コラム | 2020.06.29

R35 GT-RやセリカXX、LFA!最高速300km/h超えの日本車5選

Posted by 菅野 直人

スーパーカー世代を中心に、「最高速度300km/h」は自動車ファンにとって憧れであり、超高性能を表すひとつの目安でもあります。どちらかといえば大衆車メインで発展してきた日本車の市販量産車では21世紀に入ってから見えてきた「最高速度300km/h」の世界ですが、これまでに最高速300km/hを超えた日本車を、レーシングカーやチューニングカーまで含め5台ほど紹介します。

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1.幻の国産最速レーシングカー、トヨタ7ターボ

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国産市販車がようやく200km/hに達しようとしていた1970年、日本グランプリで日産と激しく競り合っていたトヨタのレーシングカー「トヨタ7」へ5リッターターボエンジンを搭載して公称最高出力800馬力、実測では850馬力とも1,000馬力とも言われる「トヨタ7ターボ」が登場します。

さすがは最終的に当時のポルシェへ対抗しようとしたレーシングターボというべきか、テストでの最高速度は363km/hに達したと言われますが、同年の日本グランプリは日産の撤退で中止され、アメリカのCan-Amシリーズへ舞台を移して活躍するはずでしたが、テストドライブ中だった川合 稔氏の事故死で計画は中止され、実際のレースで日の目を見ることはありませんでした。

2.国産市販改造車初の300km/hオーバー!トヨタ・セリカXX(2代目)

国産の市販車を限界までチューニングした速度記録へのチャレンジはそれこそ国産車の黎明期から、特に戦後になって立派なテストコースが完成すると盛んに行われていましたが、厳しい排ガス規制対策などが一段落し、国産スポーツの性能が飛躍的に向上し始めた1980年頃になると、いよいよ最高速300km/hが見えてきました。

国産車で初めてその壁を超える記録を出したのは1983年12月19日、2代目トヨタ・セリカXX(A60系)をフルチューンしたHKSの「M300」で、2.8リッターDOHC2バルブの5M-GEUをベースに2,892ccへボアアップするとともに、EFIではなくソレックスキャブ化、ギャレットT04Bタービンでブースト1.2k時に600馬力を叩き出すエンジンを搭載しました。

その猛烈なパワーで谷田部(日本自動車研究所・旧テストコース)にて301.25km/hを叩き出し、これを境に「国産車でも300km/hオーバーは可能!」と次々にさまざまなチューニングカーが300km/hオーバーの世界へ飛び込んでいったのです。

3.公道走行可能なノーマル国産車では初?の300km/hオーバー。NISMO 400R

(写真はベースのBCNR33)

レーシングカーはもちろん、チューニングカーなら国産市販車でも300km/hオーバーが可能になってからも、ショールームスペック、すなわち販売されたそのままの状態で300km/hオーバーが可能な車というのは、なかなか登場しませんでした。

何しろ1989年にBNR32スカイラインGT-RやZ32フェアレディZが300馬力級エンジンを引っさげ登場するも、当時の運輸省(現在の国土交通省)からの圧力もあって、日本自動車工業会の加入メーカーが最高出力280馬力の自主規制時代に入ったからです。

実際はカタログスペックとして280馬力を下回らなければよく、実測では300馬力以上出ていたとも言われていますが(これは軽自動車の64馬力規制も同様)、とはいえあまり露骨に自主規制値以上のエンジンを載せるわけにもいきません。

しかし、「それなら日本自動車工業会のメーカーが出さなければいい話」とばかりに、チューニングカー扱いでNISMOから1995年に発売されたのがBCNR33スカイラインGT-Rベースの「NISMO 400R」で、その名の通り公称最高出力400馬力にチューニングされたRB26DETT改2.8リッター「RB-X GT2」エンジンを搭載しました。

最高速度は250km/hでリミッターが作動するも、解除すれば最高速は300km/hとも200mph(約322km/h)とも言われています。

4.ついに真っ当な?国産市販車初の300km/hオーバー、日産R35 GT-R

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NISMO 400Rは日産ワークス、事実上は日産そのものとはいえ真っ当に自動車メーカーが送り出した市販車とは言い難いものがあり、1,200万円と高価だったこともあり限定99台に対して44台とも55台とも言われる生産台数に終わりました。

では「普通に量産された国産市販車」では何が最初に300km/hオーバーだったかといえば、2007年に発売された日産R35 GT-Rがメーカー公称309km/hをうたい、ついに日本車初の300km/hオーバーとなったのです。

280馬力自主規制が2004年に撤廃されたことで堂々と300馬力オーバーの車を販売できるようになった日本ですが、それまでさんざんチューニングカーで公道も走れる300km/hオーバー車が存在し、漫画「湾岸ミッドナイト」などフィクションとはいえ公道300km/hバトルも当たり前でしたから、もはやR35が登場しても驚かれはしません。

とはいえ300km/hという数値がひとつの憧れだったことは確かで、今から考えると激安の777万円から販売されていたGT-Rがスーパーカーと呼ばれたり、いやそんなに安くてスーパーカーはないだろうと言われたりもしました。

5.市販日本車最高速はレクサスLFAの325km/h

R35 GT-R以降も同GT-R NISMOが315km/h、ホンダNSX(2代目)が307km/hと公称最高速度300km/hオーバーの日本車が次々と登場しましたが、2020年5月時点での公称最速車は2010年から2012年まで限定500台が販売された、レクサス・LFAです。

560馬力を発揮するヤマハのV10・DOHC4.8リッターエンジン「1LR-GUE」をフロントミッドに搭載、新車価格3,750万円という正真正銘のスーパーカーで、CFRPなど軽量素材を多用して車重を1,480kgに抑え、空力にも最大限配慮されたデザインにより最高速度は325km/hでした!

その後に登場した2代目NSXが国産ハイブリッド最速とはいえGT-Rにも及ばなかったことで(そもそもアメリカで作っているNSXを国産車と言ってよいのか疑問ですが)、現在もLFAが国産最速を保持しており、現状ではそれを超えそうな最速マシンが国産車メーカー、あるいは日本国内のバックヤードビルダーなどで開発されているような具体的な話は皆無です。

国産車がようやく300km/hに達した頃、世界では数千万円どころか数億円単位で販売されているようなハイパーカーも含め400km/h台の最高速競争が当たり前になってしまいましたが、むやみに市販車で最高速を競うだけが自動車ではありませんし、「安定した速さ」を誇るほうが日本車らしくていいのかもしれません。