コラム | 2020.12.04

車の老舗はアメリカ?ドイツ?それぞれの歴史とプライドを検証!日本で優勢なドイツ車、売れないアメ車は本当にだめなのか?

Posted by KAKO MIRAI

車が誕生してから今日まで、その長い歴史を作り上げてきたのはアメリカとドイツだということができるでしょう。アメリカが誇る「デトロイト3(フォード、クライスラー、GM)」、対するドイツは自動車開発におけるパイオニア「ジャーマン3(メルセデス・ベンツ、BMW,アウディ)」。日本では存在感の薄いアメ車ですが、ドイツとアメリカの本質に迫ります。

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歴史で対決

車というものが初めて誕生したのは、1866年のこと。ドイツのカール・ベンツが特許を取得した『パテント・モトールヴァ―ゲン』という三輪車でした。同じ頃、特許こそ逃すこととなりましたが、ゴッドリープ・ダイムラーにより四輪自動車が発明されています。

二人はそれぞれに活躍していましたが、第一次世界大戦の敗北により経営が傾き合併することとなりました。そこで生まれたのが「ジャーマン3」の一つ『ダイムラー・ベンツ』です。1900年には『メルセデス35PS』が登場し、後に名車と呼ばれる数々の車の原点となっています。

メルセデスという名前は「神のご加護」という意味を持つスペイン語。当時最大の顧客であった実業家の娘の名前が使用された理由があります。女性の名前が持つ柔らかさや可愛らしいイメージは、多くの人に愛されるもの。

そういった名前を車につけた方が良いと考えたからです。その思惑は的中し、現在では世界中で名前の知られる有名な車へと成長しています。日本では『ベンツ』と呼ばれることが多いですが、世界では『メルセデス』と呼ばれることが通常のようです。

小さな飛行機エンジンメーカーから始まっている『BMW』は1916年に創業されました。第一次世界大戦の影響で航空企業からの撤退を余儀なくされ、モーターサイクルの生産を始めたことが創業の起源といえるでしょう。

『BMW』を象徴するキドニーグリルは1933年に開発された『303』から始まっており、現在も変わっていません。紆余曲折を乗り越えて100年に渡り愛される車を作り続けてきました。

『アウディ』誕生は、第一次世界大戦にあります。アメリカの自動車メーカーに対抗するため、「Audi」「DKW」「Horch(ホルヒ)」「wandere(ヴァンダーラ)」の4つのメーカーが連合を組み誕生しました。

アウディのロゴマークは、この4つの会社が参加していることを示したものです。合併や吸収何度も経験し、現在では『フォルクスワーゲン』の傘下に収まりました。激動の時代を生き抜いて、現在ではさらなる成長を見せています。

対するアメリカでは、世界で初めて車の量産を果たしたという誇りがあります。世界初の量産は『フォード』だと思っている人も多いかもしれません。しかし1901年に生産を始めたのは、『オールズモービル』の『カーブドダッシュ』という車でした。

何度も試作を繰り返し、やっとの思いで完成します。その生産性は高く1年間で2,500台以上を作り上げました。車を最初に作り上げたドイツ、車を量産することに成功したアメリカ、両国の物づくりへの熱意は十分に感じ取れるのではないでしょうか。

『オートモービル』、『キャデラック』などを次々と買収し、1908年に誕生した「デトロイト3」のひとつ『GM』。数多くの名車を生み出し、1931年から77年という長い時間、世界一の販売台数を誇りました。

自動車王として知られるヘンリー・フォードは2度も自動車会社の企業に失敗しています。そして1908年、3度目に設立した『フォード』によって製造された『Model T』が大ヒット。生産が終了された1927年までに1,500万台を製造しています。

1925年にウォルター・クライスラーによって設立された『クライスラーコーポレーション』は、『クライスラー・シックス』の製造を行ってきました。1929年に『ダッジ・ブラザーズ』を買収し、『GM』『フォード』に次ぐ当時のアメリカ「ビッグ3」のひとつに成長。

その昔は「ビッグ3」と呼ばれていたアメリカの3社ですが、以前のような存在感が薄れてきました。そこで3社の本拠地が置かれている場所が、ミシガン州のデトロイトであることから、「デトロイト3」と呼ばれるようになっています。

