買取相場 | 2023.05.28
”スズキの普通車”、クロスビーのリセールバリューはどの程度か?
Posted by UruCar
クロスビーは2017年に販売が開始された、スズキのラインナップ中でも非常に若いモデルとなります。 ビジュアルは軽規格で大ヒットとなっている、ハスラーの普通車バージョンと言えます。 しかし、軽から普通車規格になったことで乗車定員は一人増え、排気量も大きくなるために運動性能も向上。 近年珍しい5ナンバーサイズではありますが、居住空間についても大幅に拡大されているのが特徴です。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
クロスビーの中古市場での人気について
スズキというと軽自動車のイメージが非常に強いメーカーですが、普通車もしっかり生産しています。
その中でもクロスビーは発売がされて間もないために、中古車という概念に乏しいモデルなのは間違いありません。
しかし、発売がされて間もないが故に中古車として流通するものは状態・走行距離も良好であり、価格も新車より手ごろとなるために、需要は高い傾向にあります。
また、キュートでポップなデザインに加えて、トールワゴン並の全高にショートボディであるために、取り回しと見切りが非常に容易で、運転に自信がない女性からの人気が高いです。
買取査定額が期待できるクロスビーの人気グレード
クロスビーは全車ハイブリッドシステムを採用したモデルであり、2019年1月まで、グレード体系はMXとMZの2グレードになります。
また、それぞれにFFモデルと4WDモデルが存在していますが、2019年のグレード再編で上級グレードのMZのみに再編されました。これはやはり、上級グレードの人気が高かった証拠でもあり、MZのFFモデルが最量販かつ最人気グレードとなります。
買取査定額が期待できるクロスビーの人気カラー
クロスビーは2トーンカラーも選択が可能な、非常にカラーバリエーションの豊富なモデルです。
新車販売量も潤沢ではないため、選ばれるカラーもそれに応じてに分散傾向となり、カラーに対しての減額や増額傾向も小さめで推移しています。
その中でも、やはり一番人気はピュアホワイトパールとブラックルーフの2トーンカラーとなり、他色と比べて3万円前後のプラス査定が期待できるでしょう。
1年落ちクロスビー(2022年式)の目安査定額
1年落ち2022年式クロスビーは、スズキが2017年12月に発売した1リッターターボ+マイルドハイブリッド・コンパクトSUVで、軽自動車より小型車を好むユーザー向けに初代ハスラーとほぼ同じイメージの外観を与えた、「小型車版ハスラー」的なモデルで、ニッチ需要狙いながら根強い人気に応えているモデルです。
2022年式は2020年10月に安全運転支援装備の「スズキセーフティサポート」を能力向上、デュアルカメラブレーキサポートに夜間歩行者検知機能を追加したほか、車線維持支援機能や、全車速追従機能つきのアダプティブクルーズコントロールを新たに付与して、それらを標準装備する新グレード「ハイブリッドMV」を新設定しました(従来の廉価グレード、「ハイブリッドMX」は受注生産化)。
2022年9月にも仕様変更が行われて横基調デザインのメッキフロントグリル、IRカット機能付きフロントガラス、プレミアムUV&IRカットガラスなど内外装の変更と充実が図られています。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年5月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
HYBRID MX:新車209万円/買取実績なし
HYBRID MV:新車225万円/買取価格130万円程度
HYBRID MZ:新車237万円/買取価格134万円程度
HYBRID MZ ブラックインテリアパッケージ装着車:新車239万円/買取実績なし
HYBRID MZ ブラウンアクセントパッケージ装着車:新車243万円/買取実績なし
平均買取価格:約132万円
平均残価率:約57%
3年落ちクロスビー(2020年式)の目安査定額
3年落ち2020年式クロスビーは、2017年12月からスズキが販売中の、ハスラー小型車版的な内外装を持つコンパクトSUVで、いわゆる「軽自動車よりは小型車がいい」というニッチ需要向けモデルのため発売時からの変更点は少なく、2020年式でも2019年1月と7月に最上級グレード「ハイブリッドMZ」のカラー変更や、同10月に消費税変更(8%→10%)による価格変更が行われた程度です。
