引用:Steve Lagreca / Shutterstock.com

旧車・絶版車購入ガイド | 2021.05.11

三菱「GTO」- 国内でR32 GT-Rに対抗できた4WDスポーツクーペ

Posted by 菅野 直人

1990年代初頭の国産スポーツで、日産「スカイラインGT-R」(R32)へ対抗できる数少ない国産車の1台だったことはまぎれもない事実だった三菱「GTO」。 車両重量こそ重いものの図太い低速トルクでどんな悪条件でも豪快な加速が可能で、軽量化されたマシンはR32と互角に戦う事が可能でした。 そのGTOの現在の中古車市場はどのようになっているのでしょうか?

以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

三菱「GTO」とは

1980年代前半まで乗用車用大排気量エンジンを持たず、最高級車の「デボネア」ですら2.6リッター直列4気筒エンジンが限界だった三菱ですが、提携していた米クライスラーからの要望もあって3.0リッター超まで拡張可能な新型V型6気筒エンジンに開発のメドがたちます。

さらに、そのエンジンを搭載して北米市場をメインに三菱だけでなくクライスラーグループでも販売するスポーツクーペの開発が始まり、1990年10月に発売されたのが三菱「GTO」(クライスラー版はダッジ「ステルス」)です。

GTOは「ディアマンテ」のプラットフォームをベースとしているものの、リトラクタブルヘッドライトを持つスタイリッシュな2+2シータースポーツクーペで、日本仕様は全車フルタイム4WD、エンジンは3.0リッターV型6気筒の自然吸気またはツインターボの「6G72」エンジンを搭載しました。

特にツインターボエンジンは日本国内での最高出力こそ当時の自主規制値280馬力に収めたものの、わずか2,500回転から42.5kg・mの大トルクを生み出し、車重1.7tの巨体をいかなる環境でも加速させる迫力ある走りが可能でした。

GTOは当時のスポーツカーとしては少々重いボディで「スカイラインGT-R」(R32)に比べ鈍重なイメージを持たれましたが、市販車に近いマシンで戦われる当時のN1耐久レース(現在のスーパー耐久)では軽量化とブレーキ強化で「唯一R32に対抗できるマシン」として勇名を馳せています。

とはいえ根本的なキャラクターは北米向け高速長距離GTカーであまり日本向きではなく、地道に販売され改良も加えられ、日本車としては初のゲトラグ社製6速MTも設定するなど魅力を増していたものの、北米での販売不振や三菱自身の企業体力の問題で後継車を開発するに至らず、2001年8月に惜しまれつつ販売終了しました。

最高速バトルや草レースなどでの出番は少なかったものの、数少ない国産大型大排気量スポーツであり、三菱から今後同種の車がまず発売されそうにないこともあって、根強い人気を保っています。

三菱「GTO」の中古車相場

大手中古車検索サイトによると2020年5月現在、GTOの中古車相場は以下の通りです。

【三菱・GTO(1990-2001)】

(ターボ+5MT車)※前期

148~455万円・5台

(ターボ+6MT車)※中期・後期

75~294万円・14台

(自然吸気+5MT車)

49~298万円・12台

(自然吸気+4AT車)

38~129.8万円・5台

前期ターボ車に高額車があるもののワイドボディのカスタムカーで、実売は228万円が上限なことから、中期以降の6速MTターボ車、または維持の面で手頃な自然吸気5速MT車に人気があります。

さすがに当初ライバルだったR32ほどではありませんが、年式や新車販売当時の人気を考えれば程度良好車はプレミア価格に近く、やはりスタイルやコンセプトに理解あるユーザーにとっては今でも人気があるようです。

三菱「GTO」のオススメは、豪快なトルクのツインターボ車

一時期、白のボディカラー、NAエンジン、4ATのGTOを駆り、某巨大掲示板上での発言がウケて「神のGTO」というインターネットスラングや改変コピペすら生んだ事もあり自然吸気車が注目されましたが、そうしたネタを除き真面目に考えた場合のオススメはやはりツインターボ車です。

強烈な低速トルクと、フルタイム4WDを活かしたトラクションによる加速力、特に雪道や荒れた路面でのダッシュはライバルのR32すら及ばなかったところですし、低速トルクの厚さは長距離高速巡航時の疲労低減にも役立ちます。

R32やトヨタ「スープラ」のような「速くなければいけない」というプレッシャーもないため、高速クルージングで悠々と走るのにこれほど適した大型クーペは、現在ですとレクサス「LC500」のように相当な高額車でもなければ手に入りません。

三菱「GTO」の中古車選びの注意点

さすがに最終生産モデルでも20年近く前の車で、マイナー車ゆえにアフターパーツも少なく、ツインターボエンジンに至っては日本国内だとGTO専用エンジンでしたから、程度が悪い車を買ってしまうとその後のメンテナンスや修理が大変です。

幸いにして多少プレミア気味と言ってもR32ほどではありませんから、程度の悪い代わりに安い車を買ってコツコツ直すより、最初から高額でも程度の良い車を選んだ上で、モノコックが錆やいい加減な修理で致命的な傷みを生じていないか、実車確認の上で購入しましょう。

三菱「GTO」の中古車維持費目安

できる限り程度のよい車を選べば機械的トラブルや純正部品の欠品などに伴うメンテナンス費用の高騰に悩む必要はまだあまり考慮しなくてもよいので、維持費としてはまず自動車税です。

全て新規登録から13年以上で重加算税対象車ですから、総排気量2.5リッター超3.0リッター以下で5万8,600円となります。

実燃費は20年以上前の重量級スポーツですから最良でも8km/L前後で、2020年5月23日現在のハイオク平均価格がリッター当たり約129円程度なので、仮に月1,000km走るなら月16,000円程度のガソリン代がかかり、年間のガソリン代が約19.4万円に自動車税を合わせ、約25万円程度が最低年間維持費の目安となりそうです。

マイナー車とはいえ北米では人気ですし、フルエアロ車やカスタマイズカーは盗難リスクがあるため、セリュリティ面で気を使うためにそれ相応の保管場所が必要になりますが、その他環境次第で変わってくる購入後の駐車場代やタイヤ代、車検代や整備代、任意保険代などは各自計算してみてください。

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