買取相場 | 2020.07.22
マニアックな人気のフレアクロスオーバー、意外な買取価格は?
Posted by UruCar
あまり聞きなれない名前のフレアクロスオーバー。名前を聞いてモデルがパッと思い浮かんだ方は相当なマニアかユーザーさんでしょう。実はこの車、スズキ ハスラーのOEM車となります。簡単に言うとエンブレムが違う全く同じ車という認識で良いかと思います。スズキは以前よりOEM生産・供給を多く行ってきたメーカーでもあります。その中でも新しいフレアクロスオーバーは買取市場でどのような値動きをしているのでしょうか。今回はこのフレアクロスオーバーについて調べてみました。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
フレアクロスオーバーの中古市場での人気について
フレアクロスオーバーは一卵性双生児である兄のハスラーと2014に同時デビュー、今年2019年1月から6月までの累計登録台数はハスラーが約3万台のところ、フレアクロスオーバーは1842台となんと1/16のレアなモデルです。
決して人気が高い車とは言えませんが、中身はハスラーです。マツダで軽自動車が欲しい、個性的な一台を探している、というユーザーからは支持をされているようです。
さらにアフターマーケット品のカスタムパーツなどは、豊富な量が流通しているハスラーのものが使用できますので、フレアクロスオーバーの個性をさらに伸ばすことも可能です。
買取査定額が期待できるフレアクロスオーバーの人気グレード
フレアクロスオーバーは四輪駆動のモデルとFFモデルがあり、それぞれXG→XS→XTとグレードが進みます。中間グレードのXSが最量販となり、中でもXSのFFモデルに人気が有ることが販売データより見られます。
しかし、実売状況は母数が少ないこともあり購入分布は分散傾向にあります。そのために、まだこのフレアクロスオーバーでは”人気グレード”と一概にくくることはしにくいのが実情です。
買取査定額が期待できるフレアクロスオーバーの人気カラー
市場に出てくるほとんどのフレアクロスオーバーはピュアホワイトパールですが、ブルーイッシュブラックパールも人気があります。しかしこの二色ではツートンカラーが選択できないこともあり、他車ほど車体色での買取価格変化はほぼないと言ってもいいかもしれません。
1年落ちフレアクロスオーバーの目安査定額
1年落ちのフレアクロスオーバーはどのような買取額で推移しているのでしょうか。
データ量が少ないのですが大まかに90万円~100万円前後での買取実績が確認できています。走行距離が通常の倍になる2万キロでも75万円~85万円前後で推移していますが、ハスラーと同条件で比較した場合、買取価格差で約20万円から30万円程度の差が認められます。
3年落ちフレアクロスオーバーの目安査定額
3年落ち2017年式フレアクロスオーバーは、2014年1月から2020年2月まで販売されていた先代(初代)モデルです。2015年12月の改良で、ターボエンジン車へもマイルドハイブリッドシステム「S-エネチャージ」が搭載され、モーターアシストなどによって燃費性能が大きく向上、ステレオカメラ式の「デュアルブレーキサポート」が廉価グレードを除き標準装備となって、安全性も向上しています。オプション込みでのおおよその新車価格と、2020年7月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
XG(FF/4WD) | 新車155万円/買取実績なし |
XS(FF/4WD) | 新車169万円/買取価格59万円程度 |
XT(FF/4WD) | 新車180万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 59万円程度 |
平均残価率 | 約35% |
5年落ちフレアクロスオーバーの目安査定額
5年落ち2015年式フレアクロスオーバーは、2014年1月から2020年2月まで販売されていた先代(初代)モデルです。2015年5月の改良で、自然吸気エンジン車のエネルギー回生/車内電装品への電力活用システム「エネチャージ」が、発進時や走行中のモーターアシストも可能なマイルドハイブリッドシステム「S-エネチャージ」へ更新、同12月にはターボ車へも採用されて、ステレオカメラ式のデュアルカメラブレーキサポートも追加されています。オプション込みでのおおよその新車価格と2020年7月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
XG(FF/4WD) | 新車152万円/買取価格51万円程度 |
XS(FF/4WD) | 新車166万円/買取価格47万円程度 |
XT(FF/4WD) | 新車175万円/買取価格58万円程度 |
平均買取価格 | 52万円程度 |
平均残価率 | 約32% |
6年落ちフレアクロスオーバーの目安査定額
