買取相場 | 2023.04.27
プレミアムコンパクトハッチバック、レクサスCTの中古市場での評価は?
Posted by 菅野 直人
ラグジュアリーライフブランド、レクサスでもっともコンパクトなモデルであり、「トヨタ・オーリス」のレクサス版といえるプレミアム・コンパクトハッチバック、それが「レクサスCT」。 小さいながらも内外装は高品質ぶりを誇るレクサス自慢のエントリーモデルは、買取市場でどのように評価されているでしょうか。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
レクサスCTの中古市場での人気について
1989年に北米市場をはじめとして誕生、2005年から日本でも展開を開始したトヨタの高級車ブランド、レクサス。当初はミドルクラス以上のセダンやSUV、ラグジュアリークーペばかりをラインアップしており、初代モデルがトヨタ名義でアルテッツァとして販売されていた「IS」にせよ、兄弟車「トヨタ・SAI」と同時期に開発された「HS」にせよ高額かつ大柄であり、手頃な価格のエントリーモデルの登場が待望されていました。
逆にメルセデス・ベンツやBMWなど海外のライバルはプレミアム・コンパクト的なエントリーモデルを同時期に幅広くラインアップするようになっていましたが、あくまでトヨタ・ブランドと並行して存在するレクサスゆえに、安易な低価格化や小型化はブランドの存在意義に関わる難しい決断といえました。
そんな状況下、満を持して2011年1月に発売されたのがCT。欧州や北米で販売されていた「オーリス(2019年に代替わりでカローラハッチバックと改称)」をベースに、レクサスのデザインアイデンティティであるスピンドルグリルが採用されるなど、内外装の高級化や装備面の充実が図られた意欲作となりました。
それまでのレクサス車よりバリューを感じる350万円台からという価格設定や比較的コンパクトなハッチバックボディは、取り回しのよさや実用性の高さといった機能面でも日本の道路事情にマッチしており、2019年10月現在もまだモデルチェンジされていないロングセラーモデルへ。中古車市場では60万円~450万円程度が相場となっています。
買取査定額が期待できるレクサスCTのグレード
レクサスCTのグレード構成は、オーリスの後期モデルやプリウスでも採用される1.8リッターハイブリッドシステムをパワーユニットにもつ「CT200h」のワングレードのみ。そんなベーシックモデルの派生として、装備充実版「バージョンC」、スポーティ版「Fスポーツ」、豪華版「バージョンL」の4グレードがあり、時期によって内外装を磨き、装備も充実させた特別仕様車も存在します。
年式や程度、走行距離にもよりますが、このうちレクサスCTで比較的高価買取査定が期待できるグレードはFスポーツとバージョンLで、他のレクサス車とほぼ同様の値動きをみせます。ただし、エントリーモデルという性格ゆえか、背伸びしない程度に装備を充実させたバージョンCも比較的高価買取される傾向にあります。
買取査定額が期待できるレクサスCTのカラー
レクサスCTで買取査定額上位のボディカラーはほとんどがパールなど白系。それ以外はパープルや茶色、シルバー、グレー、紺色、赤と多彩なボディカラーが並びますが、他のレクサス車と異なり白か黒というほど単純ではなく、黒は意外と少数派。
おそらくエントリーモデルという性格上、ファーストカーとしてフォーマルな場に乗りつけるより、セカンドカーとして自分なりのヌケ感と洒落心を投影したい気持ちが強いようで、それが多彩なボディカラーを高額買取上位に押し上げている理由のひとつかもしれません。
1年落ちレクサスCT(2022年式)の目安査定額
1年落ち2022年式レクサスCTは、トヨタの高級車ブランド「レクサス」で、エントリーモデル、あるいはセカンドカー需要に応じ、2011年1月から2022年11月まで販売されていた5ドアハッチバックのコンパクトカーです。
グレード構成はプリウスなどと同じ1.8リッターハイブリッドシステムを使った「CT200h」系1本で、専用チューニングのサスペンションを組んだ「version C」、ラグジュアリー仕様「version L」、スポーツ仕様「F SPORT」へ、随時特別仕様車を設定。
