引用:Kazick / Shutterstock.com

カスタム・アフターパーツ | 2021.01.29

鍛造ホイールメーカー、「BBS」はどんなホイールを作ってる?

Posted by 菅野 直人

鍛造アルミホイールの老舗として有名なBBSですが、ドイツ発祥とはいえ、現在ではほぼ日本のBBSジャパンが生産・販売を手掛けており、事実上国産メーカーと言っても過言ではありません。そんなBBSホイールの強みと現在のラインナップをご紹介します。

最新売却前に見たい、編集部一押し!一括査定サイトまとめ

以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

ドイツ発祥、今や富山の世界的鍛造ホイール老舗メーカー「BBS」

Kazick / Shutterstock.com

自動車用アルミ/マグネシウムホイールとして「BBS」の名はあまりにも有名ですが、そもそも1970年にドイツで創業した、FRP製エアロパーツメーカーでした。

1960年に、ドイツのシルタッハで自身の自動車整備・修理工場を創業、翌年からハンス・グラース(後にBMWへ吸収合併)の1600GTでレース参戦を始めたハインリッヒ・バウムガルトナーと、同郷の友人クラウス・ブラントは、1970年に自動車部品メーカーを創業、バウムガルト、ブラント、そして創業地シルタッハの頭文字で「BBS」と名付けます。

彼らの製作したエアロパーツは、その軽量さに定評があったようで、レーシングカーへ採用されたのを機に、他のパーツへも進出するようになり、特にレーシングカーの世界でもホイールの軽量化が十分でないことに着目して、レース用3ピースアルミホイールも生産するようになりました。

一方、日本の富山では、1971年にアルミ製糸巻きビーム(ボビン)メーカーとして、「ワシマイヤー株式会社」が創業され、大量の糸を巻き取り大きな耐荷重が求められる、ボビンのアルミ鍛造ビームフランジを連続分割鍛造する技術開発を通して、その技術を蓄積していきます。

BBSとワシマイヤーの出会いは1981年のことで、レース界では既に軽量ホイールメーカーとして定評を得ていたものの、生産設備への投資に目処が立たず、一般市販ホイールメーカーとしては行き詰まっていたBBSと、プレス機など量産設備が充実していたものの、新分野への進出を図りたいワシマイヤーの思惑が一致し、1983年に日本BBS(現在のBBSジャパン)が設立されました。

以後、複雑なメッシュデザインを特徴とする鍛造3ピースアルミホイール、後には1ピースホイールが富山で大量生産されるようになり、自動車メーカーや他ブランドのOEM生産も開始しました。

1992年には、スクーデリア・フェラーリF1チームからの求めでF1用鍛造1ピースマグネシウムホイールの開発にも成功、2011年には航空機用軽量素材として有名だったものの、市販車用ホイールとしては世界的にも例がなかった「超々ジェラルミン鍛造ホイール」の開発に成功し、ストリートからレースまで、世界中で愛用される「BBSホイール」として現在に至っています。

超大径ホイールも量産可能な12,000tプレス機など充実の生産設備とクラフトマンワーク

https://bbs-japan.co.jp/craftsmanship/

今やBBSのホイールは、ほとんどが富山で生産されているうえに、新型コロナウイルス危機の影響が直撃したドイツ本国のBBSが、2020年7月に破産申請を行うなど、BBSの現在と将来は事実上日本のBBSジャパンが担っています。

同じく鍛造ホイール大手のTWSと同じ富山県に工場があるため、「富山こそ軽量鍛造ホイールの聖地」とも言うべき面白い状態が現出していますが、BBSジャパンも前身のワシマイヤーが株主の破綻で会社更生手続を行ったり、前田工繊の傘下で2013年にBBSジャパンとして再出発するなど、ここまでの道は決して平坦ではありませんでした。

しかし、それでも2021年現在まで大手鍛造ホイールメーカーの老舗として生き残ってこれたのは、ドイツのBBSと提携以来、長年培ってきた開発力や生産技術が評価されたからでしょう。

