カスタム・アフターパーツ | 2021.05.11
ホイールメーカー「レイズ」、どのようなホイールをつくっている?
Posted by 菅野 直人
世に数多ある自動車用ホイールメーカーの中でも、一目置かれる大御所的存在の一つが「レイズ」。鍛造に鋳造、レースシーンからストリートのドレスアップ用まで、「RAYS」のロゴに憧れたクルマ好きは多数いると思われます。現在も多数のラインナップを誇り、絶え間ない開発努力を続ける「レイズ」の魅力とは?
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
20年以上前から「お、RAYSを持ち出してくるとは本気だね?」と言われるメーカー
近年であれば、新型コロナウイルス禍による衛生用品需要の増大、それでも開催されるモータースポーツのユーザーの顔に装着されていれば、格好の広告素材だ!とばかりにロゴ入り布マスクも販売しているホイールメーカー「RAYS(レイズ)」。
実は筆者も、行きつけのカーショップで「RAYSの営業がマスクを売りに来たぞ?」と言われた瞬間に即決して買いました。「RAYS」ロゴの入ったマスクは2枚1組で、黒地に赤、そして黒地にグレーの2種類。クルマ好きとしての個性アピールには絶大な効果を発揮し、行く先々で「そのマスクかっこいいですね?」と言われてしまいます。もはやマスクが必需品というのであれは、ファッショナブルな方が良いというものです。
特にクルマ好きでない人にもロゴのカッコ良さで人気ですが、クルマ好きであれば、なおさら「お?RAYSのマスクなんて売ってるんだ?」と言われるのも当たり前ですが、RAYSでこれだけチヤホヤされるのも20年ぶりでしょうか。
その昔、筆者は全日本ジムカーナ選手権に年間フルではないとはいえ、エントリーしていた時期があり(一応入賞もしています)、その頃使っていたマシンへ心機一転、RAYSのTE37を履かせてきた時には、「お!RAYSじゃん!本気になったね?」と、周囲の目の色が変わったものです。
もちろんRAYS以外にも当時モータースポーツやストリートで定番とされるホイールメーカーは数多くありましたが、経営がうまくいかなかった老舗、どちらかといえばデザイン重視になっていったり、あるいは業界最軽量を謳ってはみたものの、軽さに強度が追いつかないリスクを伴う新興メーカーもありで、現在も当時から変わらずやっている名門ホイールメーカーは、かなり限られてくるかもしれません。
そんな中、RAYSは着実にラインナップを増やし、20年以上前からおなじみのブランドだけでも「え?今はこんなに種類が増えたんだ?」と驚かされるほか、ストリート向けにも多数のブランドを輩出しています。
RAYSの発展を支える高い技術力と独自の強度規格、商品性を高める付加価値の追加
RAYSの公式ホームページでは、同社の理念や技術力などについて事細かな解説がなされていますが、まとめると以下のようになるでしょう。
「より軽くて頑丈に、世界最高峰のレースなどから得られた知識をグラスルーツ(参加型モータースポーツ)やストリートへもフィードバックし、開発から生産、品質管理まで国産にこだわり、業界標準より過酷な品質基準を己に課した上で、見えない部分のこだわりから、見た目など付加価値の追加も絶えず欠かさない。」
中でも注目すべきは、日本国内で販売されるホイールの強度規格「JWL」より、さらに厳しいRAYS独自の社内基準、「JWL+R」による過酷な試験を行っていることで、鋳造ホイール向け「SPEC1」は元より、より軽量ハイスペックな鍛造ホイール向け「SPEC2」では、さらに厳しい試験をクリアした、と誇り高く宣伝しています。
実際、20年以上前のスポーツ用鍛造ホイール初期TE37でさえ、「軽いのに頑丈で、少々のことでは歪んだり変形したりしない」と定評があったものですが、その後のCE28でさらに軽量高剛性を極め、今やどちらのブランドもデザインや機能で細分化されてラインナップが拡大しました。