2020年10月には初のやや大きめな改良として内外装の変更や安全運転支援装備「スズキセーフティサポート」の能力向上が図られており、ブラック基調内装とした特別仕様車、「ハイブリッドMZブラックインテリアパッケージ」が発売されました。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年5月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
HYBRID MX:新車206万円/買取実績なし
HYBRID MX スズキセーフティサポートパッケージ装着車:新車218万円/買取価格88万円程度
HYBRID MV:新車222万円/買取価格128万円程度
HYBRID MZ:新車234万円/買取価格112万円程度
HYBRID MZ ブラックインテリアパッケージ装着車:新車239万円/買取実績なし
平均買取価格:約109万円
平均残価率:約49%
4年落ちクロスビー(2019年式)の目安査定額
4年落ち2019年式クロスビーは、発売時からメーカーオプションのセット内容に若干の変更があったり、ボディカラーが追加された以外の変更はまだ特に行われておらず、同ジャンルの売れ筋ライバルとしてダイハツ・ロッキー / トヨタ・ライズが登場したことから、何らかのテコ入れがあるとすれば2020年以降と思われます。
オプション込みでのおおよその新車価格と2023年5月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
ハイブリッドMX(FF/4WD) | 新車204万円/買取価格107万円程度 |
ハイブリッドMX スズキセーフティサポート装着車(FF/4WD) | 新車216万円/買取価格119万円程度 |
ハイブリッドMZ(FF/4WD) | 新車230万円/買取価格125万円程度 |
平均買取価格 | 117万円程度 |
平均残価率 | 約54% |
5年落ちクロスビー(2018年式)の目安査定額
5年落ち2018年式クロスビーは、2017年12月に発売されたばかりの初期型で、軽クロスオーバーSUVとして大ヒット作になったハスラーのデザインテイストと、スイフトやソリオ、イグニスといった近年のスズキが繰り出す高品質の小型車の技術の組み合わせ、そして何より「軽自動車ではなく小型車」という点がウケて、人気を得ています。オプション込みでのおおよその新車価格と2023年5月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
ハイブリッドMX(FF/4WD) | 新車202万円/買取価格109万円程度 |
ハイブリッドMX スズキセーフティサポート装着車(FF/4WD) | 新車214万円/買取価格102万円程度 |
ハイブリッドMZ(FF/4WD) | 新車228万円/買取価格130万円程度 |
平均買取価格 | 114万円程度 |
平均残価率 | 約53% |
クロスビーを高く売るためのポイント
ジムニーやジムニーシエラほど本格的なオフロード性能は求めず、快適性や運転の容易さ、後席ドアがある5ドアによる使い勝手といった点を重視するユーザー向けの車なので、SUVといっても「最低地上高や着座位置の高いコンパクトカー」「オフローダーっぽいが、決してオフローダーではない」のが、クロスビーのような車のポイントです。
すなわち、見た目や快適性、実用性を損なうようなドレスアップやチューニング、都会派にはふさわしくない車内の汚れや臭い、車内外の傷がないのが大事で、普段の取り扱いで大事にしたり、こまめな洗車や清掃が買取査定に与える影響が大きいといえるでしょう。
なお、実用性の面では少々難があるものの、リフトアップについては「オフローダーっぽい見た目」がより強調されてワイルドな雰囲気になりますので、仮に買い取り専門店ではノーマルでないことを理由に査定が厳しめでも、専門店ではまた違った評価が受けられるかもしれません。
クロスビーの走行距離による値動きの変化
クロスビーの2023年5月現在における走行距離ごとの買取相場を紹介します。
5万km台 | 94.1万円~94.1万円 |
4万km台 | 109.2万円~112.1万円 |
3万km台 | 104.4万円~126.3万円 |
2万km台 | 97.3万円~143.3万円 |
1万km台 | 103.4万円~144.2万円 |
まだ発売から2年3か月ほどしか経っていない車であることや、基本的には短距離用途のコンパクトカーであることから走行距離の少ない車が多く、まだ距離に応じた差が出てくる時期ではありません。
しかし、やはり年間2万km以上の走行では過走行とされるのか4万km台から買取価格上限が落ち気味になり、5万km台ともなると100万円を切る傾向にあるようです。
事故車・修復歴ありのクロスビーの場合は?