2019年には12,000tプレス機を導入、24インチの超大径鍛造ホイールでさえ大量生産可能になるなど、生産能力を強化する一方、最新加工機械で実現した緻密なデザインのホイールは、1本1本が職人の手による出荷前チェックを受け、万全の状態でユーザーへ届けられる状態が確立されています。

BBSの主要ラインナップその1:マグネシウム鍛造1ピースホイール

https://bbs-japan.co.jp

1992年に、初めてF1用マグネシウム鍛造ホイールを開発してから20年近くの実績を誇る、BBSのマグネシウムホイール現行モデルは「FZ-MG」です。

アルミニウムの3分の2という軽さと高い比強度(単位重量あたりの強度)を持つだけでなく、骨太で滑らかな造形美は、まさにBBSならではの逸品。

BBSの主要ラインナップその2:超超ジュラルミン鍛造1ピースホイール

https://bbs-japan.co.jp

有名どころでは、かつて零戦(零式艦上戦闘機)にも使われた航空機用軽合金素材「超々ジュラルミン」は、実際に同サイズの端材を持ち比べてみれば、アルミ合金とは比較にならないほど軽くて硬く、しかし加工の難しい素材でもあります。

BBSでは、世界に先駆けて超々ジュラルミン鍛造1ピースホイールの一般市販に成功し、この素材が飛行機や手提げのジュラルミンケース以外にも非常に有用であることを示しました。

2021年1月現在のラインナップは、5本クロススポークの「RI-D」、10本クロススポークの「RZ-D」、Y字型5本スポークの「FR-D」、3種類です。

BBSの主要ラインナップその3:アルミ鍛造1ピースホイール

https://bbs-japan.co.jp

最新のBBSホイールで、ハイエンドモデルがマグネシウムや超々ジュラルミン素材であれば、主力級モデルがアルミ素材の鍛造1ピースホイールで、クロススポーク側面を大胆にえぐり、穴あけ加工まで施してアルミ素材の軽さの限界に挑んだ「FI-R」がハイエンドモデルです。

他にSUV向け「RE-X」、12本フィンデザインでレーシーな「FS」、国内最高峰レース「SUPER GT」向けと同一思想・同一造形でつくられた「RI-A」、軽快な5本クロススポークの「RF」、15~16インチサイズで8本スポークのコンパクトスポーツ用ベーシックモデル「RP」、ライトウェイトスポーツ用「RE-L2」「RG-F」、高級車やハイエンドモデル向け「RE-V」「RN」、8本クロススポークのロングセラー定番モデル「RG-R」がラインナップされています。

BBSの主要ラインナップその4:アルミ鍛造2ピースホイール

https://bbs-japan.co.jp

1ピースホイールとは一風異なったリムの美しさや、複雑な造形が魅力のアルミ鍛造2ピースホイールは、ドレスアップに向いており、「RI-S」、「LM-R」、「RS-GT」、「RS-N」などをラインナップしました。

BBSの主要ラインナップその5:もっともBBSらしい定番の「LM」や「SUPER-RS」

https://bbs-japan.co.jp

BBSと言えば、オールドファンであればお馴染みのメッシュタイプホイールは、今となってはホイール内側も魅せるデザインや冷却面もあって、あまりラインナップされていませんが、それに近いデザインとして「LM」や、1983年以来のロングセラー、17本クロススポークデザインの「SUPER-RS」が今でも定番モデルとしてラインナップされています。

軽さや最新素材の採用という面では最新モデルへ及ばないものの、古き良きBBSホイールに憧れるユーザーへ、こうしたオールド・スタイルのホイールも供給を続けていることは、BBSの美点であり、ブランドイメージを守るのに重要なポイントといえるでしょう。

↓ホイールにまつわるオススメ記事↓

アルミホイールメーカー・wedsとは?他のホイールと何が違うのか

ホイールメーカー「レイズ」、どのようなホイールをつくっている?

世界最高峰の鍛造ホイールメーカー「TWS 」とは?