その過程で、筆者も気に入っていたTE37の白い塗装が「塗った分だけ重くなる」とバッサリ切り捨てられ、アルミ地金にブロンズアルマイト処理で剛性を落とさず、見栄えをさらに良くして軽量化したと言いますから、そのコンセプトは徹底しています。
以下、現在のRAYSにおける主要ブランドをジャンル別で紹介していきましょう。
レーシングテクノロジー派生の「VOLK RACING」「gram LIGHTS」「TBR」
スポーツ派であれば、「ヴォルク」と言えばRAYSのヴォルクレーシングでしょう!というくらい定番な鍛造ホイール「VOLK RACING ORIGINAL」は、6本スポークのTE37系と8本スポークのCE28系をメインに、今でも各ブランドで最大のラインナップを誇り、絶大な信頼感とブランド力を誇る看板商品です。
それに対して、少し値頃感があり、デザインの自由度も若干高く、それでいて鍛造で培った技術も投入されているため、並のホイールとは軽量高剛性っぷりはひと味違う、鋳造スポーツホイールの定番が「gram LIGHTS(グラムライツ)」で、コストパフォーマンスであれば兄貴分のヴォルクを上回る面もあります。
次いでレーシングカスタム派へ荒ぶったデザインを追求したというTBR(TWO BROTHERS RACING)は、「モータースポーツをこよなく愛す個性の異なる兄弟」がテーマで、いかにも空力に優れていそうなエアロパーツやカーボンパーツ、各種デカールなどで武装した「いかにもやる気のありそうなクルマ」には効果的なアイテムです。
足元からも迫力を伝えるドレスアップ系「VERSUS」「VMF」
美しさを極めた「VMF」のほか、欧州テイストの奥行き感のあるデザインやフィニッシュワークによって、幅広いドレスアップ需要に応えるのが「VERSUS MADE IN JAPAN, MADE IN HOUSE」。
カタログだけ見れば、比較的いまどきのデザインも揃えてみました、という感はあるものの、ホイールのフェイス部分がリム幅に影響を受けず、どのサイズを選んでも同じフェイスになるのがRAYSドレスアップホイールの特徴とされています。
高級セダンによく似合う大人のプレミアムスポーツ「WALTZ FORGED」「HOMURA」
輸入・国産問わず高級セダンなどプレミアムカーを、大人びたスタイリッシュなスポーツセダンへと引き締めるのが、ヴォルクレーシング譲りのスペックを秘めた鍛造の「WALTZ FORGED MADE IN JAPAN」と、造形美を追求したRAYSの新たなスタンダードと称する、鋳造の「HOMURA」。
スポーツ向けの鍛造「ヴォルクレーシング」と鋳造「グラムライツ」のような関係を、プレミアムスポーツブランドでも構築しています。
SUV向けはクロスオーバーの「HFULL CROSS」と、オフロードテイストな「TEAM DEYTONA」
近年もっとも勢いのあるジャンルといえばSUVで、RAYSでもSUV用ホイールは充実しています。
まずは都市部から長距離巡航GT、アウトドアまで広い用途での活躍が想定されるクロスオーバーSUV向けには「HFULL CROSS(フルクロス)」によって、ユーザーが重視する各シーンに応じた遊び心あるデザインを提供しています。
さらに、トヨタ RAV4現行型のブレイクによって直近でもっとも脚光を浴びるようになったオフロードルックのSUV向けに、ダートにおける土の匂いを意識して未踏の地に踏み込むハードなイメージ、オフロードタイヤが似合うデザインを追求した「TEAM DEYTONA」をラインナップしました。
軽量なRAYSホイールの魅力をあらゆる車種で!「A-LAP」
最後に、いずれもスポーツ性やプレミアム性の追求で、少々敷居が高いイメージもあるRAYSの軽量ホイールを誰でもあらゆる車種で体験可能なエントリーモデル的なラインナップが「A-RAP」です。
CE28チックな8本スポーク、プレミアムホイール的なデザイン、人気のSUV向けデザインまで揃っており、軽自動車からヘビーデューティー4WDまで幅広いユーザーがRAYSホイールの魅力を味わうのであれば、うってつけと言えるでしょう。
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