買取相場 | 2020.10.27
世界的に人気の日産のコンパクトハッチバック!ロングセラー車マーチの需要の高さは買取価格にどう影響してる?
Posted by 菅野 直人
シンプルで使いやすいパッケージデザインと、国内に限らず国外でも人気の高い車といえば、日産 マーチ。 マーチは、コンパクトカー志向の強いヨーロッパ市場をターゲットにし、世界中で通用する本格的なコンパクトハッチバック車として開発されました。 また、個性的でモダンな内外装のデザインも特徴的なポイントの一つ。 洗練されたコンパクトカーとして多方面から高評価を得ている車です。 そんな、世界的にも人気の高いマーチですが、2019年版の最新買取相場はどの程度なのでしょうか? 今回は日産 マーチの買取相場についてご紹介します。下取り価格や売却値で失敗しないためにも、是非参考にしてみましょう。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
マーチの中古車市場での人気について
マーチは1982年に発売が開始され、以降約30年間以上安定した売り上げを記録するロングセラーの車です。
親しみを感じるボディデザインや扱いやすいコンパクトなサイズ感がセールポイントの車であり、若い世代からシニア世代までの幅広い世代を購入層にしている車です。
そんなマーチですが、中古車市場でも安定した人気を誇り、コンパクトカーとしても上位の部類に入る台数が常に流通している、需要の高い車です。
年式が少し古い場合や、事故歴のあるマーチであっても買取価格がそこまで下がるわけではなく、高い金額で査定される可能性がありますので、安易に下取りに出さずに買取査定に出してみることをおすすめします。
買取査定額が期待できるマーチの人気グレード
マーチの中での高額な買取査定額が期待できる人気グレードは、燃費性能に優れるマーチ Xです。
マーチ Xは乗り回しの良いコンパクトなサイズ感の上に、燃費水準23.0km/Lの優れた燃費性能を兼ね備えたグレードとしてマーチの中でも特に人気の高いグレードです。
買取査定額を他のグレードと比べても、3万円〜5万円程度高めに査定額が出ているようです。
買取業者に持って行く前には、自分の車のグレードは何なのか、今一度確認してみましょう。
買取査定額が期待できるマーチの人気カラー
マーチの中でも、良好な買取査定額が期待できる人気カラーは、ブリリアンホワイトパールです。
真っ白なホワイトカラーの上に、真珠のような輝きを放つパール塗装を追加したことで、キラキラとした光沢感のあるデザインを生み出しています。
また若い世代からシニア世代までの幅広い層に人気の高いカラーとしても有名です。
マーチのカラーの中では定番色ともいえますね。
買取査定額を他のカラーと比べても、実際の買取査定額で3万円〜6万円程度、査定額に違いが出ているようです。
1年落ちマーチの目安査定額
1年落ち2019年式マーチは、2010年5月から販売されている現行モデル(4代目K13型)の後期型で、2017年7月にX Vセレクション系およびG系へ新グレードとして、「パーソナライゼーション」追加や、ボディカラーの拡充が行われたモデルです。
それ以降、2020年7月に衝突被害軽減ブレーキなど、予防安全装備が全車標準装備となるまで大きな変更はない時期ですが、2019年10月に消費税増税(8%→10%)で価格の変更が行われています。オプション込みでのおおよその新車価格と、2020年10月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
(通常モデル)
S(FF) | 新車128万円/買取価格36万円程度 |
Sプラムインテリア(FF) | 新車143万円/買取実績なし |
X Vセレクション/X Vセレクション パーソナライゼーション(FF) | 新車155万円/買取価格40万円程度 |
G/Gパーソナライゼーション(FF) | 新車175万円/買取実績なし |
X FOUR Vセレクション/X FOUR Vセレクション パーソナライゼーション(4WD) | 新車174万円/買取実績なし |
G FOUR/G FOURパーソナライゼーション(4WD) | 新車193万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 38万円程度 |
平均残価率 | 約27% |
(ボレロ/ニスモ)
ボレロ(FF/4WD) | 新車188万円/買取実績なし |
ニスモ(FF) | 新車179万円/買取実績なし |
ニスモS(FF) | 新車207万円/買取価格87万円程度 |
平均買取価格 | 87万円程度 |
平均残価率 | 約42% |
(総合)