11年以上のロングセラーモデルのため何度も改良されており、2022年式でも2020年8月に誤発進抑制機能のパーキングサポートブレーキ(静止物)を追加して予防安全を強化したほか、2022年3月にはversion Cをベースに専用シルバー加飾や装備を充実させたCT最後の特別仕様車、「チェリッシュドツーリング」を発売しました。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年4月現在での平均買取相場は以下。
CT200h:新車426万円/買取実績なし
CT200h virsion C:新車450万円/買取価格293万円程度
CT200h チェリッシュドツーリング:新車464万円/買取実績なし
CT200h F SPORT:新車496万円/買取実績なし
CT200h virsion L:新車537万円/買取実績なし
平均買取価格:約293万円
平均残価率:約65%
2年落ちレクサスCT(2021年式)の目安査定額
2年落ち2021年式レクサスCTは、2011年に3代目プリウスの1.8リッターハイブリッド・パワートレーンを搭載して発売したレクサスのエントリー・コンパクトカーで、オーリス(現在はカローラスポーツ)のレクサス版と言えるモデルです。
発売から10年以上経ち、細かい改良を繰り返したとはいえ古さは隠せず、2022年中にも生産終了予定と言われていますが、レクサス車ユーザーにとってのセカンドカーとして根強い需要や、納期遅延が著しく新車が手に入りにくいという事情もあってか、中古車買取市場では古い割にリセールバリューはかなり良い部類に入ります。
「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年4月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
●CT200h:新車424万円/買取実績なし
● CT200h virsion C:新車448万円/買取価格273万円程度
● CT200h ブラックシークエンス:新車459万円/買取実績なし
● CT200h F SPORT:新車494万円/買取実績なし
● CT200h virsion L:新車536万円/買取実績なし
平均買取価格:約273万円
平均残価率:約61%
4年落ちレクサスCT(2019年式)の目安査定額
4年落ち2019年式レクサスCTは、トヨタの高級車ブランド「レクサス」のユーザーのうち、エントリーモデルやセカンドカー需要に応じて2011年1月から2022年11月まで販売されていた、1.8リッターハイブリッド・5ドアハッチバック車の9年目モデル。
基本的に大掛かりな改良やモデルチェンジがないまま11年以上販売されたロングセラーモデルで、2019年式でも2017年8月のマイナーチェンジでスピンドルグリルなど内外装や装備面が最新に改められたほか、2018年8月に「レクサス日本国内累計販売台数50万台達成記念」として、virsion Cをベースにブラック基調の装飾や充実装備を施した特別仕様車、ブラックシークエンスが発売されています。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年4月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
CT200h:新車419万円/買取価格163万円程度
CT200h virsion C:新車443万円/買取価格187万円程度
CT200h ブラックシークエンス:新車482万円/買取価格213万円程度
CT200h F SPORT:新車488万円/買取実績なし
CT200h virsion L:新車530万円/買取実績なし
平均買取価格:約188万円
平均残価率:約42%
5年落ちレクサスCT(2018年式)の目安査定額
5年落ち2018年式レクサスCTは2017年8月のマイナーチェンジでスピンドルグリルのデザインをメッシュグリル化、ヘッドランプのデザインを変更して精悍なルックスとするなど他のレクサスモデルとイメージが統一され、かつ予防安全パッケージ「Lexus Safety System+」を搭載して予防安全性能が高められたモデルで、2018年8月にはバージョンCをベースに内外装にブラックの専用装備をくわえブラックルーフを選択可能とした特別仕様車「ブラックシークエンス」を発売。
オプション込みでおおよその新車価格と2023年4月現在での平均買取相場は、以下となります。
●CT200h:新車415万円/買取実績なし
