買取相場 | 2022.12.15
使い勝手抜群のコンパクトリッターカー、スバル「ジャスティ」。中古市場での評価は?
Posted by 菅野 直人
1980年代のコンパクトカーの名を現代に蘇らせた、スバル ジャスティ。 トヨタにも「ルーミー(販売車種整理で廃止されるまでは「タンク」もあった)」としてOEM供給され、本家ダイハツ版の「トール」も好調なセールスを記録している、売れ筋コンパクト・スーパーハイトワゴンのスバル版です。 同じくダイハツからOEM供給されている軽自動車同様、レヴォーグやインプレッサなど、スバルユーザーのセカンドカーや、スバル関係者向けという扱いで販売台数は多くないものの、クルマとしての魅力は本家ダイハツ版やトヨタ版に劣りません。 問題はネームバリューの低さですが、下取りや売却で参考になる買取市場での評価はどうでしょうか?
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
ジャスティの中古車市場での人気について
もとより販売台数が少ないジャスティですが、大手中古車情報サイトにおける2022年11月現在の流通台数を見ると、姉妹車の本家ダイハツ版「トール」が1,030台、もっとも売れているトヨタ版「ルーミー」が2,679台(さらに「タンク」の2,104台)に対し、ジャスティの中古車掲載件数はわずか76台に過ぎません。
販売価格帯は63.8万~216.8万円と、ダイハツ版やトヨタ版より若干上限は低いものの、ほぼ同等、展示車や登録済み未使用車と思われる走行500km未満の車両もわずか2台と少なく、販売台数が少ないため在庫が投げ売りされている、ということもないようです。
中古車市場では、おおむね姉妹車と同じ扱い、珍しいスバル版ということでレアな存在でもあり、レア車好きや手頃なコンパクトカーの中古車が欲しいスバルユーザーにとっては、悪くない選択肢と言えます。
買取査定額が期待できるジャスティのグレード
少ない販売台数ゆえに、買取実績も少ないジャスティですが、その中で高価買取が期待できるのは、動力性能に余裕がありながら、小排気量ゆえに自動車税が安くて維持もしやすい1リッターターボ車、それもクールなルックスの「カスタムRS スマートアシスト」一択です。
ただし、動力性能の余裕ゆえに、長距離ドライブでも多用されるのか、走行距離が多めの傾向があり、高価買取されるかどうかは走行距離次第、過走行とされた場合には、1リッター自然吸気エンジン車、それもカスタムではない通常版と比べても、あまり差がありません。
買取査定額が期待できるジャスティのカラー
スバルユーザーや関係者にとってのセカンドカー、つまり「スポーティで派手な印象があるスバル製のクルマ」に対し、目立たない買い物車、あるいは遊びグルマで乗り付けるべきではない冠婚葬祭などへの用途が想定されるためか、高価買取の上位は白と黒が圧倒的。
子供や孫、奥様など向けの適当なアシ車、パーソナルカー的な需要もあってか、多彩なボディカラーがラインナップされてはいるものの、無難な色とされるシルバーも含め、白と黒以外の色は査定が低い傾向にあるようです。
【2年落ち2020年式ジャスティの目安査定額】
2年落ち2020年式ジャスティは、同年9月に一部改良でグレードが整理され、姉妹車の「カスタムG」に相当するカスタムスタイルに1リッター自然吸気エンジンを積んだ、「ベースグレード」のみのモノグレード展開となりました。
それまでの通常版(L、G、GS)とカスタム版(カスタムR、カスタムRS)と2本立てであったデザインは、大型メッキグリルの新カスタム顔に統一され、ターボ車もなくなったため、大人しい顔つきやターボ車は、この年式が最後となります。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年11月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
L スマートアシスト | 新車184万円に対し、買取実績なし |
G スマートアシスト | 新車201万円に対し、買取価格93万円程度 |
GS スマートアシスト | 新車218万円に対し、買取実績なし |
カスタムR スマートアシスト | 新車229万円に対し、買取実績なし |
カスタムRS スマートアシスト | 新車232万円に対し、買取価格125万円程度 |
ベースグレード(2020年9月以降) | 新車228万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 109万円程度・平均残価率50%程度 |
【3年落ち2019年式ジャスティの目安査定額】
3年落ち2019年式ジャスティは、2018年11月の改良で衝突回避支援システム「スマートアシスト」が単眼カメラ+レーダーのIIからステレオカメラ式のIIIへと刷新され、コーナーセンサーも採用するなど、予防安全性能を高めたモデルです。
2019年に入ってから改良は行われていないものの、10月の消費税率変更(8%から10%へ)に伴い、車両本体価格が変更されました。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年11月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
L スマートアシスト | 新車182万円に対し、買取実績なし |
G スマートアシスト | 新車199万円に対し、買取価格82万円程度 |
GS スマートアシスト | 新車216万円に対し、買取実績なし |