お国柄の特徴で対決

Ken Morris / Shutterstock.com

第二次世界大戦以降のアメリカは、自動車産業の中心的存在でした。戦争特需で安定した経営を行い、繁栄を謳歌しているといっても良いでしょう。フルサイズのV8を搭載したモデルが席巻している時代です。

1950年代を象徴しているのは「テールフィン」ではないでしょうか。航空機の尾翼のようなスタイリングは『キャデラック』から始まっています。デザイナーたちは、空軍基地まで出向き、戦闘機を観察したという逸話も残るほど。

欧州スポーツカーに対抗するために発売されたのは、『シボレー・コルベット』でした。

またマッスルカーを代表する車としては『ポンティアック・GTO』も。6.4LのV8エンジンから繰り出される300psオーバーのハイパワーに人々は酔いしれました。

ハイパワーで大型化されていくボディの重量は重くなり、燃費消費は壊滅的な数値ではありましたが、ガソリンの安いアメリカでは大した問題ではありませんでした。毎年行われるモデルチェンジは大胆さを増していき、アメ車を象徴するスタイルへと成長を遂げます。

1980年代初頭には、オイルショックの影響を受けガソリンが高騰。また「マスキー法」による排ガス規制が敷かれるなど、時代背景の大きな変化を迎えます。自国市場の大きさに甘んじて、ダウンサイジング、燃費向上などを主眼に置いた商品開発を行ってきませんでした。

徹底したコストダウンを余儀なくされた結果、出力、品質の低下を招きました。そのためにアメ車は性能が悪いという悪評がささやかれ、世界中に広がりを見せます。

対するドイツでは第二次世界大戦によりインフラは壊滅的な時代を迎えます。アメリカの成長の陰で復興に向けた大きな一歩が踏み出されることになりました。特に技術力の高い『ダイムラー・ベンツ』では革新的な進歩を果たします。

「最善か無か」というスローガンの下、一切の妥協を許さない車作りが進められていきました。経済が回復するにつれ、新たな高級車の概念を打ち立てます。『メルセデス』伝統の「スイングアクスル式サスペンション」をやめ、前後に異なる方式を採用する「セミトレーリングアーム」を採用。

このサスペンションを開発したのは『BMW』でした。1960年から1980年にかけて、高出力の車に多用されています。つまりドイツでは、「ジャーマン3」によって技術力が高まってきたということができるでしょう。

『ダイムラー・ベンツ』が着手したものは、サスペンションだけではありません。衝撃吸収ボディー、ABSによる急ブレーキ時にタイヤがロックすることを防ぐ安全装置やエアバッグなどの開発。そのほかには新世代のディーゼルエンジンの採用もあります。

ガソリン高騰の中、安価な軽油であってもパワーを感じることができるディーゼルエンジンの開発も行われました。新たなパワーユニットを採用したことで、高い機能を発揮するディーゼルが登場しています。

『BMW』では3シリーズのスポーティな走りに人気が高まり、『アウディ』は『世界ラリー選手権(WRC)』でスポーティなイメージを獲得していきました。

日本でのドイツ車人気は、1980年代のバブル期にあるといえるかもしれません。高価なドイツ車のブランドイメージが先行する中でも、購入する人が多かったことは事実です。それは、実際にドイツ車に触れる機会が増えたからともいえるでしょう。

車の基本性能に優れ、なおかつ先進的なテクノロジーを駆使している高い技術力。そして洗練されたデザインも魅力のひとつとなりました。そのためバブル崩壊後の厳しい経済状況に陥った日本では、ドイツ車の人気が衰えることはありませんでした。

反対に、一時は「輸入車といえばアメリカ車」といわれたこともあったにもかかわらず、一度失った信用を取り返すことができないのがアメ車です。品質が悪く、壊れやすい。また大きなボディーで大排気量、当然ながら燃費も悪いというイメージは拭えません。

広大な国土を持つアメリカでは、都市間の移動は長距離です。途中には荒野もあり、道路の整備が進んでいない箇所もあります。アメリカでは、故障すると命にかかわる場合も少なくないのです。そのため、エンジンや駆動系におけるトラブルは非常に少なくなっています。

