買取相場 | 2023.02.27
「SUVの三菱」の伝統を受け継ぐ、質実剛健なアウトランダーの買取相場は?
Posted by UruCar
いまでこそプラグインハイブリッドのPHEVが主力となった印象がありますが、もともとはガソリンエンジンが主流だった三菱のクロスオーバーSUV、それがアウトランダーです。 マイルドな印象ゆえかライバル各車と比べると地味な扱いながら、走行性能面では一歩も譲らないアウトランダー。そんな地味シブ系SUVの中古車買い取り市場における評価はいかに!?
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
アウトランダーの中古市場での人気について
アウトランダーの起源は、2001年にランサーをベースに開発・発売された「エアトレック」であり、2005年のモデルチェンジで車名を海外に合わせ「アウトランダー」に改名。2012年にフルモデルチェンジが行われ、2019年9月には2代目(エアトレックから通算すると3代目)が販売されています。
近年段階的に削減、あるいは日産やスズキからのOEM供給へ移行している三菱の車種ラインナップでも、2000年代から生き残っている数少ない車種の1つで、パジェロ人気以来が定着した“SUVの三菱”を支える重要車種です。
2013年1月のプラグインハイブリッド版「アウトランダーPHEV」の発売以降は、主にPHEVが先進技術搭載車として注目されているものの、従来通りのガソリンエンジン車もラインナップされ続けており、200万円オーバーの軽自動車が存在する時代にあって、200万円代後半から購入可能な3列シート7人乗りSUV(2列5人乗り仕様も過去には存在)として、アウトランダーは貴重な存在といえましょう。
三菱車ならではのタフさや、悪路走破性を期待するユーザーから根強い人気があり、絶対的なタマ数が少ないからこそ、それなりの買取査定額が期待できます。
買取査定額が期待できるアウトランダーのグレード
アウトランダーのグレードの中で、買取査定で残価率が高い、あるいは高額買取の期待できるグレードは、経済性の高い2代目の2リッターFF車の『20G』、2.4リッター4WD車の『24G』です。
また、モダンなクロスオーバー車らしいオレンジをアクセントカラーとして内外装に配し、装備の充実した特別仕様車『アクティブギア』も残価率の高いグレードです。
その一方で先進安全技術やナビゲーション装備の充実した『ナビパッケージ』や『セーフティーパッケージ』の買取額はさほどでもなく、三菱車の先進装備は、市場で付加価値として評価を受けにくいことがうかがえます。
買取査定額が期待できるアウトランダーのカラー
アウトランダーの高額買取上位推移を眺めていて目立つカラーはブラックマイカで、ついでホワイトパール、チタニウムグレーメタリックと続きます。
大柄ボディゆえか、レッドメタリックなど派手で経年劣化により色あせの目立ちそうなボディカラーは評価が低いか、あるいは最初から販売台数が少ないのかもしれません。
3年落ちアウトランダー(2020年式)の目安査定額
三菱のクロスオーバーSUV、アウトランダーは、先代(2代目)モデルの途中でEVのように外部から大容量バッテリーへ充電、外部への給電やモーター単独走行距離が長く、エンジンを使ってハイブリッド車としても使用可能なPHEV(プラグインハイブリッド車)が登場。
次第にガソリン車からPHEVへと販売の主流が移り、2021年10月にモデルチェンジした3代目ではPHEVへも3列シート7人乗り車が追加されるとともに、純ガソリン車を廃止したPHEV専用車になりました。
純ガソリン版のアウトランダーは2020年11月に生産終了したため、最新の相場情報は2年落ち2020年式となりますが、2年前の2019年9月当時における2年落ち車(2017年式)と比べ、PHEVより格落ち、時代遅れの廉価版的ポジションゆえか、買取相場は人気のSUVというジャンルの割に芳しくありません。
ましてやモデルチェンジ前の旧型、取り立てて所有するメリットもないという事もあり、このまま相場は下がり続けていきそうです。
「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
20M:新車300万円/買取実績なし
20G:新車320万円/買取実績なし
20Gプラスパッケージ:新車345万円/買取実績なし
24M:新車330万円/買取実績なし
24G:新車351万円/買取価格153万円程度
24Gプラスパッケージ:新車376万円/買取実績なし
ブラックエディション:新車345万円/買取価格191万円程度
平均買取価格:約172万円
平均残価率:約49%
4年落ちアウトランダー(2019年式)の目安査定額
4年落ち2019年式アウトランダーは、2012年10月から2021年12月まで販売されていた旧型(2代目)アウトランダーのうち、モデルチェンジから2020年12月まで販売されていた純ガソリン車で、2018年8月に内外装デザインやグレード構成を見直した9年目モデル。
2019年9月の改良では、駆動力を電子制御して操縦性や走破性を向上させる車両運動統合制御システム「S‐AWC」を4WDに標準装備したほか、オーディオやナビシステムを更新、運転席に運転姿勢を適正化するパワーランバーサポートを採用するなど、乗り心地や快適性も向上しています。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
20M:新車296万円/買取実績なし
20G:新車315万円/買取実績なし
ブラックエディション:新車351万円/買取価格184万円程度
20Gプラスパッケージ:新車341万円/買取実績なし
24M:新車326万円/買取実績なし
24G:新車345万円/買取価格196万円程度
24Gプラスパッケージ:新車372万円/買取価格243万円程度
平均買取価格:約208万円
平均残価率:約58%
5年落ちアウトランダー(2018年式)の目安査定額
5年落ち2018年式アウトランダーは、2012年10月から2021年12月まで販売されていた旧型(2代目)アウトランダーのうち、モデルチェンジから2020年12月まで販売されていた純ガソリン車の8年目モデル。
