買取相場 | 2020.05.26
ついに生産終了!今後パジェロの買取価格にはプレミアムが付く?パジェロの買取相場について
Posted by UruCar
国内向けの生産自体は終了してしまっていますが、それほどに人気のある理由は、いったいどこにあるのでしょうか。 日本のRV市場を常にリードしてきた三菱 パジェロ。1990年代のRVブーム時代はとにかくどこにでもパジェロがいました。 近年、世界的にSUVブームが起きていて、各メーカーから新型のSUVが次々と誕生しています。三菱パジェロはSUVブームが起こるはるか以前の1982年にデビューし、人気を誇ってきたモデルです さらに当時の車好きが憧れたパリダカールラリー、そこで活躍をしていたのが三菱 パジェロでした。 そんなパジェロも今年2019年8月をもって日本仕様車は生産終了となり、それでも「国産SUV」として多くのファンを持つ車であることは変わりありません。37年の歴史に幕を閉じますが、今日はそんなパジェロについて調べてみました。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
パジェロの特徴
パジェロのデビューは2006年のことでした。現在もSUVが流行していますが、1980年代後半〜1990年代前半にかけてもSUVが流行した時期があり、その時の主役がパジェロです。当時、パジェロはすでに一定のネームバリューがある車でしたので、新型もパジェロ伝統の「頑丈なラダーフレームを持つ本格的なSUV」としてデビューしました。
パジェロは基本的に先代モデルのキャリーオーバーで、旧型とあまり大きな変化はありません。歴代パジェロの定石通り、3ドアのショートボディと5ドアのロングボディの2種類で、悪路走行に耐えうる頑丈なラダーフレームをモノコックの内部に備える構造です。
エンジンは当初、3.0Lと3.8LのV型6気筒がラインナップされていましたが、のちに3.2Lのディーゼルターボが加わります。このディーゼルエンジンは45.0kgm/2000rpmという強力なトルクを発揮し、2000kgもあるパジェロのボディを余裕で加速させます。
旧型との違い
1999年〜2005年まで販売された、旧型パジェロ。2代目モデルまでの無骨な印象が薄れて、洗練されたボディ・デザインを採用していました。それをさらに現代的にアレンジしたのが新型パジェロです。しかし、いかにも三菱車という男性的なイメージは薄れておらず、どこから見ても歴代パジェロに通ずる意匠です。
旧型と新型の大きな違いはエンジンでしょう。1990年代に開発された旧型は3〜3.8Lという大排気量の6気筒エンジンが販売のメインでした。新型も当初は同じエンジンを積んでいましたが、後に6気筒は3Lのみとなり、国内の最終モデルは3.2Lのディーゼルターボを搭載しています。
車好きの間ではシリンダーの数や最高出力ばかりが話題にのぼりますが、パジェロのような重量級のSUVには最高出力よりも低速からの力強いトルクが重要です。そのトルクは1気筒あたりの排気量が生み出しますので、同じ排気量ならシリンダーの数が少ないほど低速から強大なトルクを発揮してくれるでしょう。3.2Lの4気筒エンジンなら1気筒あたり800ccある計算になり、アクセルをあまり踏まなくても十分な力が出る設計です。パジェロのような車には最適なエンジンといえるでしょう。シリンダーの数が減れば、フリクションロスが減って燃費が良くなり、車両全体の軽量化にも効果があります。
パジェロの中古市場での人気について
本格RV車であるパジェロは日本国内ならず、世界でも名の通る日本の名車です。パリダカールラリーでの優勝経験もあることから、ヨーロッパ諸国でも人気が有り、輸出の需要もあります。このことから中古市場では安定した需要があるため買取価格は安定しています。
パジェロの人気が最も高かったのは初代〜2代目モデルが発売されていた1990年代前半で、ラリーなどのモータースポーツにも参戦していました。この時期に「パジェロ」のネームバリューが世界的に広まり、その人気は新型まで継続されていると考えていいでしょう。
また、車体がコンパクトなことも人気の理由と考えられるでしょう。ショートボディは全長×全幅×全高は4385mm×1875mm×1850mmというコンパクトなサイズで、ホイールベースも2420mmなので取り回しがとてもいい車です。3ドアのショートボディを持つSUVは貴重になっており、今では世界中を見渡してもパジェロぐらいしかラインナップされていません。
パジェロは日本市場で熱狂なファンを持つ車です。その理由は1990年代のRVブームを牽引した車であり、国産SUVの中でも特に高いネームバリューを持っているからです。車にあまり興味のない人でも「パジェロ」といえばどんな車か想像がつくほどで、それが人気の理由でしょう。
