コラム | 2020.10.04

それ違法改造かも?やってはいけない改造と違法改造車のリスク

Posted by 菅野 直人

1990年代半ばの規制緩和で、自動車の改造は「割と自由!」にはなったものの、当然保安基準に収まる範囲内でなければなりません。また、保安基準自体も年々厳しくなっているのが実情です。しかも生産時期によって「あり・なし」がバッサリ分かれるケースも多々あり、気が付かないうちに違法改造へ手を染めてしまっているケースもあります。今回は明らかな違法改造、もしかしたら違法改造かもというケースと、違法改造認定されてしまった場合のリスクを紹介します。

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「車検に通れば適法」というものではない

まず、大前提としてよく勘違いされているのが、「車検に通ったのだから違法改造じゃない」というパターンで、ハッキリ言ってしまえば、車検の検査ラインでは、そのような厳密な検査で違法改造をあぶり出すようなことはしません。

検査する内容といえば、基本は真っ直ぐ走るか、ブレーキを踏めば正常に止まるか、灯火類はキチンと作動し、照度や照射範囲もキチンと定められた範囲か、排ガスの成分や排気管(マフラー)からの騒音は規制値内か、ワイパーは動くか、スピードメーターは誤差範囲内か、床に穴など空いていないか、だいたいこのような内容です。

つまりは、「それ以外で何をイジっても、車検で落とすような検査項目がそもそもない」ですし、車検の時だけ適法に収める「偽装」だってありえます。

しかも検査は、あくまで検査官のサジ加減、性格やその日の気分によって細かく見る場合もあれば、最低限の検査項目だけで通す場合もあり、極端な話、「引っ越す前は車検OKだったのに、引っ越し先の検査場ではダメだと言われた」というケースもあるため、油断できません。

それであれば、一番無難なのは、「全くの無改造、フルノーマル」というわけで、近年は自動車メーカーの看板を掲げた正規ディーラーの場合、「アルミホイールを交換しただけで出入り禁止」というケースもあり、何らかの改造車が作業を受け付けてもらえないのは、当然と感じる空気が年々濃くなっています。

見つからないかもしれないけど、明らかな違法改造

IrinaK / Shutterstock.com

しかし、それならそれで考えよう!というわけで、改造する側もあの手この手で「お断り」をすり抜けようとします。ディーラーの社員にせよ、車検ラインの検査員にせよ、自動車に関わる専門職とはいえ、「自動車マニア」ではないため、純正に見せかけた場合に気づかないケースは多々あります。

例えばの話ですが、ある車のエンジンを全く異なるものへ換装(エンジンスワップ)したとしましょう。車検証での型式が変わらない範囲、たとえば同じ型式のターボあり・なし程度なら良いのですが、そもそも型式が変わり、しかも排気量が上がって、本来は自動車税も高額になるようなケースです。

「それなら型式が同じに見えればいいんだよね?」というわけで、エンジンブロックに刻まれた型式の刻印を削り、新たな刻印を打刻して、元のエンジンと同じ型式に見せてしまうようなケースも実際にあります。

そのようなケースは、車検証と違うエンジンに偽っているため違法改造、バレれば減点、罰金、さらに脱税ということで、違法改造どころか立派な刑事事件になります。

筆者が知っているだけでも、このようなケースは実在し、しかも全くバレないどころか雑誌の取材まで受けていて、そもそも本人にも、取材している雑誌にも違法の認識がないというおかしなことになっていますが、これはいわば「知らぬが仏」というもので、発覚すれば新聞沙汰になっても不思議ではありません。

他にも「明らかにフェンダーからタイヤが堂々とハミ出していて、しかも軽自動車」だったり、「排気量を上げた高性能エンジンに載せ替えているにもかかわらず、軽自動車登録のまま売っている中古車」など軽自動車関連ではわかりやすいこともあり、指摘できることが多数ありますが、パっと見でわかりにくいだけで、登録車(小型車や普通車)でも多数あるはずです。

