買取相場 | 2022.06.23
世界中のハッチバックの評価基準となる優等生、フォルクスワーゲン「ゴルフ」は買い取り価格も期待大?
Posted by 菅野 直人
日本市場での輸入大衆車最大の成功作、フォルクスワーゲンゴルフは既に8代目の通称「ゴルフVIII」がデビューしていて日本でも遠からず発売予定ですが、もうすぐ型落ちとなる現行の「ゴルフVII」は買取市場でどのような評価を受けているのでしょうか?ヴァリアントやトゥーラン、オールトラックなどの派生モデルを除く、主力のハッチバック車の評価をご紹介します。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
【3年落ち2019年式の目安査定額】
2021年6月に日本でもモデルチェンジして「ゴルフVIII」となった、人気の輸入ハッチバック車「ゴルフ」ですが、現行モデルの買取実績情報がなく、最新で旧型「ゴルフVII」の3年落ち(2019年式)となります。
2013年4月から日本で販売していたゴルフVIIは、2019年10月に従来の直噴ガソリンターボエンジン(1.2Lまたは1.4L)のTSI系に加え、2リッター直噴ディーゼルターボのTDI系をラインナップするようになり、大幅にラインナップを増やしました。
ただし、中古車人気で国産より劣る輸入車であることや、既に型落ちなこともあって、買取市場での相場は2020年5月当時の2年落ち車(2018年式)に比べても低め推移で、大型化による全幅拡大(1,800mmとクラウン並)など日本での使い勝手では格下のポロの方がよほど有利であり、今後も復権して値上がりすることはなさそうです。
ただし、ハイパフォーマンス版のゴルフGTI(4WDターボのゴルフRは今回データなし)に限っては、趣味性の高いスポーツモデルということもあり、前回の調査より若干ですが相場が上がる傾向にはあります。
「オプション込みでおおよその新車価格」と、2022年6月現在での平均買取相場は以下。
(ゴルフ)
TSIトレンドライン | 新車282万円/買取価格108万円程度 |
TSIコンフォートライン | 新車311万円/買取価格119万円程度 |
TSIコンフォートライン テックエディション | 新車333万円/買取実績なし |
TSIコンフォートライン マイスター | 新車343万円/買取実績なし |
TSIハイライン | 新車369万円/買取価格146万円程度 |
TSIハイライン テックエディション | 新車388万円/買取実績なし |
TSIハイライン マイスター | 新車400万円/買取実績なし |
TDIコンフォートライン | 新車355万円/買取実績なし |
TDIコンフォートライン マイスター | 新車389万円/買取実績なし |
TDIハイライン | 新車398万円/買取実績なし |
TDIハイライン マイスター | 新車430万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 約125万円 |
平均残価率 | 約39% |
(ゴルフGTI)
GTI ベースグレード | 新車455万円/買取価格207万円程度 |
GTI パフォーマンス | 新車518万円/買取実績なし |
GTI TCR | 新車561万円 |
平均買取価格 | 約207万円 |
平均残価率 | 約45% |
(総合)
平均買取価格 | 約166万円 |
平均残価率 | 約42% |
※ゴルフR、PHEV版のゴルフGTE、EV版のe-ゴルフには2019年式の買取実績なし
【4年落ち2018年式ゴルフの目安査定額】
2017年5月の改良で新形状ヘッドランプの採用や前後バンパーのデザイン変更によりフロントマスクを中心に印象がだいぶ変わり、同年7月には画面が拡大されるなど純正インフォテイメントシステムの機能が強化されて以降のモデルが4年落ち2018年式ゴルフです。
2018年に入ってからは大きな改良はなかったものの、「ディナウディオエディション」「TSIコンフォートライン テックエディション」「TSIハイライン テックエディション」「GTIダイナミック」など装備を充実させた魅力ある特別仕様車を発売しています。オプション込みでのおおよその新車価格と2022年6月現在での平均買取相場は以下の通りです。
(ゴルフ)
TSIトレンドライン | 新車277万円/買取価格105万円程度 |
TSIコンフォートライン | 新車308万円/買取価格111万円程度 |
TSIコンフォートライン テックエディション | 新車365万円/買取実績なし |
TSIハイライン | 新車359万円/買取価格125万円程度 |
TSIハイライン テックエディション | 新車385万円/買取実績なし |
ディナウディオエディション | 新車399万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 113万円程度・平均残価率36%程度 |