●CT200h バージョンC:新車439万円/買取価格244万円程度
●CT200h ブラックシークエンス:新車450万円/買取実績なし
●CT200h Fスポーツ:新車484万円/買取価格264万円程度
●CT200h バージョンL:新車525万円/買取価格244万円程度
7年落ちレクサスCT(2016年式)の目安査定額
7年落ち2016年式CTは2015年8月の一部改良でFスポーツの外装を若干変更、「G-Link」を通して遠隔地からエンジン再始動禁止をコントロール可能にしたり、携帯電話で遠隔地からドアロックを可能にしたりなどセキュリティ性が改善されたモデル。
2016年8月にはバージョンCをベースにヘッドランプやフォグランプをLED化、内外装の高級化やブラックルーフをオプション設定した特別仕様車「クールツーリングスタイル」が発売されています。
オプション込みでおおよその新車価格と2023年4月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
●CT200h:新車403万円/買取価格98万円程度
●CT200h バージョンC:新車430万円/買取価格165万円程度
●CT200h クールツーリングスタイル:新車440万円/買取価格148万円程度
●CT200h Fスポーツ:新車476万円/買取価格208万円程度
●CT200h バージョンL:新車507万円/買取価格238万円程度
11年落ちレクサスCT(2012年式)の目安査定額
11年落ち2012年式は2011年1月に発売された初期型で、2012年8月の改良でサスペンション特性をよりしなやかな乗り味となるように改良。
AC100V・1500W電源から給電可能なアクセサリーコンセントをオプション設定し、2012年10月にはバージョンCをベースに合成皮革シートを採用するなど内外装を充実させた特別仕様車「クリエイティブ テキスタイル インテリア」が発売されています。
オプション込みでおおよその新車価格と2023年4月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
●CT200h:新車391万円/買取価格49万円程度
●CT200h バージョンC:新車413万円/買取価格82万円程度
●CT200h クリエイティブ テキスタイル インテリア:新車447万円/買取価格82万円程度
●CT200h Fスポーツ:新車446万円/買取価格90万円程度
●CT200h バージョンL:新車475万円/買取価格99万円程度
事故車・修復歴ありのレクサスCTの場合は?
レクサスCTの事故車買取価格については、側面からの衝突でボディサイドおよび右フロントに至るまでかなりの損傷を受けた7年落ち車が30万円で買い取られた実績があります。
その他、事故車買取相場はおおむね30万円~116万円と通常の買取相場から見れば4割程度と、修復歴ありの中古車価格相場が79.9万円~299万円であることを考えれば、妥当といえるでしょう。
レクサスCTの残価率・リセールバリューは?
高級車ならではの宿命で、ユーズドモデルは新車に比べてブランド価値が大きく落ち込むため、買取市場での評価はかなり厳しいものになりがち。
レクサスも全般的には市場で人気のクロスオーバーSUVをのぞけば同様の傾向にありますが、CTのようなエントリーモデルはむしろ新車でも価値が高すぎない、ということなのか、リセールバリューは良好とまでいかないまでも、並程度が維持されています。
4年落ち2018年式で平均残価率47~56%(全グレード平均52%)、平均買取価格244~261万円(同、251万円)。6年落ち2016年式でも平均残価率24~47%(全グレード平均37%)、平均買取価格98~238万円(同、172万円)と、不振の4ドアセダンに比べればよほど安定しています。
初期モデルの10年落ち2012年式ですら平均残価率13~21%(全グレード平均18%)、平均買取価格49~99万円(同、81万円)ですから、比較的初期にCTを気軽に購入したユーザーが次のレクサスモデルへステップアップするとしても、頭金の一部として十分に計算できるはず。
エントリーモデルだけに高級車らしい威厳はあまり感じられないレクサスCTですが、ことリセールバリューに関しては嫌味のない、威圧感も与えないデザインとサイズがプラスに働いているといえるでしょう。