買取相場 | 2020.07.22
ファミリー層に根強い人気のポルテ、中古市場での需要は?
Posted by UruCar
トヨタのポルテは、2004年の発売以来、マイナーチェンジと2012年のフルモデルチェンジを経て現在の2代目に至る、5ナンバーサイズのトールワゴンになります。 大きく開くスライドドアと広い後席空間、乗降のしやすい低床設計により、子育て世代のお母さんに絶大の人気がある事はもちろん、その強みを活かし、助手席のリフトアップを装備した福祉車両としても活躍しています。 そんなポルテが、中古車市場ではどんな値動きをするのか見て行きましょう。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
ポルテの中古市場での人気について
ポルテは2002年の発売以来、丸みを帯びた優しいルックスと、大きく開く電動スライドドアや1400mmを越える室内高、地上高300mmの低床設計など、子育て世代の女性のニーズに合った車種となっています。
実は筆者の私、初代ポルテの所有歴がありますが、唯一の不満は運転席側に後席乗降用のドアが無かった事でした。
これは2012年のフルモデルチェンジでスイングドアが採用され、後席の使いやすさが上がっています。
また、初代・2代目とも後席の広さは抜群で、大人が足を組んで座ってもまだ余裕がありますし、運転席と助手席の間がウォークスルーであったりと、使い勝手は抜群である事から、中古車市場でも約1500台が流通する人気車種となっています。
買取査定額が期待できるポルテの人気グレード
人気となるのは、中間グレードのFとなります。このグレードには、子育て世代には必須のシートの撥水加工が施されている事や、リアシートが6:4の分割シートになる事が人気の要因になっています。
また安全性能では、衝突回避サポートとなる『toyota safety sense』が全グレードに標準装備されていますので安心ですね。
買取査定額が期待できるポルテの人気カラー
現行ポルテには、モノトーンカラーが7色、ツートンカラーが3色の計10色のラインナップとなります。
人気となるのはブラックマイカとホワイトメタリックになり、同条件の他色に比べ5万円前後の査定額アップが期待できます。
ただし、ブラックマイカは小さな線キズや雨ジミ・色褪せが目立ってしまう色でもありますから、日頃のメンテナンスが査定額に大きく左右すると言えるでしょう。
3年落ちポルテの目安査定額
3年落ち2017年式ポルテは、2012年7月から販売されている現行モデル(2代目)です。2016年6月の改良で、衝突被害軽減ブレーキやオートハイビームを搭載する安全運転支援パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車標準装備とするなど、安全性を高めたモデルです。
特別仕様車として、丸洗いできる着脱式ウォッシャブルシートなど専用内外装を与えた「F ア ラモード トロワ」(2016年6月)、「F ア ラモード ブラン」(2017年12月)も発売されています。オプション込みでのおおよその新車価格と、2020年7月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
X(FF/4WD) | 新車207万円/買取価格57万円程度 |
F(FF/4WD) | 新車212万円/買取価格61万円程度 |
Y(FF/4WD) | 新車213万円/買取実績なし |
G(FF/4WD) | 新車223万円/買取価格69万円程度 |
F アラモード トロワ(FF/4WD) | 新車223万円/買取実績なし |
F アラモード ブラン(FF/4WD) | 新車228万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 62万円程度 |
平均残価率 | 約29% |
7年落ちポルテの目安査定額
7年落ち2013年式ポルテは、2012年7月から販売されている現行モデル(2代目)の初期型で、先代と比べ助手席側の大型スライドドアという最大の特徴は変わらないものの、運転席側には後席ドアが追加され、FF車では底床フロアを採用するなど乗降性を高めています。
最廉価グレードの「V」から最上級の「G」まで5グレードが設定され、「V」「X」が1.3リッター、「F」「Y」「G」が1.5リッターエンジンで、4WDは標準グレードの「X」のみです。オプション込みでのおおよその新車価格と2020年7月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
V(1,329cc・FF) | 新車160万円/買取実績なし |
X(1,329cc・FF/1,496cc・FF/4WD) | 新車180万円/買取価格18万円程度 |
F(1,496cc・FF/4WD) | 新車190万円/買取価格18万円程度 |
Y(1,496cc・FF/4WD) | 新車190万円/買取価格28万円程度 |
G(1,496cc・FF/4WD) | 新車201万円/買取価格26万円程度 |
平均買取価格 | 22万円程度 |
平均残価率 | 約12% |
10年落ちポルテの目安査定額
10年落ち2010年式ポルテは、2004年7月から2012年7月まで販売されていた先代モデル(初代)の末期型で、ヴィッツベースのコンパクトな車体へ1枚物の大型助手席スライドドアを採用、乗降性に気を遣う同乗者の乗り降りに最大限の配慮を図った車として話題でした。オプション込みでのおおよその新車価格と2020年7月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
130i(FF) | 新車154万円/買取価格8万円程度 |
130i HIDセレクション(FF) | 新車157万円/買取価格9万円程度 |
130i Cパッケージ(FF) | 新車166万円/買取価格11万円程度 |
130i Cパッケージ HIDセレクション(FF) | 新車168万円/買取価格10万円程度 |
150r(FF) | 車176万円/買取実績なし |
150i(4WD) | 新車177万円/買取価格7万円程度 |
