引用:(まっけんじー1111)https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=73724178

旧車・絶版車購入ガイド | 2019.12.18

トヨタ製で安心!大衆スーパーカー「MR2」の中古車はまだ買えるのか!?

Posted by 菅野 直人

国産車初の市販MR(ミッドシップ)スポーツとして1984年に初代が登場、1989年に生まれかわった2代目が1999年まで販売され15年の歴史を刻んだトヨタ「MR2」。手頃な価格でスーパーカーのようなレイアウトとスタイルを実現した車でした。今回は2代目であるSW20型を中心に、中古車で購入する際のポイントを押さえてみました。

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以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

トヨタ「MR2」とは

運転席/助手席の後方、後輪との間にエンジンを配置し、重量物を徹底的に車体重心中央へ集めることで卓越した運動性能を与える“リアミッドシップ・レイアウト”は、スーパーカーやフォーミュラカーなど特別な車にのみ許されたパッケージでした。

しかし、1960年代に発売されたアウトビアンキ「プリムラ」などで「エンジンとミッションンを直列でフロントへ横置き配置し、前輪を駆動」というジアコーサ式FFレイアウトを確立したイタリアのフィアットが、そのFFユニットをそのまま後ろへ移せば容易にリアミッドシップレイアウト(MR)が可能なことを活かし、1972年に大衆向けMRスポーツ、フィアット「X1/9」を発売します。

これにより、当時FR(フロントエンジン・後輪駆動)からスペース効率に優れたFF車へと軸足を移しつつあった世界中の大衆向け小型車メーカーでも容易にMRスポーツを開発可能になったことが明らかになり、日本で真っ先にそれを実現したのがトヨタでした。

1983年に発売した5代目(E80系)トヨタ「カローラ」はFFレイアウトへ変更され、X1/9と全く同じ手法でMRスポーツ化した初代(AW10系)「MR2」が1984年6月に登場しました。

初代MR2は大衆車並の価格でスーパーチャージャーを備えた1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4A-G」をリアミッドシップへ搭載し、リトラクタブルライトを備えたミニスーパーカーのようなスタイル、英国のロータスもテストへ関与したサスペンションによる優れた運動性能によって、当時のヒット作となりました。

1989年にはサイズアップしてパワートレーンも1ランク上のトヨタ「セリカ」用の2.0リッター直列4気筒DOHC自然吸気エンジン、同ターボエンジンへ換装した2代目(SW20型)がデビューしました。当初は熟成不足のサスペンションで「どこへ飛んでいくかわからない」と言われるほどピーキーな安定性のなさがネックでしたが、次第に熟成されてストリートのみならずレース、ラリー、ジムカーナとステージを選ばない活躍を見せ、1990年代を代表するスポーツカーの1台となっています。

三菱やスバルなどが争った2.0リッターターボ280馬力(自主規制最大値)対決に加わらなかったので、上級グレードが搭載した2.0リッターターボ「3S-GTE」の最高出力は245馬力止まりでしたが、それを補ってあまりある軽快な運動性が魅力で、現在も愛用しているドライバーが多数存在しています。

1999年に登場した後継のトヨタ「MR-S」が1.8リッター直列4気筒DOHC自然吸気エンジン「1ZZ-FE」搭載のライトスポーツに方向転換したこともあり、現在もSW20型MR2はハイパワースポーツを求めるユーザーには人気の1台です。

MR2の中古車相場

大手中古車検索サイトによると、2019年11月現在のMR2の中古車相場は以下の通りです。

初代AW11
(販売期間1984年6月~1989年10月)
59.9万円~335万円:24台
※1.5リッターの3A-LUを搭載したAW10は市場になし
2代目SW20
(販売期間1989年10月~1999年8月)
25.8万円~498万円:78台・ASK4台
(新車価格:182万円~309.5万円)

初代についてはややプレミア価格がついているものの、意外にも価格は落ち着いています。ただし、タマ数はそう多くはありません。

2代目は価格上位2台がフェラーリ「F355」レプリカ(498万円)、トヨタテクノクラフト製のオープンモデル「MRスパイダー」(399.9万円)だったりと付加価値が高く、それを除けば395万円が上限となっています。
よほどの程度極上車やMRスパイダーなど特殊なモデルでもない限り、25.8万~275万円あたりが相場とみてよいでしょう。