平均買取価格 | 62万円程度 |
平均残価率 | 約35% |
3年落ちマーチの目安査定額
3年落ち2017年式マーチは、2010年7月から販売されている現行モデル(4代目K13型)の後期型で、2017年7月のグレード追加で、「X Vセレクション」と「G」および、それらの4WD車へ、ドアロック連動自動格納付き電動格納式リモコンドアミラー、前後アウトサイドドアハンドル、フルホイールカバーをいずれもホワイト色で装備した「パーソナライゼーション」を設定しました。オプション込みでのおおよその新車価格と、2020年10月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
(通常モデル)
S(FF) | 新車127万円/買取価格19万円程度 |
Sプラムインテリア(FF) | 新車142万円/買取実績なし |
X/X Vセレクション/X Vセレクション パーソナライゼーション(FF) | 新車151万円/買取価格16万円程度 |
G/Gパーソナライゼーション(FF) | 新車173万円/買取価格12万円程度 |
X FOUR/X FOUR Vセレクション/X FOUR Vセレクション パーソナライゼーション(4WD) | 新車170万円/買取価格28万円程度 |
G FOUR/G FOURパーソナライゼーション(4WD) | 新車190万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 19万円程度 |
平均残価率 | 約12% |
(ボレロ/ニスモ)
ボレロ(FF/4WD) | 新車184万円/買取価格40万円程度 |
ニスモ(FF) | 新車176万円/買取実績なし |
ニスモS(FF) | 新車202万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 40万円程度 |
平均残価率 | 約22% |
(総合)
平均買取価格 | 29万円程度 |
平均残価率 | 約17% |
5年落ちマーチの目安買取査定額
中古車の中でも、比較的安定した高値がつきやすい年式は5年以内と言われています。5年落ちマーチの場合はどうなのか、みていきましょう。
例えば、5年落ち3万キロ以内のマーチ ニスモSでは67万円〜70万円程度。
5年落ち5万キロ以内のマーチ ニスモの買取査定額は48万円〜52万円くらいまでが出ているようです。
5年落ちマーチのおおよそ買取相場は48万円〜70万円の間です。
5年落ちマーチの中でも、もちろんグレードによって価格に変動があります。
上級グレードになるほど高値で買い取られる傾向があります。
7年落ちマーチの目安買取査定額
中古車として車を売却するタイミングは5年がひとつの目安と言われていますが、7年落ちマーチの場合はどうなのか、みていきましょう。
例えば、7年落ち3万キロ以内のマーチ ボレロでは41万〜45万円程度。
7年落ち5万キロ以内のマーチ ニスモSの買取査定額、38万円〜42万円くらいまで出ているようです。
7年落ちマーチのおおよそ買取相場は38万円〜45万の間です。
10年落ちマーチの目安査定額
10年落ち2010年式マーチは、2010年7月から販売されている現行モデル(4代目K13型)で、2013年6月にマイナーチェンジを受け、オーテックバージョンによりカスタマイズされた「NISMO」および、チューニングを受けた5MT専用モデル「NISMO S」を追加した後期型です。
2014年5月には、廉価グレード「S」にプラム色の内装を施した新グレード「Sプラムインテリア」を追加しました。オプション込みでのおおよその新車価格と、2020年10月現在での平均買取相場は、以下の通りです。
(通常モデル)
S(FF) | 新車125万円/買取価格12万円程度 |
Sプラムインテリア(FF) | 新車140万円/買取価格12万円程度 |
X/X Vセレクション(FF) | 新車147万円/買取価格9万円程度 |
G(FF)X FOUR/X FOUR Vセレクション(4WD) | 新車166万円/買取価格12万円程度 |
G FOUR(4WD) | 新車187万円/買取実績なし |
平均買取価格 | 11万円程度 |
平均残価率 | 約8% |
(ボレロ/ニスモ)
ボレロ(FF/4WD) | 新車182万円/買取価格17万円程度 |
ニスモ(FF) | 新車174万円/買取実績なし |
ニスモS(FF) | 新車200万円/買取価格40万円程度 |
平均買取価格 | 28万円程度 |
平均残価率 | 約14% |
(総合)
平均買取価格 | 20万円程度 |
平均残価率 | 約11% |
事故車・修復歴ありマーチの場合は?
