買取相場 | 2022.08.29
歴史ある高級車、シーマ 最上の乗り味のハイブリッドモデルはいくらで売れる?
Posted by UruCar
シーマは、バブル期には”シーマ現象”なる言葉を生み出し、30年に渡って日産のパーソナルカーとして最上級の座を守り抜いてきた、歴史のあるモデルです。 最上の素材を用い、最上の乗り味を提供し、ハイヤーやタクシー、公官庁にも納入実績のあるこの高級車は、売買にあたり相場推移がどのような傾向にあるのか、調べてみました。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
シーマの中古市場での人気について
シーマはどの世代にも固有のファンが存在する素敵な自動車です。
平均して保有年月も長く、初代から現行型までデザインを見ても古臭さを感じない自動車と言えるでしょう。
総じて中古市場では若者から人気が高く、VIPカーカスタムのベースとなることが多いモデルとなります。
相応のニーズはあれど、日本車としては非常に高額な車両であること、ボディサイズの大きなセダン車であること、また以前のモデルでは大きな排気量を積んだ車であることから、街乗りメインやファミリーユースの一般ユーザーからのニーズはそれほどに高くはないようです。
しかし、だからこそ値ごろな価格で最上の乗り味を味わえるために、好みの合致するユーザーは積極的にこのシーマを選ぶと、満足度の高い一台となることでしょう。
買取査定額が期待できるシーマの人気グレード
現行シーマは全てがハイブリッドモデルであり3グレードでの構成、走行性能に差は設けられておらず、装備差でグレードがハイブリッド・ハイブリッドVIP・ハイブリッドVIP Gとランク分けされています。
そして後席の快適装備が充実するハイブリッドVIP以上のグレードが買取査定にはプラスに働く傾向があるようです。
買取査定額が期待できるシーマの人気カラー
シーマの場合はそもそもが公官庁や役員車など、ショーファーカーとしての性格も与えられているために、ブラックの流通量が極めて多いモデルとなります。
つきましてはカラーによるプラス査定という概念自体に乏しく、ブラックまたはそれ以外といった査定基準になるため、黒以外の査定が5万円ほど減額になることが多いようです。
2年落ちシーマ(2020年式)の目安査定額
2年落ちの2020年式シーマは、日産のフラッグシップセダンで2012年にモデルチェンジした5代目。
もともとシーマはフーガを後継に4代目で終わるはずだったところ、ユーザーからの要望でフーガのロングボディ版を5代目シーマとして復活させました。
現行モデルですが既にベースのインフィニティQ70L(日産の高級車ブランド・インフィニティのフラッグシップセダン)は廃止され、5代目シーマも既に生産終了が決まっています。
そもそも国産大型高級セダンの需要自体が少ないうえ、デビューから10年と古く、改良も2017年のマイナーチェンジで衝突被害軽減ブレーキなど予防安全装備を標準装備とした程度で商品力向上が図られなかったため、価格の割に陳腐化していて新車販売台数は少なく、低年式車でもさほど見劣りしない代わり、高年式車でも価値はさほどありません。
そのため2年前の2年落ち(2018年式)に比べても買取相場はさらに下がっており、国産高級セダンには新車需要もなく、中古車不足の中でも人気はないため、今後もリセールバリューが向上する見込みはなさそうです。
「オプション込みでおおよその新車価格」と、2022年8月現在での平均買取相場は以下。
ハイブリッド | 新車890万円/買取価格291万円程度 |
ハイブリッドVIP | 新車950万円/買取実績なし |
ハイブリッドVIP G | 新車1,011万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 約291万円 |
平均残価率 | 約33% |
4年落ちシーマの目安査定額
新車から4年落ちのシーマは車両本体価格の高い車が故に、減価償却が激しく進む時期にあたります。
また、市場として減少傾向にある大型のセダンであることも災いし、走行距離次第にはなりますが買取額は320万円~360万円前後で推移します。
8年落ちシーマの目安査定額
8年落ち2014年式シーマは、2012年5月に発売された日産のハイブリッド高級セダンで、フーガのボディを延長した現行モデル(5代目)です。
発売当初からまだ改良などは行われておらず、2014年4月に消費税変更(5%→8%)に合わせた価格が改定された程度となっています。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2022年8月現在での平均買取相場は以下。
ハイブリッド | 新車820万円に対し買取価格129万円程度 |
ハイブリッドVIP | 新車879万円に対し買取価格74万円程度 |
ハイブリッドVIP G | 新車937万円に対し買取実績なし |
平均買取価格 | 101万円程度 |
平均残価率 | 約12% |
9年落ちシーマの目安査定額
9年落ち2013年式シーマは、2012年5月に発売された現行モデル(5代目)で、グレード構成は標準の「ハイブリッド」、後席パワーリクライニングシートや、シートクッションおよびシートバックから暖気や冷気を吹き出すエアコンディショニングシートを装備した「ハイブリッドVIP」および「ハイブリッドVIP G」の3種類です。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年8月現在での平均買取相場は以下。
ハイブリッド | 新車809万円に対し買取実績なし |
ハイブリッドVIP | 新車867万円に対し買取価格157万円程度 |
ハイブリッドVIP G | 新車924万円に対し買取価格185万円程度 |
平均買取価格 | 171万円程度 |
平均残価率 | 約19% |
10年落ちシーマの目安査定額
10年落ち2012年式シーマは、2012年5月に発売された現行モデル(5代目)の初期型です。
日産ではフラッグシップ・セダンをフーガ(2代目)へ統一したつもりでシーマは2010年7月に先代(4代目)の販売を終了した時点で一旦廃止していましたが、ユーザーからの強い要望もあって、フーガのホイールベース延長&後席ドア拡大版を5代目シーマとして復活させました。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年8月現在での平均買取相場は以下。
ハイブリッド | 新車809万円に対し買取価格109万円程度 |
ハイブリッドVIP | 新車867万円に対し買取価格168万円程度 |
ハイブリッドVIP G | 新車924万円に対し買取価格191万円程度 |
平均買取価格 | 156万円程度 |
平均残価率 | 約18% |
12年落ちシーマの目安査定額
12年落ちのシーマは、非常に息の長かった先代の後期モデルとなり、新車販売台数も少なく中古市場では人気の高いモデルです。
走行距離が浅ければ、おおよそ120万円~140万円程度の買取査定が期待できます。
年式相応の走行距離の場合には60万円~80万円前後の査定額が相場のようです。
事故車・修復歴ありのシーマの場合は?