不思議に思った筆者は、違法改造車を売っている中古車店へ電話して確認したことがありますが、こちらが「その車、そのままだと違法改造ですよね?登録の時にちゃんと改造申請してくれますか?」と聞くと、「あ、マズイ人から電話来ちゃったな?」と、途端に態度が変わることも多々ありました。

もしかしてそれ、違法かも?という典型的なケース

先に説明したのは、「違法と知りつつバレなければよい、と堂々としているか、あまりに知識不足で、明確に違法なのを気づいていない」というケースでしたが、それとは別に誰でもついウッカリやってしまう可能性がある、「もしかしたら違法かも?」というケースもあります。

その典型的な例がヘッドライトで、実は「車によって黄色いヘッドライト(イエローバルブ)がOKな場合もあれば、ダメな場合もある」というケースです。

2006年(平成18年)1月1日付けで、その日以降に生産された車は保安基準で「前照灯(ヘッドライト)の灯光色は白」と定められている一方、2005年(平成17年)12月31日以前に生産された車は「白色または淡黄色」と定められており、同じ車でも生産時期で基準が異なります。

実際には車のどこかに工場からのラインオフ日(生産日)が書かれているわけではないため、登録時期がある程度の目安になるかと思いますが、それも外観からはわからないため、黄色いヘッドライトの車に乗っていたら警察に止められ、「違法改造だ!」と詰められたケースもあるようです。

問題はそこでドライバーなり同乗者なりに保安基準の知識があるかどうかで、2005年以前の車に乗っていて保安基準も知っていれば、「ちゃんと確認してください」と言えます(実際、車検ラインの検査員がプライベートな時間にこの種の指摘を警察に受け、「保安基準についてジックリ指導した」というケースもありました)。

しかし、実際は2006年1月1日以降に生産された車に乗っていながら、問題ないだろうと黄色いヘッドライトにしてしまっていた場合で、これはもう「知りませんでした」では済まされず、キップを切られてしまうのも仕方ありません。

他にも「もしかして違法?」なケースは多々ありますが、警察も常時検査機材を持って移動しているわけではないため、見つかりやすい(そして警官も意外にわかっていない)ケースとしては、ヘッドライトの例がわかりやすいでしょう。

違法改造が発覚した場合のリスク

ところで違法改造が発覚した場合ですが、それが原因で検挙されてしまった場合は、
・制動装置等:違反点数2点および反則金6,000~12,000円(車の種類による)
・尾灯等:違反点数1点および反則金5,000~9,000円
・消音器不備:違反点数2点および反則金5,000~7,000円

とあり、違法改造とはまた別ですが、ブレーキランプの球切れひとつでも違反点数がついてしまい、もちろんゴールド免許は次回資格喪失、免許更新時の講習時間も料金も増え、任意保険のゴールド免許特約も受けることができません。

それでも、何でもない時に違法改造や整備不良だけ見つかるのはまだマシで、何か事故を起こした時に違法改造が発覚した場合、保険会社はまず間違いなく「違法改造車に保険金は払いません」という規則になっているため、保険会社から見放される可能性があります。

実際には保険会社もそこまで厳格に断るケースは少ないとも言われますが、違法改造車で事故を起こした場合、それも多額の保険金が必要になるケースほど、保険会社が違法改造車で起こした事故であることを盾に、保険金の支払いを拒否する可能性は高まると考えた方がよいでしょう。

つまり、損害額がせいぜい数万程度であれば、保険会社も目をつぶってくれるかもしれませんが、数千万、数億円までいくと保険金なしの自腹、その後の人生を棒に振るどころか、親族など周囲にまで多大な迷惑をかけることになります。

「見つからなければそれでよい」で済まされるものではないため、車の改造はあくまで保安基準など法律や、保険会社との取り決めの範囲内で安全に楽しみ、また改造を楽しむ人ほど日頃から保安基準についての知識をつけるようにしましょう。

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