コラム | 2021.08.21
ワイルド・スピード ジェットブレイクで復活を遂げたハン・ルーは私生活でも車好きだった!
Posted by KAKO MIRAI
ワイルド・スピード ジェットブレイクがいよいよ公開となりました。公開前からハン・ルー役のサン・カンさんが復活するとの話題が先行。Twitterでもトレンド入りしていたほどでした。『ワイルド・スピード TOKYO DORIFT』で大きなインパクトを残したサン・カンさんは、車好きでも有名です。一体どんな車が好きなのかご紹介していきます。
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ハン・ル―の存在感
映画『ワイルド・スピード TOKYO DORIFT』で登場したハン・ルーの愛車「RX-7 Fortune」。オレンジとブラックで仕立てられた『Veil Side(ヴェルサイド)』仕様のカッコよさに、多くの人が目を奪われ、記憶しているのではないでしょうか。
『ワイルド・スピード』としては3作目から登場し、以降は時系列の関係上6作目の『EURO MISSION』 まで登場していました。寡黙な役どころではありましたが、その存在感の大きさは、サン・カンさんという役者ならではの見せどころだったといえるでしょう。
しかし、劇中では愛する恋人を失ったことよりもドムの無事にフォーカスされており、ハンを支持するファンからは「#Justice For Han(ハンに正義を)」という声が高まっていきました。今回「ジェットブレイク」で復活を遂げたのはそんなファンの声に応えたものかもしれません。
そして9作目で注目を集めているのは、ハンと共に写っているトヨタスープラ 90です。東京を拠点とする役どころもあってか今回はスープラが起用されました。『トヨタ自動車』でも、「17年ぶりにスープラが復活することとなった背景にはワイルド・スピードでスープラファンが背中を押してくれた」と語っています。
1作目で使用された80スープラとダッジチャージャーのゼロヨンは、いまだに名シーンのひとつとして語り継がれているほど。そして今回の90スープラは『TOKYO DORIFT』と同じカラーリングに仕上げられており、ポール・ウォーカーさんからバトンを託されたハンの熱い走りに期待が高まりそうです。
サン・カンさんは車好き
過去には、近所の老人が車をいじっているのを眺めていたことがあったという程度でした。その後、車への興味はあまりなかったようですが、『ワイルド・スピード』に出演するようになってから車への興味が深まったと語っています。
撮影を通して親交を深めたポール・ウォーカーさんは、誰もが知る無類の車好き。特に日本の旧車にも深い愛着を持っていました。彼のガレージには、沢山の名車が並んでいることは、SNSでも取り上げられています。
そのガレージをサン・カンさんは見せてもらったことがあります。その時に見つけたのは日産の小さなトラックでした。不思議に思ったサン・カンさんは、ポールさんに何故、こんなに小さくて古いトラックを持っているのかと質問したことがあるそうです。
その時にポールさんは、そのトラックはお気に入りの一台だから、まだ手を入れていない。でもそのうちやりたいと思っていると答えが返ってきました。しかしポールさんはその後突然の事故によって命を奪われることになってしまいます。
ポールさんの死後、サン・カンさんは命のはかなさを改めて感じ、今自分がやりたいことをやろうと決意したと語っていました。ポールさんの死は、友人であったサン・カンさんにも大きな意味をもたらした出来事だったといえるでしょう。
フェアレディZとの出会い
カリフォルニア州ランカスターで、1973年式のダッドサン240Zと出会ったことに端を発します。その時にポールの分まで車に打ち込もうという気持ちに突き動かされ、ノーマルで保管されていたZのレストアに挑みました。
・エクステリア
オーバーフェンダーの迫力あるシルエットを作り出しているのは、『TRA京都』の「ロケットバニー」です。インスタグラムで見つけたワイドボディキットが気に入ったサン・カンさんは、その内容をSNSで発信。
アメリカで「ロケットバニー」を取り扱っているのは『GReddy』が、サン・カンさんの投稿を見つけ、協力が実現します。しかし『GReddy』にとってヴィンテージカーのレストアはあまり経験がありませんでしたが、何とか完成させることができました。
「ロケットバニー」は、オーバーフェンダーの先駆け的存在で、『フォーミュラーD』『D1グランプリ』などの競技車両にも使用されるエアロキットです。その迫力ある個性的なデザイン性と繊細なボディラインが高い人気を呼び、今では世界中から高い評価を得ています。
・足回り
ブレーキキャリパー…採用している『WILWOOD』は、北米を中心とするアメリカでは広く知られた存在です。『NASCAR』を始め『インディカー』などでも使用されることが多くストックカーでは標準装備されているブランド。軽量コンパクトな特性が魅力です。
ホイール…RAYS VOLK RACING TE37 17インチを装着。レイズは大阪に本社を置く世界屈指のアルミホイールメーカー。『F1』を始め『SUPER GT』 などに供給し、高い信頼と品質を誇っています。
