引用:adolf martinez soler / Shutterstock.com

カスタム・アフターパーツ | 2021.05.11

90年代はアウトロー⁈後付けパーツもひと味違う!普通に流行ったもの、走り屋御用達だったパーツ8選

Posted by KAKO MIRAI

時代的に何でもありだったような雰囲気すら漂う90年代。一般的に流行ったものと走り屋に流行ったものはちょっと違っていました。いずれにしてもカッコよければそれでよかったということにかわりはないでしょう。そんな懐かしいパーツをご紹介していきます。

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多くの人に愛されていた、見た目重視パーツ

当時の若者世代の間で流行っていた懐かしい後つけパーツにはどのようなものがあったのでしょうか。早速ご紹介していきましょう。

・CDチェンジャー

カーオーディオの歴史は1930年に搭載されたラジオから始まりました。1960年代に入ると自分の好きな音楽を聴けるシステムが徐々に構築されていきます。「音声用電磁テープ」を使用した4トラックカートリッジから8トラックカートリッジ(通称ハチトラ)です。

カラオケの初期に使用されていたあのテープといえば思い出す人も多いのではないでしょうか。1970年代に入るとカセットテープで音楽を楽しむことができるようになっていき、社外カーオーディオも普及し始めます。

『パイオニア』のロンサムカーボーイや『クラリオン』のシティコネクションなどは当時憧れの的でした。1980年代に入るとCDが登場し、各自動車メーカーもCDデッキを標準装備するようになります。

1990年代には、CDのほかにMDも登場。それと同時に音楽を楽しむ後付けのCDチェンジャーが人気を集めました。CDは1枚聞き終わると、自ら入れ替える手間がありました。

しかしCDチェンジャーは、6枚以上のCDをチェンジャーに入れておけば入れ変える手間もなく、長時間のドライブでもボタン一つで好きな曲を再生可能。これが若者に大ヒット。チェンジャーコントロール機能のあるヘッドユニットにアドオンするタイプがありました。

もう一つはコントロール機能のないユニットへFM方式で飛ばすタイプ。こちらはFMチューナーを使用するため、純正のオーディオに装着することが簡単だったことから、人気がありました。

通常は6連奏から12連奏が一般的。しかし中には50連奏や100連奏というものも登場しています。トランクの中や助手席の足元に取り付けられたCDチェンジャーはドライブシーンを大いに盛り上げてくれました。

多くのCDを楽しむことはできましたが、CDの入れ替えは一苦労したという人も多かったのではないでしょうか。車から部屋に持ち帰って、また新たなCDを車にセット。デートの際には、ベストアルバムをチョイスしたなんていうのも懐かしい思い出かもしれません。

・置き型スピーカー

車のリアトレーに置かれたボックススピーカー。スモールランプとの連動で背面の文字が浮かび上がる夜間はとてもきれいでした。またブレーキを踏むと鮮やかな赤が点灯するというものでした。

折しもカーオーディオブームの中、音楽に敏感な世代は即座に反応したものです。ハッチバックはもちろんのこと、セダンブームも手伝ってさまざまな車種のテールを飾ります。車をドレスアップするには最高のパーツのひとつだったといえるでしょう。

ボックススピーカーは二つのスピーカーと、「エンクロージャー」といわれるスピーカーボックスのユニット形式。低音・中音・高音・超高音の「4ウェイ」、低音・中音・高音の「3ウェイ」が主流でした。

トノカバーやトレーの剛性が音量に適合していないため、音量を上げるとビビリ音が出てしまうということもしばしば。音質が良いということよりも、やっぱりカッコよければ許される、そんな時代だったのかもしれません。

・自分で貼ったフルスモーク

カーフィルムが広まり始めたのは1980年代のことでした。元をただせばアメリカで広まったカスタムのひとつで、建築用のフィルムを車に流用したことが始まりだったといいます。当時のフィルムは傷がつきやすく、品質は低いものでした。

その後90年代にかけて国産スポーツカーが人気を集めていきます。スカイラインGT-Rをはじめ、シルビア S13や180 SX、ユーノス ロードスターなど数々の名車が誕生しました。それと同時に高級セダンの人気も高まり、スポーツカーとセダンの二極化が見られた時代です。

スポーツカー、セダンのエンドユーザーたちが、こぞってドレスアップに採用したのがフィルムです。当時のカー用品店では手ごろな価格帯のものが多く、自分で張り付けを行うという人が多くいました。

今では車種別にあらかじめカットされているタイプや、貼り直しができるタイプなど種類も豊富に揃っていますが、昔は一発勝負。そのためエアー溜まりで気泡が入ってしまうことや、ごみが張り付いてしまう、ちょっとズレてしまうなんてことも多々ありました。

現在では自動車メーカーが純正でプライバシーガラスが採用されています。また道路運送車両法が改正され、規定の透過率以下のフィルムを貼った車は不正改造とみなされるということもあり、フルスモークを見かけることはありません。

・ムートン/チンチラ

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ダッシュボードなどのインパネ周辺に鮮やかなカラーの敷物を敷いていた車をよく見かけたものでした。「チンチラ」と呼ばれていたのは、その生地にちなむ名前です。リスやハツカネズミといった、いわゆる「げっ歯類」に属する動物の毛によく似た風合いの布であることからそう呼ばれていました。

