引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BBRX-7

旧車・絶版車購入ガイド | 2019.11.26

熱狂的なファンに愛される大人気スポーツカーRX-7、中古車を買うならどのグレードがおすすめか?

Posted by 菅野 直人

“マツダ・ロータリー・ロケット”の定番中の定番であり、もっとも長く生産・販売されて愛されたロータリーエンジン車、マツダ・RX-7。2002年に3代目FD3S型が販売終了するまで、多くの熱狂的なファンに愛され、2010年代が終わろうとする今でさえ復活を望む声が多い、この傑作の中古車相場やオススメのグレードなどを紹介します。

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以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

マツダ・RX-7とは

1970年代、世界で初めて2ローター式ロータリーエンジンの実用化と量販化に成功、小排気量・小型軽量ながら高出力を発揮する「未来を目指す夢のエンジン」として世界中から賞賛されたマツダ。しかし、オイルショックによる原油高でガソリン価格が高騰すると、アメリカンV8エンジンにすら劣る燃費劣悪車として、一気にその評判を落とし、マツダ自体が存亡の危機に陥る事態となりました。

そんな状況を打破するとともに、絶賛から一転、酷評され続けたロータリーエンジンの復権をも目指して1978年に発売されたのが、SA22型・初代サバンナRX-7でした。コンパクトなスポーティセダン/クーペだったサバンナの後継車ながら、ロータリーモデルらしくエンジンを可能なかぎり低く後方に搭載したフロントミドシップレイアウトと、リトラクタブルヘッドライトを持つシャープなデザインのスポーツクーペは大ヒット!

「赤いファミリア」こと初代FFファミリア(1980年発売)とともに、イメージダウンによる悪影響ゆえクルマが売れず崩壊寸前だったマツダの救世主となり、人々にロータリースポーツの素晴らしさをあらためて強く印象づけたのはご存じの通り。2代目FC3S型サバンナRX-7/FC3CサバンナRX-7カブリオレ、3代目FD3S型RX-7と3代24年にわたって長く販売され続けました。

RX-7は、ロータリーにこだわり続けたマツダにおいて最後のロータリーターボ車(後継のRX-8は自然吸気ロータリーエンジン)であり、2002年に3代目FD3S型が生産終了されてから現在に至るまで、新たな後継車の登場が望まれている歴史的な名車といっても過言ではありません。

RX-7の中古車相場

大手中古車検索サイトによると、2019年11月現在のサバンナRX-7(初代、2代目)/RX-7(3代目)の中古車相場は以下の通りです。

初代SA22C型サバンナRX-7(販売期間1978年~1985年) 100万円~264万円・その他ASK(価格応談)5台
2代目FC3S型サバンナRX-7(販売期間1985年~1991年) 98万円~459.9万円・その他ASK1台
2代目FC3C型サバンナRX-7カブリオレ(販売期間1987年~1992年) 49万円~238万円・その他ASK1台
3代目FD3S型アンフィニRX-7/RX-7(販売期間1991年~2002年) 98万円~698万円・その他ASK8台

絶版の人気スポーツカーのためワンオーナー車やフルノーマル車はもちろん、改造が施されたチューンドカーも高値安定傾向。安いタマもありますが絶版部品も多いので、維持するためには整備や修理を依頼できるショップが身近にあったり、自力で整備可能だったりする場合をのぞいては、安易に手を出さないほうが良いでしょう。

数多く量販される実用車と異なり、ロータリーエンジンはじめ専用部品が多い特殊なスポーツカーであることや、絶対的な販売台数が少ないため中古部品やリビルトパーツはごくわずか。同じマツダ車でも初代NA型ロードスターのように純正レストア事業による廃盤純正部品の再供給がないことにも注意が必要で、とりわけ中古車の流通台数が少ない2代目までは「昭和時代の旧車」を維持する覚悟も必要です。

とはいえ、3代目FD3Sについては中古流通台数も多く、現在のモータースポーツでも通用する高い戦闘力を保持するなど、単なるコレクションとしてだけではなく、実用に供するクルマとして所有に値する魅力は十分にあります。

RX-7のオススメグレード!もっとも新しい3代目なら1999年以降の5型(タイプRB除く)

長い歴史をもつRX-7だけに、初代・2代目は選ぼうにも流通台数が少なく、選択肢はないとみてまず間違いナシ。ですが、2019年11月現在でも200台以上が流通する3代目はそれなりに各グレードから選ぶ余地があります。そのなかでもオススメなのは、1999年1月の改良で通称「5型」と言われる、13B型ロータリーターボエンジンが280馬力に達した以降のモデル。

