買取相場 | 2020.03.30
惜しくも生産終了のレガシィB4、買取相場はどのように推移しているのか?
Posted by 廣瀬英俊
SUBARUと言えばレガシィ、といえるほど、レガシィはSUBARUを代表する車種です。 レガシィの歴史は古く、初代は1989年に発売されて以降、モデルチェンジを経て1998年12月に『レガシィ B4』が独立して誕生し、現行で6代目となるフラッグシップモデルとなります。 レガシィB4は、SUBARU技術の水平対向エンジンである『ボクサーエンジン』が、抜群の走行安定性とスポーティな走りを演出し、セダンでありながら4WDを搭載している事が最大の特徴であり、これが『B4』の車名の由来(ボクサーエンジンの”B”と4WDの”4”)ともなります。 また、その走行性能の高さから北米などの寒冷地域での人気が高く、輸出需要もあります。 しかし、近年のセダン人気の低迷を受け、2020年末には生産終了が決定しています。 そんなレガシィB4が、中古車市場ではどんな値動きをするのか見ていきましょう。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
レガシィB4の中古市場での人気について
レガシィB4は、代えのきかないミドルサイズの4WDスポーティセダンという事で、1度乗ってしまうと他車に乗れない!という口コミが多数見られ、初代から現行の6代目まで乗り継いでいるユーザーが多い車種となります。
この事から、生産終了が決まっている今、中古車市場での価値は上がっていく事が予想されます。
買取査定額が期待できるレガシィB4の人気グレード
レガシィB4は、ベースグレードの『B-スポーツ』と『リミテッド』の2グレードからなる、シンプルなラインナップとなっています。
人気となるのはリミテッドとなり、新車時の販売価格差は約30万円となりますが、エンジンに違いはなく、どちらも自然吸気の2.5Lエンジンとなります。
また、レガシィB4と聞くとターボモデルと思いがちですが、現在はターボ搭載のモデルはありません。
エクステリアの違いはタイヤサイズとなり、ベースグレードは17インチ、リミテッドは18インチ。インテリアではシートのメインが本革使用か否かなど、多所に渡る違いはありせん。
ユーザーの多くは、より高級感がある18インチを決め手に選ぶようです。
買取査定額が期待できるレガシィB4の人気カラー
レガシィB4は、モノトーンカラー全6色のラインナップになり、人気はオプションカラーのクリスタルホワイトパールとなります。次に人気となるのはクリスタルブラックシリカで、重厚感を好む方に選ばれます。
次いでアイスシルバーメタリックが人気となり、こちらは雪道を走る方など、汚れが目立つのを敬遠する方に選ばれる色です。
この3色は他色に比べプラス査定が期待でき、4~5年程度で乗り換えるのであれば、プラス値も大きいため、ぜひ選んで頂きたい色になります。
3年落ちレガシィB4の目安査定額
3年落ち2017年式レガシィB4は、2014年10月から販売されている現行モデル(6代目)で、2016年9月の改良でアイサイトVer.3へ車線中央維持機能が追加されてアクティブレーンキープ(操舵補助)の作動速度も60km/h以上へ拡大、ステアリングヒーターも標準装備となりました。
2017年9月には全車速追従機能付クルーズコントロールの作動速度上限が100km/hから120km/hへ拡大され、後退時ブレーキシステムが追加されるなどアイサイトがさらに進化、リニアトロニックのマニュアルモードが従来の6速から7速化されるなど、大幅な改良が施されています。
オプション込みでのおおよその新車価格と2020年3月現在での平均買取相場は以下の通りです。
ベースグレード | 新車328万円/買取価格115万円程度 |
リミテッド | 新車351万円/買取価格135万円程度 |
平均買取価格 | 125万円程度 |
平均残価率 | 約37% |
7年落ちレガシィB4の目安査定額
7年落ち2013年式レガシィB4は、2014年10月まで販売されていた先代(5代目)の末期型で、2012年9月から従来は2.5リッター車(自然吸気エンジンの2.5i系とターボエンジンの2.5GT系)のみに設定されていた安全運転支援システム「アイサイト」(当時はまだモノクロカメラのVer.2)が、2リッター直噴ターボの2.0GT DIT系にも搭載されるようになっています。
2013年5月の改良では内外装や装備を充実させた「2.5iアイサイトSパッケージ」や、安価なエントリーモデルとして特別仕様車「2.5i Bスポーツ」系が追加されますが、同時にターボ車の2.5GTアイサイトが廃止されたため、2013年式が最後のレガシィターボとなりました。
オプション込みでのおおよその新車価格と2020年3月現在での平均買取相場は以下の通りです。
2.0GT DIT | 新車375万円/買取実績なし |
2.0GT DITアイサイト | 新車387万円/買取価格45万円程度 |
2.0GT DIT スペックBアイサイト | 新車366万円/買取価格87万円程度 |
