買取相場 | 2023.01.16
レクサス屈指の動力性能を持つラグジュアリークーペ「レクサス RC」買取相場の評価は?
Posted by 菅野 直人
名車ソアラの系譜を受け継ぐレクサスSCの、さらに後継として2014年に登場したFRスポーツクーペ、レクサスRC。 SUV全盛期に生まれたスポーツクーペゆえ、ISやGS、LSといったセダンより、見かける機会はさらに少なく、5リッターV8エンジンを搭載する「RC F」もあるとはいえ、話題になることはあまりないためか、発売から8年以上経っても後継車の話は出てきません。 世界的にはともかく、日本での需要はさほどでもなさそうなRCですが、買取市場ではどのような評価を受けているでしょうか。特別な「RC F」を除く、通常のRCについて紹介します。
以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください
SUMMARY
レクサスRCの中古車市場での人気について
2022年12月現在、大手中古車情報サイトにおけるレクサスRCの流通台数と車両本体価格の相場を見ると、以下のようになっています(RC Fは除く)。
新車価格 | 521万~747.7万円 |
【中古車流通台数と車両本体価格】
176台・228.6万~714万円
このうち129台が、各グレードの「F SPORT」となっており、ラグジュアリー性の高い「バージョンL」や、カスタムベースとして最適そうなベースモデル(無印)は少なく、ユーザーの人気もF SPORTが多数派とわかります。
さらに「F SPORT」の中でも多数派が75台の「RC300h F SPORT」で、快適性と走行性能、経済性まで考慮すると、システム最高出力こそ220馬力に留まるものの、WLTCモード燃費17.8km/L、JC08モード燃費23.2km/Lを叩き出す2.5Lハイブリッド車がRCの中心です。
つまりは、「趣味車」としての価値はそれほどでもない、あるいは趣味性を重視するユーザーであれば、5リッターV8のRC Fにその役割を求めるわけで、そうなると2ドアスポーツクーペとしての存在感は、少々どころでなく希薄と言えます。
プレミア価格がついているわけでもないため、手頃な価格でレクサスのスポーツクーペに乗りたいというユーザー(がいたとして)には、案外穴場的なクルマではないでしょうか。
買取査定額が期待できるレクサスRCのグレード
もちろん買取査定でも当然のように、「F SPORT」がRCの中では比較的高額査定ですが、中古車販売価格の相場とは少し事情が異なり、自動車税が安い2リッターターボの「RC200t/RC300」が、新車価格に占める平均残価率でも、単純な買取価格でもかなりよい条件が提示されています。
需要と供給のバランスが取れていないように感じるものの、あるいはRC300hのユーザーが、その低燃費と優れた走行性能を活かし、長距離高速ツアラー的な使い方で走行距離を伸ばし、結果的に低走行のRC200t/RC300の残価値が上回っているのかもしれません。
買取査定額が期待できるレクサスRCのカラー
ボディカラーについては、パール(白)、ブラック、グレーといった、日本では目立たない定番色に高価買取傾向があり、赤なども程度が良ければ一応は上位に来るあたりで、かろうじてスポーツクーペらしさを保っています。
【1年落ち2021年式レクサスRCの目安査定額】
1年落ち2021年式レクサスRCは、2014年9月より販売されているレクサスRCの現行型(初代)で、2020年9月の一部改良で主にフィーリング面からRC300とRC300hの走行性能を改善し、安全装備も充実、同10月には各グレードの標準車へ特別仕様車「エモーショナルアッシュ」を追加したモデルです。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年12月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
RC300 | 新車635万円に対し、買取実績なし |
RC300 エモーショナルアッシュ | 新車712万円に対し、買取価格493万円程度 |
RC300 virsion L | 新車688万円に対し、買取実績なし |
RC300 F SPORT | 新車693万円に対し、買取価格449万円程度 |
RC300h | 新車684万円に対し、買取実績なし |
RC300h エモーショナルアッシュ | 新車761万円に対し、買取実績なし |
RC300h virsion L | 新車737万円に対し、買取実績なし |
RC300h F SPORT | 新車743万円に対し、買取価格403万円程度 |
RC350 | 新車724万円に対し、買取実績なし |
RC350 エモーショナルアッシュ | 新車823万円に対し、買取実績なし |
RC350 virsion L | 新車777万円に対し、買取実績なし |
RC350 F SPORT | 新車804万円に対し、買取価格452万円程度 |
平均買取価格 | 449万円程度・平均残価率61%程度 |
【2年落ち2020年式レクサスRCの目安査定額】
2年落ち2020年式レクサスRCは、2014年9月より販売されているレクサスRCの現行型(初代)で、2019年に消費税増税(8%→10%)に伴う価格改定と、マルチメディアシステムを改良したモデルです。
2020年9月の改良でRC300が2リッターターボエンジンの最高出力発生回転域を拡大して加速フィール向上、RC300hがアクセル操作に対するレスポンス改善など、フィーリング面からの走行性能改善と、電動パーキングブレーキやレダークルーズコントロールなど安全装備の全車標準設定を拡大しました。
また、2020年10月には各グレードの標準車へ、スピンドルグリルやアルミホイール、ドアミラー、マフラーカッターなど光沢のあるブラックでまとめ、エレガントな内装を与えた特別仕様車、「エモーショナルアッシュ」を設定。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年12月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
RC300 | 新車630万円に対し、買取実績なし |
RC300 エモーショナルアッシュ | 新車712万円に対し、買取実績なし |
RC300 virsion L | 新車683万円に対し、買取実績なし |