150i HIDセレクション(4WD) | 新車178万円/買取実績なし |
150r Gパッケージ(FF) | 新車182万円/買取価格10万円程度 |
150i Gパッケージ(4WD) | 新車194万円/買取価格7万円程度 |
平均買取価格 | 9万円程度 |
平均残価率 | 約5% |
ポルテを高く売るためのポイント
助手席側の大型スライドドアがとても便利に感じるユーザーであれば、大きな価値がある車である反面、最近の流行は後席両側スライドドアのトールワゴンになっており、流行から外れた存在であるポルテは、あまり高価買取が狙える車ではありません。
それでもなるべく高く売るのであれば、走行距離が伸びたり、傷や汚れ、臭いなどの使用感が増えない新しいうちの売却が最大のポイントとなりますが、「短期間のみポルテのような車の能力が欲しい」というユーザーでもなければ、なかなか難しいところです。
とにかく汚さない、傷つけない、サビさせない、洗車や掃除、消臭を欠かさないという基本を押さえた上で、シートカバーなどで極力新車のコンディションを維持するしかないでしょう。
ポルテの走行距離による値動きの変化
ポルテの2020年7月現在における走行距離ごとの買取相場を、2012年7月以降に販売されている現行モデルを例に紹介します。
15万km台 | 8.0万円程度 |
14万km台 | 5.8~6.2万円 |
13万km台 | – |
12万km台 | 9.5~12.1万円 |
11万km台 | 5.8~8.9万円 |
10万km台 | 6.2~12.1万円 |
9万km台 | 7.0~17.1万円 |
8万km台 | 8.1~35.5万円 |
7万km台 | 12.1~32.7万円 |
6万km台 | 9.9~39.3万円 |
5万km台 | 8.9~58.3万円 |
4万km台 | 13.3~61.3万円 |
3万km台 | 17.1~81.5万円 |
2万km台 | 14.3~92.2万円 |
1万km台 | 13.3~98.1万円 |
現行の初期型8年落ちのポルテで、15万km走って8万円程度の値が付きますが、それ以上になると「タダで引き取られたり、処分料を取られるほどではない」という程度なため、おおむね年間走行距離2万kmを超えると査定が厳しくなります。
高価で買い取られている事例を見ると、年間走行距離1万km以内で、年式も比較的新しいものとなり、全体の傾向を見ても2~3万km台、5~6万km台、8~9万km台を境に買取価格が落ち込んでいますが、大事なのは総走行距離よりも、平均年間走行距離と考えた方が良いでしょう。
ポルテを売るのにベストなタイミングは?
後席両側スライドドアの軽、またはコンパクト・スーパーハイトワゴン全盛期の現在、1枚物の助手席側大型スライドドアで、前後席とも一度に良好な乗降性を得ることができるポルテは、「ちょっとした出入りが素早くできる助手席ヒンジドア」を持つ車に比べて需要はそう多くなく、それでいて高齢者向け福祉用途など根強い需要が残るニッチ商品です。
「堅実に売れるが、右から左へというほどではないため、高値をつけるわけにもいかない」という車のため、いつ売っても年式や走行距離、程度に応じたソコソコの価格がつくだけです。したがって、売るのにベストなタイミングといっても、なるべく新しくて走行距離が伸びず、程度が悪化しないうち以外はありません。
リセールバリュー狙いであれば、とにかく初回車検までの間に、使い道がなくなり次第すぐに売るのが肝心ですが、ポルテのような車を求めるユーザーは「ポルテ(あるいは兄弟車のスペイド)でないと困るから買った」という人が多いため、なかなかそうもいかないでしょう。
ヤリスやシエンタとは異なり、「リセールバリューを考えるより、使い道がなくなった時が売り時であり、タイミングとしてベスト」と考えてください。
事故車・修復歴ありの場合のポルテの場合は?
1500台が中古車市場に流通するポルテですから、一定台数の事故車が存在しています。
事故車・修復歴ありの車両となってしまいますと、必然と価値は下がってしまいますので、買取り価格は期待できません。
事故車の買取り価格は、通常よりもおおむね60%~70%となってしまいますので、3年落ちポルテの査定額は、36万~63万円程度となるでしょう。
もちろん、エンジンの破損・フレームを変形させてしまう程の破損については、さらにマイナス査定となってしまいます。
ポルテの残価率・リセールバリューは?
3年落ちの査定額を見て頂いてお分かりのように、ポルテの残存価値は、他車に比べると劣る傾向となっています。
これは、子育て世代にピンポイントで人気があるが故に、それ以外の年齢層にはあまり需要がない事、そして海外での需要もない事が重なり、このような結果になってしまいます。
また、子育て世代がターゲットとなる大衆車では、車内のシミやキズなどが多い傾向にある事から、査定額が落ち込む事に繋がります。
では、撥水加工のシートを装備するグレード『F』の、3年落ちの場合を見てみますと、新車時価格1,828,440円になり、そこにおよそ10%程度の金額でディーラーオプション装備等を加味すると、乗り出し価格はざっくり200万円強となります。
その後、3年落ちで査定に出した場合、平均査定額は55万円となり、残価率は22%~32%程度とかなり落ち込みます。
また、上級グレードの『G』の5年落ちの場合では、新車時価格1,789,714円に同じく10%のディーラーオプション装備を加味して計算すると、平均査定額は66万円なので、残価率は17.5%~27.5%になります。このグレードは『F』に比べると、残価率の下落はゆるやかな傾向にあります。
これは、新車での販売時には『F』を中心とした中間グレードが中心となっているため、中古車市場に出回る上級グレードは希少価値がでる結果となり、高値での取引が期待でき、4WD仕様では更に高値となります。
さて、ここまで見て頂いた通り、高値で取引きする分岐点は3年落ちで、尚且つ安全性能が標準装備された車両となりました。
更に、希少価値の出る上級グレードでは、安定して高値での取引きが期待できますので、気になるようでしたら、一度査定してたもらうと良いでしょう。