コラム | 2020.09.01

今さら聞けない!ニスモとオーテックの違いとは?

Posted by 菅野 直人

日産で販売している車の中には「NISMO」の名がつくスポーティモデルや、「AUTECH(オーテック)」の名がつく、あるいはオーテック扱いの特別仕様車や福祉用途などの特装車が存在しています。また、どちらのブランド名でも、チューニングやドレスアップされたスポーティグレードが存在したりと、ユーザーにとっては若干違いがわかりにくい状況です。今回は、この日産純正カスタム2大ブランドの違いを紹介します。

最新売却前に見たい、編集部一押し!一括査定サイトまとめ

以下の文中の買取査定額は、投稿日時点での目安になります。実際の査定額については相場状況や車両の状態によって大きく変動しますので、あくまで参考金額としてご覧ください

レーシングイメージが濃い「NISMO」ブランド

現在でもGT-RやフェアレディZ、ノート、マーチへ、白いボディに赤いラインをアクセントとしたイメージカラーが特徴の「NISMO」グレードが存在する「NISMO(ニスモ)」とは、「ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(Nissan Motorsports International)」の略です。

元々は、ツーリングカーレース用マシン製作や、アマチュアレーサーからの相談窓口、スポーツパーツ販売などを担当していた日産の「大森ワークス」を母体としており、グランプリレースなど大レースを舞台としていた「追浜ワークス」に比べれば、やや格落ち感はあったものの、より一般ドライバーに近いところで仕事をしているワークスという存在でした。

1970年代のオイルショックで、ほとんどのメーカーワークスチームがレースから撤退する中、それまで余技と言えたアマチュアレーサー向けパーツ開発/販売がむしろ盛んとなり、1984年に日産車ベースのカスタマイズカー販売や、オーダーメイドに応える部門「NISMO」として独立しました。

それ以降は、メジャーレースにも参戦して「NISMO」の名を轟かせるようになり、モータースポーツにおける「日産の顔」とも言える存在へと成長しています。

ただし、市販車で「NISMO」の名を前面に押し出すようになった歴史は意外と浅く、2013年に親会社の日産との協業を拡大する「ニスモ・ブランド拡大戦略」を発表して以降の話で、それまでも「バージョン・ニスモ」など「NISMO仕様」といえるグレードはありましたが、グレード名そのものを「NISMO」として、日産ラインナップの中でもレーシングイメージが大きいスポーツグレードの代名詞となりました。

昔も今も日産の特装車を手掛ける「AUTECH」ブランド、プレミアムイメージで拡大

日産純正2大カスタマイズブランドのもう一方、「AUTECH(オーテック)」も現在の形になったのは、2017年11月、スポーティサブブランド「AUTECH」を「NISMO」とともに2本立てで展開していくことを決めてからで、現在はノートやセレナなどに「AUTECH」グレードが設定されています。

ただし、ブランドの元ネタである「オーテック・ジャパン」もまた1986年に設立されて30年以上と、NISMOとさほど変わらぬ歴史を持つ日産のカスタマイズ系子会社で、最初に手掛けたカスタムカーは、1988年のS13シルビアコンバーチブルと、R31スカイラインGTSオーテックバージョンからでした。

レースなど、モータースポーツへの参戦でスポーツテクノロジーを蓄積してきたNISMOとは異なり、スポーティなチューニングやドレスアップに限らず福祉用途向けの特装車、あるいはパラメディックなど救急車、小型トラックや1BOX商用車の各種特装車、ストレッチリムジンなど、「カタログモデル以外は何でもお任せ」的なフットワークの軽さが売りです。

レースへの参戦で日産のスポーツイメージ拡大に貢献してきたNISMOとは別に、一般向け少量多車種開発/生産に向いた設備を持っていることから、NISMOより古くから一般ユーザー向けのカスタマイズを得意としており、オーテックジャパン扱いの特別仕様車から「ステルビオ」など独自車種の開発まで手掛けてきました。

ただし近年では、日産車全体の国内販売縮小、それに伴う特別仕様車や特装車の受注減もあって、オーテックジャパンの先行きも厳しくなっており、2017年に改めてNISMOと並ぶ「AUTECH」ブランドが設立されたのは、経営が苦しいオーテックジャパン救済も目的としている、という見方もあります。

レーシーな「NISMO」、プレミアムスポーツの「AUTECH」、2つのブランドの扱い

https://www.autech.co.jp

白地に赤ラインの「NISMO」、ブルー基調の「AUTECH」とイメージカラーも分かれる2大ブランドですが、前者はレースシーンをそのまま市販車に取り込んだようなレーシーさ、後者はより日常的なシーンで高品質とスポーティさを強調した内外装を持つプレミアムスポーツと、そのイメージは大きく異なります。

一番違うのは、サーキットに行けば「NISMO」の名がつくレーシングカーが走っているのに対し、「AUTECH」の名がつくレーシングカーなどない点で、とにかく走りを極めた車が欲しい人はNISMO、より高級なスポーツイメージが欲しい人はAUTECHと分けられます。

ただし、実際には市販されている「NISMO」グレード車は、オーテックジャパンのNISMO部門が開発・生産を手掛けているため、レーシングカーを除けば実際にはオーテックがほぼ全てのカスタマイズグレード/特別仕様車を手掛けていると言ってよいほどです。

そう考えると、両者の違いはそのブランドイメージくらいなもので、現状は「NISMO」ブランドに欠けているプレミアムイメージを「AUTECH」が補っていると考えた方が良さそうです。

ならば、メルセデスAMGやBMW Mのように、「NISMO」にもプレミアムイメージを与えて統一した方が良いのでは、と思うかもしれません。

しかし、エルグランドやセレナのようなミニバン、あるいは軽自動車の場合は、プレミアムスポーツ路線の「AUTECH」の方が向いており、「NISMO」はレーシーなイメージが強すぎると考えれば、「AUTECH」ブランドの方があらゆる日産車へ適用可能で、今後の車種拡大も有望なのでしょう。

↓合わせて読みたい↓

こんな車が今あれば?!ディーラーでも購入できた90’s純正カスタムスポーツセダン3選

よく聞く「ワークス」チューニングとは?どんな特徴がある?

R35 GT-RやセリカXX、LFA!最高速300km/h超えの日本車5選