コラム | 2021.05.11
ヘッドライトの黄ばみ、どうしていますか?防止方法とクリーニング方法
Posted by 菅野 直人
古い車の場合、塗装の劣化や小キズなどが気になりますが、それ以上に目立つのが、ヘッドライトの黄ばみです。一昔前までの車は、細目のLEDヘッドライトなどほとんどなかったため、最新の車に比べて大きなヘッドライトの黄ばみはどうしても気になります。その予防方法とクリーニング方法をご紹介しましょう。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
古い車ほど気になる!ヘッドライトの黄ばみ
最近の自動車はアグレッシブで猛々しいフロントマスクが大多数に好まれることや、開口部やレンズが小さくとも効果的な照射範囲・照射距離が可能になったLEDヘッドライトの採用車種が増えたことで、ヘッドライトの面積が減り、あまり目立たなくなっています。
しかし一昔前、2010年代半ば以前の車は、高級車を除けばハロゲンやHIDヘッドランプに大きなレンズを組み合わせた車種が多く、フロントマスクに対するヘッドライトの存在感はそれなりに大きなもので、現在でも比較的低価格帯の車には、まだまだそうした車が多いようです。
そのような車は、新車時から数年程度はヘッドライトのレンズが透明で特に違和感もないのですが、おおむね10年を過ぎたあたり、場合によっては、もっと早い段階からレンズの透明度が薄れて曇り始め、やがては黄ばんでしまい、古さをアピールするかのごとく目立ってきます。
それを放置している車もあれば、同じような年式でもキレイに透明度を保つ車もあるため、条件によって黄ばみの進行が早い、あるいは防止策を取っていたり、部品交換以外で黄ばみを除去する何かがあるんだろう、と思っている人もいるのではないでしょうか?
ヘッドライトの黄ばみを防止するなら「紫外線保護」が大事
塗装やタイヤの劣化もそうですが、車は保管状況によって急速に劣化が進んだり、あるいは何十年前の車でも新車のごとくピカピカであったり、状態の差が出ます。
もちろん、マメな洗車や整備がコンディション維持に与える影響も無視できませんが、根本的にもっとも大きく差が出るのは、「日常的に紫外線へさらされているかどうか」です。つまり、太陽光の下で青空駐車なのか、屋内やカーポート内に駐車されているかです。
紫外線は浴びすぎると人間の肌にも大敵ですが、車も同様に紫外線へ長時間さらされ続けた部分の劣化は早く、特に塗膜や樹脂製品、ゴム製品の劣化は著しいため、現在の市販車で数多く使われている透明な樹脂製ヘッドライトレンズは、日中に太陽の紫外線で熱せられれば柔らかく伸び、夜間に冷えれば縮んでを繰り返すうち、すっかり劣化して透明度が落ち、黄ばんでしまいます。
もちろん、自動車メーカー側でもある程度は、そのようなダメージを防ぐよう、レンズ表面にコーティングを施していますが、何年も乗っていれば、走行中絶えずぶつかる細かいチリやホコリ、水滴などでコーティングは落ちてしまいます。また、乱暴な洗車でこすった挙げ句に、コーティングの寿命を縮めてしまう可能性も否定できません。
走行や洗車を原因としたものはともかく、日常的な駐車で紫外線の影響を受けないだけでもヘッドライトレンズの劣化は防ぐことができるため、青空駐車しなくて済むユーザーはそれだけで有利です。
黄ばみが進行すると、車検に通らないことも
黄ばんだところで見た目に「色気」がついたと思って、気にしないユーザーもいるかもしれませんが、ヘッドライトの透明度が落ちるということは、ヘッドライトに求められる照射距離や照度が落ちてしまい、車検に通らない可能性が出てきます。
ある程度劣化しても、車検に通る程度の余裕が持たせてあるとはいえ限度があり、そのためにもっと強力なヘッドライトバルブに交換したり、ハロゲンからHIDやLEDバルブに交換してしまう人もいますが、いずれにしても、見た目も改善できると思えば、最初から黄ばみ対策をするか、環境的にどうしようもなければ、ヘッドライトクリーニングを行うのがオススメです。
ヘッドライトの黄ばみはクリーニングで落ちる
黄ばみの原因は多くがレンズ表面に起因しているため、クリーニングで除去が可能です。カー用品店に行けば、ヘッドライトクリーニング用の商品が売っているため、それらを使って磨いていきますが、洗車後に周辺のボディや部品を傷つけないようマスキングテープなどで保護した後、最初は1,000~1,500番程度の、次ににもっと目の細かい2,000番程度の耐水ペーパーで磨き、最終的にコンパウンドで磨けば、だいぶ黄ばみは落ちます(ピカールなどでも代用可能)。
もちろん黄ばんでいるからには、新車時のヘッドライト表面コーティングも落ちているため、最後はしっかりコーティング剤も塗布しますが、そこまで考えると「あるもので何とかしよう」と考えるより、最初からカー用品店でヘッドライト磨きセット一式を買った方が早いです。
なお、カーショップなどでヘッドライト磨きをメニューに加えている店もあるため、手慣れたプロに任せてしまった方がより確実なのは言うまでもありません。
注意!表面以外が原因の黄ばみは部品交換しかないかも?
ところで、ヘッドライトが黄ばむなど劣化の原因は、表面のコーティング剤が落ちたからとは限りません。
劣化の度合いによっては、ヘッドライトレンズの内側へ水や汚れが侵入し、侵食するように劣化を進行させている場合もあり、そのような場合は、表面をいくら磨いても、どうにもならず、レンズ一式を部品交換する以外に処置なし、となります。
これがまだ部品の出る車であればよいのですが、出ない車の場合、他車流用やワンオフなど高価で見た目も変わりかねず、ドレスアップ目的でもない限り喜ばしいものではありません。
何より表面の劣化と信じ込んで磨いた挙げ句に意味なし!では労力やお金の無駄になるため、黄ばみの原因がレンズ内側にないかどうかは、最初に確認しておいた方がよいでしょう。
そのあたりも含め、点検や施工に自信のない場合は、素直にショップのプロに頼むのが無難です。