買取相場 | 2020.02.02
国産車トップレベルの走行性能のWRX STI、スバリストの圧倒的な支持を得る車の買取相場は?
Posted by UruCar
WRX STIは、走りに定評のあるスバルの中でも最も走行性能に特化した”走りのモデル”です。2014年に発売され、その後特別仕様車も発売されたりするなど、多くのスバリストの支持を得ている、スバルの人気車です。今回はWRX STIの買取査定額やリセールバリューをご紹介していきます。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
WRX STIの中古市場での人気について
WRX STIは、元はWRCなどで活躍したインプレッサWRXからの系譜になり、2014年から単一グレードとしてWRX STIが販売されています。
現在でもスーパーGTやスーパー耐久などで活躍しており、モータースポーツのイメージが強くあります。しっかりとレースでの実績を市販車へとフィードバックしている上に、スバルの四輪駆動技術の高さも手伝い、国産車トップレベルの走行性能を手に入れることができてしまうスペシャルなモデルです。
中古車市場で走りのモデルというものはいつの時代も一定の需要がありますし、スバルの走りのモデルは、スバリストと呼ばれるファンによってどの世代のモデルもしっかりと価値が下支えされています。
高価買取査定額が期待できるWRX STIの人気グレード
WRX STIの中でも、高価買取査定額が期待できるグレードは何といってもSTI(スバルテクニカインターナショナル)が開発に一から携わり、限定車として販売をするS207,S208などの[S20X]シリーズです。
S20Xはエンジンは手組になり、エアロパーツなども専用品がおごられます。現在中古市場の動向を見ると、ほぼ新車のようなS208NRBチャレンジパッケージ車はプレミア価格が付き、新車価格以上で売買がされていることから、買取価格はほぼ新車同等価格かそれ以上の689万円~710万円程度の買取査定額が期待できそうです。
走行距離が多少出た車両であっても、新車からの残価値は85%前後の取引となっています。
つまり、550万円~580万円ほどで買取が成立しているケースが多いようです。一方で通常モデルのWRX STIも堅調な値動きを見せており、4年落ち4万キロ走行の車で買取査定額は230万円~240万円程度と、資産としても乗る価値の高い自動車であるといえるでしょう。そしてこれらの中間の買取査定額と言えるのがSTIタイプSで、250万円~300万円となります。
買取査定額が期待できるWRX STIの人気カラー
日本国内ではやはり外すことができないカラーはホワイトとブラックです。
通常のWRX STIの場合、ホワイトとブラックが同年式、同等走行距離の他カラーに比べ5万円~10万円の高値で買い取りがなされています。
しかし、前述のS207やS208の場合は、そもそもの選択肢がないことやスポーツイメージが強いことから、カラーよりも状態評価と走行距離での判断になるようです。
3年落ちWRX STIの目安査定額
3年落ち2017年式WRX STIは、2016年5月に一部改良を受け、内装の質感向上やリヤワイパーブレードの形状変更による風切り音減少、フロントウェザーストリップ2枚化で車内透過音低減による静粛性を向上。
さらに2017年9月には新電子制御マルチモードDCCD採用でのハンドリング性能向上、ブレンボ製18インチベンチレーテッドディスクブレーキ、19インチアルミホイール&タイヤ採用によるコーナリング限界性能向上など大幅改良を受け、同年11月にはSTIのコンプリートモデル「S208」系3種を台数限定で販売しています。「オプション込みでおおよその新車価格」と2020年1月現在での平均買取相場は以下になります。
STI | 新車421万円に対して買取価格251万円程度 |
STI タイプS | 新車450万円に対して買取価格293万円程度 |
S208 | 新車689万円に対して買取実績なし |
S208 NBRチャレンジパッケージ カーボントランクリップ | 新車758万円に対して買取実績なし |
S208 NBRチャレンジパッケージ カーボンリヤウイング | 新車782万円に対して買取実績なし |
5年落ちWRX STIの目安査定額
5年落ち2015年式WRX STIは、2014年8月に発売された初期のモデルで、2015年6月の改良で後側方警戒支援機能やサイドビューモニターなど先進安全装備をセット化した「アドバンスドセイフティパッケージ」をメーカーオプションで設定。同年10月にはSTIのコンプリートモデル「S207」系3種を台数限定で販売しています。「オプション込みでおおよその新車価格」と2020年1月現在での平均買取相場は以下になります。
STI | 新車417万円に対して買取価格217万円程度 |
STI タイプS | 新車453万円に対して買取価格222万円程度 |
S207 | 新車659万円に対して買取実績なし |
S207 NBRチャレンジパッケージ | 新車695万円に対して買取実績なし |
S207 NBRチャレンジパッケージ イエローエディション | 新車701万円に対して買取実績なし |
事故車・修復歴ありのWRX STIの場合は?