パジェロは実用的にも優れています。日本市場で販売の主力となったのは5ドアのロングボディですが、全長×全幅×全高は4900mm×1875mm×1870mmでとても使いやすいボディサイズです。運転席が高い位置にあるので、ドライバーは遠くまで見渡せることになり、とても運転がしやすくなっています。
買取査定額が期待できるパジェロの人気グレード
パジェロのグレード体系は2018年以降全てロングボディとなり、ガソリン・ディーゼルモデル共に『GR』『エクシード』と進み、ディーゼルにのみ最上級の『スーパーエクシード』が用意されます。ショートボディは悪路走破のみ考えると有利に働きますが、実際日本国内では大人数が乗車可能なロングボディ、そしてグレードはエクシードかスーパーエクシードが人気です。
初代パジェロではトルクフルな大排気量6気筒エンジンを搭載。従来のSUVにはなかった余裕のある走りと高い静粛性を実現し、パジェロは一躍人気モデルになりました。以来、大排気量の6気筒エンジンを積んだグレードが受け継がれています。ただ、時代の流れとともにディーゼルエンジンなどに置き換えられ、現行パジェロの末期にはディーゼル中心のラインナップとなっていました。
パジェロはモデルライフがとても長い車でしたので、時期によってさまざまなバリエーションがあります。基本的には5ドアのロングボディと3ドアのショートボディに分かれていましたが、2016年を最後に3ドアモデルは日本市場のラインナップから落とされています(海外向けでは継続販売)。
さらに6気筒ガソリン仕様と4気筒ディーゼルエンジンの2種類がラインナップされています。価格的には全体的に6気筒ガソリン仕様の方が安価で、最も高価なロングボディのディーゼル仕様は495万円でした。
2019年4月から8月まで生産された「ファイナルエディション」はディーゼルエンジンのみが搭載され、453万円でした。700台限定での発売で、すでに生産を打ち切っています。
買取査定額が期待できるパジェロの人気カラー
パジェロには圧倒的人気カラーが存在します。それがウォームホワイトパール、ダイヤモンドブラックマイカの二色です。日本国内人気はいつでもこの白黒系統なのは変わりありませんが、価格差が10万円~15万円前後その他のカラーと価格差がつきます。
6年落ちパジェロの目安査定額
6年落ち2014年式パジェロは、2006年10月から2019年8月まで販売された日本国内最終モデル(4代目)で、この年のパジェロは年間販売台数2,018台、平均月販170台でした。
2012年10月の改良でグレード整理や5MT車と3.8リッターV6ガソリンエンジン車が廃止されて、3リッターV6自然吸気ガソリンエンジンと3.2リッター直4クリーンディーゼルの2種類へと搭載エンジンも集約されたほか、2014年7月にはフロントフェイス変更など内外装がリファインされています。オプション込みでのおおよその新車価格と、2020年5月現在での平均買取相場は以下の通りです。
ショート VR-I(5ATガソリン) | 新車316万円/買取実績なし |
ロング GR(5ATガソリン/5ATディーゼル) | 新車378万円/買取価格101万円程度 |
ロング エクシード(5ATガソリン/5ATディーゼル) | 新車438万円/買取価格122万円程度 |
ショート VR-II(5ATディーゼル) | 新車432万円/買取実績なし |
ロング スーパーエクシード(5ATディーゼル) | 新車535万円/買取価格184万円程度 |
平均買取価格 | 136万円程度 |
平均残価率 | 約30% |
9年落ちパジェロの目安査定額
9年落ち2011年式パジェロは、この年の年間販売台数3,240台、平均月販270台と、流行のクロスオーバーSUVや不動の人気を誇るランドクルーザー系にはかなわないまでも、本格クロカンSUVとしてはまだ堅実な販売台数を維持していた時期のモデルです。
2008年10月にディーゼルエンジン搭載車が復活しており、全車4速ATから5速AT化されたことと合わせ、厳しい排ガス規制の壁で一時期ガソリンエンジンのみとなっていたパジェロの魅力が再燃した時期でもありました。オプション込みでのおおよその新車価格と2020年5月現在での平均買取相場は以下の通りです。
ショート VR-I(5ATガソリン/5MTガソリン) | 新車294万円/買取実績なし |
ロング GR(5ATガソリン/5MTガソリン/5ATディーゼル) | 新車350万円/買取価格53万円程度 |
ロング エクシード(5AT・ガソリン/5AT・ディーゼル) | 新車425万円/買取価格76万円程度 |
ショート VR-II(5ATディーゼル/5MTガソリン) | 新車412万円/買取価格68万円程度 |
ショート スーパーエクシード(5ATガソリン) | 新車439万円/買取価格49万円程度 |
ロング スーパーエクシード(5AT・ディーゼル/5MTガソリン) | 新車508万円/買取価格113万円程度 |
平均買取価格 | 72万円程度 |
平均残価率 | 約17% |
13年落ちパジェロの目安査定額