6年落ち2014年式フレアクロスオーバーは、2014年1月から2020年2月まで販売されていた先代(初代)モデルの初期型で、自然吸気エンジンの「XG「XS」、ターボ車の「XT」の3グレード構成になっています。OEM供給元(スズキ・ハスラー)と異なり、5速MT車がないなどラインナップは若干異なります。オプション込みでのおおよその新車価格と2020年7月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
XG(FF/4WD) | 新車149万円/買取価格43万円程度 |
XS(FF/4WD) | 新車161万円/買取価格40万円程度 |
XT(FF/4WD) | 新車171万円/買取価格48万円程度 |
平均買取価格 | 44万円程度 |
平均残価率 |
フレアクロスオーバーを高く売るためのポイント
OEM元のスズキ・ハスラーと同じで、見た目には悪路走破性が高いSUVであるものの、基本的なメカニズムは、走行システムの一部に電子制御を用いて走破性を向上している程度です。基本はワゴンRやアルトと変わらないため、険しい悪路を走ろうとすれば、場合によっては、ボディに大きく傷がつくため、非常時以外は避けるのが無難でしょう。
車の性格上、アウトドアなどに使うこともあると思いますが、その場合は満載する荷物で荷室や内装の内張に傷や汚れがつかないよう、シートで保護するなど配慮しましょう。
リフトアップなどのカスタムは、必ずしもマイナス査定になると限りませんが、それに伴いボディの加工などが行われている場合は、その出来栄えや後処理、その後の使用感などに左右されてきます。
フレアクロスオーバーの走行距離による値動きの変化
フレアクロスオーバーの2020年7月現在における走行距離ごとの買取相場を、2014年1月から2020年2月まで販売されていた先代(初代)モデルを例に紹介します。
11万km台 | 18.1~31.5万円 |
10万km台 | 26.8~26.8万円 |
6万km台 | 33.6~49.0万円 |
5万km台 | 32.7~61.3万円 |
4万km台 | 39.3~66.0万円 |
3万km台 | 49.8~73.7万円 |
2万km台 | 50.7~76.8万円 |
1万km台 | 58.4~83.4万円 |
発売から約6年、11万km台に入った車は、初期型であれば、年間平均2万kmを走ったことになりますが、それでも31.5万円程度の値がつくため、年間2万km程度までの走行距離であれば、よほど年式が古いか程度がよくない場合を除き、比較的高値で取引される傾向にあります。
フレアクロスオーバーを売るのにベストなタイミングは?
見ての通り、スズキから軽クロスオーバーSUV「ハスラー」のOEM供給を受けたマツダ版で、デビュー当初はあまりの人気ぶりに納車待ちが長かったハスラーを避け、あえてフレアクロスオーバーを選ぶ人もいたほどで、エンブレムはマツダに変わっても、ハスラーに準じた人気を誇る車です。
それゆえ、平均残価率も同時期の別ジャンル車より高め傾向で、ハスラーともどもモデルチェンジした2代目は性能向上したものの、フロントマスクを除き、意外と手が入ったデザインに賛否両論があり、初代モデルもまだ人気があります。
今後、災害などが増加した場合、悪路走破性が通常の車よりいくらかマシそうなハスラーの人気が高まり、中古車価格も高騰するような事態になれば、別ブランド同型車としてフレアクロスオーバーの人気が高まる可能性もあるため、たとえば水害で水没車両が増えた時期の中古車価格をチェックしてタイミングを選ぶのも、リセールバリューの面ではアリでしょう。
事故車・修復歴ありのフレアクロスオーバーの場合は?
修復歴ありの場合軽自動車では大きな修復を施すこともあり、査定減額は大きくなりがちです。
しかし、市場で人気のモデルだと多少修復はあれどニーズも高いので通常買取値の55%程で推移するのが通常のようです。つまりフレアクロスオーバーの場合、年式によりますが35万円~45万円前後での買取が多くなってくるでしょう。
フレアクロスオーバーの残価率・リセールバリューは?
フレアクロスオーバーはかなりのマイナー車種であることは間違いありません。しかしこの類の車種に並々ならぬファンが存在するのもこれまた事実です。では、フレアクロスオーバーを財として見た場合はどうなのでしょうか?
例えば、フレアクロスオーバーを新車で購入した場合の費用が¥1,527,120で、約2年2万キロ乗って売却した場合に買取最高値は¥840,000でした。
つまり、2年間で¥687,120を償却しており、その残価率は55%ということになります。これは輸入車のような残存価値率で国産車としてはかなり低いと言わざるを得ません。
また、3年過走行6万キロの時買取最高値が¥450,000、同様の計算で残価率は29.5%に。
その他、3年低走行1万キロの場合買取最高値は¥700,000で残価率45.8%となり、平均値で43.4%です。
ハスラーとの比較では、年式関わらず30万円前後の査定差があり、中古市場では狙い目なモデルとも言えるでしょう。
全く同じ車なのにエンブレムが違うだけのOEM車。今回のフレアクロスオーバー以外にも実はたくさんあります。中身は同じ車なのに買取金額に差が出るのは悲しいことですが、償却のスピードもOEM車のほうが早い傾向があります。
手放すかどうかでお悩みの方は、早めの査定をお勧めします。