マーチの場合、たとえ事故車や修復歴ありの車であっても、ある程度の値段で売れる可能性があります。実際に売却された買取実績をみていきましょう。
例えば、11年落ち10万キロのマーチ 1.2 12SRでは、3万円〜5万円程度。
修復歴あり、マーチ ニスモSでは、32万円〜35万円くらいまでの査定額が出ているようです。
マーチの事故車のおおよそ買取相場は2万円〜5万円。
修復歴ありマーチのおおよそ買取相場は28万円〜35万円の間になります。
マーチの残価率・リセールバリューは?
マーチは国内に限らず、国外でも高い人気を誇る車です。
マーチも、グレードによって残価率やリセールバリューも高く数値が出てきます。
例えば、3年落ちマーチ XVセレクションでは、45%〜48%程度。
3年落ちマーチSで、38%〜41%くらいまでのリセールバリューが出ているようです。つまり、マーチの場合は新車購入から3年後の残価率で40%弱から50%程度の数値が出ることになります。
これは、コンパクトカーとしては決して悪くない水準と言えるでしょう。
中古車の場合は、グレード、年式、走行距離、車種の状態の4つが重要です。
この4つの条件が良い状態であるほど、高価買取が期待できます。
今乗っているマーチの状態を確かめてから、買取業者に持っていきましょう。
マーチを高く売るためのポイント
軽自動車と人気コンパクトカー、ノートの中間であり、自動車税の安いリッターカーでもなく、デザインや車内レイアウトが特に日本人好みというわけでもないため、買い物など街乗り用実用車、パーソナルカーとしての現行マーチを高く売る、というのはなかなか難しい相談です(3代目以前ならば人気モデルでしたが)。
ただし、先代以前から人気だったオーテックジャパンによる純正カスタム車「ボレロ」や、スポーティなドレスアップ仕様「NISMO」およびチューニング仕様「NISMO S」といった趣味性の高いグレードは、別格の人気があります。
そのため、現行マーチの通常モデルでも、たとえば高価なアルミホイールを履かせるなどワンポイントのドレスアップ、ETCなど後付け装備やオプション品の充実と正常動作が、少しでも高く売るためのポイントとなりそうです。
マーチの走行距離による値動きの変化
マーチの2020年10月現在における走行距離ごとの買取相場を、同じような年式・走行距離でも査定額が大きく異なる現行の通常モデルと、ボレロ/NISMO/NISMO Sの2つに分けて紹介します。
(通常モデル)
12万km台 | 5.1万円程度 | 6万km台 | 5.1~13.0万円 |
11万km台 | 5.1万円程度 | 5万km台 | 5.1~18.0万円 |
10万km台 | 8.5~9.8万円 | 4万km台 | 5.1~30.5万円 |
9万km台 | 5.1~6.5万円 | 3万km台 | 5.1~17.0万円 |
8万km台 | 5.1~9.9万円 | 2万km台 | 5.1~34.4万円 |
7万km台 | 5.1~10.0万円 | 1万km台 | 5.1~45.6万円 |
(ボレロ/NISMO/NISMO S)
13万km台 | 21.0万円程度 | 6万km台 | 5.1~33.4万円 |
12万km台 | – | 5万km台 | 8.5~57.4万円 |
11万km台 | 21.0~22.0万円 | 4万km台 | 11.5~69.5万円 |
10万km台 | – | 3万km台 | 9.4~17.0万円 |
9万km台 | 5.1~33.2万円 | 2万km台 | 9.4~95.0万円 |
8万km台 | 7.5~7.5万円 | 1万km台 | 71.6~78.8万円 |
7万km台 | 5.1~50.6万円 |
人気車種というわけではない実用車であることや、2010年7月モデルチェンジで初期型は10年落ちになるだけあって、通常モデルは距離に関わらず、年式が古ければ「程度さえよければ5万円以上の値がつき、それ以外は部品取りとして価値があるかどうか」ということになります。
中古車買取らしい値段がついてくるのは、高年式で程度良好、4万km台までの車に限られてくるため、ある程度は「よほどすぐ手放すのでもなければ、乗り倒す」という割り切りが必要です。
ボレロやNISMO、NISMO Sに関しては、事情が全く異なり、年式が古く走行距離も多いボレロやNISMOは、さすがに年式なりで安いものの、通常モデルよりはるかに好条件で買い取られ、NISMO Sともなれば、相当走りこんでいても「趣味性の高いコンパクト・ホットハッチ」として、年式や走行距離の割にかなり高価買取が見込めます。
マーチを売るのにベストなタイミングは?
