カスタム・アフターパーツ | 2021.06.04

水温や油温の気になる夏が来る!適温を保つ冷却系パーツ オイルクーラーをチューニングしよう

Posted by KAKO MIRAI

夏が近づくこの季節、サーキット走行をしている車にとって重要なのは冷却系パーツの装着です。ラジエーターの大型化などもひとつの方法ですが、オイルクーラーの増設も効果的といえるでしょう。社外品の性能や装着で得ることができるメリット、気を付けなければいけないデメリットなど、オイルクーラーのあれこれをご紹介していきましょう。

以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

オイルクーラーとは

オイルクーラーは、文字通りオイルを冷却して性能を維持するためのものです。一般市販車を見てみると、オイルクーラーを必要としていない車が大半を占めるようになっています。ではなぜオイルを冷やす必要のある車が存在しているのかという疑問から解決していきましょう。

エンジンには往復運動を繰り返すピストンや、回転運動を繰り返すクランクシャフト、カムシャフトによって出力を高めることができるのです。しかし金属同士が接触を起こせば、金属疲労や発熱を起こし、その結果エンジンの焼き付きや出力の低下につながります。

それを防ぐためにエンジンオイルという潤滑油を使用し、エンジンの隅々にまでオイルを供給することで滑らかな作動を行うことができるようになるのです。金属同士の摩擦をオイルで防ぐこの構造を潤滑装置と呼びます。

潤滑装置を正常に作動させるためのオイルは、長期間の使用で劣化するものです。劣化を進行させる原因のひとつには油温の上昇が挙げられるでしょう。もともとエンジンオイルは高温な環境にさらされやすいオイルのひとつです。

加えてスポーツ走行などを行えば、その状況はさらに過酷なものとなり高温になっています。エンジンオイルは温度が上がり過ぎると、オイルの性能を維持できません。つまり油膜の粘度が低下してしまい、サラサラな状態になってしまうことを指します。

サラサラでは油膜が作ることができず、金属摩擦を起こし、エンジンの焼き付きにつながることも。オイルが粘度を保てなくなるのは、140℃といわれていますが、オイルの劣化が始まる温度としては100℃程度を目安にした方が良いでしょう。

このようにオイルの温度上昇を防ぐための方法として、オイルクーラーの装着が挙げられます。しかし、サーキット走行やドリフト走行などを行うことのないという大半の人には、関係がないかもしれません。例を挙げてみると

・年間走行距離は1万㎞で、車検を通すことなく3年で乗り換える

・車検は何度か通すけれど、通常からエコドライブを心がけ燃費の向上を図っている

・過給機がなくECUなどのチューニングはしていない

という場合には回転数を上げて走行することは非常に少なくなるので、あまり必要がないといえるでしょう。反対にオイルクーラーを必要とする車は、どのような走行スタイルなのでしょうか。

・サーキット走行やドリフトなどスポーツ走行を行う

・過給機が装備されている車

・ECUチューニングをはじめ、排気系の熱効率化を図り、高回転型のチューニングを行っている

つまりノーマル車でオイルクーラーが純正装備されていない場合には、必要はありません。しかしチューニング車やターボ車は、走行性能をアップさせるために発熱量が増加する傾向にあります。その結果、水温や油温が著しく上昇する可能性が高まるでしょう。

そういった車には、ある程度の熱対策をしておかなければエンジンを損傷する可能性が高くなるといえるでしょう。もちろんレースカーには高性能のオイルクーラーが採用されていることはいうまでもありません。

水冷式と空冷式

 オイルクーラーには水冷式と空冷式の2つの方式が採用されてきました。それぞれについてご紹介していきましょう。

・水冷式オイルクーラー

水冷式は水にLLC(ロングライフクーラント)を混ぜた混合液体を使用して油温を下げるというもの。構造はコアをウォータージャケットと呼ばれる水路で覆ったものを取り付け、冷却水が熱を奪いながら通り抜けるという設計です。

LLCを使用する目的は、冷却の目的であれば水を通すだけで良いのですが、水は0℃以下では凍結してしまうことも考えられます。そのため氷になると体積が膨張するので、冷却システム自体を破損する危険性があるでしょう。

それを防ぐためにエチレングリコールという粘り気のあるアルコールを使用したLLCによって、-15℃~-40℃程度であっても凍ることを防止することが可能となりました。メリットは冷却効率に優れており、外気温に左右されない点が挙げられます。

その他には、冷却水の温度以上に油温が下がることはないので、油温が適温以下にまで下がってしまう「オーバークール」の心配がありません。

デメリットとしては冷却効果の温度域は空冷式より低くなることです。

・空冷式

ラジエーターによく似た構造で、クーラーコアを設置し、走行風によってクーラーコアの内部を循環するオイルを冷却する方法。銅や真鍮製もありますが、アルミニウムを使用したものが多いようです。

メリットとしては多板版の積層段数を変えることができるため、熱交換の容量を変更することが容易になっていること。冷却効果は非常に高いので、高回転型のスポーツカーに採用されることが多くなっています。

デメリットは冷却効果を高めるためには大型化する必要があるため、エンジンルームに取り付けるスペースが必要なことです。またストップ&ゴーを繰り返す街乗りでは、十分な走行風を得ることが困難になります。

