コラム | 2021.10.22
車をチューニングしたい!予算別に換えることができるパーツをご紹介
Posted by KAKO MIRAI
車をカッコよくしたい、速くしたいと考えても、そこに立ちはだかるのは予算の壁。もちろん車の性能をどのように変えていきたいのかという目的が明確ならば、その方向へ突き進むしかありません。もし車を少しだけチューニングやカスタマイズしたいと漠然と考えているなら、どんなパーツがどれくらいで購入できるのかはチェックしたいところです。まずは基本に立ち戻って、知識を復習してみませんか。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
チューニングとカスタマイズとは
まずは言葉の違いについてですが、チューニングは「調和」「調律」を意味するもの。またカスタマイズは「改造」を意味することからも、かなり大きな違いがあるといえるでしょう。車に置き換えてみると、チューニングは100%の性能を発揮できる車を作り上げることになるといえるでしょう。
車のポテンシャルを十分に引き出し、整備が行き届いたレースカーのような車がイメージしやすいかもしれません。そう考えると、どこをどのように走りたいのかによってチューニングするパーツも大幅に異なってくるといえるでしょう。
またカスタマイズは、自分の好みに車を作り上げることなので、好みに合わせたパーツやアイテムを装着した車といえます。好きなホイールに換えたりシフトノブを変更したりすることが、実はカスタマイズということになるのです。
本来の意味が分かったところで、今回は大きな意味でチューニングに含めます。そのためホイールも走行性を重視したチューニングに適したものとしてご理解ください。
チューニングにもジャンルがある!
セッティングを換えて走行する場所には、どのような所があるのかご紹介しておきましょう。
ストリート
名前通りに街中でも通常の走行性能を保ち、快適性能を犠牲にすることなく速さを求めるチューニングのことをいいます。特別な仕様が定義されているわけではないため、自分の好みに仕上げることが可能です。
『D1』 では内装の完備とオーディオの装備、エアコンの装備が最低条件とされており、これらが設置されていれば、ストリート仕様と言い張ることもできます。ライトな吸排気系のチューニングをはじめ、ECU。ポン付けタービンなどが含まれているようです。
その他にはエアロパーツを装着やローダウン、車高調整式サスペンションなどもストリートにはいります。
グリップ
グリップ走行とはタイヤと地面の摩擦力を活かした走行を目的にした走りのこと。グリップ力を高めることでブレーキング時に短い距離で停止することができるほか、コーナーでは横滑りを最小限にして曲がることを可能にしています。
通常の走行と異なる点は、そのスピードです。コーナーを走行する際に、通常なら膨らんだ軌道となってしまいます。しかしグリップ走行では、インベタで走行することができるというものです。
サーキットでのレースやタイムトライアルなどでは、内装やオーディオ、エアコンなども剥がして軽量化したいライトウェイトカーに多く見られます。そのほかにも内装にはロールゲージ、外装にはエアロパーツを取り付けて、ダウンフォースを得るなど、さまざまなパーツが取り付けられているようです。
ドリフト
車を意図的に横滑りさせ、コントロールすることが必要な走行スタイル。ステアリングだけではなくアクセル、ブレーキやサイドブレーキ、クラッチを操作してスライド状態を維持したまま進行方向を調節しなければなりません。
市販車をベースにチューニングされるドリフトは、パワーとトルクが重要です。そのためインタークーラー、ターボ、マフラーなどの吸排気系に手を入れることが多くなります。そのほかにはサスペンションなどの足回りに加え、駆動系ではLSDの装着なども取り入れられているようです。
ドラッグ
アメリカで盛んなドラッグは、停止した状態からスタートし、一気にフル加速しゴールまでを2台で競うというもの。最も重要となるのはエンジンパワーですが、加速に耐えることができるトラクション性能も必要です。
とてつもないパワーを必要とするドラッグでは、他のジャンルでは見ることのできないようなサスペンションをセッティングします。またタイヤも直線グリップ性が重視される反面、コーナリング性能はほとんどない特殊なものを用いるものです。
チューニングの種類
