買取相場 | 2023.03.29
貴重な5ナンバーステーションワゴン、シャトルの買取査定額は?
Posted by UruCar
ホンダ シャトルは2019年現在、選択肢の少ない5ナンバーのコンパクトステーションワゴンの1台として売り出されています。 2019年5月にマイナーチェンジされ、エクステリア・インテリアの質感の向上やHonda SENSINGの8つの機能に加えハイ/ロービームを自動で切り替えるオートハイビームの設定が可能になるなどの改良を行いました。 今回は、フィットとの差別化を図るため2015年に車名を改めたシャトルの中古市場について詳しく調べました。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
シャトルの中古市場での人気について
シャトルは、クラス最大の570LのラゲッジスペースやJC08モードでの燃費がFFのガソリン車で22.0km/L、ハイブリッドで33.2km/Lと低燃費で荷物を多く積む機会の多い買い物や、レジャーなどで人を多く乗せたいけれど、駐車場の制約などでミニバンほど大きな車体は困る!という方に人気があります。
買取査定額が期待できるシャトルの人気グレード
シャトルのグレードは、1.5G ハイブリッド ハイブリッドX ハイブリッドZの4グレードが展開されています。また、すべてのグレードにHonda SENSINGが標準装備されます。
一般的にシャトルのような大衆グレードの車を探しているユーザーは、機能性を重視する傾向があります。安全性能はもちろん、前述した燃費もグレードの中では高く、LEDヘッドライト、フォグライト、パドルシフトなどのオプションが標準装備されている点で、特にミドルグレードであるハイブリッドXの人気が高いです。査定の面では、やはり最上位グレードのハイブリッドZが査定価格を高く狙えるグレードになります。
買取査定額が期待できるシャトルの人気カラー
シャトルのボディカラーは、8色展開されています。人気カラーは、プラチナホワイト・パールとクリスタルブラック・パールの白黒2色です。国内で人気が高い定番のカラーですね。他カラーと比較すると、買取相場は10万円〜15万円前後の開きがあるようです。
1年落ちシャトル(2022年式)の目安査定額
1年落ち2022年式シャトルは、3代目フィットをベースにしたステーションワゴンで、2015年5月の発売以降、トヨタのカローラフィールダーとともに「最後の国産5ナンバーステーションワゴン」として重宝されてきましたが、ビジネスグレードへ限定した継続販売で延命を図ることもなく2022年11月で販売終了した、最末期モデルです。
既にベース車のフィットは4代目へ移行、ハイブリッドシステムも従来の1モーター式i-DCDから2モーター式のe:HEV(旧名i-MMD)へ更新されており、4代目フィットベースで継続する価値がないとみなされたモデルは、セダンのグレイスともども廃止されました。
最後の改良となったのは、2019年5月のマイナーチェンジで、内外装を刷新したほか安全運転支援パッケージ「ホンダセンシング」にオートハイビーム(LEDヘッドライト装着車)を追加するなど機能強化した程度で、その後は同年10に消費税改定(8%→10%)で価格変更されたのみ、最後の3年間は特筆すべき改良が全くないままモデル廃止を迎えています。
ただ、「最後のホンダ製5ナンバーワゴン」という特徴、新車の早期納車が困難という情勢も影響してか、中古車が不人気というほどでもなく、1年落ちでの平均残価率もある程度キープしており、販売台数がパッとせずに廃止されたモデルの割にはリセールバリューが高めです。「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年3月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
(ガソリン車)
Gホンダセンシング::新車210万円/買取実績なし
(ハイブリッド車)
ハイブリッド ホンダセンシング:新車249万円/買取実績なし
ハイブリッドX ホンダセンシング:新車277万円/買取価格168万円程度
ハイブリッドZ ホンダセンシング:新車296万円/買取価格173万円程度
平均買取価格:約170万円
平均残価率:約59%
2年落ちシャトル(2021年式)の目安査定額
2年落ち2021年式シャトルは、3代目フィットをベースに派生したステーションワゴンで、トヨタのカローラフィールダーともども数少ない「5ナンバー登録の小型ワゴン」でしたが、2022年内で生産終了と言われており、後継車が出るかは記事執筆時点で不明です。
元は1980年代のシビックシャトル、さらに2010年代前半に2代目フィットベースのフィットシャトルと続いた一連の「シャトルシリーズ」末裔として2015年にベース車から車名を独立させて発売、1.5リッター純ガソリンまたはi-DCDハイブリッドシステムの2本立てなパワーユニットはフィットやグレイスと共通。
2021年式は2019年5月のマイナーチェンジで内外装に変更が加えられ、安全運転支援装備「ホンダセンシング」へ標準またはオプションでオートハイビームが追加されています。