2.0GT DITアイサイト プレミアムレザーセレクション | 新車400万円/買取価格56万円程度 |
2.5i Bスポーツ | 新車260万円/買取実績なし |
2.5i Bスポーツ アイサイト | 新車272万円/買取実績なし |
2.5i Bスポーツ アイサイトGパッケージ | 新車289万円/買取価格44万円程度 |
2.5i Lパッケージ | 新車290万円/買取価格45万円程度 |
2.5iアイサイト | 新車301万円/買取価格34万円程度 |
2.5iアイサイトSパッケージ | 新車313万円/買取価格36万円程度 |
2.5iアイサイトSパッケージ プレミアムレザーセレクション | 新車325万円/買取実績なし |
2.5iアイサイトts | 新車388万円/買取実績なし |
2.5GTアイサイト | 新車366万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 49万円程度 |
平均残価率 | 約15% |
10年落ちレガシィB4の目安査定額
10年落ち2010年式レガシィB4は、2009年5月から2014年10月まで販売されていた先代モデル(5代目)の初期型で、2010年5月から「アイサイトVer.2」搭載車が2.5iや2.5GTに設定された一方、「2.5GT Sパッケージ」や2010年6月発売の特別仕様車「2.5GT ts」に6速MT搭載車が残されているなど、先進技術と昔ながらのGTスポーツセダン的なレガシィB4が同居している時期でした。
オプション込みでのおおよその新車価格と2020年3月現在での平均買取相場は以下の通りです。
2.5i(CVT) | 新車243万円/買取実績なし |
2.5i Sスタイル(CVT) | 新車250万円/買取価格14万円程度 |
2.5i Lパッケージ(CVT) | 新車284万円/買取価格14万円程度 |
2.5i Lパッケージリミテッド(5AT) | 新車293万円/買取価格15万円程度 |
2.5i Sパッケージ(CVT) | 新車300万円/買取価格14万円程度 |
2.5i Sパッケージリミテッド(5AT) | 新車319万円/買取価格15万円程度 |
2.5iアイサイト(CVT) | 新車301万円/買取価格11万円程度 |
2.5iアイサイトスポーツセレクション(CVT) | 新車336万円/買取実績なし |
2.5GT(5AT) | 新車306万円/買取価格17万円程度 |
2.5GT Lパッケージ(5AT) | 新車336万円/買取実績なし |
2.5GT Sパッケージ(6MT/5AT) | 新車359万円/買取価格21万円程度 |
2.5GT SIクルーズ(5AT) | 新車362万円/買取価格39万円程度 |
2.5GTアイサイト(5AT) | 新車354万円/買取価格28万円程度 |
2.5GTアイサイトスポーツセレクション(5AT) | 新車387万円/買取実績なし |
2.5GT ts(6MT/5AT) | 新車443万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 19万円程度 |
平均残価率 | 約6% |
レガシィB4を高く売るためのポイント
まだパワフルな5ナンバー4WDスポーツセダンだった時代とは異なり、近年のレガシィB4はスポーティでこそあれ、どちらかといえばラグジュアリー要素の強い大型セダンとなっているため、限定販売されるスポーティな特別仕様車を除けば走りより質感や高級感、カスタマイズよりノーマルで使用感も少ない方が査定にプラス要素となります。
もしドレスアップするとしてもアルミホイール程度、それも査定時には純正ホイールに戻すなど、カテゴリー自体が不人気な4ドアセダンだけに、高額買取査定狙いならできる限り現オーナーの個性を残さないことがポイントです。
レガシィB4の走行距離による値動きの変化
歴代レガシィB4の2020年3月現在における走行距離ごとの買取相場を紹介します。
15万km台 | 8.7万円~8.7万円 |
14万km台 | 6.3万円~53.7万円 |
13万km台 | 8.7万円~50.1万円 |
12万km台 | 5.9万円~21.0万円 |
11万km台 | 9.1万円~27.4万円 |
10万km台 | 6.3万円~97.3万円 |
9万km台 | 5.9万円~56.6万円 |
8万km台 | 7.3万円~86.3万円 |
7万km台 | 12.0万円~103.1万円 |
6万km台 | 8.4万円~113.5万円 |
5万km台 | 6.3万円~130.4万円 |
4万km台 | 5.9万円~134.2万円 |
3万km台 | 7.3万円~152.0万円 |
2万km台 | 8.7万円~175.1万円 |
1万km台 | 45.2万円~184.7万円 |
レガシィB4としては1998年12月発売の3代目以降長い歴史を持つため、長距離を走りこんだ車からまだ年式も新しく走行距離の少ない車まで様々ですが、おおむね5万km台と10万km台を超えたところに買取査定額が落ち込む走行距離があるのは大抵の車と同様の傾向です。
事故車・修復歴ありのレガシィB4の場合は?