そもそもですが、チューニングできるのはどこなのでしょうか。一般的に手を入れることができる部分は大きく分けて3つあります。足回り、エンジン、ボディに付いてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
足回りのパーツ
サスペンション
サスペンションは、サススプリングとダンパーを含むショックをまとめたもののことです。サススプリングはサスペンションの中の大きなバネで、コイルスプリングともいわれるもの。
スプリングにはバネの硬さ(バネレート)によって、車重や用途に合わせた適切な長さや硬さがあるので、購入時にはショップに相談することをおすすめします。サスペンションの役割としては、路面からの衝撃緩和やタイヤを路面に押さえつけることといえるでしょう。
ショックアブソーバー
路面からの衝撃を吸収した後、スプリングが元の位置に戻ろうとしますが、その動作を緩やかに戻す働きを担っているのがショックアブソーバーです。ショックアブソーバーがない状態では少しの段差でも車が跳ねてしまい、大きな衝撃を伝えることに。また車への負担にもなります。
車高調
スプリングとショックアブソーバーが一体となったサスペンションです。車高調には全長調整式、ネジ式のほかに、今では見かけなくなったCリング式があります。全長調整式は、その高さでもストローク量を一定にすることが可能です。またネジ式ではスプリングの下にあるロアアームのネジを上下させることで車高を調整するもの。車高を上げ過ぎると乗り心地が悪くなることがあります。
ブレーキパッド
車の制動に関わる重要なパーツで、急制動を伴う走行を繰り返すことによって寿命が短くなるものです。スポーツ走行を行う場合には減りが速いので、定期的な交換が必要になります。
ブレーキローター
ホイールの内側についている円盤状のもの。ブレーキパッドが挟み込むことで車の制動を停止させています。純正車が採用する「プレーンタイプ」や「スリットタイプ」「ドリルドタイプ」といったスポーツカーが採用する高性能なものもラインナップされているようです。
ブレーキキャリパー
ブレーキパッドをローターに押さえつけるもので、2ポット、4ポット、6ポットがあります。穴の数が多いほど制動力が高くなりますが、制御がしにくくなるというデメリットが難点です。
ディファレンシャルギア
デフと呼ばれることが多いパーツで、旋回時に車の左右輪の回転速度が同じでは曲がることができません。そこでディファレンシャルギアによって回転速度差を作り出し、スムーズな旋回を可能にします。
またディファレンシャルギアの差動に制限を加え、タイヤの空転を抑える役割を果たす「LSD(リミテッド スリップ デフ)」があります。例えばドリフト時のコントルール性を向上させることに有効です。
タイヤ
スポーツ走行に特化したタイヤといえばハイグリップタイヤが挙げられます。グリップ力の高さが体感できるといえるでしょう。また、スポーツコンフォートタイヤなどもラインナップされており、選択肢の幅は広がっています。
しかしグリップ力を高めるためにタイヤを太くし過ぎると、ステアリングを取られることや加速が悪くなることがあるので、注意してください。
エンジンパーツ
吸気系:エアクリーナー
空気をエンジンまでスムーズに送り込むためには、エアクリーナーが重要となります。吸入効率の向上が期待できるでしょう。
排気系:マフラー
排気は抜けを良くすることで効率をアップすることが大切です。パーツでいえばマフラーですが、純正ではパイプの曲がりやつぶれといった構造がネックになり、排気効率が良いとは言えません。対してスポーツマフラーであれば、曲がりを緩やかにして抜けの良い設計になっています。
排気系:メタルキャタライザー
排気ガス中の有害成分を浄化するための触媒もまた、抜けの悪さが問題です。純正ではセルと呼ばれる穴が細かく、排気効率が良いとはいえないのです。そこで開発されたのがメタルキャタライザー。セルを荒くして抜けの良さを追求しています。
過給機:ブーストコントローラー
ターボからエンジンに送られる空気の量を更に増やすことで、出力を高めることがブーストアップです。ブースト圧を高くしてエンジン性能を引き出すためには、ブーストコントローラーで制御する必要があります。
過給機:タービン交換
ブーストアップで満足できない場合には、タービン交換が挙げられるでしょう。タービンのサイズによって最大馬力の限界があるので、ビッグタービンを使用すれば出力アップも期待できるといえます。
過給機:インタークーラー