2年前の2年落ち車(2019年式)と比べ、昨今の著しい納車遅延により新車が入手しにくく、タマ数不足で中古車価格も高騰していることや、ステーションワゴンというジャンル自体も再評価されつつあるためか、リセールバリューは若干ながら上がり、以前は平均残価率が50%切っていたのが、現在は超えるようになりました。
「オプション込みでおおよその新車価格」と、2023年3月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
(ガソリン車)
Gホンダセンシング | 新車210万円/買取実績なし |
(ハイブリッド)
ハイブリッド ホンダセンシング | 新車249万円/買取実績なし |
ハイブリッドX ホンダセンシング | 新車277万円/買取価格139万円程度 |
ハイブリッドZ ホンダセンシング | 新車296万円//買取価格168万円程度 |
平均買取価格 | 約153万円 |
平均残価率 | 約53% |
4年落ちシャトル(2019年式)の目安査定額
4年落ち2019年式シャトルは、日本国内では数少なくなった5ナンバーステーションワゴンの現行モデルで3代目フィットがベースです。2019年5月のマイナーチェンジで内外装の刷新がはかられたほか、LEDヘッドライト装着車は安全運転支援装備「ホンダセンシング」にオートハイビームが追加されました。
1.5リッターガソリンエンジンのみの標準モデルと、1モーター式ハイブリッドシステム「i-DCD」を組み込んだハイブリッドがあり、オプション込みでのおおよその新車価格と、2023年3月現在での平均買取相場は、それぞれ以下のようになっています。
【標準モデル】
G ホンダセンシング(FF/4WD) | 新車207万円/買取実績なし |
【ハイブリッド】
ハイブリッド ホンダセンシング(FF/4WD) | 新車244万円/買取実績なし |
ハイブリッドX ホンダセンシング(FF/4WD) | 新車272万円/買取価格132万円程度 |
ハイブリッドZ ホンダセンシング(FF/4WD) | 新車289万円/買取価格140万円程度 |
平均買取価格 | 136万円程度 |
平均残価率 | 約48% |
6年落ちシャトル(2017年式)の目安査定額
6年落ち2017年式シャトルは、2016年8月にインテリアライトのLED化など一部が改良されたモデルで、2017年9月には衝突被害軽減ブレーキを中心にいくつかの運転支援機能を備えたパッケージ「ホンダセンシング」が全グレードへ設定されました(レスオプションも可能)。オプション込みでのおおよその新車価格と2023年3月現在での平均買取相場は、標準モデルとハイブリッドそれぞれで、以下のようになっています。
【標準モデル】
G(FF/4WD) | 新車197万円/買取価格82万円程度 |
G ホンダセンシング(FF/4WD) | 新車206万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 82万円程度 |
平均残価率 | 約42% |
【ハイブリッド】
ハイブリッド(FF/4WD) | 新車231万円/買取価格93万円程度 |
ハイブリッド ホンダセンシング(FF/4WD) | 新車240万円/買取価格97万円程度 |
ハイブリッドX(FF/4WD) | 新車255万円/買取価格93万円程度 |
ハイブリッドX ホンダセンシング(FF/4WD) | 新車265万円/買取価格95万円程度 |
ハイブリッドZ(FF/4WD) | 新車273万円/買取価格96万円程度 |
ハイブリッドZ ホンダセンシング(FF/4WD) | 新車281万円/買取価格119万円程度 |
平均買取価格 | 99万円程度 |
平均残価率 | 約38% |
【総合】
平均買取価格 | 96万円程度 |
平均残価率 | 約39% |
8年落ちシャトル(2015年式)の目安査定額
8年落ち2015年式シャトルは、2005年5月に発売されたホンダの5ナンバーステーションワゴンの初期型で3代目フィットをベースとしており、それまで販売されていた2代目フィットをベースとした「フィットシャトルハイブリッド」の後継車です。
フィットシャトルハイブリッド同様に標準モデルとハイブリッド車が存在しております。オプション込みでのおおよその新車価格と2023年3月現在での平均買取相場は、それぞれ以下のようになっています。
【標準モデル】
G(FF/4WD) | 新車196万円/買取価格54万円程度 |
【ハイブリッド】
ハイブリッド(FF/4WD) | 新車229万円/買取価格68万円程度 |
ハイブリッドX(FF/4WD) | 新車251万円/買取価格68万円程度 |
ハイブリッドX スタイルエディション(FF/4WD) | 新車251万円/買取価格66万円程度 |
ハイブリッドZ(FF/4WD) | 新車271万円/買取価格84万円程度 |
ハイブリッドZ スタイルエディション(FF/4WD) | 新車272万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 72万円程度 |