基本動作以外のトラブルは多いといわれていますが、現在ではそれもほとんど聞かれなくなってきました。今ではミニバン、コンパクトSUVなどを始めさまざまな車種のクオリティが高くなっています。

日本国内で、アメ車はダメだといわれることは多いものです。燃費では、国産車にもドイツ車にも太刀打ちができません。しかし現在日本国内では、販売店が少なすぎてアメ車を見る機会さえなく少なくなっています。

国内で販売されているのはラグジュアリーなハイモデルが主流で、アメリカ本土で販売されている廉価版の存在すら分からない状態にあります。『フォード』は撤退し、購入するためには並行輸入しかありません。

ドイツ車の優れた車を目にする機会は多いですが、アメ車に触れることはできないのが現在の状況です。アメ車は本当にダメなのでしょうか。

車種で対決

ここからは両国が誇る車をご紹介していきましょう。

フォード・マスタングGT vs アウディ・TT

 

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『フォード・マスタング』は1964年に誕生して以来幅広い世代の支持を得てきました。現行モデルは2015年にフルモデルチェンジを行い7代目となります。2016年に日本からの撤退を表明し、正規輸入することはできなくなりました。

12月に米国で発売される『マッハE』は『マスタング』のEVモデルです。2代目で登場したハイペックモデル『マッハ1』が蘇ってくるようなネーミングですが、パフォーマンス志向の電動SUV仕様となっています。

『アウディ・TT』 モデルは1998年に誕生しました。それから20年、洗練されたデザイン性は、ワイド&ローなフォルムです。リアルスポーツカーとして、ピュアな走行性能をさらに進化させています。

スペック

フォード・マスタングGT アウディ・TT
排気量 5000㏄ 1984㏄
トルク 570 N・m 370N・m
馬力 466ps 306ps

 

クライスラー・ジープ グランドチェロキー SRT8 vs メルセデス ベンツ・GLC 220d ターボ

 

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『クライスラー』が誇る『ジープ グランドチェロキー』は1993年に初代が登場しています。2010年にフルモデルを行い、現在4代目。『ジープ』の最上級モデルとして、オフロード性能はそのままに、都会派クロスオーバーとしても、人気の高い車種のひとつです。

対する『GLC220d』は2016年に登場した、『GLK』の後継モデル。SUVとクーペの2種類のボディタイプがあります。セダンでいうところのミドルサイズクラスに相当するといえるでしょう。

スペック

ジープ・グランドチェロキー

SRT8

メルセデスベンツ・GLC220dターボ
排気量 6416㏄ 1949㏄
トルク 624 N・m 400 N・m
馬力 468ps 194ps

 

GM・シボレー コルベット 3LT vs BMW・M5

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『シボレー・コルベット』は2020年1月に日本デビューを果たしています。C8と呼ばれる8代目は史上初の右ハンドル仕様が設定されました。ミッドシップレイアウトにより引き締まった印象を与えています。

自然吸気のV8エンジンが、リヤのガラス越しに見ることができるのは3LTの特権といえそうです。スーパースポーツモデルとして、迫力あるV8サウンドを響かせてくれるでしょう。

『BMW』のモータースポーツを手掛ける『M』ブランド

によって作りだされた『M5』モデル。サーキット走行も視野に入れたハイパフォーマンスモデルです。ラグジュアリーでありながら、サーキットも走ることができるスポーツセダンとなっています。

スペック

GM・シボレー コルベット 3LT BMW・M5
排気量 6153㏄ 4394㏄
トルク 637 N・m 750N・m
馬力 502ps 600ps

 

まとめ

アメリカ、ドイツの歴史によって、車の歴史は紡がれてきました。長い時間の中には、形は違っていても、さまざまな危機があったといえるでしょう。しかしそれぞれのプライドをかけて見事に復活しています。

良いところはもちろんのこと、悪い点も含めて車の味わいです。ドイツ車にしかない魅力、アメ車でしか味わえない乗り味など、これからも多くの人の心に残る車作りをしてくれるのではないでしょうか。

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