大容量のインタークーラーに変更することで酸素密度が高くなり、タービンで圧縮された熱を持った空気を効率よく冷やすことができるのです。ブーストアップやタービン交換に並ぶチューニングのひとつといえるでしょう。
過給機:燃料調整
通称「燃調」といわれることが多いもの。エンジンが吸い込んだ空気の量に対して、燃料の噴射量を調整する必要があります。噴射量を設定しているのはECUです。セッティングに関しては内容を把握することが難しく、一般的にショップなどで変更してもらうことがおすすめ。
点火系:プラグ交換
完全燃焼させるためには火花と着火が十分であることも重要な点です。プラグには燃焼ガスから受ける熱を逃がす必要があります。この熱を逃がす度合いのことを熱価といい数字で表すことができるものです。
番号の低いプラグは低温時の着火性に優れますが、反対の高温時にはプラグ自体の温度も上昇するので、異常着火によるノッキングを起こす可能性があります。またプラグの番号が高くなると高温時には強いですが、低温時に着火性が悪く失火の原因になることも考えられるでしょう。
熱価の高いものほどチューニングレベルが高く、低いものほどノーマルに近いといえます。点火のチューニングの中では、ポピュラーなチューニングなので、手を出しやすいもののひとつです。
ボディ:エアロパーツ
ボディに取り付けることで、空力力学を利用して揚力の低減やダウンフォースを得ることができます。また走行安定性を向上させる効果などが期待できるでしょう。種類は以下に挙げておきます。
ボディ:フロントスポイラー
正面から受ける風をボンネットの上から抜けるように調整する働きやエンジンの冷却効果、車体を地面に押し付けるダウンフォースなどを得ることができるでしょう。車体のフロント部分に取り付けるもので、バンパー、ハーフ、リップスポイラーなどがあります。
ボディ:サイドスポイラー
車体サイドドアの下にあるサイドステップに取り付けるものです。ダウンフォースやコーナリングでの安定性が向上します。
ボディ:リアウイング
車体後方に取り付けるもので、翼のような形状のものスポイラータイプのものがラインナップ。車体後方で発生する空気の渦を抑えることでリアタイヤの浮き上がりを抑えるものです。
予算別チューニングパーツ
車種によっても異なるため、相場として見てみると以下のようになります。またどのパーツでも、性能にこだわると数十万以上のものもあるので、愛車と予算に合わせたチューニングを選択することが重要です。
種類 | No | パーツ名 | 分類 | 金額 |
足回り | 1 | ブレーキパッド | 5万円未満 | ¥5,000~ |
2 | ブレーキローター | ¥15,000~ | ||
3 | ブレーキキャリパー | ¥20,000~ | ||
4 | タイヤ(ハイグリップ)1本 | ¥15,000~ | ||
5 | ショックアブソーバー | ¥10,000~ | ||
6 | サスペンション | 5万円以上 | ¥50,000~ | |
7 | 車高調 | ¥70,000~ | ||
8 | ディファンレンシャルギア | ¥70,000~ | ||
エンジン回り | 9 | エアクリーナー | 5万円未満 | ¥20,000~ |
10 | マフラー | ¥30,000~ | ||
11 | ブーストコントローラー | ¥30,000~ | ||
12 | メタルキャタライザー | ¥40,000~ | ||
13 | インタークーラー | 5万円以上 | ¥100,000~ | |
14 | タービンキット | ¥100,000~ | ||
内装 | 15 | スポイラー | 5万円未満 | ¥10,000~ |
16 | 3連メーター | ¥20,000~ | ||
17 | ロールバー | 5万円以上 | ¥50,000~ | |
18 | バケットシート | ¥100,000~ |
まとめ
チューニングは車の性能を引き出す手段です。しかしひとつのパーツを取り換えるだけで完成するというものではありません。重要なのはバランスの良いチューニングです。せっかくパーツを交換したにもかかわらず、性能が向上するどころか車を壊すことにもつながる可能性もあります。
どのような場所を、どのように走るかによって方向性も異なるもの。予算も関係することなので、効率よく性能アップを果たすためには信頼するショップに相談しながら進めることが前提です。パーツ交換をした後に明らかに車が軽くなる、その爽快感を体感してみてはいかがでしょうか。