13年落ち2007年式パジェロは、2006年10月に日本国内向けとしては最後のモデルチェンジとなった4代目初期モデルで、排ガス規制をクリアするクリーンディーゼル車登場(2008年10月)までガソリンエンジンのみとなっていました。
ボディタイプが3ドア2列5人乗りの「ショート」と5ドア3列7人乗りの「ロング」の2種類だったことや、5速MT車がほとんどのグレードへ設定されていた「昔ながらのパジェロ」で、モデルチェンジ効果もあって年間販売台数4,885台、平均月販410台を記録しています。オプション込みでのおおよその新車価格と2020年5月現在での平均買取相場は以下の通りです。
【標準モデル】
ショート VR-Iベーシックパッケージ(4ATガソリン/5MTガソリン) | 新車272万円/買取実績なし |
ショート VR(4ATガソリン/5MTガソリン) | 新車272万円/買取実績なし |
ショート VR-I(4ATガソリン/5MTガソリン) | 新車282万円/買取実績なし |
ロング ZRベーシックパッケージ(4ATガソリン/5MTガソリン) | 新車293万円/買取実績なし |
ロング ZR(4ATガソリン/5MTガソリン) | 新車297万円/買取実績なし |
ロング ZR-Sベーシックパッケージ(4ATガソリン/5MTガソリン) | 新車301万円/買取実績なし |
ロング ZR-S(4ATガソリン/5MTガソリン) | 新車306万円/買取価格21万円程度 |
ロング GR(4ATガソリン/5MTガソリン) | 新車320万円/買取実績なし |
ロング リミテッドエディション(4ATガソリン) | 新車326万円/買取価格22万円程度 |
ロング エクシード ベーシックパッケージ(4ATガソリン) | 新車347万円/買取実績なし |
ロング エクシード(4ATガソリン) | 新車383万円/買取価格37万円程度 |
ショート VR-II(5ATガソリン) | 新車384万円/買取価格31万円程度 |
ショート スーパーエクシードエディション(5ATガソリン) | 新車388万円/買取価格26万円程度 |
ショート スーパーエクシード(5ATガソリン) | 新車410万円/買取実績なし |
ロング エクシード プレミアムエディション(4ATガソリン) | 新車407万円/買取価格34万円程度 |
ロング エクシードX(5ATガソリン) | 新車436万円/買取実績なし |
ロング スーパーエクシード(5ATガソリン) | 新車483万円/買取価格43万円程度 |
平均買取価格 | 31万円程度 |
平均残価率 | 約8% |
パジェロを高く売るためのポイント
特にクリーンディーゼル搭載後のパジェロの価値を支えるのはディーゼル車といっても過言ではない状況ですから、エンジンの好調さが保たれたディーゼル車であることはまず大前提です。
三菱ではディーゼル排気から特に有害なPM(粒子状物質)を除去するDPFフィルターの機能を維持するため、通常24ヶ月ごと、シビアコンディションユーザーなら12ヶ月ごとに排気インジェクタ噴口などの定期点検・清掃を2010年9月改良以降のパジェロで強く推奨しており、そうした定期的なメンテナンスを受けているかどうかは重要となります。
また、ショートボディ車はともかくロングボディ車は高級オフローダーとも認知されているため、車内外の傷や汚れには特に注意し、査定前の入念な洗車や清掃、消臭などは欠かさないようにしてください。
パジェロの走行距離による値動きの変化
パジェロの2020年5月現在における走行距離ごとの買取相場を、2006年10月にモデルチェンジされた最終モデルを例に紹介します。
20万km台 | 42.5~42.5万円 |
15万km台 | 12.4~59.4万円 |
14万km台 | 24.2~86.4万円 |
13万km台 | 21.2~107.8万円 |
12万km台 | 27.1~106.9万円 |
11万km台 | 19.3~100.2万円 |
10万km台 | 19.3~131.3万円 |
9万km台 | 24.2~139.2万円 |
8万km台 | 25.2~168.2万円 |
7万km台 | 9.4~160.7万円 |
6万km台 | 45.3~147.6万円 |
5万km台 | 29.1~219.6万円 |
4万km台 | 33.8~205.7万円 |
3万km台 | 49.9~256.2万円 |
2万km台 | 201.1万円 |
なにぶん2019年8月まで約13年もの長期間販売された車なので、同じ走行距離でも年式やグレード、程度による幅が大きいのですが、それでも傾向として6万km台、10万km台を超えたあたりで一段と査定額が下落する傾向にあります。
また、絶版車であることから人気グレードの走行距離少なめ、高年式の程度良好車はプレミアとまでいかないまでも、かなり高いリセールバリューとなりそうです。
事故車・修復歴ありのパジェロの場合は?