MR2のオススメグレード!ハイパワーMR好みなら3型以降のターボ車

この記事で主題となるSW20型は2.0リッター自然吸気エンジン「3S-GE」搭載車(G、Gリミテッド)と、同ターボエンジン3S-GTE搭載車(GT、GT-S)となっており、それぞれにTバールーフ車と、5速MTのみのGT-S以外には4速AT/5速MTを設定しています。

245馬力の3S-GTEに対して自然吸気エンジンの3S-GEは非力に感じますが、165馬力から登場し180馬力(AT車は170馬力)、1997年12月登場の最終改良モデル通称「5型」では吸気側に可変バルブタイミング機構を搭載して200馬力に出力向上しており、スムーズなパワー特性を持つ自然吸気エンジンを好むユーザーにはオススメです。

一般的には初期の225馬力から245馬力へ出力向上、スポーツABSを備えた1993年11月以降に登場した通称「3型」のターボ車が走り好きのユーザー向けとされており、ジムカーナなど市販車ベースのモータースポーツでも多用されたモデルでした。

デビュー当初は増加したパワーと重量に対してブレーキが貧弱、サスペンションセッティングも甘く走行安定性が劣悪と言われており、対策前の1989年10月~1991年12月まで通称「1型」はとてもオススメしかねるモデルとして有名ですが、むしろそのジャジャ馬じみてクセのあるフィーリングが好みというユーザーもいます。

MR2の中古車選びの注意点

SW20型でも既に生産終了から20年が経過しているとはいえ、基本的には当時のセリカや「コロナ」「カリーナ」と共通(初代AW10系はカローラ/「スプリンター」と共通)で、後席を潰してエンジンをそこへ移動しただけの車…とも言えるため、まだ多くの純正部品は出ますし部品の使い回しもかなり効くため、多少問題があっても維持にそう苦労する車ではありません。

Tバールーフ車も多少は雨漏りなどの心配もありますが強度面での問題はなく、あえていえばルーフ形状に関わらず、追突された経歴のある車ではボディが歪みやすいと言われるくらいでしょう。

車内を合わせてもタイヤ4本を収納できるほど広くないとはいえ、独立トランクもあるため2シーターという点を除けば実用上の問題は少なく、乗り味がピーキー過ぎる1型を除けば、購入後の整備面次第のでは、どれを選んでもある程度は満足のいくMRスポーツ・ライフが送れる車が送れます。

問題が生じるとすれば少数生産されたMRスパイダーでしょうか?MRスパイダーはもともとカタログモデルとして設定されていない特別なオープンモデルなので、マツダ「ロードスター」のように生粋のオープンカーと比べれば雨漏りなど快適性に直結する問題は避けられません。

MR2の中古車の維持費目安

前項で説明したように、トヨタ車であるがゆえの安心感、コスト削減の心配がない時代のモデルということもあって、修理や部品交換という面では現状でまだ困りませんが、AW11は純正部品の廃盤で苦労しているという実情もあり、SW20でも今後はパーツストックをしておく方が無難でしょう。

自動車税については全て初年度登録から13年超の重加算税対象者ですから、総排気量1.5リッター超2.0リッター以下の45,400円。実燃費は2.0リッターターボで9km/L、自然吸気エンジンで11km/L程度なので、2019年11月現在のハイオクガソリン平均価格が約153円程度、仮に月1,000km走るならば月14,000円~17,000円程度のガソリン代がかかり、年間のガソリン代が約17~20万円に自動車税45,400円を合わせ、最低25万円程度が最低年間維持費の目安でしょう。

その他、駐車場代やタイヤ代、車検代や整備代、任意保険代などはユーザーの環境次第なので、購入後にどのような維持費がかかるからは各自計算してみてください。2シーターのMRスポーツとはいえ最低限の実用性は確保されているため、通勤などファーストカーとしての使用も多いかと思いますが、その場合は特にSW20型など新しそうに見える車でも旧車ということを理解し、マメな点検整備が不可欠です。

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