるジェイドの人気カラー
ジェイドは国産車としてはカラー展開の多いモデルです。中でも白系であるホワイトオーキッドパールはダントツ1番人気で、3~5万円高で推移しています。次にブラック系のクリスタルブラックパールが続き、プラス査定となります。
2年落ちジェイド(2020年式)の目安査定額
2年落ちの2020年式ホンダ ジェイドは、2020年7月で販売終了したステーションワゴン/ミニバンの末期モデル。
3列シート6人乗りミニバンとして2015年に発売、1.5リッターVTECターボの「RS」を追加するなど、往年のオデッセイやストリームを思わせる「走りのミニバン」として期待されたものの、時代はハイルーフミニバン一色で走りのロールーフミニバンには需要がなく、2018年には2列5人乗りのステーションワゴン版を追加したものの、販売は回復しませんでした。
このようにそもそもの需要が少ない不人気車のため、買取市場での実績は少なく流通は限られ、新型コロナ禍前で中古車価格も落ち着いていた、2年前の1年落ち車(2019年式)に比べても買取相場は「若干上がった」程度です。
「オプション込みでおおよその新車価格」と、2022年7月現在での平均買取相場は以下。
(ガソリン車)
G・ホンダセンシング | 新車268万円/買取実績なし |
RS・ホンダセンシング | 新車287万円/買取価格59万円程度 |
X・ホンダセンシング | 新車308万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 約170万円 |
平均残価率 | 約59% |
(ハイブリッド)
ハイブリッドRS・ホンダセンシング | 新車325万円/買取実績なし |
ハイブリッドX・ホンダセンシング | 新車347万円/買取実績なし |
3年落ちジェイドの目安査定額
3年落ちのジェイドは現行後期モデルとなります。このジェイドは後期から5人乗りのモデルも選択ができるようになり、ステーションワゴンとしての性格を強めた選択も可能となりました。
そんな現行型のジェイドは3年落ち、1万キロの個体で145万円~160万円前後での査定額で推移をしています。
4年落ちジェイドの目安査定額
4年落ちのジェイドは現行前期モデル。あまり初度登録時に落ちた金額からの値崩れは無い印象で、120万円~140万円前後での買取査定の実績を見つけることが出来ました。
これは当初から需要の大きいハイブリッドモデルをメインに販売していたことが要因でしょう。
7年落ちジェイドの目安査定額
現行型初期モデルとなる7年落ちのジェイドですが、4年落ちのジェイドとほぼ変わることがなく、過走行モデルでも70万円~80万円前後の査定価格、通常走行で100万円~120万円前後での買取の実績が確認できました。
事故車・修復歴ありのジェイドの場合は?
ジェイドの修復歴有車はどのような価格推移を見せているのでしょうか?
データ母数が多くは無いのですが、押しなべて通常の査定額から70%前後の買取価格で推移するようです。
つまり、3年落ち修復歴有りの車で70万円~80万円前後での買取推移となるでしょう。
これは一般的な事故車の買取範囲から逸脱しておらず、堅実な値動きをしていることが伺えます。
ジェイドの残価率・リセールバリューは?
全高も低く、スタイリッシュなステーションワゴンとミニバンのいいとこどりをしたジェイド。
しかし、新車での販売自体があまり振るわなかった不遇のモデルともいえます。
そのために需要供給バランスは低いレベルではあるものの、安定して推移している印象です。
このような経緯のクルマは初期の償却は激しいものの、中古市場では安定傾向にあるため、中古選好ユーザーからは歓迎されます。
具体的に数字で見ると、1年落ちのジェイドRSの新車価格は¥2,558,520、仮に10%程度のオプション代金を加味した場合には約280万円の車です。
これが買取価格で最高150万円程ですから、残価率は約52~54%となり、1年での償却額を考えると財としては悪い部類です。
しかし、3年落ちのジェイドですと、新車価格は¥2,530,000で、同じく仮に10%程のオプション費用を加味したとすると、約280万円の車ということになります。
登録後3年で最高買取価格は140万円、つまり残価率は49~51%程の残価率となり、一度価値が落ちた後は、ほぼ横ばいであることがわかりました。
ジェイドは、幅広いユーザーが欲しいであろうポイントを一台に詰め込んだホンダの意欲作でした。
ストリームがモデル落ちをしたこともあり、販売も見込まれていました。
しかし、ミニバン・SUVの時代に突入、中途半端にも見えるパッケージングは消費者から歓迎されたとは言いにくい車になってしまいました。
新車で買った方は残念ですが、中古で買った方は償却が緩やかで財として優秀です。手放すのは買ったタイミングからみて使い切ったと判断出来てからがいいでしょう。