オーバークールになりやすいので、外気温が下がる冬には遮風板などで覆ったり、サーモスタットを取り付けたりするなど注意が必要な点です。

オイルクーラー交換の注意点

オイルクーラーが純正装着されていない車種であっても搭載することはできます。その場合にはオイルポンプの流量、配管の長さ、設置場所など取り付けには注意が必要です。取り付け方次第では油圧の低下、エンジンブローなどを引き起こす可能性もあります。

自分で交換することは可能ですが、知識もなく行うことは難しいといえるでしょう。その場合にはショップなどでの交換をおすすめします。ここでは簡単な流れをご紹介しておきます。

必要となる工具

ボルトやナットの取外しを行うため、サイズ違いのメガネレンチ、トルクレンチのほか、ソケットレンチやモンキーレンチなどが必要です。

①取外し

エンジンオイルを抜き、オイルクーラーを固定しているボルトなどを全て緩めておきます。この時エンジンにつながっている配管からオイルが漏れる可能性もあるので、受け皿を使用するなどの注意をしてください。配管を外したらボルトやナットを抜いてオイルクーラーを外します。

②本体の取り付け

取り外した手順と逆に取り付けを行うことになるので、取り外す手順をメモや動画で残しておくことがおすすめ。ボルトの締め付けにはトルク指定されているものもあります。トルクレンチを使用して適正なトルクで締め付けを行ってください。

強すぎると破損、弱すぎればオイル漏れなどさまざまな危険があるので、十分注意して行いましょう。

③仕上げ

社外品を取り付ける場合には取り付け場所の変更を行うことも考えられます。その際にはパーツとなるホースなどが他のパーツへ干渉されていないことに注意してください。適正量の確認ができたら、エンジンを始動してみて、オイル漏れなどが起こっていないかを確認することも重要です。

人気メーカーの相場と工賃

オイルクーラーを扱っている社外製品の中でも、人気のメーカーをピックアップ。どのようなものがあるのかご紹介していきます。本体価格や取り付け工賃など相場についてもお伝えしていきましょう。

・HKS

車種別に最適なコアサイズを採用して冷却効率の向上と、圧力損失の低減を図ることを可能にしました。走行風を最大限に活用するために車種によってはエアガイドをセットしています。

ドリフト走行で横向きになった車体に対しても、コアに走行風を通過させる効率性を考えた設計です。メーカーごとの対応車種は以下になります。

トヨタ…86・スープラ・チェイサー・マークⅡ

日産…シルビア・スカイラインGT-R・フェアレディZ

ホンダ…S660・シビックタイプR

マツダ…RX-7

三菱…ランサーエボリューション

スバル…BRZ・WRX STI・インプレッサ WRX STI

スズキ…スイフトスポーツ

ダイハツ…コペン

価格帯は10万円前後となっているようです。

また汎用のオイルクーラーもラインナップ。「R(リプレイスメント)タイプ」はオイルフィルター移動型となっています。サーモスタット機能によって油温をコントロールしているので、オーバ―クールにも対応。

ステンレスメッシュホースに採用で耐久性も強化されました。価格は8万円程度となっています。

また「Sタイプ」は、サーモスタットが内蔵されたアタッチメントをオイルフィルターでサンドイッチするタイプ。パーツ点数をコンパクト化して取り付けを簡易化すると同時にコストパフォーマンスに優れています。価格は7万円前後です。

・トラスト

「GReddy」のオイルクーラーは汎用タイプで2種類から選択できます。ひとつは「オイルエレメント移動タイプ」。コアチューブの中にオフセットフィンを設けた大容量コアを使用しています。

それによって放熱量を高め、圧力損失の低減にも成功しました。しかもエンジンルームにクリアランスの無い車にも取り付け可能。エレメントを移動させることができるため、オイルフィルターの交換も楽に行えます。そのためメンテナンス性にも優れているといえるでしょう。価格は10~11万円程度となっています。

また「スタンダードタイプ」は、標準のオイルフィルター位置にサンドイッチブロックを使用して取り付けるもの。使用パーツを減らして、作業効率をアップさせることができます。価格は7万円前後です。

・monster SPORT

モンスター田嶋こと田嶋伸博さんが率いるモンスターコーポレーションは、スズキ車のチューニングに特化しているといえるでしょう。単なる改造や部品を寄せ集めたものではなく、高い次元の完成度を狙うことをコンセプトに掲げています。

そのため、スイフトスポーツやアルトワークス、アルトターボ、ジムニー、カプチーノといった車種のオイルクーラーを中心にラインナップ。車種専用の組み立て設計で、コアの最適化や導風のレイアウトを再現。サーモスタット内蔵で、冬場のオーバークールにも対応しています。価格は7万円前後の製品が多くなっているようです。

取り付け工賃はメーカーによってさまざま。相場としては3~4万円程度となっているようです。

まとめ

夏の暑さは一般車でも相当なダメージを与えることがあります。ましてスポーツ走行を行う車にとっては、水温、油温計から目が離せなくなるほどシビアなもの。即エンジンブローにつながる冷却系パーツの装着は必須アイテムです。

空冷式と水冷式の特徴を知ることで、注意しなければならない点も分かってきます。大切な愛車を労わるだけでなく、最高のパフォーマンスを行うには夏を迎える今、オイルクーラーの増設やメンテナンスをしてみてはいかがでしょうか。

 

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