新車販売価格の高額なシーマは、修理をするにも技術と費用のかかる車です。事故現状車の場合ですが、自走可能なレベルの3年落ち現行車で100万円~150万円程度に、先代モデル以下ですと5万円~10万円ほどの査定額になってしまいます。
修復歴に対しても多少敏感な値動きをしており、3年落ち現行車3万キロ走行車の場合、220万円~250万円で推移しています。
シーマの残価率・リセールバリューは?
シーマを含め、国産の大型セダン車は乗って快適、装備も充実、走りも良く、見栄えもします。
しかし残念なことに、時代の流れではありますが、その価値残存率は非常に低いカテゴリーとなってしまうのが現実です。
例えば、シーマを新車で購入した場合、ハイブリッドVIPで¥8,486,640、2年2万キロ乗って売却した場合の買取最高値は¥3,400,000でした。
つまり、2年間で¥5,086,640もの金額を償却してしまい、その残価率は40%ということになります。
新車で買った場合、月間約20万円もの償却が進むことになります。
また、3年過走行6万キロの買取最高値が¥2,400,000で、同様の計算で残価率は28.3%に。
その他、3年低走行1万キロの場合の買取最高値は¥3,250,000で、残価率は38.3%となり、平均値で35.5%です。
新車で購入する場合、法人需要としてはちょうどいい償却率となりますが、個人使用の場合はかなり勇気のいる選択となりそうな車です。
シーマの残価率は、市況から考えてもライバル車から考えても、少し見劣りしてしまう結果になりました。
しかし、法人需要から考えると極めて妥当で、快適な居住性を誇り、レッグスペースも広大です。
むしろ手放しの際には雑所得計上をせずに済むので、税金計算などは楽になるかと思います。
日々刻刻と下がっていく査定価格、もし手放しを考えられているようなら一分一秒でも早い方が有利といえるでしょう。
シーマを高く売るためのポイント
単なるフーガのストレッチ・バージョンというわけではなく、豪華内装や一台ずつ特別ブースで水研ぎが行われるなど塗装の品質も優れている高級車なため、自慢の塗装品質が維持されているかは肝心な部分です。
青空駐車で紫外線による経年劣化、荒い洗車によりかえって傷がつくなどは厳禁で、コーティングなどにより塗装を保護し、車内もホコリなどかぶらないよう常に清潔、臭いなども残さないのがポイントとなります。
シーマの走行距離による値動きの変化
シーマの2022年8月現在における走行距離ごと買取相場を、現行の5代目モデルを例に紹介します。
14万km台 | 73.6~73.6万円 |
7万km台 | 116.0~171.3万円 |
6万km台 | 97.0~125.0万円 |
4万km台 | 173.5~198.4万円 |
3万km台 | 141.4~198.4万円 |
2万km台 | 191.4~215.3万円 |
買取実績がかなり少ないため、データの母数も限られてはいますが、なるべく高価買取が見込めるのはおおむね4~5万km程度まで、それを超えるとよほど程度がよい上級グレード以外ではかなり査定が落ちます。
年間走行距離で言うと1~2万kmが上限といったところで、利用頻度が少なく使用感があまりない車であれば高くなる傾向です。
シーマを売るのにベストなタイミングは?
このクラスではレクサスのLS、あるいはメルセデス・ベンツやBMWの高級セダンへ対抗できる数少ない国産セダンではありますが、日産独自の1モーター2クラッチ式フルハイブリッドシステムを採用したフラッグシップモデルとはいえ、知名度やブランド力の面でライバルにかなり差をつけられています。
そんな状況でも新車価格に占める買取査定額の割合を示す「残価率」は、8年落ちで12%、9年落ちで19%、10年落ちの現行モデル初期型でも18%と、市場がかなり冷え込んでいる高級4ドアセダンとしてはかなり健闘している部類です。
今回の調査では8年落ち2014年式より新しい車の買取実績が直近で見当たりませんでしたが、1~2年落ち程度なら30~40%程度の残価率を期待できるかもしれません。
この現状に変化があるとすれば次期モデル登場で「型落ち」になる時ですが、ベース車の「インフィニティ・Q70」は主要市場の北米で販売不振により廃止されており、まだ中国などで販売は続いているものの、次期型があるとして2021年以降の登場と言われています。
インフィニティ・Q70の次期型が登場し、それが日本でも新型シーマとして登場した場合は、買い替え需要で中古車市場にも現行シーマが溢れるので買取相場も下落する可能性が出てきますが、それまでは買取相場に急激な変化は起きないでしょう。
慌てて売る必要もありませんが、急激に価値が上がることもないため、用途がなくなったり新しい車に乗り換えたくなった時が、シーマを売るのにベストなタイミング、という事になりそうです。