カスタムR スマートアシスト | 新車227万円に対し、買取実績なし |
カスタムRS スマートアシスト | 新車230万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 82万円程度・平均残価率41%程度 |
【4年落ち2018年式ジャスティの目安査定額】
4年落ち2018年式ジャスティは、2016年11月に新型車として発売されたジャスティが、2018年11月に初の改良を受けたモデル。
従来から標準装備されていた単眼カメラ+レーダー式の衝突回避支援システム「スマートアシストII」が、ステレオカメラ式の「スマートアシストIII」へと更新され、対歩行者でも衝突被害軽減ブレーキを作動させたり、ハイビームアシストなど、カメラ性能の向上で認識能力が大幅に向上しています。
また、フロントグリルに追加したソナーセンサーで前方誤発進抑制、近距離で前後左右の障害物を検知するコーナーセンサーも前後に搭載されるなど、予防安全性能は大幅に向上しました。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年11月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
L スマートアシスト | 新車180万円に対し、買取実績なし |
G スマートアシスト | 新車197万円に対し、買取価格51万円程度 |
GS スマートアシスト | 新車208万円に対し、買取実績なし |
カスタムR スマートアシスト | 新車221万円に対し、買取実績なし |
カスタムRS スマートアシスト | 新車228万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 51万円程度・平均残価率26%程度 |
【5年落ち2017年式ジャスティの目安査定額】
5年落ち2017年式ジャスティは、2016年11月に新型車として発売されたジャスティの2年目で、発売から間もないため、改良などは特にありませんが、2回目の車検を受けるタイミングのためか、買取実績はもっとも豊富なモデルです。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年11月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
L スマートアシスト | 新車180万円に対し、買取実績なし |
G スマートアシスト | 新車197万円に対し、買取価格77万円程度 |
GS スマートアシスト | 新車208万円に対し、買取価格75万円程度 |
カスタムR スマートアシスト | 新車221万円に対し、買取実績なし |
カスタムRS スマートアシスト | 新車228万円に対し、買取価格86万円程度 |
平均買取価格 | 79万円程度・平均残価率38%程度 |
【6年落ち2016年式ジャスティの目安査定額】
6年落ち2016年式ジャスティは、ダイハツ トールのスバルOEM版として、2016年11月にトヨタOEM版(ルーミー/タンク)とも同時発売された、新型スーパーハイトワゴンの初期モデル。
ダイハツ タントをひと回り大きくして1リッターの自然吸気、またはターボエンジンを搭載したような、自動車税が安くて経済的なリッターカー級スーパーハイトワゴンで、タント譲りのハイルーフによる広い車内、着座位置が高く広い視界、後席両側スライドドアによる乗降性の良さで、ファミリーカーとしても使えて人気の出た車種です。
スバル版は、従来からのトヨタやダイハツからのOEM版トールワゴン(ラクティスやデックス)同様、ユーザー層が限られ知名度も低いことから販売台数は少ないものの、クルマとしての魅力は本家ダイハツやトヨタの姉妹車と変わりません。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年11月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
L スマートアシスト | 新車180万円に対し、買取実績なし |
G スマートアシスト | 新車197万円に対し、買取価格60万円程度 |
GS スマートアシスト | 新車208万円に対し、買取実績なし |
カスタムR スマートアシスト | 新車221万円に対し、買取実績なし |
カスタムRS スマートアシスト | 新車228万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 60万円程度・平均残価率30%程度 |
ジャスティの残価率・リセールバリューは?
姉妹車に比べ、実際に中古車として販売される時の店頭価格では劣らないものの、知名度と新車販売実績で大きく劣り、スバルユーザーやスバル関係者以外ではレア車好きなどマニアック層、あるいは「このサイズとカタチのクルマなら何でもよい」と思うユーザー向けになってしまうジャスティ。
それゆえ、買取市場での評価は姉妹車に対してかなり低く、型落ち車、不人気の絶版車に近い扱いを受けていて、リセールバリューが高いとはとても言えません。
中古車としては、ある程度高く売られているだけに、買取も強気でいけそうに思えますが、在庫リスクが高い不人気車扱いとなると、買い取る側も右から左へすぐ売れると考えられないため、どうしてもリセールバリューは渋くなりがちなようです。
それでも高年式の低走行車であれば、50%前後と比較的高めのリセールバリューが期待できるため、売るなら早めに、そうでないなら、とことん乗り潰す類のクルマといえます。