RC300 F SPORT | 新車688万円に対し、買取価格408万円程度 |
RC300h | 新車679万円に対し、買取実績なし |
RC300h エモーショナルアッシュ | 新車761万円に対し、買取実績なし |
RC300h virsion L | 新車732万円に対し、買取実績なし |
RC300h F SPORT | 新車738万円に対し、買取価格446万円程度 |
RC350 | 新車719万円に対し、買取実績なし |
RC350 エモーショナルアッシュ | 新車823万円に対し、買取実績なし |
RC350 virsion L | 新車772万円に対し、買取価格359万円程度 |
RC350 F SPORT | 新車804万円に対し、買取価格440万円程度 |
平均買取価格 | 413万円程度・平均残価率55%程度 |
【3年落ち2019年式レクサスRCの目安査定額】
3年落ち2019年式レクサスRCは、2014年9月より販売されているレクサスRCの現行型(初代)で、2018年10月のマイナーチェンジで空力性能や見た目のインパクトや上質さを向上させる内外装変更、サスペンションセッティング変更やエンジンのレスポンスアップなどの改良が行われたモデルです。
2019年10月には消費税増税(8%→10%)に伴う価格改定と、SmartDeviceLink、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応させるマルチメディアシステムの改良が行われています。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年12月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
RC300 | 新車618万円に対し、買取実績なし |
RC300 virsion L | 新車673万円に対し、買取実績なし |
RC300 F SPORT | 新車676万円に対し、買取価格413万円程度 |
RC300h | 新車667万円に対し、買取価格347万円程度 |
RC300h virsion L | 新車719万円に対し、買取価格383万円程度 |
RC300h F SPORT | 新車725万円に対し、買取価格399万円程度 |
RC350 | 新車707万円に対し、買取実績なし |
RC350 virsion L | 新車759万円に対し、買取実績なし |
RC350 F SPORT | 新車786万円に対し、買取価格418万円程度 |
平均買取価格 | 392万円程度・平均残価率55%程度 |
【4年落ち2018年式レクサスRCの目安査定額】
4年落ち2018年式レクサスRCは、2014年9月より販売されているレクサスRCの現行型(初代)で、2017年11月の改良でRC200t系のグレード名を「RC300」系へ変更、RC350系のエンジンを更新したほか、安全装備なども充実させたモデルです。
2018年2月に各グレードの「F SPORT」をベースに、ブラックでトータルコーディネートした外観を与えた特別仕様車「F SPORTプライムブラック」を追加、同10月には空力性能の改善を中心に外観デザインを変更、内装の質感も高め、サスペンションセッティングの変更やRC300の2リッターターボエンジンのレスポンスも改善するマイナーチェンジを受けています。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年12月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
RC300 | 新車597万円に対し、買取実績なし |
RC300 F SPORT | 新車660万円に対し、買取価格311万円程度 |
RC300 F SPORT プライムブラック | 新車671万円に対し、買取価格335万円程度 |
RC300 virsion L | 新車661万円に対し、買取実績なし |
RC300h | 新車646万円に対し、買取実績なし |
RC300h F SPORT | 新車708万円に対し、買取価格352万円程度 |
RC300h F SPORT プライムブラック | 新車719万円に対し、買取価格282万円程度 |
RC300h virsion L | 新車707万円に対し、買取価格291万円程度 |
RC350 | 新車685万円に対し、買取価格325万円程度 |
RC350 F SPORT | 新車759万円に対し、買取価格282万円程度 |
RC350 F SPORT プライムブラック | 新車779万円に対し、買取実績なし |
RC350 virsion L | 新車755万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 311万円程度・平均残価率45%程度 |
【5年落ち2017年式レクサスRCの目安査定額】
5年落ち2017年式レクサスRCは、2014年9月より販売されているレクサスRCの現行型(初代)で、2016年8月に18/19インチアルミホイールや、F SPORT以外のフロントグリルのカラーを変更、RC350にもRC200t/RC300のフロントパフォーマンスダンパーを標準装備したモデルです。
2017年11月には、2リッターターボ車RC200tのグレード名を、3リッター自然吸気エンジン車に相当する動力性能という意味になる「RC300」へ変更、RC350のエンジンも新型へ更新したほか、安全運転支援機能の強化、ドライブモードへドライバーの好みに応じて、さまざまな制御の組み合わせを設定可能な「CUSTOM」モードを追加しています。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年12月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
RC200t / RC300 | 新車578万円に対し、買取実績なし |
RC200t / RC300 F SPORT | 新車646万円に対し、買取価格253万円程度 |
RC200t / RC300 virsion L | 新車648万円に対し、買取実績なし |
RC300h | 新車626万円に対し、買取実績なし |