WRX STIは、スポーツ走行がされる可能性が高い車種になりますので、考えないといけないのが事故車になってしまった場合の買取相場です。
この場合の目安査定額はWRX STI タイプSで95万円~100万円ほど。NBRパッケージ付き限定車であればなんと180万円~200万円の買取査定額が期待できます。平均して自走が可能かギリギリ不可能な状態でのWRX STI事故現状車で約95~100万円、修復歴有車で140万円~160万円と、想像よりも減額がされない印象です。これは、事故車の場合であっても市場での人気がそのまま反映
されている結果であると考えられます。
WRX STIの残価率・リセールバリューは?
車を資産として見た場合に重要になる指標が残価率です。
例えば新車で購入した場合、WRX STIの車両本体価格は、2016年当時3,790,800円であり、3年落ち走行距離3万キロで売却した場合の買取最高値は¥2,530,000でした。
つまり3年間で1,260,800円の償却をし、その残価率が66.8%ということになります。
続いて、3年落ちで過走行6万キロの車両の場合、買取最高値が2,030,000円であったため、同様の計算で53.6%となります。3年落ち低走行1万キロの場合、買取最高値は2,670,000円で残価率は70.4%となり、WRX STIにおける平均値で63.6%となりました。
さらにその残価率は3年をまたいで5年目の車検時であっても大きな変動はなく、2014年式の5万キロ走行車の買取最高値は2,290,000円であり、残価率はなんと60.4%にも及びます。
車両の価値は、時間の経過と共に下がっていきます。WRX STIを買取査定に出す際には、残価率・リセールバリューも考えてから依頼するようにしましょう。
WRX STIを高く売るためのポイント
そもそもが走り系の車なので、荒い走りで事故やトラブルに見舞われたのか、買取実績に占める「ほとんど査定がつかない車」の割合が比較的多い車種です。そのため基本的には活発な走りをしても傷やへこみなどは作らないこと、とにかく小さくとも事故を起こさないことがまず大前提となります。
そのうえで、新車時から大きく変更するような改造を行わないこと、プレミアムスポーツとしての側面も持つため喫煙などで大きく価値を落とさないこともポイントになりそうです。
WRX STIの走行距離による値動きの変化
走行距離が長い場合におけるWRX STIの買取価格ですが、走行距離別では2020年1月現在、以下のようになります。
12万km台:132.2万円~132.2万円
10万km台:184.4万円~184.4万円
9万km台:175.5万円~189.4万円
8万km台:184.4万円~191.4万円
7万km台:166.3万円~218.1万円
6万km台:193.4万円~226.1万円
5万km台:205.1万円~299.5万円
4万km台:205.1万円~265.4万円
3万km台:217.8万円~277.6万円
2万km台:207.1万円~303.0万円
1万km台:236.2万円~325.0万円
3年落ちと5年落ちの買取価格平均がおおむね220~272万円なのを考えると、程度にもよりますが3万km台程度がおおむね平均に近いと言え、5万km台を超えると平均より大きく価格が落ちていく傾向にあるのがわかります。
WRX STIを売るのにベストなタイミングは?
2014年8月の発売から5年4ヶ月、2019年12月で一旦受注終了したWRX STI。次期モデルも開発中とされており、今年中にモデルチェンジするレヴォーグの結果を見つつ遅くとも2021年中には、義務化される衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)を装備して2代目がデビューすると思われます(ただしS4が先行し、STIはしばらく出ないという噂もあり)。
MT車は次期WRX STIでも健在と言われてはいますが、その他の装備面や性能面、特にスバル伝家の宝刀だったEJ20ターボが消滅したことによる影響がどう出るか、次期モデルの内容次第では今後初代WRX STIの中古車価格にプレミアがつく可能性もあるため、現状はひとまず「いかなる年式、走行距離であろうと売りは“待ち”の状況」です。
次期モデルがスバリストもそうでないユーザーも拍手喝采で出迎えるような魅力を持っていれば、初代WRX STIは単に古い車となっていくため、それがわかった時点で早く売るのがよいと思いますが、逆に初代が引く手あまたとなるケースも考えられます。
ただ、走行距離5万km台を境に買取価格が大きく変わるのは避けられないと予想されるため、次期モデルの概要だけでもわかる前に6万km以上走ってしまいそうなユーザーなら、現段階で売ってしまっても、もう少し走った後に多少プレミアがついてから売ってもあまり価格は変わらないかもしれません。
まだそこまで走っていないユーザーでとにかく高価買取、可能ならプレミア価格狙いまでするならば、しばらくの間はなるべく走行を控え、次期モデルや中古車相場の最新情報を抑えておくのをオススメします。