(ゴルフGTI / ゴルフGTE / ゴルフR)
GTI | 新車441万円/買取価格190万円程度 |
GTI | ダイナミック:新車485万円/買取実績なし |
GTE | 新車516万円/買取実績なし |
R | 新車617万円/買取価格228万円程度 |
平均買取価格 | 209万円程度・平均残価率40%程度 |
【6年落ち2016年式ゴルフの目安査定額】
ゴルフVIIは2015年に「ラウンジ」や「40thエディション」、「ミラノエディション」、2016年に「オールスター」や「TSIコンフォートライン コネクト」「TSIハイライン コネクト」など内外装に魅力ある特別仕様車や、「GTIクラブスポーツ トラックエディション」や、同「ストリートエディション」など高性能モデルも発売。
さらに2016年10月には280馬力を発揮する2リッターターボ・4WDの高性能モデル、ゴルフRに19インチアルミホイールやカーボンドアミラーなど豪華内外装を採用した特別仕様車「カーボンスタイル」を発売するなど、ラインナップが非常に豊富な時期でした。
また、前年の2015年9月にゴルフ初のプラグインハイブリッド車「ゴルフGTE」が発売されたことで、日本でのゴルフVII全ラインナップが出揃っている年式でもあります。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年6月現在での平均買取相場は以下の通りです。
(ゴルフ)
TSIトレンドライン | 新車275万円/買取実績なし |
TSIコンフォートライン | 新車309万円/買取価格62万円程度 |
TSIコンフォートライン コネクト | 新車337万円/買取実績なし |
TSIハイライン | 新車362万円/買取実績なし |
TSIハイライン コネクト | 新車382万円/買取実績なし |
40thエディション | 新車304万円/買取価格68万円程度 |
オールスター | 新車330万円/買取実績なし |
ラウンジ | 新車340万円/買取価格64万円程度 |
ミラノエディション | 新車389万円/買取価格74万円程度 |
平均買取価格 | 67万円程度・平均残価率20%程度 |
(ゴルフGTI / ゴルフGTE / ゴルフR)
GTI | 新車434万円/買取実績なし |
GTI クラブスポーツ ストリートエディション | 新車495万円/買取実績なし |
GTI クラブスポーツ トラックエディション | 新車517万円/買取実績なし |
GTE | 新車532万円/買取価格102万円程度 |
R | 新車601万円/買取価格189万円程度 |
R カーボンスタイル | 新車618万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 146万円程度・平均残価率25%程度 |
【8年落ち2014年式ゴルフの目安査定額】
8年落ち2014年式ゴルフVIIは、2013年4月にベーシックモデルがモデルチェンジしたのを皮切りに、同年9月にFFスポーツモデルのゴルフGTI、2014年2月に4WDターボ高級スポーツのゴルフRがデビューし、プラグインハイブリッドのゴルフGTEを除く主要モデルが出揃った時期のモデルでした。
先代ゴルフVIの末期に続き、標準モデルにはアイドリングストップや回生ブレーキを装備して環境性能の高さをアピールする「ブルーモーションテクノロジー」を付記した長いグレード名なのが特徴で、新たに負荷の少ない巡航時などに4気筒中2気筒を休止する自動気筒休止システムを初採用するなど、さらに低燃費志向を高めています。
その上で強力な2リッターターボエンジンへ6速DSGを組み合わせたGTIやRといったスポーツモデルも設定しており、ベーシック版と高性能版の性格についた大きな差が、より広がっていきました。オプション込みでのおおよその新車価格と2022年6月現在での平均買取相場は以下の通りです。
(ゴルフ)
TSIトレンドラインブルーモーションテクノロジー | 新車279万円/買取価格38万円程度 |
TSIコンフォートラインブルーモーションテクノロジー | 新車304万円/買取価格36万円程度 |
TSIハイラインブルーモーションテクノロジー | 新車340万円/買取価格42万円程度 |
エディション40 | 新車385万円/買取価格64万円程度 |
平均買取価格 | 45万円程度・平均残価率14%程度 |
(ゴルフGTI / ゴルフR)
GTI | 新車414万円/買取価格83万円程度 |
GTI パフォーマンス | 新車479万円/買取実績なし |
R | 新車572万円/買取価格139万円程度 |
平均買取価格 | 111万円程度・平均残価率22%程度 |
買取査定額が期待できるフォルクスワーゲン・ゴルフの人気グレードは?