現在では高級素材を使用したシートカバーや内装に最初から仕上げられていますが、90年代にはそういった仕様がありませんでした。なければ作るという思想が働いたからなのかは分かりませんが、自力で車を飾るつわものが多かった時代です。

ダッシュボードだけでは飽き足らず、シートやドアまでチンチラ仕様でコーディネートという人も見かけました。現在でもチンチラのカスタマイズパーツを販売するところもあるようですが、かなりの少数派といえるのではないでしょうか。

チンチラのほかに流行った内装カスタムで忘れてならないのは、ムートンです。羊毛を使用したゴージャスな雰囲気はバブルの象徴だったのではないでしょうか。シートに取り付けられたフワフワ感の座り心地は、とっても良かったものです。

そういった内装のカスタムを好んでいたのは、セダンのユーザーたち。とても懐かしく思い出しているそこのあなたは、立派なおじさん世代なのかもしれません。

走り屋御用達のパーツ

同じ時代でありながらも、走り屋に人気があったカスタムパーツはちょっと違います。どんなカスタムが人気だったのか早速見ていきましょう。

・エアロミラー

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ドアミラーを小型化し、空気抵抗を抑えるとして人気になったのがエアロミラーでした。その中でも、『ガナドール』の「スーパーミラー」はデザイン性の高さで人気を集めます。車種別に用意されており、搭載した時のフィット感は抜群でした。

脱落可倒式を採用していたため、車検対応となる点もポイントのひとつ。視認性は低くなっても、カッコよくて目立つことができるアイテムでした。現在は販売を終了していることから、懐かしさもひとしおです。

・ステアリング交換

車を購入して最初に行ったのはステアリング交換という人も多いのではないでしょうか。

現在でも人気の高い『MOMO』や『ナルディ』、『スパルコ』に加え、残念ながら廃盤となってしまった『イタルボランテ』など、選ぶことが難しいほどメーカーが豊富でした。

現在では安全装備であるエアバッグの登場で、わざわざ交換するメリットが見出せないという人もいるのではないでしょうか。保険会社のエアバッグ割が使用できないことや、自分で交換しようとしても、内装のバラ仕方がわからないことも多くなってきました。

昔の車は、もちろんエアバッグは装備されていません。今考えるとアウトローな感じもする90年代ですが、どれほど簡単に装着できたかを紹介しておきましょう。

  1. ホーンのヒューズを抜いておく
  2. ステアリングの裏側のネジを外す
  3. ステアリング中央のカバーを外す
  4. 中央のナットを十字レンチで外す
  5. 社外ステアリング用のボスを取り付け、ステアリングを固定
  6. ホーンの配線を取り付ける

という簡単な手順で完了でした。あとはステアリングがまっすぐかどうかという、センターが出せているかを確認するだけで、自分好みのステアリングの出来上がりです。ホーンボタンに輝く社外メーカーの文字に心が躍ったものでした。

・パーソナル無線アンテナもどき

当時流行ったものの中に「パーソナル無線」がありました。車内に無線機の本体を取り付け、仲間同士の連絡を取る際に使用されていたものです。例えば、どこで検問をやっているとか、パトカーが来るなどの情報交換を行います。

漫画『頭文字D』でも、バトルを始めるとなると、トランシーバーで一般車両の確認を行っている様子が描かれていました。しかし、本当にパーソナル無線機を積んでいる車は少数派。免許が必要だったため、一般的ではありません。

そこで、ダミーアンテナだけルーフに取り付けた車が大量に見受けられました。ちなみにどのようなものを代用していたかというと、静電気防止アンテナ。カッコよくて安く取り入れられるアイテムは、広く普及するものです。

・顔面移植

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フロントマスクをほかの車と入れ替えるスワップ車、又は2台の車を1台につなげてしまうニコイチは、すべて同じ意味の車を指す言葉。大規模な改造車といえるかもしれません。漫画『頭文字D』の中で佐藤真子が操る車として登場した「シルエイティ」はあまりにも有名になりました。

『シルビア』の顔で車体は180SX。その反対のバージョンとして「ワンビア」もあります。あまり有名ではないかもしれませんが、顔が『ソアラ』で車体は『スープラ』の「ソープラ」などもあったようです。

2009年の『モーターショー』で話題となったのは、「オデビア」。顔が『オデッセイ』で車体は『シルビア』です。車体の「シルビア」は13限定だったようで、興味をそそられます。そして2020年に行われた『大阪オートメッセ』ではさらにスゴイ車が登場しました。

『センチュリー』顔したセルシオや、『トヨタ 86』顔の『フェアレディZ』。もはやなんという名前なのかも分かりません。昔を思い出させる顔面移植がブームを起こすのか、期待が高まります。

まとめ

日本自動車博物館

平成世代には何とも面倒で煩わしそうな、カスタムが並んでいるかもしれません。その面倒さが面白かった昭和世代。車本来のカッコよさに、自分らしさをプラスしたい、そんな熱い車好きが多かった良き時代でした。

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