海外に比べて、日本では極端に事故・修復歴あり車両を特に敬遠する傾向にありますから、査定額にも大きく影響してしまいます。
少し古いデータになりますが、2015年時に買取の、6年落ち2009年式レガシィB4では、エアバッグ未作動・エンジン破損無しの比較的軽度の事故車でも、買取価格は15万円となっています。
目安としては、修復歴有り車の場合の査定額は、通常の買取価格の65%~70%と言われています。
レガシィB4の残価率・リセールバリューは?
レガシィB4は、SUBARU技術の水平対向の『ボクサーエンジン』と四輪駆動のメカニズムで、悪路も走破できる希少なセダンとなっています。
ただ、セダン車であるため、幅広い世代から支持されるモデルとは言い難い面もあり、販売台数は多くはありません。
では実際にどれだけの残価値となるのか、グレードを限定して見てみましょう。
まず、3年落ち2016年式の『リミテッド』では、新車時販売価格3,153,600円に、ディラーオプション装備代として10%を加味すると、購入金額は約347万円程度になります。
その後3年経過時の平均買取額は1,330,000円となり、平均残価率は35%~40%程度となります。
次に、7年落ち2012年式の『2.0GT DTI』では、同じく新車時販売価格3,433,500円に、ディラーオプション装備代として10%を加味すると、購入金額は約378万円程度になります。
その後、7年経過時の平均買取額は510,000円となり、平均残価率は11%~16%程度となります。
その走りの特性から、ターボモデルは需要があり、プラス査定が期待できます。
また、希少なプレミアムスポーツセダンですから、希望条件で市場に出回るのを根気強く待っているユーザーがいるモデルでもあります。
レガシィB4は、近年のセダン低迷の影響を受け、2020年秋には販売終了が予定されています。
そうしますと、今後価値は下げ止まり、上がる事も予想されます。
売却を検討する際には、タイミングの見極めが大事と言えるでしょう。
レガシィB4を売るのにベストなタイミングは?
かつて日本の道でもちょうどいいサイズでパワフルな2リッターターボエンジンも搭載し、ボクサーサウンドを響かせていた4WDスポーツセダンだったというのは昔の話で、4代目以降のレガシィはスバルの北米重視・北米偏重主義の影響でモデルチェンジのたびにサイズアップし、トヨタ・クラウンと比べても全長4,800mmはやや短いものの、全幅1,840mmは上回るなど、日本国内向け日本車としては限界の大きさになっています。
さらに4ドアセダン不振、燃費性能は昔ほど悪くはないもののハイブリッド車が存在せず、スポーツモデルは時々限定の特別仕様車が発売されますが、基本的には一回り小さいWRX系(S4やSTI)が受け持つとあらば、正直なところレガシィB4はもはや日本で販売するのに適した車ではなくなってしまいました。
需要の弱さは買取市場でも冷酷に反映されており、3年落ちで平均残価率37%はまだこのジャンルで自動車の安いダウンサイジングターボ車もないのに健闘しているともいえますが、7年落ち(平均残価率が約15%)、10年落ち(同、約6%)の先代モデルは型落ちであるという以上に残価率の下落ばかりが目立ちます。
このように需要が少ない状況でもまだレガシィB4に乗っているのならば、スバル車が好きであえて他の不利な部分は妥協し、こだわりを持って乗っているユーザーが多いと思いますし、2018年4月以降はアウトバック(ワゴンのクロスオーバーモデル)を含めても月販1,000台売れないどころか500台を切る月もあるほどなので、次期レガシィB4があるとしても、もう日本では販売しない可能性大ですから、高価販売は期待せずに乗り続けるのが吉です。
今後レガシィB4が日本で廃版になるとしても、現行モデルで希少価値が出そうなのは2016年9月に限定400台で発売された「スポルティーバ」くらいですし、むしろプレミアがつくのは旧型のSTIモデル(S401やS402など)やMT車に限られそうですから、特にこだわりがなく売却を視野に入れている現行レガシィB4ユーザーなら、価値が残っているうちになるべく早く査定を受けてみることをオススメします。