ゴルフVIIは日本でもっとも成功した輸入大衆車であるフォルクスワーゲン・ゴルフの最新モデルだったとはいえ、代を重ねるごとに大型化していって7代目ゴルフVIIでは全幅1,800mmに達し、日本の道路で大衆車として使うには少々持て余すサイズとなっていました。
それでも従来からのファンがユーザーとしてついていたためか、1.2リッターターボ搭載の「トレンドライン」「コンフォートライン」、1.4リッターターボ搭載の上級グレード「ハイライン」ともに販売台数を稼ぎ買取実績も多く、これら標準モデルは2年落ちで平均113万円、4年落ちでも同67万円、6年落ちで同45万円とソコソコの買取査定額を得ています。
ただし安価な大衆車とはいえ輸入車ですから新車価格が約250~400万円程度に達しているのを考えれば少々物足りない買取額で、やはり趣味性が高いGTI、高級モデルのRで60~90万円ほど高価買取してもらった方が得策であり、残価率もこれらのグレードの方が高いのです。
ただし、同じように高額グレードでもプラグインハイブリッドのGTEだけは、外部からの充電こそできるものの国産プラグインハイブリッド車に比べEV走行(モーター単独走行)は非常に短距離しかできず、非常時に外部への100V・1500W給電能力などもないため魅力に乏しいためか、新車価格500万円近く高額な割に平均買取価格109万円、平均残価率19%と、少々よろしくない数字が出ています。
単に高額なだけでなく日本人受けする魅力が必要ということで、ゴルフGTIとゴルフRが買取査定額を期待できる2大人気グレードということになりそうです。
フォルクスワーゲン・ゴルフの残価率・リセールバリューは?
新車価格に対する売却査定額の割合「残価率」でオトク感を表すリセールバリューは、4年落ち2018年式なら標準モデルで約36%、GTIやRで約40%と、人気の国産ミニバンやSUVと比べて少し物足りないものの、4ドアセダンなどに比べればよほどリセールバリューが高いといえます。
しかし、初回車検(新規登録から3年)を迎えた後の6年落ち2016年式では平均残価率3割を切り、さらに2回目の車検(さらに2年)を超えた8年落ち2014年式では2割にも至りません。
つまり、あまり維持費のかからない3年落ち程度まではリセールバリューが高いものの、それ以降に消耗品の交換や修理などの費用が負担となる年式だと、急激に残価率を下げてしまいます。
それでも現行のゴルフVIIだからこそまだ安くとも20万円台程度で査定額が出てくるのであり、型落ちのゴルフVIでは程度良好で走行距離も少ないなど好条件でも10万円台、そうでもなければ一桁万円でも値段がつけば御の字という状態になってしまい、新車価格がどれほどであろうと、リセールバリューとしては残念ながら期待できません。
ゴルフVIIも遠からず新型のゴルフVIIIが日本市場でも発売されますし、そうなると型落ちで買取市場での大きな値崩れは避けられませんから、ゴルフVIIを所有していていくらかでもリセールバリュー狙いで考えているならば、ゴルフVIII発売と同時に間髪入れず下取りに出して乗り換えるなり、買取専門店などで売却するなりを、今のうちから計算しておいた方がよさそうです。