従来からの265馬力(4AT車は255馬力)に留まる「タイプRB」および「タイプRB Sパッケージ」をのぞく、「タイプR」「タイプRS」、2000年10月に通称「6型」となってから追加された「タイプRZ」「タイプRバサーストR」「タイプRバサースト」「スピリットRタイプB」「スピリットRタイプC」が280馬力・5速MT仕様で、タイプRZとスピリットRタイプCが2シーター、ほかは4シーター仕様(2+2シート)です。

ただし、それはあくまでノーマル車での話であり、新車販売当時から改造を受けることが多かったRX-7においては初期の車両でも後に馬力向上したエンジンへ載せ替えたり、チューニングでノーマルを大きく上回る大出力仕様となっていたり。また、外観が社外パーツで大きく変わっているクルマも数多く、実際には購入の際に1台1台、具体的な状態やそれまでの整備・改造履歴を丹念に確認する必要があります。

もし、最初からチューニングカーが欲しいのであれば、ノーマルに近い車を購入してイチから手をつけるより、最初からチューニングが施された個体を購入して必要な消耗品を交換するなど、徹底的に整備する方が得策といえるかも知れません。

RX-7の中古車選びの注意点

すでに何度か書いているように、RX-7は初代から3代目まで一貫してロータリーエンジンを搭載したリアハッチつき2ドアスポーツクーペ(2代目カブリオレのみ2ドアオープンスポーツ)であり、専用部品が多用された特殊なクルマであるため、純正部品の供給は旧くなるほど難しく、目につかないところであればともかく、目につく内外装部品の欠落や破損を気にするようならば、なるべく現車をじっくり隅々まで確認することが肝心です。

また、見た目でわかるかどうかに関わらず何らかの改造を受けた車も多いため、車高や排ガス、内外装の突起など車検が通る状態かどうかの確認も必要ですから、車検が残っているからと安易に購入すると、そのままでは車検が通らなかった、などと泣きをみる可能性も。

さらに、簡単な構造で分解整備も楽だと言われるロータリーエンジンながら、酷使されたり生産時からハズレのエンジンだったりした場合は、圧縮不足で十分に馬力やトルクが出ないといった問題が考えられるため、それなりの知識も求められます。

中古車購入以前に「多少のトラブルなら解決できるノウハウを自分で持っているか、持っているショップと付き合いがある」こと、そうでないなら新たに付き合いをお願いしないかぎり、そもそも購入じたいを控えた方が良い類の特殊なスポーツカーだ、ということはキモに銘じておいてください。

RX-7の中古車の維持費目安

クルマの維持費はRX-7のような特殊な車であっても整備さえキチンとしていればそうは変わらず。故障でも起きないかぎり、必要経費として考えればいいのは駐車場代、タイヤやオイルといった消耗品代、ガソリン代に車検代と税金くらいです。

とはいえ、RX-7ならではの注意点はいくつかあり、自動車税は初代が搭載した12A(573cc×2ローター)にしろ、2代目と3代目が搭載した13B(654cc×2ローター)にしろ、ロータリの場合は「排気量×1.5倍」が課税される排気量扱いとなる「ロータリー換算」が存在するため、12Aなら「573×2×1.5=1,719cc」、13Bなら「654×2×1.5=1,962cc」、つまり1.5リッター以上2リッターのエンジンと同じ自動車税が請求されます。

さらに、もっとも新しい3代目FD3S型RX-7でも2002年の生産終了から17年以上経過していますから、新車登録から13年以上超過した車への15%が加算され、毎年の自動車税は代を問わず45,400円となります。

くわえて、燃費は3代目FD3S型でも10・15モード燃費でカタログ値7.0~8.1km/L、実燃費となると約4~7km/L台程度でしかありませんし、おまけにシーケンシャルツインターボのハイオク指定ですからハイオクガソリンしか給油できず、実燃費30km/L超えもある現在のエコカーからすれば、同じ距離を走っても数倍のガソリン代がかかります。

2019年11月現在のハイオクガソリンの平均価格が約153円程度なので、仮に280馬力仕様の5速MT車(最良でも実燃費7km/L程度)で月に1,000km走るだけでも、ガソリン代は約2万2千円程度。年間維持費は自動車税とガソリン代だけで約31万円!!

破損や故障での出費も社外品や特注品が用いられていればバカにならず、さらには希少価値も出てきた人気スポーツカーゆえにセキュリティや保険にも気を使う必要が。RX-7を中古車で購入するならば、それなりの収入があるか、収入のかなりの割合を維持費が占めるものと考えた方がよさそうです。とはいえ、永遠に語り継がれるであろう名車、RX-7。クルマ好きなら誰もが一度は憧れて当然、購入を検討してみる価値は大アリといえるでしょう。

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