平均残価率 | 約29% |
【総合】
平均買取価格 | 68万円程度 |
平均残価率 | 約28% |
シャトルを高く売るためのポイント
ステーションワゴンの魅力である「荷室の積載力と乗り心地の両立」は、日本ですと3列シートミニバンの3列目を畳めばおおむね実現できてしまいますし、実際に日本のステーションワゴンブームは、1990年代のごく短期間で終わってしまいました。
それ以降、特にステーションワゴンの人気ブランドとして存在する車を除けば、定番車種がビジネスワゴン的な用途を中心として存続するにとどまり、シャトルがエアウェイブなどフィット派生ステーションワゴンとして継続しているのも例外ではありません。
そのため市場における需要も供給も限定的で、ホンダセンシングなど特徴のある装備も査定上昇要素とは言いにくく、車内外に傷(特に手荒な扱いになりやすいラゲッジスペース)をつけないことや車内禁煙、査定前の入念な洗車によって、新車に近いコンディションを保ち続けるといった地道な努力が求められます。
シャトルの走行距離による値動きの変化
シャトルの2023年3月現在における走行距離ごとの買取相場の動向を、標準モデルとハイブリッドそれぞれで紹介します。
14万km台 | (ハイブリッド)33.6~44.3万円 |
13万km台 | (ハイブリッド)43.3~47.1万円 |
12万km台 | (標準)35.5~35.5万円 |
11万km台 | (ハイブリッド)41.4~52.6万円 |
10万km台 | (ハイブリッド)56.4~65.1万円 |
9万km台 | (ハイブリッド)46.0~74.7万円 |
8万km台 | (ハイブリッド)61.3~75.8万円 |
7万km台 | (標準)57.4~57.4(ハイブリッド)38.4~77.7万円 |
6万km台 | (標準)38.4~69.9(ハイブリッド)50.7~106.0万円 |
5万km台 | (標準)43.1~57.5(ハイブリッド)53.6~105.1万円 |
4万km台 | (標準)63.2~79.6(ハイブリッド)66.0~112.1万円 |
3万km台 | (標準)46.2~72.8(ハイブリッド)65.1~134.3万円 |
2万km台 | (標準)62.2~96.2(ハイブリッド)71.8~133.4万円 |
1万km台 | (標準)101.2~104.1(ハイブリッド)97.2~140.3万円 |
標準モデルはハイブリッドと異なり最初から上級グレードが存在せず、買取実績も少ないためあくまで参考値ですが、ハイブリッドの動向を見るだけでも3万km台、7万km台を超えるところで価格が一段と下落します。
発売から約6年経過したモデルのため、年間走行距離でいうと6,000kmまたは14,000kmを超えるかどうかが、ひとつの目安となるかもしれません。
事故車・修復歴ありのシャトルの場合は?
Honda SENSINGのお陰で事故率はだいぶ低くなりましたが、それでも避けられない事故が絶えないのも事実です。
一般的に、修復歴のある車はそうでない車の65%〜70%程の査定額で取引されています。
2年落ちのシャトルの場合、およそ81万円〜120万円程度で査定されることが予想できます。3年落ちで計算するとおよそ71万円〜91万円程での取引になります。この価格はあくまでも目安であって、事故の傷が大きければ、当然買取査定額もガクンと落ちます。
シャトルの残価率・リセールバリューは?
シャトルは、まだモデルチェンジされていない分、今のところ、値崩れもそこまでひどくない印象です。
具体的には、2年落ちのハイブリッドXでおよそ54%〜74%の残価率で推移しています。同グレードの3年落ちでおよそ47%〜60%の残価率になります。4年落ちになるとおよそ38%〜59%の残価率で推移しているようです。
4年落ちになると最低残価率が38%になることから、乗り換えを検討している方は、4年以内の売却検討をオススメします。
ソリッドウイングフェイスを用いることで、今までの優しい顔つきから厳つい顔つきへと変貌を遂げたシャトル。
現在の車業界では、数少ない5ナンバーのコンパクトワゴンとしてフィットシャトルからモデルチェンジした今も、シャトルはホンダを支えています。
シャトルを売るのにベストなタイミングは?
おそらくは登録済み未使用車(いわゆる新古車)も含まれる4年落ち2019年式でハイブリッド車の平均残価率が約48%とソコソコのリセールバリューを記録するのを除けば、6年落ち2017年式で約39%、8年落ち2015年式で約28%と、悲観的になるほど急激に価値が下がっていかない代わりに、常に少々低めです。
日本では非常に厳しい評価を受ける4ドアセダンほどではありませんが、新車同然の年式でもない限り、なかなか高額査定は出にくい一方で、多少古くなってもビジネスワゴンやレジャーで使い倒す用途で少ないまでも一定の需要がある車だけに、あまり高額買取のことは考えず、用途がある限り使い切る類の車といえます。
つまり、年式や走行距離、程度で売り時を決めるのではなく、「使い道がなくなった時が、売るのにベストなタイミング」という車です。