本格RVのパジェロはしっかりとRV然として使用された自動車も多く存在します。
ついては、修復歴を負った自動車も少なからず存在をするわけです。
しかしパジェロの場合比較的修復歴に寛容な輸出需要の関係もあるために、値崩れは緩やかであり、修復歴ありのパジェロでも通常買取の75%~80%程度での買取が期待できるでしょう。
つまり3年経過車であれば250万円~270万円での買い取り額になりそうです。
パジェロの残価率・リセールバリューは?
さて、パジェロの価値の残り方はどうなのでしょうか?
新車の車両本体価格から残価率を計算し、財産として見た場合の価値の残り方を見ていきます。
現行型のディーゼルロングエクシードを新車購入した場合、購入価格で¥4,282,200で、その後約3年3万キロ乗って売却した場合に買取最高値は¥3,370,000でした。つまり3年間で¥912,200を償却しており、その残価率は78.7%ということになり、優秀な値を示しています。
また、10年8万キロの時買取最高値が¥1,370,000、新車時価格が¥3,979,500なので同様の計算で34.4%の残価率に。
その他、13年10万キロ時買取最高値が¥770,000、新車時価格が¥3,465,000なので同様の計算で残価率22.2%となるため、残存価値としては残りやすいモデルであると言えるでしょう。
数あるRVの中でも、モータースポーツのジャンルで日本の存在を世界に知らしめたパジェロ。パジェロが活躍した1990年代は、F1でもマクラーレンホンダがセナと戦い存在感を示していた時代でした。
そんな日本を元気にしてきた一つの歴史が幕を閉じようとしていることに少しの悲しさを感じます。
正直言ってパジェロは同じ三菱車のなかでもエボリューションなどを除いてこれから価値が上がるような車ではないでしょう。
当然、現在でも初代パジェロの綺麗な完動車だとプレミアがついています。
しかし、この一般大衆RVをこの先30年に渡り美しく動態保存できる方はほぼいないと思います。
しかし、2019年8月生産終了がアナウンスされた以上買取価格は高止まりする可能性が大いにあり得ますので、査定をしてみると違う世界が見れるかもしれませんね!
パジェロの燃費は?
最終仕様の3.2Lディーゼルターボは10km/Lとなっています。車重が2290kgに達するSUVとしてはなかなか優秀な値といえるのではないでしょうか。
ディーゼルエンジンの最大の美点は低速から強力なトルクを発揮することです。パジェロのエンジンは2000回転から45.0kgmというトルクを発揮するので、アクセルペダルをあまり踏まなくても十分な加速が得られ、結果として低燃費となります。多くのSUVがディーゼルエンジンを積む理由はそこにあります。
三菱の人気SUV、パジェロの中古車は買うなら早めに探すべきか?
国産SUVの元祖、パジェロは4代目!
現行モデルはディーゼルターボがもたらすトルクで余裕の走りと低燃費を実現!
グレードはシンプルな5種類!
新車販売はすでに終了。高年式中古車を狙うなら今!
現行モデルのパジェロは、すでに日本市場での生産・販売を終了しています。ロシアやアジア市場向けのモデルは現在も生産されているので、逆輸入という形で新車を手に入れることができなくはありません。
しかし現在のところ、パジェロを逆輸入している業者はなく、個人で輸入するには手続きや費用などでかなりのお金がかかってしまいます。
生産終了から間もない車ですが、高年式の中古車で程度のいい個体はプレミアがついている状態です。特に最終モデルの「ファイナルエディション」には新車以上の価格がついているケースがあり、これにはなかなか手を出しにくいでしょう。
しかし、カタログモデルだったグレードは最終モデルの走行1000km以下の個体が新車価格とあまり変わらない値段で見つかります。
今後、値上がりすることが考えられるので、パジェロが欲しいという方は今のうちに探しておくことをおすすめします。
パジェロを売るのにベストなタイミングは?
パジェロは長年根強い人気を誇り、国内絶版時にはファンから大いに嘆かれた車ですから、今後の動向次第では、程度良好車にプレミア価格的な査定が出ることも予想されます。
実際、現時点でも買取実績そのものは少ないとはいえ平均残価率は6年落ち2014年式で約30%、9年落ち2011年式で同17%、13年落ちの最終モデル初期型2007年式ですら同8%としっかり値段がついており、「金になる車」としては上々の部類です。
すでに本格オフローダーらしい用途で使い倒してあればともかく、デザインやコンセプトが気に入ってきれいに維持されている車であれば、買取市場の動向をにらみつつ高価買取のタイミングを狙うのも一興かもしれません。
海外でも人気の車のため輸出されて国内から消えてしまう中古車も多いと考えられることから、中古車市場でのタマ数も要チェックです。