タイヤ…『ニットーNT01』。『ニットータイヤ』は1949年に設立されました。車好きのエンスージアスト達の声を聴き、求められた商品づくりをモットーにしています。
・エンジンスペック
GT-RのBNR32型で採用されていた「RB26DETT」 エンジンに換装。全てをバラして組み立てを行い、ツインターボを外したNA(自然吸気)仕様に変更されました。
ピストン・コンロッド…ハードコアレーシングの要として使用したのは、『NASCAR』でおなじみの『CP-Carrillo (カリロ)』製。シリンダー容積と燃焼室容積の比率がノーマルエンジンの8.5:1から12:1に引き上げられ、エンジン出力が高められています。
エキゾーストマニホールド…スポーツ系マフラーの高い技術を活かした『GReddy』を採用。
LSD…日本を代表するOS技研は『SUPER GT』をはじめ、ドリフトやドラッグレースから4駆などのトライアル競技までハイパフォーマンスモデルを供給しているメーカーです。
エンジンにはかなりのこだわりがあるようで、もともとRB26エンジンは6連スロットルが搭載されているため、9,000回転以上の超高回転エンジンに仕上がりました。NAでも115psを発揮するハイチューンといえるでしょう。
・インテリア
徹底的な軽量化が図られた室内は、追加メーター以外の余計な物は何も取り付けられておらず、カーペットさえはぎ取られたシンプルなカスタムです。この車の良さが分かるのは、やはり車好きだけではないでしょうか。このこだわりにサン・カンさんの人柄が出ているような気もします。
・Fugu-Z
こうして出来上がった240Zはサン・カンさんの理想の車でした。車のチューニングを手掛けた『Pure Vision』の創設者であるスティーブ・ストロープさんが、240Zに名前を付けることを勧めたそうです。より愛着を深めるためだったのかもしれません。
そこでサン・カンさんが思いついたのは、「Fugu-Z」です。『TOKYO DORIFT』の撮影の合間に、千葉真一さんと一緒に河豚を食べたことがあったそうです。その時に千葉さんから、
しっかりと調理されていない河豚を食べると死ぬことがあると聞きました。
そのことを思い出したサン・カンさんは、きちんと整備をされていない車に乗ると死につながる点が同じだと思えたようです。そこで「Fugu-Z」と命名されたという逸話が残っています。
・SEMA SHOW
アメリカでは毎年ハロウィーンの時期になるとラスベガスで『SEMA SHOW(セマ ショー)』という世界最大規模の催しが開かれているのです。これはドイツの『エッセンモーターショー』、日本の『東京オートサロン』と合わせて世界三大カスタムカーの祭典といわれています。
自動車のパーツ見本市ともいえるトレードショーが行われ、北米をはじめ世界各国から出展社やバイヤーが集まります。まさに世界最先端の流行が発信され、世界中の注目を集める場所でもあるのです。
出展されている車は最新のものばかりではありません。クラシックカーやピックアップトラックまでカスタムが施されて、ワイドフェンダーなどにチューニングされた見ごたえのあるスタイルが圧巻です。
サン・カンさんは2015年の『SEMA SHOW』に、この「Fugu-Z」を出展。クールでハイパフォーマンスなカスタム、チューニングカーに与えられる「グランツーリスモ賞」や「Best Asian Import(最高のアジア車両)」など数々の賞を獲得しています。
フォード マーヴェリック
「Fugu-Z」に続き、2016年にはカリフォルニア州アルハンブラ高校の学生たちと、1972年のフォード マーヴェリックのカスタムを行いました。1970年代に製造・販売されていたのはアメリカとブラジルのみ。この車はブラジルで見つけたもののようです。
エクステリアには「Fugu-Z」同様に『ロケットバニー』のエアロが施されているようです。
特徴的なビス留めされたワークスフェンダー仕様は、お馴染みとなっています。パワーユニットには現行マスタングに使用されている2.3Lエコブーストエンジンを搭載。
旧車に最新世代のエンジンを積もうという発想の転換がサン・カンさんらしいのではないでしょうか。どこにどのようなカスタムが施されていたのか、詳細については明らかになっていませんが、「フォードデザインアワード」を受賞したとのことです。
まとめ
サン・カンさんがプライベートで車に打ち込もうという決意をしたのは、友人でもあったポール・ウォーカーさんの影響が大きかったといいます。高身長なサン・カンさんが、シートがもう少し下がればいいのにと、思いながらもあえてコンパクトな240Zを選んだのか。
乗る不自由ではなく、車そのものの良さに惹かれたからといえるかもしれません。またフォード マーヴェリックを選んだのは、自身が車だったらマーヴェリックだったというほどの惚れこみようから、実現したものです。
ハン・ルーという役柄を超えて、車好きな一面が垣間見られることは、『ワイルド・スピード』ファンにとっては非常に嬉しいといえるでしょう。先日公開された9作目から、あと2作でファイナルを迎えるという告知もあり、楽しみとショックが大きいですが、11作目までしっかりと見届けたいものです。
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