2018年8月の改良では内外装デザインを変更するとともに、グレードを整理して従来の「ナビパッケージ」や「セーフティパッケージ」を統合した「セーフティパッケージ」を20Gと24Gに設定、衝突被害軽減ブレーキシステム「FCM」と誤発進抑制機能(前進/後退)が全車標準装備となり、後席用エアコン吹き出し口をフロアコンソール後部にも配置するなど、安全面や快適性も向上しています。
また、2018年12月にはブラック基調の内外装や、各種装備を充実した特別仕様車、「ブラックエディション」が設定されました。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
20M:新車294万円/買取実績なし
20G:新車294万円/買取価格151万円程度
20Gセーフティパッケージ:新車294万円/買取価格134万円程度
20Gナビパッケージ:新車329万円/買取実績なし
20Gプラスパッケージ:新車339万円/買取実績なし
アクティブギア:新車335万円/買取価格153万円程度
ブラックエディション:新車369万円/買取実績なし
24M:新車323万円/買取価格138万円程度
24G:新車325万円/買取実績なし
24Gセーフティパッケージ:新車326万円/買取価格146万円程度
24Gナビパッケージ:新車361万円/買取価格138万円程度
24Gプラスパッケージ:新車370万円/買取実績なし
平均買取価格:約143万円
平均残価率:約45%
6年落ちアウトランダー(2017年式)の目安査定額
6年落ち2017年式アウトランダーは、2017年3月に一部グレードでヘッドライトのLED化や、センサーをミリ波レーダーから単眼カメラへ更新、歩行者検知機能を追加するなど、先進安全技術の強化を施した改良を受けています。
また、同年7月にセーフティパッケージをベースにオレンジを内外装アクセントに加えた特別仕様車『アクティブギア』を発売しました。
それでは、オプション込みでおおよその新車価格と、2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
20G(FF):新車279万円/買取価格142万円程度
20Gセーフティパッケージ(FF):新車419万円/買取実績なし
20Gナビパッケージ(FF):新車324万円/買取価格148万円程度
24G(4WD):新車310万円/買取価格176万円程度
24Gセーフティパッケージ(4WD):新車323万円/買取実績なし
24Gナビパッケージ(4WD):新車358万円/買取価格181万円程度
アクティブギア(20 FF/24 4WD):新車335万円/買取価格182万円程度
10年落ちアウトランダー(2013年式)の目安査定額
10年落ち2013年式2代目アウトランダーは、グレード数の増減や改良などはまだなかった時期で、消費税8%への増税前だったこともあって比較的コスパ高く求めることができました。
廉価グレードの『20G』は経済性の高さが魅力ながら、中古市場に入ってくるのは装備充実の主力『24G』系が中心。2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
20G(FF):新車267万円/買取実績なし
24G(4WD):新車326万円/買取価格82万円程度
24Gセーフティパッケージ(4WD):新車307万円/買取実績なし
24Gナビパッケージ(4WD):新車341万円/買取価格83万円程度
14年落ちアウトランダー(2009年式)の目安査定額
初期型末期に近い14年落ち2009年式アウトランダーは、まだPHEVもなく2.4リッター直4、3リッターV6ガソリンエンジンという車種体系です。また、エアロカスタム仕様の『ローデスト』が存在しました。2023年2月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
24MS(FF/4WD・7人):新車264万円/買取価格28万円程度
24M(4WD・5人):新車261万円/買取実績なし
24G(FF7人・4WD5人/7人):新車282万円/買取価格15万円程度
ローデスト24G(FF/4WD・7人):新車306万円/買取価格10万円程度
30MS(4WD・7人):新車299万円/買取実績なし
30G(4WD・5人/7人):新車319万円/買取価格21万円程度
ローデスト30G(4WD・7人):新車343万円/買取実績なし
事故車・修復歴ありのアウトランダーの場合は?
アウトランダーの事故車買取実績は初代2007年式の走行距離10万km超えでも12万円程度と、ヘタをすれば普通の買取より高値がつきます。もっとも、これは部品取りとしての需要で、事故車ながらエンジンや補機類など、一部を除く足回りなどが無事だったため、つまりは“部品としては高く売れる”程度の前提となります。
日本国内でこそ目立たない存在なものの、国際的にはそこそこ売れている車種なため、ある程度古くなれば無理に国内中古車市場で車両そのものをさばくより、部品としての価値が見いだされている1台だといえます。
アウトランダーの残価率・リセールバリューは?
人気車種とは決していえないアウトランダーですが、2年落ち程度なら残価率46~57%、平均すると約52%と、初回車検(3年落ち)以前なら、人気に関わらず残価率はそう極端に落ちないことがわかります。
買取価格も、グレードにより平均142~182万円と、新車価格279~358万円の車としてはそこそこ高値がつくので、リセールバリュー狙いなら早めに乗り換えるのが得策でしょう。
これが7年落ちでは平均残価率が約25%、平均買取価格で82万円になります。また、11年落ちでは平均残価率が約6%、平均買取額が19万円ほどに下落してしまいますから、ここまで来ると寿命もしくは車検整備や修理が割に合わないと感じるまで、乗り潰す方がベターといえそうです。
ただし前項で書いたように、部品単位では需要のある車種ですから、低年式で走行距離もそれなり以上な場合、中古車買取と同時に廃車買取としても見積もりをもらい、どちらがより高い評価をもらえるか比較するのも大事です。