これも通常モデルと、ボレロ/NISMO/NISMO Sで全く違う話になり、通常モデルは初回車検まで、走行距離も少なめに収まっている段階で、まず「車検を通すか、売って次の車に乗り換えるか」を検討し、そこで売らないのであれば、いつ売却しても買取査定に大きな影響は与えないものと考えた方が良さそうです。
つまり高価買取だけ考えるのであれば、長く所有する車ではない、ということになり、純正カスタム仕様のボレロやNISMOも、通常モデルよりやや付加価値は高いものの、似たような傾向となります。
ただし、通常の1.2リッターエンジンではなく、116馬力にチューニングされた1.5リッターエンジンへ5速MTを組み合わせたNISMO Sだけは全くの別格で、マーチRやスーパーターボなど尖ったモデルが多かった初代、通常モデルでもスポーティさが評価された2代目、12SRや15SRなどスポーツモデルが高評価だった3代目の伝統を受け継ぐホットハッチです。
いつ売却しても年式や走行距離、程度によるとはいえ、通常モデルよりかなり高い査定を受けることができますが、次期マーチ、もしくはそれに相当する新型車にMTで操るのが楽しい類のホットハッチが設定されなかった場合、将来的にプレミア価格がつく可能性は少なくありません。
事情により手放す、あるいは程度良好を維持できる環境にないのであれば、仕方がありませんが、そうでなければプレミアがつくまで手元に置いていてもよいでしょう。
2019年9月に後継のカローラツーリングが発売されて以降も、マーチは1.5リッターガソリン車および、同ハイブリッド車の廉価グレードに限り、主にビジネス用途を想定して販売継続されています。
これはカローラツーリングが3ナンバー車であることや、小型のワゴンボディ車であるプロボックス/サクシードが4ナンバーのライトバン仕様のみで、5ナンバーのワゴン仕様が廃止されているため、トヨタで唯一の5ナンバーステーションワゴンであるためです。
他に国産5ナンバーワゴンは、ホンダのシャトルくらいしかないため、数は少なくともライバルがほとんどない中、数少ない需要に応えるべく継続されています。
ただ、基本設計が古いことや、同じく数少ない5ナンバーセダンのカローラアクシオ、プレミオ/アリオンが車種整理により後継車で統合されるという噂もあり、その後継車ベースのワゴンモデルが、マーチ後継として登場する可能性は皆無ではありません。
そうなると、現行マーチでさえも「型落ち」でさらに価値が下がる可能性が出てきますが、それがいつかは全くわかっていませんし、そもそも3年落ちで平均残価率が約30%程度、6年落ちの場合、現行モデルにも関わらず15%程度にまで下がる車種で、少なくとも人気車種とは言えないため、今さら「型落ちで価値が下がる前に売れば高価買取!」という車でもないのが実情です。
現実的な回答としては、「購入時に想定していた用途がなくなるか、他の車に乗り換えたくなった時が売りどき」であり、ベストなタイミングと言えるでしょう。