RC300h F SPORT | 新車695万円に対し、買取価格299万円程度 |
RC300h virsion L | 新車697万円に対し、買取価格240万円程度 |
RC350 | 新車664万円に対し、買取実績なし |
RC350 F SPORT | 新車735万円に対し、買取実績なし |
RC350 virsion L | 新車754万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 264万円程度・平均残価率39%程度 |
【6年落ち2016年式レクサスRCの目安査定額】
6年落ち2016年式レクサスRCは、2014年9月より販売されているレクサスRCの現行型(初代)で、2015年10月に2リッターターボ車の「RC200t」系グレードを追加したモデルです。
2016年8月には、18/19インチアルミホイールや、F SPORT以外のフロントグリルのカラーを変更し、RC200t/RC300をRC350にも標準装備するなどの改良を受けました。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年12月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
RC200t | 新車573万円に対し、買取実績なし |
RC200t F SPORT | 新車641万円に対し、買取価格242万円程度 |
RC200t virsion L | 新車644万円に対し、買取実績なし |
RC300h | 新車622万円に対し、買取価格181万円程度 |
RC300h F SPORT | 新車690万円に対し、買取価格297万円程度 |
RC300h virsion L | 新車692万円に対し、買取価格276万円程度 |
RC350 | 新車657万円に対し、買取価格207万円程度 |
RC350 F SPORT | 新車728万円に対し、買取実績なし |
RC350 virsion L | 新車747万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 241万円程度・平均残価率36%程度 |
【7年落ち2015年式レクサスRCの目安査定額】
7年落ち2015年式レクサスRCは、2014年9月より販売されているレクサスRCの現行型(初代)。
2015年10月に、排気量は小さいものの、低回転から大トルクを発生する2リッターターボエンジンを8速ATと組み合わせて搭載、フロントパフォーマンスダンパーの標準装備や、F SPORTグレードにはトルセンLSD、専用オレンジブレーキキャリパーなどをオプション設定し、本格的なスポーツ走行を可能にした新グレード、「RC200t」(後のRC300)を追加しています。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年12月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
RC200t | 新車573万円に対し、買取価格213万円程度 |
RC200t F SPORT | 新車641万円に対し、買取価格206万円程度 |
RC200t virsion L | 新車644万円に対し、買取実績なし |
RC300h | 新車622万円に対し、買取価格198万円程度 |
RC300h F SPORT | 新車690万円に対し、買取価格266万円程度 |
RC300h virsion L | 新車692万円に対し、買取価格198万円程度 |
RC350 | 新車656万円に対し、買取実績なし |
RC350 F SPORT | 新車726万円に対し、買取価格256万円程度 |
RC350 virsion L | 新車746万円に対し、買取実績なし |
平均買取価格 | 223万円程度・平均残価率34%程度 |
【8年落ち2014年式レクサスRCの目安査定額】
8年落ち2014年式レクサスRCは、2014年9月より販売されているレクサスRCの現行型(初代)。
大型のスピンドルグリルのため、ISやGSといったスポーツセダンの2ドア版という印象を受けるものの、大きく盛り上がったフロントフェンダーなど、ワイド&ローのダイナミックな造形でまとめたという、2010年に廃止したSC430以来4年ぶりとなるレクサスの新型スポーツクーペです。
当初のラインナップは2.5リッター直4ハイブリッド搭載車「RC300h」と、3.5リッターV6自然吸気エンジン搭載車「RC350」の2種類で、それぞれに標準車、ラグジュアリーグレードの「バージョンL」、スポーティグレードの「F SPORT」を設定しました。「オプション込みでおおよその新車価格」と2022年12月現在での平均買取相場は、以下のようになっています。
RC300h | 新車622万円に対し、買取価格198万円程度 |
RC300h F SPORT | 新車690万円に対し、買取価格315万円程度 |
RC300h virsion L | 新車692万円に対し、買取実績なし |
RC350 | 新車656万円に対し、買取実績なし |
RC350 F SPORT | 新車726万円に対し、買取価格256万円程度 |
RC350 virsion L | 新車746万円に対し、買取価格254万円程度 |
平均買取価格 | 256万円程度・平均残価率37%程度 |
レクサスRCの残価率・リセールバリューは?
MTの設定がなく、スポーツクーペというよりラグジュアリーGT的なRCですが、1年落ちで61%、2〜3年落ちで55%と、高年式車の平均残価率(新車価格に占める買取価格の平均相場)は意外にも高めです。
ただし初回車検を迎える3年落ちまでの話で、4年落ちより古いと急激に平均残価率は下落していき、6年落ちの2016年式以前は、34〜37%程度になってしまいます。
それでも「レクサスとしては貴重な、現実的な価格で購入できる2ドアクーペ」のためか、下げ止まっている印象はあり、現在の電動化推進、BEV化という世界的な自動車の変動期にあって、一代限りでモデル廃止となった場合など、代わるクルマがないということになるため、低走行・程度良好・「F SPORT」グレードと三拍子揃った場合、価値が上がるかもしれません。
仮に売却を検討している場合、今後モデルが存続か廃止かという方針が定まってから決めた方が、高価買取を狙える可能性は高まると思われます。