修復歴のあるクロスビーの流通価格はどうなのでしょうか?現状新しいモデルなこともありデータ量が少ないですが、概ね70万円~90万円での買取が期待できそうです。
事故現状車ですと、40万円~60万円前後での買取事例が確認できました。
事故程度が軽微であり、しっかり修復がされている個体であると、買取価格は通常の修復歴有の車の減額よりもパーセンテージは小さくなる傾向があるようです。
クロスビーの残価率・リセールバリューは?
スズキの普通車としてハイブリッドシステムを搭載し、トールワゴンの利便性と、SUVの堅剛さを持ってデビューをしたこのクロスビーですが、財として見た場合はどのような価値の残りかたをしているのでしょうか?
例えば、一番人気のハイブリッドMZは、新車購入の場合¥2,003,400で、実際に購入の場合約10%のオプションを加味すると仮定し、車両本体価格は約220万円となります。
その後、1年落ちで売却した場合の最高買取額が約160万円程なので、70%~73%の残存価値率があると予想できます。
2年目の場合は、同様の計算で最高買取価格が130万円程となりますので、58%~61%前後の残存価値があります。
これは国産一般普通乗用車としては中の中程度の残存価値率なので、十分に狙う価値のあるモデルではないでしょうか?
クロスビーは新たな提案としてスズキが送り出したクロスオーバーワゴンです。
スズキの企業イメージとして軽自動車のメーカーイメージが強く、普通車に日の目を見ることが少ないのが少し残念ですが、自動車としてはパッケージングも素晴らしく、積極的に選んでも残価値を見ても、通常程度の減価償却として考えることができます。
しかし、現状クロスビーをお乗りで、手放しを検討されている場合はこれからの値動き予想がモデルが新しすぎる故に難しく、3年目以降に急落する可能性も0とは言えません。
お乗り換えを検討の際は、一日でも早い査定依頼をされると吉かもしれませんね。
クロスビーを売るのにベストなタイミングは?
発売当初は「ハスラーの小型車版を待っていた!」「リッターカークラスのSUVを待っていた(クロスビーは1リッターターボ+マイルドハイブリッド)」というユーザーから歓迎されて人気の出たクロスビーですが、2019年11月にダイハツ・ロッキーと、そのトヨタ版ライズが発売されたことにより、立場が微妙な時期にきています。
当初から月販2,000台前後で、大ヒットとはいかないまでも堅調な販売実績を残してきましたが、ライバルはロッキーでも3,000台以上、ライズに至っては1万台前後を販売する大ヒット作となっているため、今後は何らかのテコ入れがないと不人気車となってしまい、中古車相場も落ち込んで買取査定額にも大きな影響を与えそうです。
ただし、2020年3月現在の状況に限って言えばロッキー/ライズはあまりの人気に生産が追い付かず納期が2~3か月かかっていたところへ、2020年2月から急激に始まった新型コロナウイルス感染拡大の影響で生産遅延が生じており、さらに1か月程度納期が延びるという問題が発生しました。
そうなると待ちきれないユーザーや、現在乗っている車の車検切れなどを見越してつなぎの車でも考えるか、と中古車情報サイトを開いたユーザーからすると、「なんだ同じようなジャンルの車が既にあるじゃないか」と気がつく、あるいは思い出すようになります。
つまり現在のクロスビーは、「いずれライズやロッキーの中古車が市場に出回ると買取査定が非常に厳しくなる可能性はあるが、それまでの期間はむしろ有利」という、少々特殊な状況に置かれているわけです。
新型コロナウイルスの影響が今後どのように拡散し、日本経済に影響を与えていくかまだ不透明なので、この特殊な状況がいつまで続くかは不明ですが、ライズやロッキーの人気が落ち着いて中古車が出回るようになるか、あるいは景気がどうしようもなく冷え込んでしまうかといった状況までもう数か月の猶予があるため、「今」がクロスビーにとって最高の売り時と考えられます。